2262.ハルマゲドンへ



先週に続き、イラン・イスラム圏と欧米圏の紛争が拡大している。
その様相を見よう。           Fより

イランの核開発を止めようとして、イスラエル国防長官が3月にイ
ランの核施設を攻撃すると宣言している。イランはこれに対して、
ドイツでのユダヤ人大虐殺であるホロコーストはなかったし、戦後
中東にイスラエルを作ったのは迷惑で、イスラエルは中東以外のヨ
ーロッパに作り、現イスラエルの地をパレスチナ人に返すべきであ
ると宣言している。

当初はアハマディネジャド大統領が単独で言っているだけであった
が、風刺漫画が出てイランの最高指導者ハメネイ師も同様な発言に
なり、大統領を止めることがイラン国内ではできなくなっている。

このように、ユダヤ人を支持する欧米・イスラエルとイランの戦い
になっていたが、ここで事態が拡大する。核開発問題で始まったが
、デンマークの新聞にムハマンドの風刺漫画が出たことで、イスラ
ム教圏全体に反欧米デモが吹き荒れて、様相としてはキリスト教プ
ロテスタント&ローマ教会対イスラム教の対立になってきている。
ローマ法王は、トルコなどを訪問して、イスラム教との関係改善に
勤めるようであるが、難しい事態になっている。

この事態を政治的にも沈静化させようとして、EU外交担当のソラ
ナ氏が地中海・EU7ケ国の合同国防相会議を提唱して、イスラム
教との和解を志向し、マレーシアのアブドラ首相もイスラム世界と
西洋社会の関係をテーマとした会議で講演し「尊敬、互恵主義と平
等が2つの文明の幸福で調和のとれた関係のために不可欠だ」と言
っている。

しかし、ロシアはイランに最新鋭の対空ミサイルを供与して、イス
ラエル戦闘機かミサイルの攻撃に備えさせるようである。ロシアは
兵器産業の振興を推進しているが、石油のあるイランも重要な得意
先である。しかし、イランとロシアの関係は中央アジアでの両国の
影響力行使で対決する関係にもある。微妙な関係である。

このため、今までは、核開発についてはロシアでウラン濃縮する案
でロシアは米国と組んでイランを説得していた。この条件をイラン
は拒否している。イランには北朝鮮製の中距離ミサイルは既にあり
、核弾頭がないだけである。しかし、北朝鮮がイランに核技術を供
与した可能性もあり、またはウクライナから紛失した核弾頭を持っ
ている可能性もあり、まだこのあたりが分からない。勿論、1から
核開発すると10年以上の開発期間が必要であり、今、心配するこ
とはないが、米国・英国やイスラエルはそう思っていない。

ロシアはまた、ハマスをモスクワに招待して、ハマスとの協力を話
し合うという。キリスト教ロシア正教会は欧米社会に着くのか、イ
スラム社会に着くのか思案中なのかもしれないが、ロシアの動きは
非常に重要になっている。

プーチン大統領がイスラム圏に近づくと、当然米国との対決になり
、必然的に親米、反米の2大勢力に分離することになるし、ロシア
が米国に着くと、イスラム圏の孤立が確定して、ハルマゲドンまで
は行かなくなる。しかし、最後にゴク(ロシア)が欧米を裏切ると
聖書には記されている。勿論、そうなって欲しくないと私Fは思っ
ているが心配な事態になってきた。

もう1つ、聖書には日本軍が撤退した後にハルマゲドンが起こると
も記されている事を追記する。よって、有っても8月か9月以降な
のかなと見ている。

2255.ハルマゲドンへの道
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k8/180204.htm
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ロシアのハマス幹部招待、米「国際社会の要求伝達を」
(nikkei)
 【ワシントン=加藤秀央】米国務省のマコーマック報道官は9日の
会見で、ロシアのプーチン大統領がイスラム原理主義勢力ハマスの
幹部を招待したことについて「国際社会の要求を明確に伝えること
を期待する」と述べ、ハマスへの圧力を巡り米国との足並みを乱さ
ないよう注文をつけた。

 報道官は「ロシア側の真意を照会中だ」と述べたが、招待そのも
のへの批判は避けた。

 ロシアはパレスチナ評議会の選挙直後、米、欧州連合(EU)、
国連と共同で、ハマスにイスラエルの承認や武力放棄を要求する声
明を発表した。報道官は、プーチン大統領がハマス幹部と会談する
際に「この声明と同じ内容のメッセージを伝えてもらいたい」と述
べ、会談で武力放棄などを明確に要求するよう求めた。

 一方、ハマスが長期停戦を検討中とされることについて、ウェル
チ国務次官補(中東担当)は同日の会見で「テロに一時停止ボタン
はない」と述べ、停戦ではなくあくまで武力の完全放棄を要求する
と述べた。 (13:01) 
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NATOと地中海7カ国が合同国防相会議
(nikkei)
 【タオルミナ(イタリア)=下田敏】北大西洋条約機構(NATO
)は10日、中東や北アフリカの地中海7カ国と合同の国防相会議を開
いた。預言者ムハンマドの風刺画に反発するイスラム諸国との協力
を確認。アフガニスタンでの国際治安支援部隊の展開拡大をにらみ
、地中海諸国に事態沈静化への働きかけを求めた。

 NATOと地中海7カ国との国防相レベルでの合同会議は初めて。
地中海側はエジプトやヨルダン、チュニジアなどアラブ6カ国とイス
ラエルが参加した。合同会議でNATOのデホープスヘッフェル事
務総長は「時には困難な状況があるが、互いに対話を強化するとい
う強い意志を共有したい」と語った。

 NATOはアフガン支援部隊の活動を南部にも展開する計画だが
、現地ではイスラム教徒の激しい抗議デモで駐留部隊が襲われる事
件が起きている。このため、NATOは地中海諸国との対話を通じ
、治安維持への協力を要請した。 (07:00)
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イランに対空ミサイル供与へ=米・イスラエルの攻撃想定−ロシア

 【モスクワ9日時事】ロシア政府軍事技術対外協力委員会のドミ
トリエフ委員長は9日記者会見し、新型の短射程対空ミサイル「Tor−M1」
29基をイランに売却する契約が昨年12月5日に締結され、契約を履行
すると語った。契約額は7億ドル(約830億円)。近く提供が始まる
見通し。
 タス通信によれば、同ミサイルはテヘランのほか、ロシアの支援
で原発建設が行われている南部のブシェール、工業地帯のイスファ
ハンなどに配備されるという。イランは米、イスラエル両軍の攻撃
を想定し、購入を急いだもようだ。ミサイルはステルス戦闘機や巡
航ミサイルの迎撃能力を持つ。 
(時事通信) - 2月9日21時1分更新
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風刺漫画 欧米とイスラム圏の対立 「宗教・文化」で深化も

 【ロンドン=蔭山実】イスラム教の預言者、ムハンマドの風刺漫
画騒動は、単に表現の自由と宗教的タブーの相克という問題を超え
て、欧米とイスラム圏との宗教・文化対立の深化という極めて厄介
な事態に発展しかねず、国際社会が現在、直面する最大の危機の一
つになりつつある。
 ブッシュ米大統領は八日、「他の人々を思いやる責任」を説いて
風刺漫画を掲載した側を批判する一方、「自由なプレスに掲載され
たものに不満を表す手段として暴力は拒否する」と抗議行動にも自
制を求め、微妙なバランスの維持に腐心していることをにじませた。
 アナン国連事務総長も六日から八日にかけ、三回にわたって同様
趣旨の発言を重ね、抗議行動の沈静化を繰り返し訴えており、事態
の重大性に対する認識を示している。
 ティモシー・ガートン・アッシュ英オックスフォード大教授(欧
州史)は九日付の英紙、ガーディアンへの寄稿で、今回の騒ぎを「
決定的瞬間」とし、移民流入に伴う文化の対立状況を描き、解決策
は容易に見いだせないとの見解を表明した。
 欧州連合(EU)は、全体で約二千万人、人口比にならして5%
のイスラム教徒を擁している。
 二〇〇一年の米中枢同時テロから、〇四年のマドリード列車同時
爆破テロ、〇五年のロンドン地下鉄同時爆破テロなどを経て、欧州
では内に抱えたイスラム教徒に疑心暗鬼めいたものが生まれてきて
いるようにみえる。
 英メディアは、「(表現の)自由は生得の権利であり、自制は成
熟の尺度だ」(英紙、フィナンシャル・タイムズのコラムニスト、
マーチン・ウルフ氏)との考え方に代表されるように、一体に風刺
漫画の転載を見合わせ冷静に対応している。
 だが、デンマーク紙が問題の風刺漫画を掲載して騒ぎの引き金と
なったのも、ノルウェー紙やフランス各紙が表現の自由を前面に押
し出し相次ぎ転載に踏み切ったのも、背景には、イスラム教徒への
猜疑(さいぎ)心や自らの価値観が損なわれるとの懸念もあったよ
うにみえる。
 こうした空気の変化に移民側も当然、反発を強める。デンマーク
のイスラム教徒たちは同国駐在のイスラム諸国大使を通じて各国政
府を動かし、ついに、昨年十二月のイスラム諸国会議機構(OIC
)首脳会議が「一部の国のメディアによる預言者、ムハンマド冒涜
」を非難するとの声明を採択するに至った。
 こうなると、ただでさえ原理主義勢力や野党の批判にさらされる
中東諸国政府は風刺漫画掲載への国内の反発を抑えきれなくなり、
抗議行動も歯止めが効かなくなる。
 欧米社会とイスラム社会の断層が表面化し、埋まる気配がない中
で、穏健勢力が沈黙を強いられ、過激派がそれに乗じて活発化する。
米国が恐れるのはまさに、そうした事態だろう。
(産経新聞) - 2月11日3時20分更新
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10億のイスラム教徒侮辱 イラン最高指導者が非難 
  
 欧州の新聞がイスラム教預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載した
問題について、イランの最高指導者ハメネイ師は7日「欧米はイス
ラム教徒10億人に対する侮辱は許すが、ホロコースト(ユダヤ人
大量虐殺)神話を疑うことは認めない」と非難した。同師がこの問
題で欧米を強く非難する発言が伝えられたのは初めて。

 イランのアハマディネジャド大統領は昨年「イスラエル抹消」や
「ホロコースト神話」発言で、国際社会の非難を浴びたばかり。大
統領の上に立つ最高指導者が「ホロコースト神話」という刺激的な
言葉を使ってユダヤ人と比べたイスラム教徒への差別を指摘し、欧
米に反撃した形だ。

 ハメネイ師は1月のパレスチナ評議会選挙でのイスラム原理主義
組織ハマスの勝利に衝撃を受けた「シオニスト政権(イスラエル)
がイスラム教徒とキリスト教徒を対立させようとしている。注意が
必要だ」と語り、国民に過激な行動の抑制も暗に求めた。

 ロイター通信などによると、首都テヘランで7日、数十人の学生
がデンマーク大使館前で抗議行動を行い、石や発火物を投げ付けた
。学生らは「デンマークに死を」と叫び、うち約20人が塀を乗り
越えて敷地内に侵入したが、すぐに警察に排除されたという。

 イランでは、6日にも同大使館とオーストリア大使館に対し、石
や発火物を投げ付けるなどの抗議行動があったばかり。
(共同)(02/07 23:30)
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核開発続行ならイラン攻撃も…イスラエル国防相警告
 【エルサレム=佐藤秀憲】イスラエルのモファズ国防相は21日
、同国西部ヘルツリヤで開かれた会議で、イランの核問題について
、「イランの核武装は認められない。イスラエルは自国を防衛する
能力を維持しなければならず、その準備をしている」と言明、イラ
ンが核開発計画をやめなければ、軍事行動発動もあり得ると警告し
た。

 イスラエルは1981年、イラクのオシラク原子炉を空爆し、同
国の核開発計画を実力で阻止したことがある。国防相は「歴史を見
れば、ユダヤ人を抹殺しようとした者が破滅に行き着くことは明ら
かだ」と述べ、イラクの例を念頭に、イランに核計画の放棄を促し
た。

(2006年1月22日23時50分  読売新聞)

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