1927.米日同盟と北朝鮮制裁について



北朝鮮制裁の実現に向けて米国が動き始めた。その検討。Fより

米国と中国は反国家分裂法案とEUの武器輸出解禁でギクチャクし
た関係にある。この問題の解決のために用意した取引材料として、
中国は北朝鮮カードを捨てることで米国と交渉するようだ。

北朝鮮の経済制裁については中国は国連安保理でも拒否権を行使し
ないと。このため日本の目指す経済制裁が実現に一歩前進した。米
国も日本を味方にする必要がある。

韓国までがドルの外貨準備金をユーロにすると宣言されて、ドルは
下落した。この後、日本の小泉首相まで、外貨準備のドル離れを示
唆したために、ドル市場は大きな動揺が起きたが、日銀が当面ドル
の準備金を保持すると宣言して事なきを得た。

米国政財界トップは日本の円とドルの同一化や退避のための企業買
収を容易に出来る法律の制定を小泉首相に要求している。これは日
本企業買収をして、米国企業が持つドル資産から資産保持のために
円に乗り換えを財界が考えているためである。このため、東京市場
も活況になっている。

赤字のドルの海外保持資産は各国中央銀行の外貨準備金であるが中
国、韓国がユーロに置き換えると宣言している。もうドルを保持し
てもらえるのは日本しかない状況になっている。ドルの基軸通貨の
位置は保持できない方向に行っている。もし、ドルが基軸通貨の位
置を滑り落ちると、ドルの大幅下落になり、米国企業の株は大幅に
下落して、日本企業は米国企業を買いたい放題になる。このため、
1年間外資を延期したのは大成功である。しかし、望むらくは、も
う3年延期でしょうね。

ドルの価値は10分の1まで低下すると思う。世界の企業トップ
100位には日本企業と中国企業、EU企業が並び、米企業は10
社程度になる。ドルが基軸通貨でなくなるということは米国企業買
収が簡単にできることでもある。このため、ドル資産を守るために
も、日本を米国の味方にして、米企業の資産を日本企業を買収する
ことで保全したいようである。

このため、日本の今一番関心がある北朝鮮への経済制裁は米国とし
ても6ケ国協議に参加しない北朝鮮を相手にせずに、5ケ国協議で
経済制裁を決めて、国連安保理で可決することで実現する必要があ
ると見ている。

しかし、北朝鮮としては中国の裏切りに対して、北朝鮮では報道さ
れたことがない中国支援の工場の事故を報道して、中国に警告して
いるし、ロシアに助けを求めている。しかし、今までのロシアの対
応は口先では北朝鮮をサポートするが、金を出さない、米国の意向
に最後には同調することになる。ロシアは自国利益でしか動いてい
ない。北朝鮮を真剣に助けようとしていない。

このため、北朝鮮が頼りになるのは韓国しかないことになっている。
しかし、国連安保理で経済制裁を可決されると、韓国も世界を相手
に経済制裁をしないということはできなくなる。今でも米国は6ケ
国協議に参加しない北朝鮮に支援をしている韓国に不満である。

韓国は米国に在韓米軍の移動や台湾紛争の時の出動を禁止すると、
米国に通告して、米国は韓国に非常な怒りを持っている。それに輪
を掛けて、韓国は外貨準備をドルからユーロにするというのである
から、チェイニー副大統領やボルトン国連大使は北朝鮮との紛争も
辞さないと非常な怒りで韓国を見ている。北朝鮮と米国や中国が戦
争をすると、実を言うと大きな被害が出るのは韓国ソウルである。

しかし、この韓国の企業をIMF危機時に、買収したのがブッシュ
パパのカーライルグループである。しかし、そろそろ、資金を回収
したようである。新しい投資をしていない。このため、韓国経済は
サクソンや現代以外は良くない。このため大量の金が流出している
。この対抗として、ドル売りを韓国政府はしようとしたのである。

韓国政府も米国の怒りを知って、ソウルが危ないと急遽、首都を
50KM以上南に移すことで、どんどん政府機関を移し始めた。
この首都移転が済むまで待ちたいが、北朝鮮の対応が硬いのでブッ
シュ政権のタカ派は、日本との関係から経済制裁に動くことになる
。それは北朝鮮の息を止めることになるために、北朝鮮の経済制裁
を戦争と見なすと言う言葉が効いて来る。

韓国は、このような事態を起こしたのは日本の右であると、竹島や
教科書で噛み付いてきた。しかし、それは日本の世論をむしろ、反
韓国にしてしまうことである。しかし、このようには韓国知識人・
評論家は考えないようである。このため、韓国人の感情論で国を失
うようである。冷静でなければならない韓国大統領が、反日を煽る
ようでは、どうしようもない。

日本も北朝鮮のノドン・ミサイル攻撃を防止する必要が迫っている。
このため、再度MDについて詳しく見ていく必要がある。米国偵察
機、米軍衛星と日本のイージス艦はデータリンクをする必要がある。
ミサイル発射の閃光が起こったら、迎撃する必要がある。これもな
るべき早く実現することが重要である。どうか関係者の皆様、早く
体制を整えてください。日本の被害を最小にするためには、それし
かない。

北朝鮮のミサイルをブースト段階に打ち落とすためには、24時間
常時監視の衛星か偵察機で、ミサイル打ち上げは大量の熱を放出す
るので、この感知を衛星や偵察機の搭載のセンサで行い、この感知
に連動して、イージス艦のレーダーがミサイルをキャッチして、S
M−3迎撃ミサイルに指示し、敵ミサイルをブースト段階に打ち落
とすことです。詳しくは下記の記事を参考にしてほしい。
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外国株式対価の合併の解禁を1年延期へ=自民党部会で了承 

 [東京 11日 ロイター] 自民党の法務部会・商法に関する
小委員会合同会議は、今国会に提出を予定している会社法案のうち
、外国株式を対価にした企業合併を認める規定の施行を1年延長す
ることを了承した。15日の総務会で了承し18日に閣議決定の見
通し。 

 準備期間を設け、企業が定時株主総会で定款変更を要する企業防
衛策を採用する機会を確保するのが狙い。 

 会社法改正案の残りの部分については、今国会で成立すれば、
2006年の施行となる。また、合併対価の柔軟化に関する部分は
2007年に施行される。
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北朝鮮工場事故、異例の報道…中朝関係にきしみ?

 【ソウル=浅野好春】ラヂオプレス(RP)が11日伝えたとこ
ろによると、北朝鮮の朝鮮中央テレビは8日、同国平安南道大安郡
の「大安親善ガラス工場」建設現場で今年1月に何らかの事故が発
生、少なくとも13人の労働者が病院に収容されていたと報じた。

 同工場は中国の無償援助で昨年7月に着工、「中朝親善の象徴」
と称されるが、こうした重要プロジェクトの現場の事故が北朝鮮メ
ディアの報道で判明するのは極めて珍しい。

 朝鮮中央テレビは死者の有無など事故の詳細、現場の映像を伝え
なかったが、入院先の平壌市第3人民病院の院長の話として、13
人は1月18日に重傷患者として入院、治療を受け、42日後に退
院したとし、顔面にやけどを負ったような労働者や、腕に包帯を巻
いた患者の姿を映し出した。RPは爆発や火災などの可能性が考え
られるとしている。

 中朝関係は最近、北朝鮮による核保有宣言や6か国協議の無期限
中断表明などできしみが生じているとの見方もあり、今回の報道も
憶測を呼びそうだ。
(読売新聞) - 3月11日21時47分更新
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中国、安保理制裁に反対せず=北朝鮮核問題で専門家見通し

 中国政府のシンクタンク、現代国際関係研究院日本研究所の馬俊
威副所長は10日、都内の日本国際問題研究所で講演し、北朝鮮の
核問題が将来、国連安保理に付託され、経済制裁決議案が提出され
ても、中国が拒否権を行使して反対に回ることはないとの見通しを
示した。 
(時事通信) - 3月10日21時2分更新
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米政府高官「北朝鮮の核問題、5カ国で協議も選択肢」(nikkei)

 【ワシントン=秋田浩之】米政府高官は北朝鮮の核開発問題への
対応について、同国が6カ国協議への参加を拒み続ける場合、日米
韓中ロの5カ国の枠組みで対抗策を協議することも選択肢になると
の見通しを明らかにした。ブッシュ政権は6カ国協議での決着を図
る原則を変えていないが、北朝鮮の出方次第では協議の枠組みの見
直し論が浮上する可能性がある。

 日本経済新聞のインタビューで語った。日米韓中ロによる5カ国
協議構想は米強硬派内などでささやかれているが、米政府は6カ国
協議を堅持する路線を掲げており、公式には同構想に言及していな
い。高官の発言は政府内の空気が厳しくなっていることを反映した
もので、北朝鮮側に姿勢の軟化を迫る意味がある。 (07:02) 
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米国の懸念に不快感表明・中国、反国家分裂法案で
 【北京10日共同】中国外務省の孔泉報道局長は10日の定例会見で
、米国が、対台湾武力行使に初めて法的根拠を与える反国家分裂法
の制定に警戒感を示したことについて「台湾独立勢力を助長する発
言をするべきではない」と述べ、不快感を表明した。

 孔報道局長は同法案について「平和的方法による統一実現を体現
したものだ」と強調。広範な国際社会の「理解と支持を得られるは
ず」との認識を示した上で「米国は中国の立法行為に対する無責任
な発言を控えるべきだ」と述べた。 (19:35) 
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弾道ミサイル防衛は技術的に可能なのか?
http://www.okazaki-inst.jp/oifront.html
本章の要約
弾道ミサイルは、遠距離から高速で飛来するため、発見しにくいこ
と及び対処時間が極めて短いことから、迎撃は困難であると言われ
て来た。現在では、宇宙センサーの実用化や情報システムの充実に
より、技術的に対処することが可能となってきた。今後の課題は、
高速の弾道ミサイルに特殊な迎撃弾頭を命中させる技術やおとりの
物体などと本物の目標を識別する技術などであり、より確実性を高
める研究が実施され ている。 
弾道ミサイル防衛の技術的論議

弾道ミサイルを迎撃することは、最新の先端技術を駆使しても容易
ではないといわれています。弾道ミサイルの迎撃が容易でない原因
としては、弾道ミサイルの飛行特性が大きく関わっています。弾道
ミサイルは、長射程、高速、高々度という特徴を持っていることは
第1章で説明しました。これらの特徴は、弾道ミサイルを探知し、
迎撃ミサイルを発射し、かつ、命中させるといった一連のプロセス
に大きな制約を加えることとなります。 

弾道ミサイルによる攻撃を探知するためには、攻撃が行われつつあ
ることを証明するいくつかのデータが必要です。もっとも確かなの
は、ミサイルそのものを探知することですが、これは非常に難しい
問題を抱えています。弾道ミサイルは長射程であるため、一般的に
自国の領土あるいは自軍の勢力範囲から敵を攻撃することができま
す。したがって、発射された弾道ミサイルを探知するには、長距離
のセンサーや広範囲にわたる監視網が必要となります。また、弾道
ミサイルは非常に高速で飛来するので、発射から命中までの時間が
短く、探知から迎撃までの対処時間が非常に限られることになりま
す。さらに、弾道ミサイルは高々度を飛行してくるため、高速と相
まって現在の防空用レーダーや対空ミサイルなどでは、極めて限定
的な迎撃能力しか発揮することがでません。 

ここまでは、一般論です。こうした弾道ミサイル防衛技術の高度さ
と実現の可能性について、いろいろな考えや意見が出されています
。そういった中には、技術レベルが極めて高度であり、現在の技術
では実現の可能性が少ないものから、現在実用のセンサーやミサイ
ルに、ある程度の改良を加えるだけで弾道ミサイル防衛に使えるも
のまで、いろいろあります。したがって、弾道ミサイル防衛の技術
的可能性についての議論は、どのシステムの何について述べられて
いるのか、十分に注意する必要があります。前にも述べましたが、
少なくともNMDとTMDの適用技術の違いは、理解されなければなりま
せん。 

たとえば、一部にはNMDの実現性を疑問視する人々もいます。米国で
は、物理学者約4万2千人で構成される米物理学会がクリントン大
統領に対して、現在行っている迎撃実験ではNMDの技術的可能性を確
認することができないため、配備決定の先送りを求めました。30
こういったこともあり、2000年9月1日、クリントン大統領はNMDの配
備に関する決定を次期政権にゆだねる意向を発表しました。しかし
、その一方でTMDに関しては、技術的可能性や有効性が認識されてお
り、特に海上配備のTMDは「技術的に容易で、コストも割安」(ドイ
チュ前CIA長官)と言われています。31 TMDとNMDは、技術的に大き
な違いがあり、幾つかの実験に失敗したNMDと、TMDの開発とは、技
術的に見て、関連性はほとんどないのです。 

30 読売新聞 2000.5.9

31 読売新聞 2000.7.7

探知技術 

弾道ミサイル防衛において、まず問題となるのは、どうやって弾道
ミサイルを探知するか、という点です。すでに説明したように、弾
道ミサイルは非常に高速ですから、発射されてから命中するまで数
分から数10分しか掛からないと言われています。たと えば、射程
1,000kmの弾道ミサイルは、約10分の飛行時間となり、32 その間に
弾道ミサイルを探知して迎撃しなければなりません。ちなみに、湾
岸戦争ではDSP衛星がスカッドの発射を探知して海外の地上ステー
ションに画像を送り、米国本土の航空宇宙軍(NORAD)経由でサウ
ジアラビアとイスラエルに展開している多国籍軍に警報が発せられ
るのに約2分を要しました。それでも着弾まで2分程度の余裕しか
なかったそうです。 

32 防衛庁ホームページ(http://www.jda.go.jp/)

弾道ミサイルの発射は、ロケットの打ち上げと同じですから、大量
の熱が放出されます。弾道ミサイルが発射されたことを探知するた
めには、放射熱や閃光を探知する方法があります。また、長距離レ
ーダーで上昇中のミサイルを探知する方法もありま す。先に述べた
DSPやSBIRSなどは、赤外線センサーを使って放射熱を探知するもの
です。ただし、この大量の放射熱は、弾道ミサイルが打ち上げられ
た直後(ブーストフェーズ)の数分間しか放出されません。射程約
1,000kmの弾道ミサイルで70〜110秒、3,000kmで80〜140秒であり、
湾岸戦争のスカッドは射程が約650kmといわれていますから、アメリ
カのDSP衛星は60〜90秒程度の燃焼をとらえたのでしょう。33 

しかし、弾道ミサイルは射程が長いため、自国の領土から直接攻撃
目標に向けて発射 することができます。従って、このブーストフェ
ーズでの弾道ミサイルの発射を探知するためには、できるだけ長距
離で探知できるセンサーを使用し、相手国の近く、つまり、相手国
の上空の宇宙空間や付近の海上にセンサーを配置して、相手国上空
を頻 繁にチェックする必要があるのです。 

33 弾道ミサイルの飛行と迎撃(馬場順昭 月刊JADI 1999.1)

迎撃技術 

ロケットの燃焼が終了すると、スカッドなどの短射程のものを除き
、弾道ミサイルは慣性で宇宙空間を飛行します。この段階をミッド
コースフェーズといいます。ここでは、弾道ミサイルがデコイ(お
とりの物体)を放出することがあります。また、高性能な弾道ミサ
イルになると複数の弾頭を放出します。迎撃する側は、本物の弾頭
とデコイとを識別しなければなりませんし、複数弾頭ならばそのす
べてを撃墜しなければなりません。 

さらに、弾道ミサイルの弾頭は、目標地点上空で大気圏に再突入し
ます。このとき、空気密度が増加するに従って、大気との摩擦によ
って高熱を発するとともに、重心と空力作用点との関係によって不
規則な運動をしながら落下してきます。この段階をターミナルフェ
ーズといい、弾道ミサイル攻撃が差し迫ったまさに終末の段階です
。弾道ミサイルの迎撃は、比較的速度も遅く、高度も低く、弾頭や
デコイが放出される前の、発射された直後のブーストフェーズが迎
撃に最も適した地点といえます。その次に、ミッドコースフェーズ
であり、ここで阻止できなければ、ターミナルフェーズでの迎撃は
一発必中の緊迫した段階となります。 

よしんば、弾道ミサイルを弾着前に迎撃できたとして、弾頭威力や
破片等により防衛すべき地域に被害を出したのでは、目的を達した
ことにはなりません。前述のように、弾道ミサイルの弾頭には核や
生物・化学兵器のような大量破壊兵器を搭載しているかもしれませ
ん。湾岸戦争のときは、そうした大量破壊兵器の使用は自粛されま
したが、突如飛んでくるミサイルの弾頭の種類が何であるかなど、
知る手段はありません。弾道ミサイル防衛は、大量破壊兵器を搭載
した弾道ミサイルによる攻撃を想定しなければなりません。 

仮に、核兵器が弾頭に搭載されていたとして、地上どのくらいで迎
撃すれば地上に被害が及ばないか、というと一概には言えません。
核兵器の威力がどのくらいのものであるかによって変わるからです
。そうであるならば、できるだけ遠くで撃墜できればよいわけで、
宇宙空間で破壊できれば、地上への被害はかなり局限することがで
きます。 

そうした意味で、大気圏外で迎撃できる上層防衛システムの重要性
はBMDの要ともいうことができます。また、海上配備のシステムなら
仮にターミナルフェーズにあっても被害を領土に及ぼすことを局限
できます。我が国は島国であり、四方を海に囲まれている条件から
も、弾道ミサイル防衛の縦深性を確保する上でも、我が国において
は、海上配備上層システムが最も合理性が有ると言えるでしょう。 

弾道ミサイルの迎撃には、特殊な弾頭が用いられます。キネティッ
ク弾頭と呼ばれるもので、運動エネルギー弾頭とも言われています
。この弾頭は、比較的質量の重い物質でできており、弾道ミサイル
を直撃することによって破壊します。弾道ミサイルの弾頭は、非常
に堅く守られています。打ち上げ時の衝撃や加速、大気圏に突入す
る際の熱などで弾頭が爆発してしまったのでは、目標を破壊するこ
とができないからです。そのため、弾頭は非常に固い物質でできて
おり、近接信管等によって迎撃ミサイルが至近距離で爆発しても破
壊できない可能性があります。したがって、弾道ミサイルの弾頭を
確実に破壊するために、キネティック弾頭とそれを目標に直撃させ
る技術(hit to killと呼ばれています。)が開発、研究されていま
す。 

一方、もしも弾頭が核であった場合、キネティック弾頭が直撃する
と核爆発が起こるのではないかとの心配があります。この場合は、
いくら迎撃に成功しても、かなりの被害を覚悟しなければなりませ
ん。しかし、一般的には、弾頭の直撃では搭載された核物質は臨界
に達しないと言われています。なぜなら、爆発を引き起こすシーク
エンスが起こらないためです。しかしながら、破壊された核弾頭に
搭載された放射性物質は、いずれにせよ海面や地表に落ちてきます
。また、核ほどではありませんが、生物・化学兵器の場合でも何ら
かの影響が出てくるかもしれません。したがって、できだけ遠くで
、できるだけ高い高度で、直撃によって弾道ミサイルを撃墜するの
が良いのです。このキネティック弾頭が使用されるのは、海上配備
・陸上配備の上層システムであり、THAADやSM-3ミサイルの弾頭部分
です。弾頭部分を直撃させるミサイルとしては、他に陸上配備型の
下層防衛システムのPAC-3やMEADSがあり、イスラエルのアローや海
上配備型の下層防衛システムのSM-2 BlockWミサイルには従来のよ
うな爆発型の弾頭を用いており、直撃を目指したものではありませ
ん。34 

34 弾道ミサイルの飛行と迎撃(馬場順昭 月刊JADI 1999.1)
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米国防総省、ミサイル防衛は進展中と認識   
   
 【対訳WT】NEWS STORY
Pentagon sees missile-defense progress
  U.S. defenses against enemy missiles are progressing toward full deployment 
  and a new sea-based version hit a simulated Scud missile flight during a 
  test last month, Pentagon officials said yesterday. 
Air Force Lt. Gen. Trey Obering, director of the Pentagon's Missile Defense 
Agency, told reporters that the basic system of interceptor missiles, sensors 
and tracking devices is working and is a critical national security weapon. 

"Overall I'm very optimistic," Gen. Obering said during a telephone conference. 
"This is a critical capability and I think that people will realize over time 
that we absolutely need this for our security, and I think we'll look back and 
say thank goodness that we were able to develop this system when we did and get 
it into the field." 

Eight long-range missile interceptors currently are deployed in Alaska and 
California as both a test system and emergency missile shield against a very 
limited long-range missile attack. 

Gen. Obering declined to comment on North Korea's recent announcement that it is 
ending its self-imposed moratorium on long-range missile tests. 

Rear Adm. Kathleen Paige, a second Missile Defense Agency official, said the 
Navy's Aegis ballistic missile defense weapon hit a simulated Scud missile in 
flight over the Pacific last month. The Feb. 24 launch of Standard Missile-3 
near Hawaii scored a direct hit in a wartime-conditions exercise. 

"This was a very important test because it was the first time we had ever used 
an operational version of the Aegis ballistic missile defense weapon system," 
Adm. Paige said. 

The test involved a realistic "war at sea" scenario and concluded with the Navy 
cruiser USS Lake Erie firing the first SM-3 at a 310-mile-range target missile. 

The Navy currently has four additional SM-3s that could be deployed in a 
conflict. The full system of 18 SM-3-armed ships will be deployed beginning in 
2007. An additional six Aegis-equipped warships are currently deployed in Asia 
to monitor North Korean missile launches as part of the missile defense system. 

The SM-3 missile slammed into the nose of the Scud target missile 80 miles in 
altitude and about three minutes after launch, and about 80 seconds after the 
Erie's radar system detected it, Adm. Paige said. 

Gen. Obering said two recent ground-based interceptor test failures were 
disappointing, the result of minor "glitches" that are being fixed. 

Last month, a ground-based test interceptor failed to launch after a connecting 
arm on the silo failed to retract. An earlier test of the long-range interceptor 
failed due to a software problem. 

"We have confidence in the basic functionality of the system," he said. "We've 
got some things to correct in our test program, but they are not major 
deficiencies in the system."    March 10, 2005

米国防総省、ミサイル防衛は進展中と認識

 敵ミサイルに対する米国の防衛システムは、完全配備に向け前進しており、新しい海上
 配備型は、先月の実験で、模擬スカッドミサイルに命中した、とペンタゴン(米国防総
 省)高官は9日に語った。

 ペンタゴンのミサイル防衛局長、トレイ・オバーリング空軍中将は報道陣に対し、迎撃
 ミサイルの基本システムであるセンサーと追跡装置は作動しており、それは極めて重要
 な国家安全保障兵器だと語った。

 「全体としては、私は楽観的だ」とオバーリング司令官は電話会議で述べた。「これは
 極めて重要な能力であり、われわれの安全のためにこれが絶対的に必要であることを人
 々がやがて理解するだろうと思う。同システムを開発して実戦配備する時に、振り返っ
 て見て、このシステムを開発できたことを『良かった』と言う時が来るだろう」

 現在、長距離迎撃ミサイル8基が、試験用システム、かつ極めて限定的な長距離ミサイ
 ル攻撃に対する非常時用ミサイル防衛網として、アラスカとカリフォルニアに配備され
 ている。

 オバーリング司令官は、長距離ミサイル実験の自主的モラトリアム(一時停止)を打ち
 切るとの北朝鮮の最近の表明について、コメントを避けた。

 ミサイル防衛局の2番目の高官、キャサリン・ペイジ少将は、海軍のイージス弾道ミサ
 イル防衛兵器は2月、太平洋上を飛行中の模擬スカッドミサイルに命中した、と語った。
 2月24日、ハワイ近くで行われた戦時演習で発射されたスタンダード・ミサイル3
 (SM−3)は直接命中した。

 「これは非常に重要な試験だった。われわれがイージス弾道ミサイル防衛兵器システム
 の実戦型を使用したのは初めてだったからだ」とペイジ司令官は語った。

 試験は現実的な「海上戦」シナリオの下で行われ、米海軍巡洋艦レイク・エリーが、射
 程310マイルの標的ミサイルに最初のSM−3を発射して完了した。

 海軍は現在、そのほか4基のSM−3を所持しており、紛争時に配備される可能性もあ
 る。SM−3を18基搭載したフル装備の艦は、2007年から配備され始める予定だ。
 ミサイル防衛システムの一環として北朝鮮のミサイル発射を監視するため、イージス艦
 6隻が現在、アジアに配備されている。

 SM−3ミサイルは、高度80マイルで標的のスカッドミサイルの先端に当たった。ス
 カッドミサイルが発射されて3分後、巡洋艦エリーのレーダーが感知して80秒後だっ
 た、とペイジ司令官は語った。

 オバーリング司令官は、最近2度失敗した地上からの迎撃実験はがっかりさせられる結
 果だったと指摘。原因となった小さな「技術的ミス」は修正されている、と述べた。

 2月、地上からの実験用迎撃ミサイルは、ミサイル格納庫の連結アームが外れなかった
 ため、発射に失敗した。それに先立ち、長距離迎撃ミサイルの実験は、ソフトウエアの
 問題で失敗した。

 「われわれは、システムの基本的な機能性には自信を持っている」と彼は語った。「試
 験プログラムには修正が必要な部分もあるが、それらはシステム上の大きな欠陥ではな
 い」世界日報 掲載許可

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金融政策の正念場が到来か   
   
 強気の景況感と難しくなる舵取り/苦悩にじませた日銀福井総裁発言
経済ジャーナリスト 尾関 通允 (世界日報)掲載許可
利上げ進行なら影響は広範に

 二月二十八日に福井日銀総裁が内外情勢調査会で行った講演内容は、今後の景気動向と
 金融政策の展開いかんを探る上で、示唆に富むものだった。見方によっては、日銀の政
 策対応のむずかしさについての悩みをにじませたものと言ってもいいだろう。

 まず、日銀の景況感だが、福井総裁自身が息の長い拡大を続けていく可能性が高まって
 くると発言していることから分かるように、強気の見通しを採っている。もちろん、予
 測はあくまで予測だが、日銀としては、景況の先行きを明るいものと推定している。

 そして、その前提に立てば、当然のことながら、そこでの金融政策はいかにあるべきか
 が、問題として浮上してくるに違いない。金融政策の担い手としての日銀の悩み・苦し
 みが、それについて回る。ここでの政策課題は、いうまでもなく、金融の量的超緩和状
 態の段階的縮小ならびに超々低水準にある金利の同じく段階的引き上げで、景況の推移
 をにらみながら、これを着実に進めなければならぬ。ところが、この課題への取り組み
 が、具体的には決して安直に運ぶ仕事ではない。

 むずかしさの一つは、景況の的確な読み、次には、政策発動のタイミングの判断、三つ
 目は、発動する政策の強度で、この組み合わせをどこまでうまく実現し得るかが、日本
 経済のこれからに大きくかかわってくる。対応がうまくなければ、その程度いかんに相
 応して、経済社会に悪影響を及ぼすことになろう。福井発言に対して債券市場は敏感に
 反応し、長期金利が強含みの様相を呈した。市場が金融政策の今後に神経をとがらせて
 いることを、これは象徴している。

 なにしろ、家計や財団・基金などは別として、諸企業も大中小の金融機関も中央・地方
 の政府も、明治以降の日本が経験したことのない金融の量的な超緩和を伴った超々低金
 利の長期継続に慣れ切っている。言ってみれば、諸企業以下は温室の中にあった。急に
 外気にさらすことには抵抗があろう。

 端的にいえば、量的緩和の縮小を裏付けにした金利水準の上昇につれて、金利による所
 得移転の流れが変化する。超々低金利下で一般家計や各財団・基金は年間数兆円規模な
 いしそれ以上の巨大な利子所得を失い、その分が、債務者としての諸企業や国・地方団
 体、ローンを抱える家計の利子負担を軽くするのに貢献した。もとより、金融機関も不
 良債権処理財源の一部に充当することができた。金利水準が上昇に動くなら、これまで
 軽くてすんだ債務者の利子負担は当然ながら漸増していくことになる。その波紋は、広
 範囲にわたるであろう。

日銀・郵政にも評価損は必至

 第一に、企業の資金調達コストが上がる。企業活動は制約を受けよう。そのため、景況
 予測と利上げ時機・利上げ幅についての意思決定には、慎重な上にも慎重を要する。で
 ないと、景況の行方にもかかわってくる。

 第二に、利上げはまた、有価証券市場の相場形成にも響く。株価にとってはマイナス要
 因、債券にとっても弱材料になる。国公債も例外ではない。個人向け国債には金利スラ
 イド条件が付いているので衝撃は少ないものの、銀行や郵政公社、各種の法人などが保
 有する国公債や事業債には評価損が出てくる。金利上昇が進行するなら、その額も膨ら
 んでいく。その評価損を少なくするための対応策は大変なもので、銀行などの諸金融機
 関の保有する国公債はリスク抑制のため残存期間の短いものに集中する傾向を強めてい
 る。

 第三に、評価損では、当の日銀自身も圏外に立つことはできない。というより、日銀は
 超大口の国債保有機関であるのに加え、値下がり損を避けるための事前転売も事実上は
 まず不可能だから、評価損は宿命的だというべきだろう。

 第四に、それに準ずる立場にあるのが郵政公社で、公社は資金運用のノウハウを欠き、
 過去の経緯からして資産内容は国債偏重になっていることもあり、金利上昇期の経営は、
 ひどく苦しいものになろう。仮の話、その辺の事情を貯金者・簡保契約者が先読みして
 払い戻しや契約解除に走るようなことになるなら、事態は深刻そのもので、公社の対応
 は困難を極めよう。民営化の是非論以前に、そうした万一の場合への備えの吟味検証を
 欠かせまい。

政府の国債管理も楽ではなく

 第五に、深刻ということでは、政府も大同小異の難題に挑むことになる。難題とは、一
 つは、金利上昇過程での国債管理政策で、財政事情からは既発債の市場価格の低落をな
 るべく食い止めたいとする要請がある一方で、日銀による段階的な利上げ政策の効果の
 浸透を国債管理政策が妨害すべきではないとの動機が働く。相反する両者の関係をどう
 調整するのか、簡単なことではない。

 難題のもう一つは、国債の利子負担増加への対応で、財政事情からは借り換えと新規を
 合計して国債の大量発行継続が不可避の時代に利子負担の増高は誠に悩ましい。景況好
 転なら税収増を見込めるのに加え財政支出の大胆な削減が可能になるとはいえ、政府の
 立場は、楽なものではあり得ない。財政支出の削減や景況好転に乗じての増税が行きす
 ぎるようなことが仮にもあれば、景況好転の局面を短命にする恐れなしとしない。その
 辺の事情にも相応の配慮がなければならず、それだけに、金利水準上昇は、政府に対し
 厄介で重い課題を突きつけることになる。

 経済が全体として低迷基調にある時期には、金融政策の運営にはさほどの苦労を要しな
 い。だが、低迷期を脱して活気のある状況に移行していくとなると、政策の舵取りは困
 難の度を増す。超緩和が長期に及んでいるだけに、なおのこと、そうなろう。日銀にと
 っての正念場がやってくる。福井総裁の発言は、そういう情勢判断を前提にしてのこと
 に違いない。
     Kenzo Yamaoka
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6カ国協議/高密度の日韓米戦略協議を   
   
  北朝鮮の核開発問題をめぐる六カ国協議再開は、北朝鮮が参加の無期限中断と核兵器の
 製造・増産を発表したことで見通しが立たなくなっている。
 ブッシュ米政権は北朝鮮の翻意を促すため、北朝鮮の経済的依存度が高い中国に説得役
 を依頼した。だが、中国は手詰まり状態の北朝鮮問題を対日米カードに利用し、台湾問
 題や欧州連合(EU)の対中武器禁輸解除問題などで有利な見返りを日米に求めている
 ようだ。中国外交のしたたかさを示すものといえよう。(世界日報)掲載許可

対北カードを使う中国

 中国による対北説得に、米政府の期待は大きい。ブッシュ米大統領は二月十七日の記者
 会見で、〇二年十月に訪米した中国の江沢民国家主席(当時)との間で韓半島の非核化
 をうたった共同声明を発表したことを挙げ、「その方針は胡錦濤国家主席に引き継がれ
 ている」と述べ、北朝鮮の核保有が同声明違反である点を指摘した。

 一月にはホワイトハウスの国家安全保障委員会(NSC)のグリーン・アジア上級部長
 が北京を訪れ、中国首脳に「先に放棄を宣言したリビアの核開発物質を科学的にテスト
 した結果、北朝鮮から提供されたものであることが判明した」と伝え、北朝鮮による核
 拡散の危険を強調した。

 テストの結果、米政府が懸念を強めたのは@北朝鮮が核兵器に転用可能な核物質を保有
 していることが確実となったA北朝鮮がテロリスト国家にひそかに核兵器製造可能な核
 物質を輸出している。特にリビア以外にどの国に輸出されたかが問題である――の二点
 だ。

 後者についてはイランが想定されるが、米政府はそれよりも核物質がアルカイダのよう
 なテロリストに売却されることを懸念している。テロリストが核物質を使い「汚い爆弾」
 を製造し、船舶などで運び西側諸国の大都市の港湾で爆発させ、放射能汚染で都市機能
 をまひさせる危険があるからだ。

 米情報筋は北朝鮮とアルカイダとの間に接触があると見ている。北朝鮮はビンラディン
 の仲介でフィリピンのイスラム系テロリストへ小型兵器を売却したとの情報もある。

 米政府は、北朝鮮が日本や韓国に対し核や細菌兵器およびミサイル報復をする可能性が
 あるので、北朝鮮に対して軍事手段に踏み切れない。このため打開策として中国が仲立
 ちする「チャイナ・カード」に期待しているのだ。

 グリーン部長の訪中時に、中国はこれまで懐疑的だった北朝鮮のウラン濃縮計画(EU
 P)について、一転北朝鮮に計画が存在することを認め、米国と認識を共有するなど米
 中は足並みをそろえた。

 米国の要請を受け王家瑞・中国共産党対外連絡部長が訪朝したが、金総書記は「条件が
 整えば会談のテーブルに着く」とし、六カ国協議への無条件復帰を拒否した。しかも同
 部長は金総書記の発言を関係国に伝えただけだった。

 その背景には、北京が日米に「北朝鮮カード」を使おうとしているためとの分析もある。
長期的な対中政策を練れ

 中国政府は日米の安全保障協議委員会(2プラス2)で、共通の戦略目標として台湾問
 題に言及したことに強く反発している。また、北京は米政府が中国の人権状況を理由に、
 EUの対中武器禁輸解除の動きを阻止しようとしていることに不満を強めている。

 北朝鮮の核阻止か中国の軍事力増強容認か。日米は厳しい選択を迫られているわけで、
 長期的な対中政策を含め、高密度の日韓米による戦略協議が望まれる。

     Kenzo Yamaoka

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