1552.こころの自由



こころの自由 =人の幸せとは何か=   S子 

▼「引き裂かれた愛」
奇跡体験アンビリーバボーを見て
終戦下の北朝鮮ピョンヤンにおいて無実であるにもかかわらず、
武器、爆弾を隠しもっているとしてソ連よりスパイ容疑をかけられ
、10年のシベリア強制労働を言い渡されたひとりの日本人男性が
いた。男の名前を蜂谷弥三郎という。

彼は元来からだが弱く、そのために太平洋戦争に行くこともままな
らなかった。彼は極寒のシベリア強制労働で腎臓結石を患い、彼の
からだはたちまちのうちに衰弱していった。何としても生き延びる
ためには肉体労働以外に手に職をつけるしかないと考えた彼は、収
容所内の理髪店に根気よく通いつめ、とうとうその技術を見て覚え
執念で会得した。彼をこうまでさせたのはピョンヤンで生き別れに
なった妻久子とひとり娘の久美子に生きて会いたいという強い願い
からだった。

収容所を7年で釈放された彼だったが、相変わらずスパイ容疑は晴れ
ずにKGBの監視下で理髪師としての細々とした日々を彼は送っていた
。シベリア抑留を含めソ連での生活がやがて10年になろうとして
いたある日、休日を利用して訪れていた無料宿泊施設で、彼はひと
りのロシア人女性に声をかけられた。彼女の名前をクラウディアと
いう。

用心深くなっていた彼は彼女がKGBではないかと疑っていたが、彼女
の美しく澄んだ瞳を見て、それに突き動かされるようにこれまでの
いきさつを一気に彼は話した。深い同情を寄せた彼女ではあったが
、実は彼女もまた弥三郎と同様の人生を送っていた。

裕福な家庭に生まれ育ったのだが、実母の死により彼女の人生は大
きく変わる。父の再婚相手に売り飛ばされ転々とした挙句、職場の
上司に横領罪をきせられ10年の強制労働を強いられたのだ。

これ以来ふたりは友人として互いのこころを寄せ合い、支え合う日
々が続いた。しかし、KGBの執拗な追手に命を落としそうになった
弥三郎を見た彼女は、「この人を守り支えたい。」と思い求婚を申
し出た。彼は妻久子への愛を断ち切ることはできない旨を伝えたが
、彼女はそれまで弥三郎を心身ともに支えたいと強く訴える。

天涯孤独であるクラウディアといつ会えるやも知れぬ妻久子との間
で弥三郎のこころは大きく揺れた。が、彼は彼女の申し出を受け入
れた。すでに家族と別れて16年という歳月が流れていた。

静かで平和な結婚生活が30年も過ぎると、ふたりは近所でも評判
の仲の良い夫婦となっていた。そんなふたりに大きな転機が訪れた
。1991年のソ連崩壊である。ソ連が民主化への道を歩み始める
と弥三郎のこころにひとつの決意が生まれた。ロシア人の知人に妻
久子と娘久美子の消息を尋ねる手紙を託し、日本に行く人に直接ふ
るさとへ届けてもらうことにしたのである。

妻久子は生きていた。そして彼女もまた戦後の苦難を生き抜き女手
ひとつで娘久美子を嫁がせ、夫である弥三郎の無事と帰国をただひ
たすらに祈り待ち続けていたのである。ふたりが生き別れになって
からなんと50年という長い年月が経っていた。

1997年3月、鳥取駅のホームで吸い寄せられるように、引き合
うように抱き合うふたつの影があった。蜂谷弥三郎と妻久子である
。弥三郎は妻久子の頬に飽くことなく接吻し続ける。言葉にならな
い。ただただ涙がとめどもなく溢れてくる。互いの溢れる涙が過酷
な50年を洗い流すかのようだ。互いの顔に深く刻まれたしわの数
々、真っ白になってしまった互いの頭髪、節くれだって変形した指
と変色したつめ。過酷な過ぎ去りし50年をそれらが物言わずして
語る。

こうして蜂谷弥三郎と妻久子の長年の思いは叶えられ、今現在ふた
りだけの生活が続いている。一方のクラウディアは弥三郎と手紙の
やり取りをしながら、近所の人々に支えられ生きている。彼女は他
人の不幸の上に自分の幸せを築くことはできないと言い切る。彼女
のこころの中だけに弥三郎は生きているのである。

実はこの話しには後日談がある。「クラウディア 奇蹟の愛」
(村尾靖子著 海拓舎)の著者と読者の計らいで2003年の11
月にクラウディアの来日が実現し、3人の思いは見事に昇華された
のである。

▼他者を思う限りない愛

この実話は戦争がなければ起こらなかった悲劇だけではない。自分
の人生にふりかかるどのような困難にもめげずそれを受け入れ、希
望を持ちそれを信じて常に前向きに生きてきた結果である。その前
向きな良き祈りが互いの願いを実現させた。また、彼らが常に自分
よりも他者を思いやって生き、そうすることで自らの人生を生きき
ったことにある。

人を愛することは自然な感情である。しかし、人を愛して苦しくな
るような愛は本物ではない。それは単なる利己的な愛でしかない。
自分中心の愛しか考えられないから苦しむのであり、不安になる。

クラウディアは弥三郎と結婚をしたが、いつか彼が妻の久子に会え
ることをずっと願っていたのであり、自分はそれまで心身共に弥三
郎を支えることができればよいという気持ちが彼女の根底にあった
。また、弥三郎はそんなクラウディアの気持ちに感謝しつつ彼女と
生きる日常を大切にした。そしていつかは妻久子に会えることを願
っていた。そして、久子もまた弥三郎に生きて会いたいと強く願い
、女手ひとつで娘久美子を立派に育て上げた。

利己的でない他者への愛は際限なくこころが自由に広がる。他者を
思いやれるからこそこころに苦しみはない。クラウディアの来日実
現で三者の思いは人間愛へと昇華した。彼らがそれぞれの過酷な体
験を乗り越えてきたからこそ分かり合える境地である。そして、そ
んな寛容さを受け入れることができるほど私たち人間のこころは自
由だということである。彼らの嘘偽りのないまっすぐなこころが私
たちに感動を呼んだのである。

▼こころの自由とは
今日の混沌とした世界において誰しも不安は隠せない。皆自分が一
番かわいいからである。つまり自分中心にしかものごとを考えられ
ないから不安になり、更なる世界の混沌を呼び込むのである。私た
ちひとりひとりが知らぬ間に自滅行為をとり、世界を破滅へと導い
ているに等しい。

目先の欲に駆られ他者を思いやるこころのゆとりに欠けているから
、本来自由であるはずのこころが萎縮してしまっている。こころが
萎縮するということは、すなわち私たちがこころを閉ざしてしまう
ということである。

ただでさえ目に見えないこころがこころを閉ざす行為は不安を増幅
させ、私たちを互いに疑心暗鬼に陥らせる。そうして他者をも愛せ
ないこころは結局自らを愛することもできない破滅行為に繋がる。
こころを閉ざすことが自滅という不幸を呼び込むのであれば、私た
ちは互いにもっとこころを開いて自由に生きる必要がある。

こうしてみると、こころ自由に生きるということは自分勝手に好き
なことをして生きて行くということではなさそうである。常に他者
を思いやる「無私」のこころがあって初めてこころは自由になれる
のだろう。

「無私」のこころであるからそこに不安や苦しみは生まれない。
常に前向きなこころでいられる。だからこころが開かれ真に自由に
なれるのである。そうやって「無私」の自己を生きることが「私」
という自己を生きることに繋がり、それがすなわち自己を大切にし
、自己を愛することに繋がってゆく。そこで初めて人は幸せを感じ
るのではないか。

▼誰にも支配されないこころ
レーガン政権以降米国はその生き方を消費大国へと方向転換したこ
とで、米国の生命線ともいえる石油の枯渇という危機に直面した。
また、双子の赤字増大による米国経済の危機からドルの弱体化が進
み、ドル基軸通貨体制が大きく揺らぎ始めた。

このふたつの危機に直面した米国は生きるか死ぬかの瀬戸際に追い
こまれている。イラク先制攻撃は窮地に追いこまれた果ての米国の
選択肢だった。9・11事件の求心力を利用し、あらゆるメディア
を総動員駆使し世界をコントロール支配しようと米国は企んでいる
。米国の国家威信をかけて米国も生き延びるためには必死なのだ。

しかし、そうやって米国がいくら罠をしかけ世界を意のままにコン
トロールしようとしても、私たちひとりひとりのこころを完全に支
配することなど所詮できない。それはこころというものが誰の目に
も見えずつかんで実感することなど誰にもできないからだ。それだ
けこころは自由だということである。

そして、私たちが真に自由になるには「無私」のこころで他者のた
めに自分の人生を生きることである。「無私」の私を生きることで
真のこころの自由を得た者だけが、現実世界という虚構の中にあっ
て唯一真実の人生を生きることができる。流れに逆らわず全てを受
け入れ、それに立ち向かい乗り越えてゆく者にだけ宇宙の加護があ
るということだろう。ちょうど弥三郎とクラウディア、久子が歩ん
で生きた人生のように。

参考文献  奇跡体験!アンビリバボー
      引き裂かれた愛〜51年目の決断〜
      http://www.fujitv.co.jp/index2.html
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(Fのコメント)
このコラムは国際問題を検討することにしているが、S子さんの評
論は、どちらかというと心の問題であり、こころが崩れたから世界
の問題が起きているということであろう。

私もそう思う。昔は不本意な死を遂げた霊たちが、現世に出てきて
幽霊になると信じられていたし、虐待した動物の霊もあった。この
ような思いが、無用な死や不本意な死をさせないという歯止めにな
っていた。また、親からは物や金より、信用や天の神様の評価が重
要であると教えられた。

古神道では、物や動物やその他森羅万象に神が存在している。この
神たちが調和して、初めて世界は平和になると信じられている。
自分たちが生きるために殺した動物達の霊が成仏するように祈りを
捧げた。

この気持ちが、現在なくなってきている。一神教世界では宗教が違
う人たちを殺すことが正しいことになっている。欧州はこのため、
プロテスタントとカトリックの宗教戦争になり、100万人以上が
殺されて、やっと宗教の違うことで殺し合いをせず、人間同士の契
約を重要視して社会を作るしかないとなったが、アジアや中南米、
アフリカの人たちをその後も殺した。そして、独立戦争で多くの欧
州人が殺されて、人間同士の契約に行き着く。しかし、米国は、戦
後帝国になったためにそのような経験がない。

日本も戦後、米国風の考え方になり、霊的な存在を社会として継承
していない。このため、だんだん若者が無用な殺しを行うようにな
っている。
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1526 '04/02/05 評論家・井上茂信 世界日報掲載
[ブッシュ外交を理解できない理由]関連

井上茂信氏の評論家としての資質に関する疑義
井上茂信氏は、'04/02/07 Worldtimes Opinion[Viewpoint]
「イラク報道に情報操作あり」と題するコラムを寄稿しています。
その論旨は、「イラク戦争に係る日本のニュースメディアの報道姿
勢は公正ではない」というものです。
問題はその中身で、仮にも「評論家」の肩書きで寄稿できる内容で
はありません。
[寄稿文例]イラク戦争によって得られた明るい実態例
・二百四十の病院のすべてと、千二百を超える診療所が開かれ・・
・薬品の配布はゼロから一万二千トンへと増加した
・子供たちへのワクチン注射は数百万トンに達している
この記述内容を見せられて、スイと通り読みするような疎い人間は
いないでしょう。
 デタラメ話もこれほどに桁違いになると、ただ笑って済ませるわ
けには行きません。早速、世界日報社あてに、数値データの正確度
について照会メールを出しましたが、'04/02/13 付けをもって、
「筆者に確認を求めていますので、確認でき次第ご回答します」
との回答がありましたが、その後無音。
「この新聞社にして、この評論家あり」というほかはありません。
大柳
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快進撃のケリー上議委員の経済政策と餌食になる企業は?

今回の大統領選挙で民主党のケリーが資金力にもの言わせ快進撃だ
が大変気になる!!
それは先の米国最大の労働組合の支持を獲たことと情報通信産業の
支持あおいでいる!!
これは10年前のクリントン大統領が対日戦略の展開で日本企業が
ダメージを受け多大な国益を損ないままんと米国のスパイに転覆さ
せられた歴史がある!!

実は今回も同じ事が起こる!!

M総合研究所のHPの「経済安全保障」を参照
http://www.m-ken-net.com/msougoukenkiyusiyo1/keizai-1.htm

共和党のブッシュはネオコンの戦争屋だが強行に日本の産業を叩き
のめすまでは行かないが、ところが民主党のケリーは違うぞ!!

なぜ?ケリーは米国最大の労働組合の支持を獲たか?→当然、米国
内の雇用を拡大して貿易赤字をたてに日本企業の貿易障壁を打ち破
り強行軍に日本の自動車メーカーの保護を優先し自動車産業以外の
儲けているIT産業が犠牲になるのは間違いない!!

当然、特許紛争事件が多発し一流企業が米国資本の傘下にまた何社
か?餌食になるぞ!!

日本国内ではいまでは金融機関、自動車、保険、あらゆる産業の一
流企業がことごとく米国資本の傘下に飲み込まれて犠牲になってい
る!!

一番なくのはわれわれ日本国市民の血税が湯水の如く公的資金の名
の元に過ぎ込まれており、企業をリストラされた者、また経営者、
たちは結局米国の為の人柱としていけにえになっているのか?

日本政府もいい加減に本気で対米処置を防御しなと日本は潰れてし
まう!!
しかし敗戦国の日本は現代の植民地でしかないのか?
歴史を見ればよく理解できる!!

みずは米州インサイトを参照
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/us-insight/USI001.pdf

これでいかにケリー氏は米国の経済を最優先に取り組むか?理解できる
と言うことはクリントンと同じような政策が展開される!!(参照資料5P)
                ↓
本気で米国国家経済保障問題を強引に推し進める
          ↓
特にターゲットになる国は貿易赤字国だ
          ↓
         日本だ
どの産業か?→自動車に注ぐ稼ぎ頭の産業だ!!
     IT産業(インフォメーション・テクロノジィー)情報通信
       韓国もターゲットになる!!
  http://japan.internet.com/finanews/20011226/4.html
          
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/colCh.cfm?i=t_takahashi03

http://homepage2.nifty.com/KUMANO/rank-jyojo1.htm(恐らく
このリストにある企業が餌食になるぞ!)

近日には日本のマスコミをケリー氏の政策を分析して報道キャン
ペーンをする!!
日本の経済界も分析して年末には外交問題が起きる!!
M総合研究所


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