1389.ユビキタス社会は幸福か



F 様 

「ユビキタス社会は幸福か」を投稿したjoeです。 
「ユビキタス社会は幸福か」を掲載して頂き、ありがとうございま
した。 
このメールは、投稿というよりも、Fさんのコメントに対する感想
・雑感、とお考えください。 

>ユビキタス社会は確実に来るでしょうね。ICタグなどのことをT
>君から聞くと、益々、ネットワークの高機能化が進み、
>今、その拡大期にインターネットは入ったように感じるがどうか?

今の日本の企業活動は、ネットワーク無しには成り立たないものに
なっています。企業内のネットワーク然り、インターネット然りで
す。大きな会社で社員のデスクに端末がないのでは仕事になりませ
ん。 

私も、ユビキタス社会は確実に来ると思いますし、ICタグなどを利
用した物流その他の管理業務は、既になくてはならない物になって
いるのを「国際戦略フォーラム」のメルマガで知りました。 

物の管理業務が効率的にできると言うことは、人の管理業務も簡単
にできると言うことを意味します。実際、パート社員の出勤時間・
退社時間を、現場の端末でマウス・クリックすると本社で自動的に
給与を集計してしまう時代です。 

「ユビキタス社会は幸福か」では敢えて書きませんでしたが、この
人間の管理も私が危惧していることのひとつなのです。 

.NETは、マイクロソフトの考え出したものなのですが、マイクロソ
フトが、今までの訴訟で負けることは、私の知っている限りでは
ほとんどありません。 

先日、Internet Explorerが特許の侵害で敗訴しましたが、特許と言
う文書化されたものがある故に負けたのであって、そうでなければ
、マイクロソフトはまず敗訴しません。

Windowsは、MacのGUIを真似たとしてアップルから訴訟を起こされ
ましたが、これさえも負けませんでした。 

マイクロソフトが訴訟を起こされても、販売店に対する圧力その他
の行為を含め、いつも司法省との和解という決着になってしまいま
す。 

最近、SCOというUNIXを販売している会社が無料のOSであるLinuxを
著作権侵害であると表明し、業務でLinuxを使用している企業にライ
センス料を支払うように通知しました。 

その直後、マイクロソフトがSCOにライセンス料を支払ったとのニュ
ースがありました。同時に、マイクロソフトがSCOの株主であること
も報道されました。 

数週間後、SCOは、「Fortune企業1社がSCOにライセンス料を支払っ
たが、その企業名は公表できない」旨の発表をしました。 

マイクロソフトが支払った、という報道があった後に、1社が支払
った、ということであれば、これはマイクロソフトのことではない
のだろうか、と私は思っています。 

なぜ、マイクロソフトが支払ったのか、私は疑問に思ったのですが
、MSN Hotmailは、FreeBSD(UNIXの1つです)で運用されているこ
とが知られています(http://www.freebsd.orgからリンクをたどる
とその記事が今でも読めるかもしれません)。マイクロソフトが
Linuxを使っているか否かは私には分からないのですが、穿った見方
をすると、Linux潰しの後の布石(FreeBSDも潰す)とも言えなくも
ありません。実際、Sun MicrosystemsやIBMもSCOに訴えられていま
すので、マイクロソフトがUNIXを潰すことができる時が来た、と考
えられます。WindowsがNTになってからは、単なるパーソナル・デス
クトップ用ではなく、企業の基幹業務に利用できるOSになりました。 

マイクロソフトには賛否両論があります。私は、Windowsは「好き」
とは言えないものの(単にコマンド・ラインが好き、という趣味の
レベルの問題なのですが)、マルチメディアの扱いは既にマックと
同等かそれ以上になっているのではないかと思っていますので、
毎日使っています。しかし、マイクロソフトの姿勢には常々疑問に
思うことが多いのです。 

いつも訴訟に負けないことや、SCOという別会社を使ってLinuxを潰
そうとしていること等、どうも腑に落ちないことが多い会社なので
す。 

.NETを利用すると、顧客管理の効率が飛躍的に向上します。これは
、企業活動にはコストの面でも、管理業務をする作業者にとっても
有利に働くのは分かります。しかし、「顧客の管理」ではなく「人
間の管理」に利用された時のことを私は恐れるのです。 

Tさんという方が、この辺の事情をどうお考えになっているか、知
りたいと思います。Tさんの記事も今まで読んでいて覚えています
が、ITがもたらす恩恵の素晴らしさは伝わって来るものの、内容が
明る過ぎるのではないか(あるいは楽観的過ぎるのではないか)、
というのが率直な感想でした。コンピュータやネットワークという
ものの影の部分には触れないのかな、と思っていたのです。

私も、ITによって日本の社会が便利になっているのは実感していま
す。昨日も、日本で入手が難しいCDを、米アマゾンのhome pageで
注文しました。 
ネットやパソコン通信がない頃は、自宅にいながらこんなに簡単に
購入することはできませんでした。 

このような悦楽を日々亨受しながら、コンピュータ・セキュリティ
やコンピュータそのものまでにも過剰反応してしまうのです。 

なぜマイクロソフトは裁判に負けないのか、などと...。 
考え過ぎなのでしょうか。いいえ、私だけではなく、多くの人が疑
問に思っているのです。 

そういえば、つい最近、マンハッタン・プロジェクトにはカリフォ
ルニア大学バークレー校が深く関わっているという投稿がありまし
たね。インターネットの基幹の多くを担うBSDはそのカリフォルニア
大学バークレー校で開発されたものなのです(あの投稿を読んで、
少し悲しくなりました)。 

長文になってしまい、申し訳ありませんでした。 
今後も、「国際戦略フォーラム」を読み続けて行きたいと思ってい
ます。 
それでは。 
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(Tのコメント)
SGIはSCOに誤りですので、変更しました。

Fさんから、このコメントを書けと依頼があり書きます。
コンピュータ技術者としてセキュリティ等の動向も調べていますが
、所詮ハッカーとセキュリティ技術者のイタチゴッコでしかない。

もし、ハッカーを心配するなら、機密性の高い企業内ネットはイン
ターネットに繋がないようにするしかないです。普通はファイアー
フォールでガードして、インターネットからのアクセスをチェック
し、不審者を見つけたら、その不審者を追いかけるのです。他サイ
トを踏み台にしてくる可能性もあるので、踏み台になっているサイ
トに、こちらも監視用ウイルスを仕掛けるなどの手もあります。
あまりやりませんが、そのような手もあります。

論理の世界ですから、どうしても不審者の痕跡は残ります。これを
追いかけていけば、ウイルスの最初の配布者を捕まえることができ
ます。しかし、このためには常時監視する警察機構やネット企業の
協力が必要になり、国家か国連機構で常時監視のネット警察やネッ
ト企業を縛る法律を作るしかないように思います。

このような事をしても、突然、過負荷のトランザクションをかけら
れたら、繋がらなくなる。過負荷時でも、どこからアクセスされて
いるかは分かりますので、そのサイトの管理者に注意することが必
要ですが、踏み台になっているだけですので、サイト管理者の責任
を問えないのです。踏み台は世界に無数にありますが、日本の個人
サイトは高速インターネット回線に繋がっているために、踏み台と
して狙われています。皆さんもご注意ください。

アクセスログを見ておかしいようなら、その端末からのアクセスを
禁止するべきです。ファイアーフォールも立てるべきです。

重要なサイトはアクセス監視のような対応をしているはずですよ。
対応ができないなら、インターネットに繋がない。インターネット
を土管として使うだけにする。この技術はVPNという暗号化して
、それも数秒でキーを頻繁に変えて通信するシステムです。ほとん
ど通信内容を見ることができないはずです。

マイクロソフトも米国企業です。米国企業は、一般的に特許や著作
権で独占市場を作り、利益率を最大にするような動きをします。
その対応策も訴訟を起こすしか手がない。米国はこのため訴訟が多
いのです。

米国では訴訟を企業は利益に繋がるように使うことに慣れています。
もしいやなら、対応処置の訴訟を起こすことです。これをIBMと
SUNはしている。グローバル企業となるためには、そのようなこ
とも考えておく必要があります。米国の「悪の論理」を同様のレベ
ルで日本企業も行う必要を痛感しています。

もう1つ、インターネットが一番発展している国が日本です。IC
タグも米国は下火ですが、日本は益々隆盛で、世界のICタグ生産
企業の殆どは日本となる可能性もあります。スイカはソニーですが、
トッパンや大日本印刷なども頑張っている。今後の発展も安価な高
速インターネットが普及している日本から、いろいろなサービスが
出て来ると見えます。

無闇な心配をしないで、どうセキュリティを確保して、どのような
サービスをこのインターネットに構築するかを考えた方が日本にと
って、得になると思うがどうでしょうかね。日本の景気回復も、
このインターネット・サービスからであろうと思えます。

もう1つが世界的なネットワーク監視体制の構築です。それとグロ
ーバルなネット利用規制法やネット企業規制法の制定をして、悪質
なハッカーをネットから追放するべきです。刑事罰も世界統一にし
て、どのような場所からハッカー行為をしても、同一な罰を受ける
ような仕組みが必要です。

ご心配の「人間の管理」は強化されるでしょうね。IPカメラは
5万円程度で、FOMAなどの高速携帯で従業員を動画で見て監視
できますし、携帯ですからこの携帯で指示もできます。どこからで
も、従業員を監視をすることが出来るようになっています。経営者
優位な状況に、すでになっているようですね。ますます、IPカメ
ラは安くなりますから、家の管理もできるでしょうね。これには
VPNが必須ですね。

このように企業管理者と非管理者(従業員)の管理レベル差が激し
くなる可能性があり、それをどのようにするかの論議は必要になる
気がします。
しかし、このことは犯罪防止にも有効ですから、使い方の問題でし
ょうね。すでに顔認証などイメージ処理が高いレベルにありますか
ら、ある特定の人物が建物をどう歩き回ったかと知ることが出来る
ようです。犯罪者の追跡がコンピュータでできます。
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日本のブロードバンド、速さ・安さで世界一 ITU調べ (ASAHI)

 国際電気通信連合(ITU)はこのほど、高速でインターネット
に接続できるブロードバンド(高速・大容量通信)の加入者が02
年末現在で前年比72%増加、世界で約6300万人になったと発
表した。 

 ADSLなどのブロードバンド普及率は韓国が人口100人当た
り21.3人で1位。2位が香港、3位がカナダで、日本は
同7.1人で10位だった。米国は6.9人で11位。 

 一方、ブロードバンドの接続スピードは日本が世界で一番速く、
料金も1カ月当たり約24ドルで、韓国の同49ドルや米国の53
ドルなどと比べ、主要普及国・地域の中で一番安かった。 

 速度に価格を加味した毎秒100キロビットあたりの費用では、
日本が2位の韓国以下を大きく引き離して最低となり、日本のブロ
ードバンドが「世界一」高性能で安いことがわかった。プロバイダ
ーの激しい競争が、背景にあるという。 

 ITUによると、インターネットに占めるブロードバンドの割合
は、世界で98年の0.3%から02年には10.7%に急伸、
今後さらに増える見通し。ブロードバンドが利用可能なのは、世界
約200カ国・地域のうち82前後で、加入者の95%は先進国に
集中しているという。ITUは国連の専門機関。 
(09/20 02:02) 


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