1248.次の戦争について



イラク戦争終結宣言が米大領領ブッシュから出た。この検討。
                         Fより

イラク戦争は終了して、アフガンからも撤退するとラムズフェルド
国防長官は言っている。ブッシュはイラク戦争もテロとの戦争と規
定している。パレスチナ紛争も平和的な解決を目指すという。サウ
ジからは米軍が撤退する。このように米国は戦争を終結するような
動きになっている。しかし、これは、戦争を終わらせるためである
と思うと大間違い。

次の戦争を始める準備であると思ったほうがいいようだ。
「中東の民主化を推進する」とネオコンは言っている。また核兵器
を新しく作るなどと言っている。ブッシュは2004年の選挙に向
けて、再選運動を始めるが、経済的な運営に対して、米国国民は不
満を持っていることが世論で分かっている。

それでは、今の米国経済は簡単に好況になるのであろうか?
もう1つ、株価が戻るかであるが、投資家は米国ドル離れが明確化
している。このため、株価の戻りも考えにくい。
となると、経済を好況するため、ブッシュは減税と言っているが、
財政が赤字であるため、共和党からも反対がある。そして、米国失
業者は6%になり、経済は確実にダウンしている。
しかし、米の経済面では打てる手が、日本ほどではないがほとんど
無い。これでは再選は難しい。

今後は、世論の動向の動きと再選活動が関連して、その世論のブッ
シュ支持を選挙時に最高にするためにはどうするかで政治が進むと
思う。ブッシュは再選に有利になる国内、国外政治を進める。しか
し、国内政治(経済)には大きな制限がある。すると、勢い国外政
治で得点を稼ぎ、かつ国民の目を国内経済に向けないことが必要に
なる。これには米人が死なない海外での必勝の戦争が一番いい。

今の米軍は世界で一番強くて、負けるはずが無い。このため、いつ
でも通常戦争を起こせる。よって、米国の都合でできる次の戦争が
どこで起こるかを見ている必要がある。この時、米国人がほとんど
死なないことが条件であることを覚えておく必要がある。

今までは、ネオコン(ボルトン、ウォルフォウィッツ)と米国タカ
派(チェイニー)はほとんど同じ動きであったが、今後は北朝鮮問
題で割れる可能性がある。政権内タカ派はブッシュ再選のための戦
争をしたいので、絶対勝つ戦争が必要なのですが、ネオコンは理念
や理想的でかつイスラエルに有利な戦争をしようとする。この目的
が違うために向かう方向が違ってくる。

パウエルは欧州との関係を重視するから、この欧州と意見が合うよ
うな方向をブッシュに提案した。この文脈からブッシュはパレスチ
ナ和平を言い始めた。これはイスラエルの味方であるネオコンにと
って、あまりオオゴトにすると、大変なことになると思っている。
パレスチナ・サイドが穏健派の首相になったために、ある程度進む
可能性はあるが、入植地などの大きな問題がある。欧州(英国)は
いつもイスラエルのパレスチナへの軍事侵入を非難している。

ブッシュもネオコン、キリスト教原理主義者やイスラエルべったり
の立場を共和党中間まで変える必要がある。共和党でもネオコンに
疑問を持っている勢力は多い。それがパウエルの支持が多い理由で
もある。このため、ネオコンから少し離れる必要が、ブッシュにも
ある。しかし、経済で得点が得られないと再度、戦争モードになる。

欧州は、中東より北朝鮮が問題であると思っている。しかし、米国
としては、在韓米軍が韓国にあるため、そう簡単に北朝鮮との戦争
はできない。戦争になれば、米軍の軍人が北朝鮮のミサイルで大量
に死ぬ可能性がある。しかし、シリアやイラン、サウジと戦争でき
るかというと、これはイスラエルの意向が強すぎる。これをやると
パエスチナ和平も強圧的になり、真の平和は訪れないと英国は考え
ている。

ここは、2つの可能性がある。1つが、在韓米軍を安全地帯まで撤
退させて、北朝鮮と戦争になる。この時は中国も米軍の同盟軍とし
て戦い、中国国境から侵入する。韓国の被害を減らせるために北朝
鮮を瞬時に崩壊させる目的で、米国が核兵器を利用する可能性も有
りえる。

もう1つが、イランやシリアとの戦い。シリアは米国と戦いをする
前にパウエルの外交攻勢で降参してしまうため、戦争にはならない
だろうから、やるとするとイランとの戦いになるでしょうね。
サウジとの戦争は、ブッシュ家はサウジ王家との関係が有り、かつ
サウジからのブッシュ再選資金などもあり、できない。
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4月の米失業率、4カ月ぶり6.0%に上昇(nikkei) 

 【ワシントン=吉田透】米労働省が2日発表した4月の米雇用統計
によると、失業率(季節調整済み、軍人除く)は前月より0.2ポイン
ト上昇し、6.0%となった。昨年12月以来、4カ月ぶりに6%台に乗せ
た。非農業部門の雇用者数(季節調整済み、軍人除く)も前月より
4万8000人減少した。イラク戦争などの影響で、米雇用情勢が悪化し
たのを示した。

 ブッシュ米大統領は1日、イラク戦終了を宣言し、来年の再選に向
けて内政を重視する姿勢を示した。だが失業率が警戒水準とされる
6%台に再び上昇したのを受け、政権は景気回復や雇用創出に向け、
困難な経済政策運営を迫られそうだ。

 4月の雇用統計の内訳を見ると、製造業の雇用者数減少が目立った
。前月比で9万5000人減で、2―4月にかけて合計19万7000人減った。
4月半ばにはイラク戦はほぼ終結の見通しがついていたにもかかわら
ず、経営者が人員削減を推し進めたのを示した。小売業は1万人減
だった。 (21:35) 
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戦争勝っても大統領支持率ダウン=経済に不満強まる−米世論調査

 【ワシントン1日時事】2日付の米紙ワシントン・ポスト(電子
版)とABCテレビの合同世論調査(4月30日実施)によると、
ブッシュ大統領の支持率は71%と依然高水準にあるものの、ピー
クを記録した4月9日に比べて6ポイント低下した。米国民はイラ
ク戦争勝利を高く評価する一方、経済政策に不満を強めている。
 政策別の支持率では「テロとの戦い」が79%、「イラク問題」
が75%に達する一方、「経済」は52%にとどまる。大統領提案
の大型減税には、57%が「金持ち優遇」と批判した。米経済の現
状を「素晴らしい・良い」とする回答は35%で、「良くない・悪
い」の64%を大きく下回る。現政権発足後に「暮らし向きが良く
なった」と答えたのは10%にすぎない。 (時事通信)
[5月2日13時13分更新]


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