1214.イラク戦況の分析



ロシアのGRU(軍の情報機関)が人員をイラクサイドに入れて、
米英軍とイラク軍の無線を傍受しているようだ。その分析結果を
このサイトで公表している。このため、ここの情報が一番正確な
可能性がある。      Fより
http://www.aeronautics.ru/
http://www.aeronautics.ru/news/news002/news082.htm
3月28日
カルベラで米第3歩兵師団が12時間以上戦闘している。
この戦闘で大きな損害を出している。200両以上の車両が使用不
能になっている。また同地域に展開している101空挺師団の70
機以上のヘリコプターが使用不能になった。このような状態で、兵
の休息と部隊の建て直しの時間が必要になっている。

同時にナシリア、ナジャフでも戦闘中でイラク軍に対して航空攻撃
や砲撃をしているが、まだ撃退していない。
イラク軍がバスラに撤退開始したファオ半島に向けて英軍が進撃を
開始した。
北部イラクのモスルに向けて、1500名のクルド人部隊と第82
空挺大隊が進撃している。しかし、このクルド人部隊の進撃をクル
ド自治政府は否定している。

過去48時間で、米英軍の被害は30名以上の死亡者、110名以
上の負傷者、20名の行方不明者を出している。8台の戦車と含む
30両の戦闘車両が使用不能になっている。そして2機のヘリコプ
ターと2機の無人機を失った。
イラクサイドは、300名程度の死亡者、800名以上の負傷者、
200名の捕虜、25両の戦車を含む100両の戦闘車両を失った。
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兵士は1日に1食(3月29日 12:15更新) NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/tokusetsu1/
■米軍 最前線物資不足も

イラクの民兵組織が各地で反撃を続けていることもあって、クウェ
ートから400キロ以上にわたってのびる補給ルートの安全の確保
が難しくなっており、アメリカABCテレビは、最前線では物資が
不足し、兵士は1日に1食しか食事がとれず、休息が必要な状態だ
と伝えています。こうしたことから、アメリカでは、作戦は当初の
想定通りに進んでいないのではないかという批判が強まっています
が、ブッシュ政権は、バグダッドなどを除き制空権をほぼ掌握し、
イラク全土の40%近くの支配権をフセイン政権から奪ったとして
、作戦はあくまでも順調だと強調しています 
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士気落ちる米海兵隊隊員
ナシリアの米海兵隊に従軍しているアンドリュ・ノース
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/2896439.stm

米海兵隊は激戦を戦っている。
戦闘前線では、戦闘で多数の死者が出て、士気が落ちている。
ナシリア郊外で米海兵隊の状況を報告する。多数の軍人が希望の無
い状況にある。彼らは、ゲリラ戦とその戦闘が続くことにうんざり
している。難しい戦闘であるのにやさしい戦闘と米国の政治家が
一般大衆に印象を与えていることに苛立っている。
しかし、イラク軍のこのような抵抗が予想できたとは思わない。
このようなゲリラ戦を扱えないとは思いたくないが、このような戦
闘の訓練をしていないので、まったくどうしていいかわからない。
一人の海兵隊員が私に言った。「全ての方向から銃撃されて、もう
沢山だ。直ぐにでも家に帰りたい。」と。
このように言うとはまったくの驚きだ。

ひどい状況
ここでは他の問題もある。強い砂嵐が週の前半にあり、多量の砂が
入り込んでくる。

米海兵隊
海兵隊は泥だらけのキャンプで毎日、目を覚ますことになる。
砂は落ち着いたが、汚いゴミと干潟のようなことになっている。
海兵隊はゴミの上にキャンプして、そこに居る時間のほとんどを、
その中で敵の攻撃を受けて駆け回り、そして意気消沈させることに
なる。
海兵隊員はこのような難しい状態の訓練を受けているし、このよう
なことを耐えることが出来ると。
そして、全ての海兵隊員は料理済みの食事を食べている。それは濃
褐色のプラスチック袋に入っている。平均的な海兵隊員には十分な
量である。
ビーフシチュー、ヌードル付き鳥肉、サラダ付きの鳥肉、七面鳥と
言われる少し変な物などいろいろな種類の食事がある。
私もこれを食べた。七面鳥が少し変であった。ベジテリアンの食事
も多くあるが、この食事が続くと飽きるし、これらは新鮮ではない。

傷つく仲間
彼らのひどい環境の上に、傷ついた仲間を見る衝撃を考える必要が
ある。ロケット弾の奇襲攻撃の後、30名が負傷した。その後、
ここに多くの負傷者が運び込まれた。この負傷者の多くは、弾丸の
破片が多数刺さった状況にある。
敵味方の混乱の中で、味方からの銃撃で負傷した兵員もその中には
居ると信じられている。
しかし、このような同僚をみると、士気が萎えるし、兵員はどこか
らでも弾が飛んでくる状況であると思う。
ナシリアは平坦な場所であり、米軍の周りをイラク市民が歩いてい
るのを見る。今、海兵隊員がこのイラク市民を見ると敵の可能性あ
りと思うようになった。
一週間、ナシリア周辺にいる。最初は我々の移動する道路は少しの
リスクしかないと思っていた。しかし、今は非常に危険で敵に囲ま
れていると見ている。
海兵隊員はいつも道路の周辺を探索しながら、移動している。ここ
の南に新しいイラク軍の抵抗があったとの報告がある。
この地域の海兵隊の士気は落ちている。若い兵士は特にだ。

増派が必要
ヘンタゴンが12万人の軍の増派をするというニュースがあった。
これは効果がある。ここでの海兵隊は長い戦闘をするためには増派
が必要と実感している。
このようなことにより精神が非常に強くなるし、戦闘を受けられる
し、戦いもつづけられる。今の海兵隊の印象を高官に話した。
そしたら、彼は私に言った。「彼らは限度に近い。疲れている。
しかし、まだ限度には達していない。」と。
過去にも違う種類の抵抗は受けているため、私も米海兵隊の限度と
は考えていない。
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『亜空間通信』541号(2003/03/28)
【「暗黒の王子」パール辞任は毎日も報道で電網主導状況は最早歴然イラク戦成果】

 ああ、何とも早、雪解けの時期の雪崩のごとく、状況が急展開する。

 以下も、表題の通り、「悪魔の王子」パール辞任は毎日も報道で、電網主導状況は
最早歴然の「イラク戦の成果」の一つとして、丸投げとなる。

----- 引用ここから ------------------------------
イラク戦争の「計画立案者」辞任 パール委員(長官の要請に応えてパール氏は同委
員会の委員にはとどまる。)
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/320.html
投稿者 あっちょんぶ 日時 2003 年 3 月 28 日 11:44:19:


米国防政策:
イラク戦争の「計画立案者」辞任 パール委員長

 【ワシントン佐藤千矢子】米ブッシュ政権の外交・安全保障政策に大きな影響力を
持つ米国防政策委員会(国防総省の諮問機関)のリチャード・パール委員長(61)
が27日、アラブの武器商人との関係を指摘された騒動の責任を取って委員長を辞任
した。パール氏は、新保守主義(ネオ・コンサバティブ)勢力の中心人物で、イラク
戦争の「計画立案者」と言われてきただけに、突然の辞任は、ブッシュ政権のイラク
戦争の行方にも影響を及ぼしかねない。

 辞任の発端となったのは、今月17日付けの米誌「ニューヨーカー」の記事。パー
ル氏が今年1月3日、フランスのマルセイユでサウジアラビアの武器商人アドナン・
カショギ氏らと昼食をともにし、パール氏が共同経営者を務めるベンチャー企業への
投資をめぐる仲介話を相談されたことなどを、カショギ氏への取材を踏まえて伝えた。

 パール氏は27日、「事実誤認に基く批判」と疑惑を否定したうえで、ラムズフェ
ルド米国防長官にあてた辞表で「米国が戦争し、兵士の生命を危険にさらしていると
き、政権の人々の貴重な時間が私の(騒動の)ために割かれていることにうろたえて
いる」と、辞任する意向を伝えた。

 ラムズフェルド長官は辞任を受け入れ「米国史の重要な時期における優れた委員長
だった」との声明を発表した。ただ、長官の要請に応えてパール氏は同委員会の委員
にはとどまる。

 パール氏は、レーガン政権の国防次官補を経て、保守系シンクタンク「アメリカン・
エンタープライズ研究所」常駐研究員となり、01年から国防政策委員長を務めてい
た。批判勢力からは「プリンス・オブ・ダークネス」(暗黒の王子)と呼ばれ、イラ
ク戦争反対派の最大の攻撃目標の1人でもあった。

 先月17日の毎日新聞との単独会見では、国連決議なしのイラク攻撃や、朝鮮民主
主義人民共和国(北朝鮮)の金正日体制の政権転換の必要性などを語っていた。

[毎日新聞3月28日] ( 2003-03-28-11:07 )
----- 引用ここまで ------------------------------

 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
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件名: 亜空間通信号外03.03.27(5)米英兵士500人死亡と主張 
【イラクのハラフ駐ロシア大使会見】 [モスクワ共同]  

これが本当なら、CNNなどは大本営発表になる。大手メディアは、すくなくとも、こ
の「共同通信」の配信にならって、「イラク側発表」として、報じるべきところであ
る。

米英兵士500人死亡と主張 【イラクのハラフ駐ロシア大使会見】 [モスクワ共同]
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/272.html
投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 3 月 27 日 23:30:05:oswAM6lqBSCW6


2003年03月27日(木)
【モスクワ共同】イラクのハラフ駐ロシア大使は27日の記者会見で、イラク中部カル
バラとナジャフでの26、27の両日の戦闘で、米英軍兵士、計500人以上が死亡したと
述べた。これにより、イラク戦争開始以来の米英軍側の死者数は、700人以上に達し
たという。 

http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20030327/20030327ta020.html

★26日首都から約1000台の車両を連ねて南下しているといわれた共和国防衛隊
の戦果か
↓関連記事
http://asyura.com/0304/war29/msg/224.html
http://asyura.com/0304/war29/msg/268.html

木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
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件名:亜空間通信号外03.03.27.(3)いよいよ、米軍も、
“大本営発表”にまで追い込まれたか?  

いよいよ、米軍も、“大本営発表”にまで追い込まれたか?

以下、関連の新情報を、続けて紹介する。

(1):
米軍、地上戦で苦戦 南部の激戦で戦車放棄 [共同通信]【昨日のイラク側大量死
亡は“大本営発表”らしい】
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/304.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 27 日 06:59:34:

 【アンマン26日共同】イラク中部に展開する米陸軍第3歩兵師団に従軍している
ロイター通信記者がイラク南部のナジャフ近郊から伝えたところによると、同歩兵師
団の一部が26日、ユーフラテス川に架かる橋をめぐりイラク軍と激しい戦闘を展開、
「一定の数」の戦車や装甲戦闘車を失ったもようだ。
 戦況を把握している第3歩兵師団の将校が明らかにした。
 戦闘があったのはナジャフの南東約20キロにあるアブシュハイル付近。同師団将
校は、イラク側がてき弾筒や小銃で米戦車などを攻撃、「米兵は戦車や戦闘車を放棄
して敗走したとみられるが、その後の運命は明らかでない」としている。
 将校はまた、地上部隊を支援するために航空兵力が投入されたことも明らかにし、
26日の地上戦で米軍側が苦戦模様だったことを示唆した。

http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=main&NWID=2003032701000
022

★ 昨日の報道ではイラク側がナジャフ近郊の戦闘で600人から700人の死者を
出したとされていたが、この報道から推察すると、イラク側以上に米英侵略者側に大
きな損害が出ているようだ。

今日未明から始まったイラク側の大攻勢は、このような戦果を踏まえて実施に移され
たものであろう。

(2):
CNN記者会見で米軍被害答えず:Re: 【昨日のイラク側大量死亡は“大本営発表”ら
しい】
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/310.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 3 月 27 日 07:29:37:

(回答先: 米軍、地上戦で苦戦 南部の激戦で戦車放棄 [共同通信]【昨日のイラ
ク側大量死亡は“大本営発表”らしい】 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 27 日
06:59:34)

5時ごろのCNN記者会見では、報道官も記者側も、双方ともに、かなり興奮気味で、記
者が米軍の被害を聞いても、女性の報道官が、「家族に知らせてから」と誤魔化し、
米軍の被害状況に答えず、逃げていた。

(3):
ナリシア近郊の米軍海兵隊第一師団も攻撃にさらされている [BBCニュース]
【イラク側が各地で一斉大反攻!】
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/307.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 27 日 07:18:19:

NHK衛星1で放送された「BBCニュース」は、ナシリアからユーフラテス川を越
えてバグダッドに向かっている海兵隊第一師団がイラク側から激しい攻撃を受け、身
を潜めて耐える状況に陥っていると報じた。

(4):
ジャコババードの空軍基地にアフガンで死んだ500人の米英兵士の死体が安置され
ている。[The Frontier Post]
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/299.html
投稿者 通りすがり 日時 2003 年 3 月 27 日 05:57:51:lsnwkuzsIdHho

ジャコババードのシェブハズ空軍基地の死体安置所に、
9.11に由来するアフガニスタンへの攻撃によって死亡した、
約500人の米英兵士の死体が、故郷へ帰ることなく安置されているという。

The Frontier Post 
http://www.thefrontierpost.com.pk/
http://www.thefrontierpost.com.pk/main2.asp#402

ISLAMABAD (Online): Around 500 dead bodies of American and British soldiers
killed during military operation in Afghanistan after September 11 blitz
have been lying in a morgue at Shebhaz Airbase in Jacobabad. American and
British authorities because of fear of strong reaction from their masses had
kept the dead bodies of as many as 500 soldiers in a morgue established at
Jacobabad Airbase instead of shifting them to their own countries, credible
sources informed Online here Tuesday. The bodies of these soldiers, who were
killed during last five months in Afghanistan, were brought from Baghram
Airbase and other areas of war-ravaged country, sources disclosed. Sources
said American and British authorities, which were planning to shift these
dead bodies from their own countries, delayed the decision after eruption of
war in Iraq. American and British authorities feared that shifting of dead
bodies at this moment would affect the ongoing campaign of coalition forces
in Iraq, sources pointed out. They maintained that dead bodies would be kept
at Shebhaz Airbase until US and British authorities take the final decision.
Sources revealed that security had tightened in and around the Airbase to
keep this matter secrete. Meanwhile, according to a ARY report as many as 21
American troops were killed in Khost on Tuesday. Reports said that the US
troops engaged in operations in Afghanistan were attacked by locals.

潤・Copyright 2003 The Frontier Post

以上。

木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
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『亜空間通信』538号(2003/03/26)
【米敗走予想をスコット・リッター放送の最新情報を緊急丸投げするが私見も同じ】

いやはや、情報が多すぎて処理できずに、昨夜来、わが予測の根拠を補強して通信に
まとめるべく準備中、以下の新情報が、阿修羅戦争29掲示板に出現した。

 投稿者は、これまでにも、恐るべき情報を発掘し、先取りしてきた佐藤雅彦さんで
ある。

 簡単に言うと、私見と同じであるが、元・国連査察官、元CIA、元米海兵隊員、ユ
ダヤ人でもあるコット・リッターが、アイルランドのラジオ番組で、アメリカの敗走
の予想を語ったのである。

 以下、緊急に丸投げする。

----- 引用ここから ------------------------------
元・国連査察官スコット・リッター氏が「米国はこの対イラク戦で敗走する」と予想
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/110.html
投稿者 佐藤雅彦 日時 2003 年 3 月 26 日 12:06:17:

●元・国連査察官のスコット・リッター氏が、アイルランドのラジオ番組で、ネオコ
ン“ファザコン”小ブッシュ政権の対イラク侵略攻撃についてきわめて厳しい批判を
行なっています。ここで注目すべきは、「アメリカはバグダッドを陥落できずに最終
的には敗走する」と、ヴェトナム戦争と同じような結末を取ることを予想しています。

●「予想」という表現は、下記のラジオ発言の筆記録や、実際のラジオ録音
(RealPlayer によるストリーミング放送)を聞けば、婉曲すぎることがわかるでしょ
う。 ずばり「アメリカは負ける」と断言しています。

●このラジオ番組は、英語がわからなくてもBGMがわりに聴いてみることをお勧めし
ます。アメリカの政府やメディアの嘘八百ぶりが周知の事実として批判され、各所で
司会者やゲストたちの苦笑が聞こえて来るという辛辣なものです。少なくとも政治的
には、すでに「アメリカは負けている」と言えるでしょう。“北斗の拳”に倣って言
えば「アメリカよ、おまえはもう政治的に“死んでいる”」といったところです。こ
の政治的な敗北が、現実の、取り返しのつかない傷口を見せるのは時間の問題かもし
れません。

●スコット・リッター氏は「バグダッド陥落は無理」だと予測しています。とりあえ
ず、この予測がどうなるかを見守りましょう。……しかし、リッター氏の予測がはず
れてバグダッドが陥落し、トントン拍子に傀儡政権を立てることが出来ても、死海の
ほとりの癌組織を放置したままの外科手術ですから、病変は広範に転移して手がつけ
られなくなる“蓋然性”が高いと言えましょう。

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GuluFuture.com 
http://www.gulufuture.com/news/scott_ritter030325.htm

US WILL LOSE THE IRAQ WAR
-SAYS SCOTT RITTER
【米国は対イラク戦争で敗北する――スコット・リッター氏が予想】

25th March, 2003
by Fintan Dunne, Editor
http://www.GuluFuture.com

Thorn in the side of the American administration, and former UN weapons
inspector Scott Ritter, has warned that America will lose the Iraq war and
the American military: "will leave Iraq with its tail between its legs."
【アメリカ政府にとっては不安のタネだが、元・国連兵器査察官のスコット・リッター
氏は米国が対イラク戦争に敗北すると警告してきた。米軍は「イラクから尻尾を巻い
て逃げるだろう」というのだ。】

In an interview with Irish radio, Mr. Ritter said that the conflict would
become an "absolute quagmire," and the US-UK advance would stall outside
Bhagdad and fail to capture the city.
【アイルランド・ラジオのインタビュー番組で、リッター氏は今回の紛争が「絶対的
な泥沼」に陥り、前進を続けた米英軍はバグダッドの郊外で立ち往生してこの首都を
陥落することはできないだろう、と語った。】

"We find ourselves... facing a nation of 23 million, with armed elements
numbering around 7 million --who are concentrated at urban areas. We will
not win this fight. America will loose this war," said Mr. Ritter.
【「我々は気づくでしょう……2300万人もの国民を相手に対決しているという現実を。
しかもそのうちの約700万人がなんらかの武装をしており、おまけに都市部に集中し
ているのです。アメリカはこの戦争に負けます」――リッター氏はそう断言する。】

According to Mr. Ritter, too many in the Pentagon have listened to: "the
blithering of Iraqi expatriates," whose agenda coincides with
neo-conservatives in the White House.
【リッター氏によれば、国防総省には「イラクから逃げ出してきた連中のたわいもな
いおしゃべり」を信じている人間があまりにも多い。そうした“脱国者”の目論見が
ホワイトハウスの“ネオコン”の連中の思惑と一致していたというだけで……。】

"We're in Iraq --carrying out the right-wing neo-conservative motives of a
handful of people. The Richard Perle's, Paul Wolfowitz's; the Dick Cheney's.
And we've allowed them to hijack our foreign policy," he told Irish
broadcaster, Vincent Browne on the RTE1 radio "Tonight Show."
【「アメリカの兵士たちはすでにイラクに送られてしまった。きわめてわずかの右翼
の新保守主義の連中の思惑を実現するためにね。リチャード・パールとか、ポール・
ウォルフォウィッツとか、ディック・チェイニーとかいった連中のためにね。けっきょ
く我々は、こういう連中が国の外交をハイジャックするのを、許してしまったのです
よ」――彼はアイルランドRTE1ラジオ「トゥナイトショー」の司会者であるヴィン
セント・ブラウンにそう言った。】

He warned that Shia Muslims in the South were not fighting because of
intimidation by the Iraqi government, but because of nationalistic and
religious reasons.
【スコット氏は、南部のシーア派住民が抵抗してくるのはイラク政府に脅されている
からでなく、愛国精神とか宗教的な理由のためなのだと警告を発した。】


"They're doing it because, the American Crusader Infidel has invaded and
violated Holy Iraq, and they will resist us, and they will resist us
strongly," said Mr. Ritter. "We are not liberating Iraq, we are destroying
Iraq," he added later in the interview.
【「彼らだって戦いますよ。アメリカの十字軍きどりの不信心者たちが聖なるイラク
に侵略して暴虐を行なえばね。そして彼らも我々に抵抗してくるでしょう。強力に抵
抗してきますよ」――そう述べるリッター氏。「我々はイラクを“解放”してるんじゃ
ないのですよ。実際やってるのはイラクの“破壊”なのですから」――インタビュー
で彼はそう付け加えた。】

Scott Ritter, is a former U.N. weapons inspector and author of the book
"Endgame." Ritter, a ballistic missile technology expert, worked in military
intelligence during his 12-year career in the U.S. armed forces. In 1998,
Ritter resigned from the U.N. Special Commissions team to protest Clinton
Administration policies that he said subverted the weapons inspection
process.
【スコット・リッター氏は元・国連兵器査察官で『Endgame』(1999年)の著者でもあ
る。(補注:2002年秋に著した『War on Iraq: What Team Bush Doesn't Want You
to Know 』は、『イラク戦争―元国連大量破壊兵器査察官スコット・リッターの証言
ブッシュ政権が隠したい事実』[合同出版、2003年]として邦訳されている。) 彼
は弾道ミサイル技術の専門家で、米軍では12年間、軍事諜報業務に従事していた。88
年にクリントン政権に抗議して国連特別委員会を辞職したが、それは同政権が国連兵
器査察プロセスをご破算にしてしまったからだという。】

木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長


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