1197.3.1事件は神の怒りか



3.1事件は神の怒りか

 3.1事件というと、ヴェルサイユ条約後に朝鮮でおきた事件が
まず思い出される。
また、ビキニ環礁で行なわれた水爆実験の放射能を、第五福龍丸が
浴びたのも、3月1日であったと記憶する。

 2003年におきた昨日の3.1事件は、羽田空港の航空管制システムの
異常だった。おかげで一日中、日本の空のダイヤは乱れていた。

 実は私は昨日朝7時から富山空港にいて、事態の進展を見守ってい
たのだった。国際会議に招待したデンマーク人を見送っていたのだ。

 彼が、12時35分成田発のコペンハーゲン行きで帰国するためには
、どうしても朝7時40分富山空港発の便に乗らなければならなかった
。ところが土曜日の朝一便というのに、予約がなかなか取れなかっ
た。何度か予約センターに電話して事情を説明し、やっと予約が確
認されたのは、出発の前日だった。

 昨日、空港に行って、予約が取れなかった理由がわかった。毎月
一日は、全国どこでも1万円で乗り放題というキャンペーンが行なわ
れているのだ。乗り放題を満喫するためには、朝一便に乗るに限る
というわけで、キャンペーン利用者たちが、チェックインカウンタ
ーに並んでいた。

 用事もなく飛行機に乗る人たちの集団チェックインの光景は、
異常な雰囲気をかもし出していた。まるで近所の町内会の集まりか
友達同士のお茶飲みにでも出かけるような服装と顔つきなのだ。

「移動する必要のない人たちを、無理矢理慌ただしい旅へと煽り立
てるのはいかがなものか。急ぎで移動しなければならない本来の客
たちの利便性を阻害するのでは」と、チェックインの際に受け付け
の女性に感想をもらした(苦情を言った?)が、彼女は、「皆様楽しみ
にしておられますから」と悪びれた様子がない。

 乗客は予定時刻には飛行機への搭乗を終えた。私はせっかくだか
ら、離陸まで見送ろうと思って空港に残っていた。ブリッジが離さ
れ、牽引のトラクターがスタンバイしたのに、いつまでたっても機
体は動かない。しばらくして、「羽田空港における航空交通管制の
システム障害のため、出発の許可がおりない」とのアナウンスがあ
った。

 この便は、結局1時間遅れで出発し、デンマーク人は、羽田空港
で地上係員に誘導されて成田行きのリムジンに乗ったらしいのだが
、便に間に合ったかどうかは確認できなかった。

 論語に「子は怪力乱神を語らず」という言葉がある。無闇と神様
を引き合いにしてはいけないと思う。だが、それにしても昨日の事
件は、用もないのに飛行機に乗って移動させるキャンペーンに対し
て、神の罰が当たったのではないかと思った。人間よ、いい加減に
思い知れ!と、神様は怒っておられるのではないだろうか。

 神を持ち出さないにしても、このキャンペーンが地球環境危機を
加速していることは明白だ。いったいいつになったら、人間は自分
たちが犯している過ちお重大さに気づくのだろうか。

我々はあまりに愚かである。
(得丸久文、2003.3.2)
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Tell the truth

今日は地元のライオンズクラブの昼食会に招かれて、「経済発展と
地球環境 人類は成長の限界に達している」というタイトルの講演
を行なった。

経済発展は、人口増加と等価であり、人口増加は環境破壊と等価で
ある。持続可能な生活とは、人口調節が行なわれて、人口が増加し
ない社会である。

一定の面積しかない地球で、人口が増加すれば、いつかは成長の限
界にぶち当たる。
私の見るかぎり、人類は、ローマクラブの予測した成長の限界に、
1980年代後半にすでに到達している。爾来穀物生産は伸びておらず
、耕作地面積も減少している。異常気象や森林減少も進んでいる。

だから、おおかたが予想するように、21世紀に人口が80、90億人に
増えることはない。むしろ大幅に減少するであろう。

もはや景気回復も経済成長もありえないことをしっかりと受け止め
て、生きていかなければならない。

この講演を聞いて、みんなシーンとした。反発があるかと思ったら
、むしろ逆で、「それが現実なのだから」と受け止めてくれた。

今まで、環境問題の専門家たちが、真実を語らずにきた責任は重た
い。
もっというと、1972年の国連人間環境会議以降、ざっと27億人の
人口増加があったわけだが、これは明らかな失政であり、政治家た
ちや行政官僚たちの責任はひどく重たい。先進国が豊かな生活にし
がみついたから、こうなったのだ。

そして、環境の専門家たちや政治家や官僚は、今も真実を語らない
。もしかしたら気づいてないのだろうか、気づいていて真実に背を
向けているのだろうか。いずれにしても、責任ある立場の人間が真
実を語っていないことの罪深さたるや、大きいと言わざるを得ない。

(得丸久文, 2003.03.05)
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MNさんの新しい芽に一言。
「科学の発想を取り入れ始めた宗教」
宗教とは、読んで字の如く、教えを宗とするのです。
科学とは、ジャンルを異にします。
キリスト教は、聖書。回教は、コーラン。仏教は、仏典。
浄土真宗では、大無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経。
教行信証、和讃、七祖聖経etc
歎異抄・・・・・蓮如の御文。
真の宗教は、いつの時代、如何なる境涯の人をも救済する
普遍で不変なものです。
 
私なりに「科学の発想」で考えるならば・・・・・
精神医学者の古沢平作と言う方が教え子に当たる方々に柳宗悦の
「南無阿弥陀仏」(岩波文庫にあります)を贈呈されたとか読んだ
事があります。上記の方々は、宗門とは、関係ない方々と思います。
精神科医の小此木啓五氏の「阿闍世コンプレックス」って本が出て
ます。
一概にジャンルが違うって言い切ってしまうのも間違っているのか
もしれません。「科学の発想を取り入れる」とは、如何なる意味で
使われているのでしょう。
國井明子
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『亜空間通信』499号(2003/03/03)
【 サダム亡命ドル圧力に屈すアラブ首脳のフィスク記事に怒りより悲しみの寒気】

 本日(2003/03/03)午後6時、夕食前の一仕事として、電子手紙を受信すると、アメ
リカの歴史見直し論者から、いくつかの新情報が送られてきていた。

 彼と知り合ったのは、ユーゴ戦争後の1999年の夏の盛り、ラムゼイ・クラークが代
表の国際行動センターが主催した「NOTOを裁く独立戦争犯罪法廷」の打ち上げパーテ
ィーの席上だった。会場は、古いビルの中の国際行動センターの事務所そのものだっ
た。それぞれが自分で買う缶ビールやコーラと、簡単なパサパサつまみだけの地味な
パーティーだった。

 この法廷には、ユーゴ、イラク、キューバなどのアメリカ駐在大使も参加していた。
アメリカ人は、まさに人種のオンパレードだった。

彼が本日の新情報の中で、特に大文字で強調していたのは、中東専門で著名なイギリ
スの記者、ロバート・フィスクが伝えるアラブ諸国の首脳たちの「ドルへの屈服」の
物語だった。

日本でも連日のように大手メディアが伝える「 サダム亡命」へのアラブ首脳の動き
の背景を、フィスクの流れるような名文で読む内に、私の心の中には、怒りよりも悲
しみの寒気が満ちて来た。

以下、英語の全文を、そのまま紹介する。

http://news.independent.co.uk/world/americas/story.jsp?story=383005
The Independent

American billions keep Arab regimes sweet

By Robert Fisk in Beirut

02 March 2003

It was pathetic. The President of the United Arab Emirates - too old and too
sick to visit Sharm el-Sheikh - sent a message begging Saddam Hussein to go
into exile, just as the US Secretary of State, Colin Powell, had told the
Arabs to do last Thursday, when he urged them to get President Saddam "out
of the way and let some responsible leadership take over in Baghdad".

Even the Saudis didn't oppose the Emirates' plea, while the Egyptians - host
to the Arab League summit - could only claim that they were "not in the
business of changing one regime for another". How much does it cost to
produce this kind of subservience? In Egypt's case, $3bn (」1.9bn) in US aid
and other credits, plus another $1bn in gifts. Another $1bn for Jordan,
which has just accepted US troops on its territory - only to man Patriot
missile batteries, of course.

Money seems to make the Arab world go round. The Egyptian government daily
Al-Ahram and the Saudi newspaper Al-Hayat are singing the Emirates' tune and
demanding a "regime change" in Baghdad. Turkey - not an Arab country - is
waiting for its $26bn in promises to let the US army tramp across its border
into Iraq.

Syria alone - since it may well be number two on Washington's list for
"regime change" - said that it was a mistake to identify the Iraqi
leadership as the source of the current crisis. President Bashar Assad said
that America wanted Iraq's oil and wished to "redraw the region's map". The
latter is undoubtedly true, since Mr Powell unwisely admitted just that last
week. "We are all targeted ... we are all in danger," President Assad said.

The Iraqis, needless to say, responded with considerable anger to President
Zayed bin Sultan al-Nahyan's demand from the Emirates. Other Arab leaders
were meanwhile scurrying to form a consensus over whether they should send
one of their beloved delegations just to Baghdad, or to Baghdad, the US, the
UN and the EU as well.

What it came down to was whether the Arabs should allow the Americans the
use of their territory to attack Iraq or whether - this from President Assad
of Syria - they should ban the US from their territory if they wished to use
it as a springboard for war. The Kuwaitis, liberated from Iraqi occupation
by the US and its coalition partners 12 years ago, said that this view was
"not realistic". The real problem is that the US is already, in effect, in
occupation of a fairly large number of Arab nations.

US forces control half of Kuwait; they are in Qatar, Bahrain, Saudi Arabia,
Oman and in Jordan. Every one of these countries will be called an "ally" if
- when - the Americans storm over the border into Iraq. So will Turkey. So,
probably, will Egypt. And so, of course, will Israel. //

 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長


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