1172.イラク戦争での日本の対応



米国の単独イラク戦が開始する。これに対して日本はどうするか?
             Fより

さあ、米国の単独攻撃が数週間後に始まる可能性が高い。このとき
日本はどう行動するべきなのでしょうね。
仏独露中は協同でイラク攻撃を反対するが、米国の60%以上の国
民は戦争賛成であり、攻撃しないという政府を弱腰と非難すること
になり、ブッシュとしてもここまで来ると後に引けないことになっ
ている。このため、国連安保理でイラク攻撃決議が否定されても、
それを無視してイラク攻撃に突入することが確定してきた。

英国は国民の80%がイラク戦争に反対であり、もしイラク戦争が
3ケ月以上の長期戦になったら、労働党からも批判が出てブレア政
権は潰れる。その前に撤退する可能性が高いと私Fは思うが。

このため、イラク戦争がどの程度長期間に渡るかが、次の焦点にな
ってきている。フセインの亡命やクーデターが成功すれば、短期に
なるが、バクダッドの市街戦・ゲリラ戦になったら、3ケ月以上係
ることは、軍事的な知識があれば、簡単に分かることである。

リッター氏も、最終的にはバクダッドに核攻撃すると言っている。
米国はイラク国民を解放するために、戦争をしているわけではない
。自国の石油利権取得のために、戦争をしている。このため、多く
のイラク国民が死亡するバクダッドへの核攻撃をする可能性を否定
できない。短期に終結させないと、英国、日本、豪州やその他同盟
国はすべて、米国から逃げていくことが見えている。軍事費も天文
学的になる。米国以外のどの国もその負担はしない。できない。

逆に1ケ月程度の短期で終結すると、米国に反対した独仏露中やそ
の他米国に反対した諸国は損をすることになる。イラク石油の利権
に預かれない。このため、日本も英国と同様で、戦争終結に3ケ月
以上係る事が判明したら、早期に米国から離れることであろう。
それまでは、日米同盟の義務を果たす必要があり、かつ日本国民の
大多数と野党はイラク戦争反対のポジションをキープするべきであ
る。

そして、仏独露中とも北朝鮮、石油供給などの協議をしていること
が必要で、米国べったりの印象を与えないことが必要であろう。
筒井順慶の洞ヶ峠を決め込むしかない。どちらとも決めないことで
ウジウジした態度に終始するしかない。その意味では川口外相の
米国支持の表明は良くない。小泉さんのウジウジした対応の方が
まだいいと思うが。
どうせ、日本はイラク戦に軍隊を出さないため、最初から中立的な
位置にいる。これは今の日本を滅亡から救っている。

しかし、今の米国を見ていると奢れる平家と同じで平家物語の現代
版を見ているように感じる。盛者必衰の理ありですね。滅亡は、
世界の多くの国民の支持を亡くした時、いくら強い軍隊を持っても
、その衰退・滅亡を止めることは出来ないという滅亡の方程式を再
度確認することになるようですね。ハルマゲドン本番の開始ですか
ね。
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スコット・リッター氏インタビュー:「戦争を仕掛けるのなら確た
る証拠を示せ」 − 市街戦になれば米軍は40%の確率で3月末
までにイラクを核攻撃する −  
[ニューズウイーク日本版2・19]
表紙に「開戦前夜」という表現が刷り込まれている『ニューズウイ
ーク日本版2・19』に、来日したスコット・リッター氏のインタ
ビュー記事が掲載されている。

前段の文章:『「イラクの大量破壊兵器と製造施設は98年までに
90〜95%が破壊され、もはや脅威ではない」と彼は主張する。』

インタビュー記事:
『−−−パウエルが世界に示した「証拠」をどう評価するか。

 極めて説得力が弱いものだ。主張には何一つ裏づけがない。報告
のねらいは、大量破壊兵器が存在する証拠を示すことではなく、査
察への信頼を失わせることだった。イラクとの戦争を正当化するた
めだ。
 98年までの自分の経験から、イラク再武装という主張を額面通
りに受け取ることはできない。証拠らしい証拠を見せてほしい。私
は事実を要求する。

−−−国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のハンス・ブリ
クス委員長の報告では、たとえば6500発の化学爆弾が行方不明
とされている。

 イラン・イラク戦争中の83〜88年に使われた爆弾の一部が見つ
からないという話だが、ブリクスはそれらが意までも使用可能であ
るかのように報告した。だが、当時使われていた化学物質の貯蔵寿
命は5年で、今でも兵器として使えるものは残っていない。
 それが危険であるかのようない印象を与えるのは無責任だ。ブリ
クスがそんなことをするのは、アメリカの圧力でタフな査察官を演
じようとしたせいではないかと思う。それはまちがいだ。

−−−炭疽菌はどうか。

 炭疽菌は3年で無害化する。製造施設もわれわれが破壊した。そ
の後新たに原料物質を購入しないかぎり、炭疽菌を使った兵器があ
るはずはない。そして、イラクが原料を入手したという証拠は誰も
つかんでいない。
 生物・化学兵器をつくるために必要な物質の売買は厳しく監視さ
れている。それでも証拠がつかめないのは、買っていない可能性が
高いということだ。だが不可能というわけではない。だからこそ私
は、時間をかけて徹底的な査察を行うべきだと主張している。

−−−本当に大量破壊兵器をもっていないなら、イラクはなぜもっ
と査察に協力しないのか。

 アメリカの対イラク政策のせいだ。91年以降、アメリカの政策
目標はイラクの体制転覆、つまりサダム・フセインの排除であって
、イラクの武装解除ではない。フセインの警備体制をスパイするた
めに査察を利用したこともある。
 したがって、イラクが武装解除のための査察活動には協力する一
方で、査察の目的がフセインを捕らえて態勢転覆を図るための情報
収集だと判断した場合には、これを妨害したとしても矛盾はしない。
 一般には、98年に査察を中止に追い込んだのはイラクだと思わ
れているが、それは事実と違う。アメリカは、イラクが容認できな
いようなやり方で与党バース党の本部に査察官を送り込み、イラク
が拒絶すると査察団を退去させ、イラク空爆(「砂漠の狐」作戦)
の口実にした。

<中略>

−−−本当に核攻撃をすると思うか。

 非常に懸念している。クウェートを解放したときには70万人の
兵員が動員された。今回はイラクを占領すると言いながら、わずか
25万人だ。とうてい足りるはずがない。
 これは湾岸戦争とは違う。イラクの村や町や都市での戦いを強い
られるだろう。そうなれば40%の確率で、3月末までに核攻撃が
行われると思う。』
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<イラク問題>攻撃に踏み切ればブレア首相最大の危機 英国

 【ロンドン岸本卓也】イラク攻撃に反対する国内世論を考慮して
ブレア英首相は攻撃を可能にする新たな国連決議を求めている。
しかし、14日の国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の追
加報告は、査察継続要求を覆すだけの効果はなかった。米英が国連
の承認なしに攻撃に踏み切った場合、首相の政治生命は危機に陥る
という見方が広がっている。

 与党労働党議員の約3分の1を占める左派系議員はイラク攻撃に
強く反対している。一部の閣僚は国連の承認なしに攻撃した場合は
辞任すると首相に警告し、党員の4分の1が党籍を離脱するという
情報も流れている。党内分裂が決定的になれば党首としての首相の
責任が問われる。

 仮に首相が国連決議なしの攻撃に対する逆風を乗り切っても、イ
ラクとの戦争が長引いたり、犠牲者が増大すれば首相は確実に辞任
に追い込まれるという懸念が党内に高まっている。各報道機関は「
首相は大きな賭けに出た」と指摘し、首相は97年の就任以来、最
大の危機を迎えている。(毎日新聞)
[2月15日18時53分更新]
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■12対3で査察継続支持 イラク武力行使決議困難か 

 【ニューヨーク14日共同】国連安全保障理事会(15カ国で構
成)は14日、イラク査察の継続を要望した国連査察団の追加報告
を受け協議に移り、フランス、ドイツ、ロシア、中国の各外相を含
め12カ国代表が査察継続や平和解決を支持した。これに対し、武
力行使を容認したのは3カ国で、早期武力行使を目指す米国のパウ
エル国務長官は「今後数週間」で査察を打ち切るよう求め、武力行
使の本格的検討を促した。
 ブッシュ米政権は対イラク武力行使容認の安保理決議案を来週に
も提出する方針だった。しかし査察継続派が優勢な安保理の情勢か
ら早期採択は困難視されており、単独攻撃に踏み切るかどうかの決
断を今月中にも下さざるを得ない状況に追い込まれている。


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