1073.イラク戦争の開始準備



イラクの国連決議はフランスが米英の案を支持したために通りそう
です。このため、今後のイラクの対応いかんでは、戦争か無血占領
になる。その検討。    Fより

米国の中間選挙ではブッシュの共和党が圧勝した。このため、国連
対策が最重要課題になった。この国連での米英と仏露中との駆け引
きが非常に面白い。その焦点は、米英はイラクに親米政権を樹立す
ることであり、仏露中は既存石油権益を守るために、イラク政府に
アドバイスし、現イラク政府を温存させることである。

このため、仏露中は米英のイラク攻撃ができないように、米英の国
連決議を修正させて、やっと、イラク査察で問題が出たら、米英の
攻撃が出来るとした。よって、英米はイラク攻撃できるように査察
の内容はイラクのフセインが拒否するであろうこと、たとえば宮殿
の査察とかイスラエルの監視衛星で捕捉している山中の生物兵器隠
し場所などの要求が出てくるはず。それとイラクの元核開発研究者
などが指摘している場所になる。

そして、その要求を少しでも延期や拒否すると、国連決議違反とし
て即、米国はイラク攻撃をするようである。既にイラク西部にはイ
スラエル特殊部隊が、侵入して監視衛星で捕捉しているスカット・
ミサイルの捜査を開始しているようである。

しかし、査察を完全に受け入れたとしても、米英はイラク反政府の
クーデターやクルド族の反乱などの手法でイラク政府を倒して、親
米政権を樹立したいと考えている。

この対応策として、仏はフセイン政府を変革して、反イラク陣営を
取り込んだ親仏露中政権を樹立するようだ。この時は、既存石油権
益はそのままになる。しかし、親米政権ができると、既存石油権益
は、ご破算になるため、熾烈な戦いが米仏露の間で繰り広げられて
いる。日本は権益の局外にいるが。

次の焦点は、日本のイージス艦がインド洋、アラビア海で米国と共
に作戦活動をするかどうかでしょうね。この場合は集団安保でしょ
うから、今のところ官邸サイドはNOになっている。

しかし、イラクと連動して北朝鮮問題は軍事的色彩を帯びる可能性
もある。今までの動きを見ているとイラクと北朝鮮は、同盟関係に
あると見たほうがいい。その上に北朝鮮にサウジが金を提供してい
る。

このため、イラク攻撃を阻止するために、北朝鮮が、この東アジア
で大きな問題を作り、米国に二正面作戦を強いる瀬戸際戦術を繰り
広げることは十分検討しておいた方がいい。
よって、ミサイル実験として、日本に着弾させることもありえる。
核を積むことはないと思うが、天然痘のウイルスならありえる。
この防御はどうするのであろうか???
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安保理、対イラク決議採択
  
 【ニューヨーク8日=勝田誠】国連安全保障理事会は8日午前
10時(日本時間9日午前零時)過ぎから公式協議を開き、イラク
に大量破壊兵器査察を全面的に受け入れるよう迫る決議案を賛成
15の全会一致で採択した。

 採択された決議は、イラクに対する4年ぶりの国連査察を来月下
旬までに再開することを明記したほか、イラク側に非協力的な姿勢
が認められたときは、「さらなる重大な違反」と位置づけ、安保理
に対応を求めており、結果的に米国による武力行使に道を開く内容
だ。採択を受けてブッシュ米大統領はホワイトハウスで演説し、「
これは国連がイラクに課す最後のテストだ」とした上で、「イラク
は最も深刻な結果に向き合うことになる」と最後通牒(つうちょう
)を突きつけた。

 採択された「決議1441」は国連査察再開の道筋を規定。
〈1〉イラクは30日以内にすべての大量破壊兵器の開発計画を申
告〈2〉国連査察団は45日以内に活動再開、その60日後に安保
理に報告〈3〉安保理は報告を受けて必要な措置を検討する――
など具体的な日程を定め、7日以内の受諾を迫っている。

 また、イラクが妨害行為や非協力的な姿勢を見せた場合は、これ
が「さらなる重大な違反」に相当すると明記しており、米国はこれ
だけで武力行使の根拠となるとの立場だ。

 決議では、フランスの主張を取り入れて、安保理の役割強化が盛
られ、イラク側に違反があった場合は、いったん安保理で協議する
ことになっている。ただしこの時点で武力行使が可能か否かは、
解釈に幅を持たせている。ブッシュ大統領はこの日の演説で、「イ
ラク政権が全面的に協力しなければ武装解除はできない」と強調。
安保理が懲罰的行動を速やかに決められない場合には、米国は独自
判断で攻撃に踏み切る構え。対イラク戦争への準備は一段と加速し
よう。

 アナン国連事務総長は決議案採択後、「イラクが国際社会の強い
シグナルとして受け取ることを望む」と述べ、イラクに全面的な査
察協力を促した。

 採決をめぐっては、慎重姿勢を続けてきたフランスが、7日の非
公式協議で、決議案に安保理の役割が明記されたことを評価して賛
成に転換。フランスと共同歩調だったロシア、さらに中国も支持に
回った。

 直前まで棄権が予想されたアラブ最強硬派のシリアも賛成に転じ
、国際社会のイラク包囲網が築かれた。

 ◆対イラク安保理決議の骨子◆

 1、イラクは安保理決議への「重大な違反」を続けている

 1、イラクに武装解除の義務を遂行する「最後の機会」を与える

 1、イラクは決議採択から30日以内にすべての大量破壊兵器の
   開発計画を申告する

 1、申告に虚偽、遺漏があれば、また、イラクが決議履行を拒否
   すれば「さらなる重大な違反」として安保理に報告する

 1、国連査察団は決議採択後45日以内に活動を再開、その60
   日後に安保理に報告する

 1、イラクは決議採択から7日以内に決議の完全履行意思を確認する

 1、イラクの義務不履行の報告を受けた場合、安保理は即座に協
   議、関連全決議の完全履行の必要性を検討する
(読売新聞)
[11月9日2時9分更新]
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イラク大統領、新決議受諾に同意=オーストリア極右指導者語る 

2002 年 11月 5日 
http://news.msn.co.jp/articles/snews.asp?w=265539
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【ウィーン5日時事】イラクのフセイン大統領と4日に会談した
オーストリア極右・自由党の最高実力者ハイダー元党首は5日、
帰国後の記者会見で、フセイン大統領が新たな国連安保理決議への
受諾に基本的に同意したと述べた。

ハイダー氏は「フセイン大統領は新決議がイラクの主権と独立、
安全を保障するなら受け入れる用意がある」と述べ、「イラクから
の同意獲得は偉大な成果だ」と自らの実績を誇示した。 (了) 
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米の攻撃を回避するため、仏がイラクと秘密裏に交渉か=フセイン
大統領2男中心の政権樹立を画策 

2002 年 11月 3日 
【ドバイ3日】ロンドンで発行されているアラビア語紙アッシャル
ク・アル・アウサトは、フランスが米軍主導のイラク軍事攻撃を回
避するため、イラク政権を内部から改革しようと秘密裏に特使を送
り、イラクと交渉していると報じた。同紙は、仏の特使は米軍の攻
撃の口実を取り去ろうと、ここ何カ月もの間、バグダッドを往復す
るシャトル外交を繰り広げているとしているが、仏政府は2日、
この報道を全面的に否定した。

イラクは10月に政治犯に対する恩赦を行ったが、同紙は仏権威筋
からの情報として、これは仏特使の要請を入れて行ったものであり
、同特使は現在、フセイン大統領に代えて同大統領の2男のクサイ
氏が率いるテクノクラート政権を樹立すべく交渉を進めていると述
べている。

同特使は定期的に月に10日ほどバグダッドを訪れ、米軍の攻撃を
避けるためのイラクの内政・外交政策の変革の交渉を続けており、
イラク当局もかなり積極的にこれに応じている。先月には、フセイ
ン大統領自身が同特使を4回、閣議の際に招いたという。同特使の
主な対談相手はアジズ副首相だが、同特使はクサイ氏とも少なくと
も6回は会談したと、同紙は述べている。

同紙はこの大使の名前はピエール・デルバル氏で、最初は仏国営印
刷会社の支配人との身分でイラク入りしたと報じている。仏外務省
はこれに対し、そのような使命を帯びた大使をイラクに送ったこと
は全くないと否定した。〔AFP=時事〕


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