1064.CO2排出権市場について



京都議定書の発効がロシアの批准により、確実視される状況になっ
ている。このCO2排出権市場について検討しよう。  Fより

京都議定書発効を受けて、日本も2008年から1997年当時に
比べて6%減を目指して、実効的な動きをしないと、2008年に
間に合わなくなる。このため、2003年から5年間は実効的な
施策を官民上げて、実施しないといけない。

しかし、日本の動きが鈍い。ヨハネス環境サミットの報道も新聞の
片隅に追いやられていた。CO2排出権市場のための基礎的なデー
タもまだ十分ではないが、検討開始して実質的な行動をする必要が
あるのです。さすが三重県の北川知事はこの分野でも早い取り組み
をしている。家庭の電力を6%前年に比べて下げると、エコポイン
トが貰える施策をしている。他の県の追従するようですから、この
動向はいいですね。

日本は原子力発電で10%程度??の削減を考えていたのですが、
東電の原発検査の不正で、その原子力は増えるのではなく、減少す
る方向になってしまった。このため、新しいCO2削減手段を見つ
けないと達成できないことになってしまう。

一方、農村に目をやると、この農村の荒廃、日本経済低迷による
コメ需要の減少がある。有機農法で育てた農産物はCO2吸収元に
なるし、バイオマスの元になる可能性がある。この農村の荒廃は、
この吸収元を無くすことになってしまう。今の時期、藁や籾殻を燃
やすため、農村地域の道路は、ガスが懸った状態になっている。

しかし、この藁や籾殻をどろどろに煮た後、10トンの圧力のコン
プレッサーに掛けると瀬戸物のような材質のものができる。物は使
いようである。貝殻も同様なことをすると、プラスチックや象牙の
変わりになるようです。このように農産物の廃棄物も利用できるよ
うになっている。廃材も同様な処置をすると、上質な木材として利
用できるようになる。石油資源から生み出す材料の変換ができる資
材を生み出す可能性が高い。今まで捨てていた農村からの資材は、
どうですか??

このように農村をどうするかもCO2削減の一環として、日本とし
ての総合政策となりうるはずなのです。
このCO2排出権市場についてはT君より論文仕立てで述べる。
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CO2排出権市場について  Tより
CO2循環の構造としては、原因物質、発生源、吸収先があり、
それぞれCO2原因物質としてはゴミ焼却、化石燃料系(石油、天
然ガス、石炭)でしょうし、発生源としては火力発電所、交通機関
、家、工場、オフィスがある。
そして、吸収元としては植物の光合成による吸収が需要であろうか
ら、林業、農業、水産業が重要になる。技術的にはCO2固定技術
の開発が当面必要になっている。

CO2削減の方向性としてはCO2原因物質の減少、CO2発生源
の転換、CO2吸収源の増加がある。

CO2原因物質の減少としては転換する方法がいい。この方法とし
て自然エネルギーから生成した水素燃料への転換、菜種油や廃油か
ら生成するエタノールなどのバイオエネルギーへの転換を促進する
べきである。もう1つ原子力への転換は、総CO2コスト上の問題
があるようだ。

CO2発生源の転換の大きな比重を電力が占めている。この電力消
費の減少には風力+蓄電池、太陽光+蓄電池、夜間電力+蓄電池や
人力発電、健康機器で発電など人間の労力を電気に変換するのは、
どうであろうか??

工場の生産材も、石油からの材料ではなく、農産物廃棄物からの材
料に置き換えることがいいであろう。ケナフや籾殻、藁、貝殻、林
業の廃材などが利用可能であろう。

最後にCO2排出権取引の市場性を高めるためには、CO2排出量
の減少をエコ・ポイントに貯めるのがいいだろう。これは三重県で
始めている。
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http://www.abetaka.jp/riron/sin/sin2.html
ケナフについて
ケナフはアオイ科ハイビスカス属の一年草で、別名をホワイトハイ
ビスカスといいます。そうです。ケナフは植物なのです。それでは
他の植物とは違ったどんな特徴があるのでしょうか。鶴留俊朗『夢
、ケナフ』(南方新社 1998)には次のような説明があります。
「ケナフは地球温暖化の原因となる二酸化炭素を、一般の植物より
多く吸収します。光合成能力に優れ、二酸化炭素の量が多いほど早
く成長するという特徴があります。(筆者中略)ケナフは一年草で
成長が早く、病気にも害虫にも強く栽培も簡単なため、紙などの他
さまざまな資源として活用できます。ケナフは二酸化炭素を強力に
吸収固定化することによって直接的に、また、木の代替資源として
森林を守ることによって間接的に、地球温暖化防止に貢献できる植
物です。」
ここでは3つの特徴を読み取ることができます。
(1)光合成能力に優れている。
(2)資源として活用できる。
(3)地球温暖化防止に貢献できる。

ケナフの会 http://www.kenaf.gr.jp/
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2002年08月09日(金) 
再生エネルギーを推進 EU、15%目標提言へ 
http://channel.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20020809/20020809a3360.html

【ブリュッセル9日共同】欧州連合(EU)は、持続的な成長を支
えるエネルギー供給源として再生可能エネルギー(水力、バイオマ
ス、太陽熱、風力、地熱)の積極的導入を図っている。26日から
ヨハネスブルクで開かれる「持続可能な開発のための世界首脳会議
(環境・開発サミット)」では、2010年に電力の15%を再生
可能エネルギーで供給する目標を打ち出す見通しだ。EUの環境重
視の姿勢を示すことになるが、京都議定書が採択された1997年
の水準(6%程度)を大幅に引き上げるため各国の努力が必要だ。
目標達成に向け、この10年で20倍近くまで拡大している風力発
電にも期待が掛かる。
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環境省
削減CO2国が買い上げ 

 環境省は、地球温暖化防止のため、商店街や非営利組織(NPO)な
どが削減した二酸化炭素(CO2)を、1`当たり50円で買い上げる
制度を来年度からスタートさせる。来年度予算で約2億円を概算要
求する。
 新制度は「気候ポイント制」という名称で、CO21`・cを「1
気候ポイント」と定める。地域レベルで日常生活のCO2排出量を削
減するため、商店街、NPO、公益法人などが「地球協議会」を設置。
協議会ごとに温暖化対策を実行し、その成果に応じたポイントごと
に助勢する。
 同省で想定している対策は、▽商店街全体で冷房の温度を1度上
げる▽デパート・スーパーなどに太陽光パネルを設置▽学校の遠足
などで低公害バスを利用▽駅前、役場、団地などの一角に「共用自
転車」の置き場を置ける---など。
 協議会が計画を作り、同省の外郭団体「環境事業団」が審査を行
い、一協議会あたり40万ポイント(2千万円)を上限に買い上げ
る。
 CO2など温室効果ガスの排出量は国内で伸び続け、2000年度は
過去最高となった。特に家庭、オフイスなど民生部門は1990年度比
21.3%と大幅な増加となっており、地域レベルの対策が大きな
課題となっている。同省ではこれまでも家庭などでの省エネを呼び
かけてきたが、具体的な手法が必要と判断した。

記事出典:読売夕刊 2002年8月9日 3版 18
日経、他紙も同記事掲載あり
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環境省、温暖化ガス排出量算出法を標準化(日経)2002/06/15

 地球温暖化防止条約・京都議定書の批准を受け、環境省は企業が
排出する二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出量を見積もる
手法を標準化する。今夏までに指針として示す。企業が温暖化ガス
の排出量を自主的に公表する動きが広がるなかで、モデルとなる算
出方法を示す。 

 温暖化ガスはエネルギー消費に伴って排出されるが、実際の排出
量を見積もる手法は確立しておらず、各企業が独自の方法で算出し
ている。指針では電気や石油、石炭などエネルギーの使用量から
温暖化ガス排出量を換算する計算式を示す。 

 換算方法標準化によって、企業間での比較が可能になる。CO2
排出権の売買市場ができた際、各社が持つ排出権を算出する標準手
法となる公算が大きい。  
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http://www.iwate-np.co.jp/ronsetsu/ronsetsu.html
必要な生産現場の理解(岩手日報)

 収穫をほぼ終えた本県の今年の水稲作柄は「平年並み」となりそ
うだが、国のコメ政策の抜本的改革をめぐる論議が大詰めを迎えよ
うとしている。11月末の改革大綱決定に向け、農水省や農業団体
などの改革案≠ェ出そろいかけているからで、その行方がコメに
大きく依存する本県農業にも影響を与えるのは必至である。 

 国民の主食のコメ生産は、日本農業の根幹でありながら、食生活
の多様化などもあって需要量は減少の一途をたどり、取り巻く環境
は一段と厳しさを増している。需給と価格の安定に行われている生
産調整(減反)だが、面積が過去最大規模まで拡大されているのに
、米価は逆に低落傾向にあり、過剰在庫も積み上がっているのが現
状だ。 

 こうした現行制度に対する生産現場の不満、限界感も年を追って
高まっている。一方で経営規模拡大のための農地の流動化、利用集
積が鈍化するなど、水田農業の構造改革も立ち遅れ気味だ。
2004年度から取り組むコメ政策の抜本的改革、見直しにはそう
した背景がある。 

 生産調整の廃止提示
 そのテ−マは、生産調整、計画流通米などの集荷流通、過剰米処
理など幅広い。生産調整の手法について、農水省は見直しを検討し
ている「生産調整に関する研究会」に4つの改革案は示した。
@2004年度に国の生産調整配分を廃止
A経営判断を重視しながら生産構造改革を並行して進め、一定時点
で廃止
B地域の自主性を重視しながら改革を進め、一定時点で廃止
C生産構造改革を進めながら、状況を見て生産調整の配分を廃止−
の選択肢である。 

 AとBの廃止時期は07年度を例示しており、約30年間続いた
減反政策の段階的廃止を打ち出した。さらに4類型に共通している
のは、生産調整への参加は農業者が主体的に判断するとしており、
農業者の自己決定、自己責任を基本としている。多様な消費者ニ−
ズを受け農業者が市場を通して需要を感じ取る「売れるコメづくり
」に向けての対応でもある。 

 だが、国が関与してきた生産調整の廃止には、農業団体が「主要
食料への国の責任放棄であり、現場の不安を増幅させるだけだ」な
どとして反発を強めている。団体として現在、組織討議を急いでい
るが、仮に生産調整の配分が廃止となっても実効性が確保できなけ
れば過剰基調に拍車がかかり、需給ギャップが広がって米価の急激
な下落にもつながりかねない。 

 限界にきた現行制度
 こうした中で県は、先に農水省に対してコメの安定供給にこれま
で通り国が基本的役割を果たすとともに、制度改革に伴う急激な変
動を回避する−などを内容とした提案書を提出した。具体的には生
産数量と面積管理の併用による生産調整手法や生産調整の参加者に
は米価下落時に助成金を出すなどのメリットが必要、集落営農への
支援策などである。 

 確かに、全国的にみると、ほぼ一貫して目標を達成している本県
などは別にして、生産調整目標面積の未達成県も少なくないし、減
反に参加しない農家が自由にコメを生産、販売し、価格支持のため
の制度の恩恵だけを受けている実態もあり、実施農家は不公平感を
強めている。生産調整面積に応じて助成金を地域、農家に交付する
など、生産調整参加者へのメリット措置の必要性だ。 

 農水省は、生産調整研究会の検討や自民党農業基本政策小委員会
、農業団体などの論議を踏まえて、米政策改革大綱を決めるという
。改革は避けて通れないにしても、日本農業、地域経済を支える
コメづくりがかかっている。生産現場の将来展望が切り開かれるよ
う、さらに多角的な論議を深めたい。 
(瀬川征光) 


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