1017.資本主義経済からの変革



どうも、ベル・エポック(電子産業革新の時代)が終焉して、米国
風の資本主義も色させた感じになってきたようだ。それでは次の資
本主義??はどうすれば、いいのでしょうか。     Fより

米国風資本主義は、自由市場に全てを任せて、国家が市場に介入し
ないことがいいという市場経済絶対主義であるが、その限界がはっ
きりしてきている。

需要がないと、供給者サイドは値下げをしてでも、売ろうとするた
め利益の出ないデフレになる。今までは、そのようになると新しい
技術が出て、それまでの製品を陳腐化してしまい、新技術の製品を
ある程度高く売り、利益を取ることができた。たとえば、DVDや
インターネットなどである。

これは、電子技術の技術開発や用途開発の余地があり、その開発の
深みがあったことでできたのです。このため、中国や韓国などの
追随者が追いついてきた時に、新技術でふるい落とすことができた
のです。
しかし、電子技術にはもうこのような、新しい開発余地がなくなっ
てきたようである。勿論、インターネット技術にはまだ少し、技術
的な余地が有るが、IPV6チップぐらいで、もう先が見えている。

HDやメモリの高集積化も技術と言うよりは、腕力で勝負というよ
うな感じになってきている。それも技術の中心は製造装置の精度に
なっている。電子技術とは違う空調や洗浄液の分野が重要になって
きたのです。この技術も壁に突き当たることになるようだ。
このように電子技術という技術を発展させることにより、より便利
にして、前の製品を陳腐化させる仕組みが現在の資本主義を成り立
たせていたように思う。

そうでないと、前と同じ商品では、値下げでの需要喚起しかなくな
ることになり、誰も儲けることができなくなる。それと、追随者に
技術的に追いつかれて、かつ低賃金の労働力を使われて、先進諸国
の産業が敗退するようだ。

資本主義の問題点は、儲けることと、より大きくすることが重要で
ある。株式市場は、その会社が大きくかつより儲けることで株の値
段が上がる仕組みで、かつ、社長の評価が上がるような仕組みにな
っている。

このように資本主義の問題点に突き当たる状況になったのです。
この認識が重要になっている。

この認識があれば、解決は2つの道があることが分かる。

1つが、技術的なイノベーションを起こし、今までの製品を一挙に
陳腐化させることである。このため、燃料電池および水素燃料技術
を確立するべきとこのコラムでは、取り上げているのです。
イノベーション分野は規制緩和して、競争させて、イノベーション
を促進させ、イノベーション分野以外は競争者参入はさせるが、
秩序維持をも配慮した市場設計が必要であろう。勿論、技術的社会
的な革新により価格が正当な理由で下がるのであれば、規制緩和す
るべきであると思う。

2つには、資本主義の制度を変革することではないかと思う。
マルクスが資本主義の後は、社会主義と言っていたが、この社会主
義は大失敗であり、独裁主義になるようなことはいけないが、国民
の結果平等や秩序の維持はある程度必要であるという第3の道を、
志向するべきであろう。

市民の自由は保障するし、市場の自由も確保して、なおかつ結果の
ある程度の平等も考慮する。国民はある程度の経済的な保障を得る
。反対に、高額所得の制限はするのであろうと思う。
これも昔から、このコラムでは言っている。
日本人は皆兄弟であり、貧富の差を大きく広げるのは反対である。
MORE AND MOREの精神構造を変革して、自然と調和し
た社会を構築するべきであろうと思う。日本は今後、当分の間、坂
を転がり落ちるような気がする。しかし、日本人はそのような中に
、楽しみを見つけ、昔のような自然と調和した生活を取り戻すよう
な気がする。

このような生活が取り戻せれば、次の世界体制は日本が世界を指導
するようになると思うが???

しかし、今の日本は、第三の敗戦状況になっている。(第1の敗戦
は、白村江で日本・百済連合軍が唐・新羅連合軍に敗退して、朝鮮
での権益を失った。第2の敗戦は第2次世界大戦で敗退)

米国の企業買取をOKしたため、今後日本の株価が安いこともあっ
て、欧州資金と米国資金が優良企業買取のM&A、TOBなどが
頻発するであろう。この資金が日本にくれば、少し株価は戻す可能
性もある。
日本企業は、銀行からの借り入れができずに、投資資金を海外に頼
るしかない状況になっている。銀行は不良債権処理を加速すると、
資金の枯渇が明確化する。今後銀行の国有化は待ったなしの状況で
経済敗戦になっている。柳沢金融担当大臣の責任問題になるでしょ
うね。もう少し、早く手を打つべきであったと思う。
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小泉首相、日米首脳会談で不良債権の処理加速を明言
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20020913AT1FI001313092002.html
 【ニューヨーク=菅野幹雄】小泉純一郎首相は12日夕(日本時間
13日早朝)、訪問先のニューヨーク市内でブッシュ大統領と会談し
た。首相は会談後、同行記者団に対し「小泉内閣の最大の課題は
経済再生だと一番感じている。改革を軌道に乗せるため、不良債権
の処理を加速させていくと申し上げた」と述べ、会談で不良債権処
理の一層の加速を大統領に明言したことを明らかにした。 
 首相によると、会談ではブッシュ大統領が「日本経済はどうだろ
うか」と質問。これに対し首相は「株価の問題などいろいろ心配の
向きはあるが、小泉内閣の元で改革は着実に進んでいる」と強調し
た。さらに「内閣の最大の仕事は日本経済を立派に立て直すことだ
。改革をしっかりと進めていく」と述べた。ブッシュ大統領からは
「しっかりやってくれと激励を受けた」と語った。 (08:06)  


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