948.北朝鮮体制の将来



日米韓は、北朝鮮体制の将来をどう予見しているのだろうか?

 私の周辺には、金体制崩壊は時間の問題と言う意見が多い。
 金大中大統領の盲目的な「太陽政策」は、終焉だろう。黄海銃撃
事件で韓国側に死者が出たことで、メディアの「太陽政策」の批判
は高まっている。中国も江沢民後は、北朝鮮との親戚的な関係を
見直し、経済発展第一で国際協調を優先して北朝鮮を切り捨てる
可能性が高い。

 北朝鮮は盛んに経済を学ぼうと努力していることは明らかである
が、しかし、投資を促進させて経済を伸ばすことは、逆に、一般市
民に自国の惨状を理解させる結果となり、体制の崩壊に繋がるジレ
ンマを持っている。国を立て直そうとすればするほど、国のタガが
緩んでいくのである。

 それを待つまでもなく、国際的な市民団体の支援の元に、中国で
煩雑に外国領事館への亡命事件が起きており、中国でも北朝鮮との
国境付近に難民キャンプを建設中の噂も入ってきており、金体制崩
壊は私も時間の問題のように思える。

 しかし、金体制の崩壊は、今すぐは日中韓とも避けたいことは明
らかではないか? 韓国はやっと経済危機を乗り越えた状態であり
、とてもインフラの遅れている北朝鮮の面倒を見る力はない。共倒
れになってしまう。日本も、不景気であり、大量の難民が発生し
治安悪化は避けたいことである。中国も陸続きで親米国家が隣接す
る危機感、それに国境付近の朝鮮族の人たちの自治権問題など、
国内治安の面で、直ぐに、北朝鮮の崩壊は避けたいところであろう。
 となると、どう落としどころを見つけるのだろうか?
あるHPで、私は2つの方策を考えた。

 一つは、一党独裁を保持しつつ、金王政から別政体に変更し緩や
かな民主化を図りつつ、開放改革経済で経済改革を各国の援助の元
に南北統一への一里塚としていく案・・・しかし、抑圧された民衆
は、一端タガが外れれば一気に民主化の道を進んでいくのは、東欧
の事例が示す通りなので、金体制自体の崩壊は避けなければならな
い。

 となると、現実的には金正日のカリスマを利用して金体制は維持
させるが、金正日をコントロールして先の手段を選択させ、適当な
時期に権力を統一のための整理暫定政権へ委譲させて独裁者の末路
でなく、平和的に統一に向かわせた北側の英雄に祭り上げて、表舞
台から退かせるのが一番のように考える。

 しかし、北の朝鮮サッカー協会から、韓国躍進の賛辞の書簡が送
られる一方で、黄海事件の銃撃戦は、北の体制としてはあまりに
ちぐはぐな対応である。
メディアで言われているとおり、金体制が軍の強硬派を押さえきれ
なくなったのか・・・
 金正日が望んでも、統一で甘い汁を吸えなくなる軍の強硬派の
反発が考えられるし、だいたい金正日自体のコントロールも難しい。
 私には、朝鮮半島の落とし何処が判らなくなった。
ふる@鶴川
==============================
件名:南北交戦事件  
今回の黄海上で発生した南北交戦事件は偶発的なものではなく純粋
な軍事行動だ。
境界を越えてきた北朝鮮軍の艦艇二隻は、いきなり韓国軍の警備艇
の操縦席を狙った。操縦室を攻撃するということは船の機能を奪い
沈没させるためだとしか考えられない。

実際、警備艇は沈没した。どうもこの背景には最近の韓国社会の変
化があるのではないだろうか。六月の地方選挙では与党が敗退、
W杯で韓国人は愛国心を見せつけた。

北朝鮮はこれまで金大中大統領の太陽政策を利用して韓国人をうま
くだましてきたと思っていたが、その思惑がはずれたことに気付い
たのではないのか。

現在韓国ー北朝鮮を結ぶ鉄道の建設もしている。この計画も韓国の
資金でやっているもので、実際出来たら大量の北朝鮮難民が韓国へ
流れて来るだろう。これは北朝鮮の崩壊につながる事に間違いない
。東ドイツの崩壊と同じ道を北朝鮮はたどると思われる。

二〇〇〇年六月の南北首脳会談では、「連邦国家」「統一旗」「統
一の歌」が登場した。これらは韓国人に国家のアイデンティティー
を意識させないものだったようだ。

W杯で韓国人は「大韓民国」「太極旗(韓国の国旗)」「愛国歌(
韓国の国歌)」を揚げて熱狂的に応援した。このことは北朝鮮の南
政策が失敗したことが明らかになった。

北朝鮮の金正日(総書記)は大変なショックを受けただろう。この
軍事行動は今までのように緊張を高め交渉を有利に進めたいと思っ
ているのだろう。浅はかな考えとしか云えない。

アメリカは在韓米軍(国連軍)を通じ今回の事態について軍事協議
を呼びかけた。韓国側に四人の死者がでる今回の事件はこのままで
は済まないだろう。

W杯の閉幕直前と金大中韓国大統領の訪日前日というタイミングか
ら意図的、計画的な「テロ」の性格も帯びたものと見ることも出来
る。北朝鮮の目的は韓国の「自尊心」の破壊であり、W杯の韓国の
シンボル「赤いシャツ」へ水をかけることだったのだろう。

思い返せば北朝鮮は八六年アジア大会で金浦空港爆弾テロ事件、
ソウル、オリンピックの前年の八七年に大韓航空爆破事件を起こし
たのも今回と同じ理由だと云える。

韓国の北朝鮮に対する態度も変わるだろう、私は金正日がいる間は
統一は出来ないだろうと思っているしする必要がない。

日本も北朝鮮には毅然とした態度を示すべきだ。昨日小泉首相は
コメントで「困った事が起こった」と発言していた。少なくとも
「遺憾な行動だ、許すことは出来ない、今後北朝鮮からの入国の禁
止を考えなければならない、テロ国家と云っても過言でない」
何故他人ごと見たいな発言しか出来ないのか。北朝鮮との国交など
考える事はない。
小泉首相は北朝鮮のテロ行動を恐れてるように思われる。
Kenzo Yamaoka
==============================
(Fのコメント)
北朝鮮問題をあまり触れなかったので、いろいろな方から最近の北
朝鮮はどうですかと言われている。

はっきり言って、北朝鮮の国内は餓死者が出ているはず。国連の食
料援助機関もほとんど北朝鮮には援助していない。日本も米国も今
はアフガン中心に援助をしている。このため、北朝鮮内部の食料危
機は大変なものになっている。もしかすると、今までの戦争用食料
備蓄も取り崩している可能性がある。そして、今後の事件で韓国ま
でもが食料援助を停止すると言うのである。

北朝鮮は欧州や日本に繊維製品・革製品を輸出して外貨を稼ごうと
しているが、これだけでは少ない。アリラン祭で観光客を誘致しよ
うとしているが、それもうまくいっていない。それは米国からテロ
国家と言われているため、世界の人たちは、ひどい国という印象が
あるためであろう。ミサイルの輸出が北朝鮮で外貨を稼げる唯一の
道なのであろう。

中国も北朝鮮難民問題で人道的でないと非難されている。北朝鮮の
味方になりたいが、世界が許さない。そこに南北交戦事件が起こり
、北の計画的な軍事行動であろうとなった。このため、韓国の交戦
基準が変更になり、今後は遠距離から威嚇できることになる。
北朝鮮艦艇には、レーダー連動の大砲がないため、こうなると大い
に不利になる。

北朝鮮も生き残りはふるさんではないが、難しいのではないでしょ
うかね。どう北朝鮮と韓国を統一するかを中国、米国、韓国と日本
が協議する時が来たように思うが??

そして、金正日が退位して、韓国管理下の北朝鮮政府を作り、その
後、徐々に朝鮮統一をすることであろう。戦争を起こしてまで北朝
鮮を崩壊しなくても、ミサイル輸出を封鎖するだけで、食料と外貨
がないため北朝鮮は崩壊する。ミサイルの部品を日本から調達して
いるが、その部品の運搬に使用している「ばんけい号」を止めるこ
とも検討する必要がありそうですね。
==============================
「KNTDS」で鮮明になった北の挑発現場(朝鮮日報)

韓国海軍は、99年度から「KNTDS(Korea Navy 
Tactical Data System/海軍戦術指揮統制体制
)」を運営している。これは延坪(ヨンピョン)島海域の状況を
一目で把握できる最先端の指揮体系だ。このため今回の朝鮮民主主
義人民共和国(北朝鮮)による西海での武力挑発時の状況もKNT
DSに全て記録されている。 
 極秘にされているKNTDSが、4日、事態の調査に着手した与野
党の議員らに初めて公開された。海軍の第2艦隊は、事態発生当時の
KNTDSコンピューターモニターを与野党議員に見せながら説明し
た。これを通じて議員たちは、西海交戦の発生した当日、韓国の漁
船が漁業阻止線を犯したことはなく、北朝鮮側の「計画的な挑発」
を明白に確認することができたという。 
 軍事筋の新千年民主党(民主党)千容宅(チョン・ヨンテク)議
員とハンナラ党の朴世煥(パク・セファン)議員を通じ、北朝鮮の
挑発当時のKNTDSコンピューターモニターを再現してみる。
このモニターは、一方の壁面を覆う程度の大きさで、船舶の動きは
もとより、大型砲弾の軌道までリアルタイムで中継したという。 

▲NLL侵犯=6月29日午前9時50分まで、モニターは通常と変わら
なかった。青色の画面の上に56の橙色の点が、NLL(北方限界線
/赤い線で表示)の南側の漁業統制線(赤い線で表示)と漁業限界線
の間で点滅していた。橙色は、海軍の凡例に基づいて漁船を表示す
る記号だ。28隻の漁船はワタリガニ漁場に入っており、残りは一般
操業を行っていた。海軍の高速艇を表す6つの記号は、漁業阻止線の
すぐ北側で漁船の操業を監督していた。高速艇は、白い四角の中に
緑色の丸が入った形で表示されていた。 

 しかし、北朝鮮側の状況は普通とは違っていた。まずNLLの北
側に北朝鮮の漁船が1隻もなかった。ワタリガニ漁の季節に漁船が1
隻もないことはほとんどなかった。北朝鮮の警備艇を表す赤色の記
号は2つしかなかった。この赤い点のうち1つが武力挑発を仕掛けた
警備艇第688艦だった。だが、この時点では、第2艦隊の指揮官たち
は北朝鮮の海域に漁船がないことを異常兆候とはみなさなかったこ
とが分かった。  
 
 9時54分、赤い点が1つ南下し、NLLを侵犯していることが表示
された。韓国高速艇を意味する緑の記号6つのうち2つがこれに接近
をはじめた。遮断機動、いわゆる“体当たり”をするためだった。
10時1分、もう1つの赤い記号(問題の北朝鮮688艦)がNLLを侵犯
した。記号が速い速度で南下しているのが、そのまま状況板に表れて
いた。 

▲射撃を受ける=韓国側の緑の記号2つが赤い記号(北側688艦)を
阻止するため、北側へと向かった。緑の記号1つ(358号)が先に、
赤い記号のすぐ前(500メートル前方)を通り過ぎ、背後へと回った
。後を追っていた緑の記号(357号)が再び赤い記号の前を遮る瞬間
(10時25分)だった。突然、赤い記号から赤い線が表示された。85
ミリ砲の軌跡が状況板に表示されたのだ。これにより、韓国の357艦
は胴体の側面が露出された状態で射撃を受けた事実が鮮明になった。
 その直後、韓国の358艦、357艦、北朝鮮の688艦からは赤い線が継
続して表れた。交戦状況だった。朴世煥議員は「砲撃は画面上に赤い
点が表れる形で表示された」と述べた。その時、先に侵犯していた
北朝鮮警備艇は北側へと戻り、その警備艇に密着していた韓国の
高速艇が交戦現場へと駆け付ける様子が表れた。 

 交戦地域から13キロ後方にいたもう1つの緑の記号2つも北上を
始めた。韓国の哨戒艦だった。哨戒艦は韓国の漁船群の両側で警備
にあたっていた。しかし、哨戒艦の北上はジグザグ式だったという
。魚網などの障害物を避けるためだった。哨戒艦からも赤い線が表
れた。76ミリ砲を発射しているのだと議員らは説明した。韓国漁船
を表す56の紅色記号のうち、一部は南側へと移動したが、一部は引
き続き漁場に留まっていた。しかし、1つの記号も魚路統制線を超
えてはいないことが確認された。

▲北の退去=10時50分、交戦地域にいた韓国高速艇の緑の記号6つ
が突然分散をはじめた。千容宅議員は「この時、北朝鮮後方にある
誘導弾艇のスティックスミサイルレーダーが稼動したため、韓国第
2艦艇司令官が高速艇編隊に分散するよう命令したという」と伝えた
。 
 その間、10時54分に、挑発を敢行した北の688艦はNLLを越えて
退去した。この時まで、北の漁船は1隻たりともなかった。攻撃計画
に基いて、既に漁船を疎開したに違いないと両党の議員らは伝えた
。
シン・ジョンロク記者 
ユン・ジョンホ記者 
==============================
「北の謝罪なければ食糧支援を中断」(朝鮮日報)

政府は5日、丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官主宰で国家安全
保障会議(NSC)の常任委員会を開き、先月29日発生した朝鮮民
主主義人民共和国(北朝鮮)による西海挑発が明白な意図を持って
行われたとの意見で一致し、北朝鮮の謝罪または遺憾の表明、再発
防止対策を要求した政府の方針を再確認したと伝えられた。
 合同参謀の調査結果が報告された同日の会議で、出席者らは北朝
鮮が相応の措置を取らない場合、今後しばらくは北朝鮮に対する
食料支援が困難であることに認識を共にしたことがわかった。政府
はこの間、北朝鮮が経済協力推進委員会に応じた場合、30万トンの
コメを支援する計画だった。
 政府は同日、今月末にブルネイで開催される第9回アセアン地域安
保フォーラム(ARF)の議長声明に西海挑発問題を盛り込む案も
検討している。 
 しかし、政府は北朝鮮に対する和解と協力政策の基調は維持しな
がら、対話で西海事態を解決すべきとの原則を再確認し、今後米国
との緊密な協調でもって米国特使の訪朝が再び推進されるよう努力
しながらも、焦らないという方針で意見一致をみたことがわかった。
権景福(クォン・キョンボク)記者 


コラム目次に戻る
トップページに戻る