863.失敗学について



失敗を生かす仕事術」畑村洋太郎 講談社現代新書
「失敗を生かす仕事術」畑村洋太郎著を読んで、その意味するとこ
ろが、参考になるので、Fの見解も足して、述べてみたい。

今後、日本は新しい価値、製品を産み続ける必要がある。ルーチン
・ワークという定式通りの仕事する人は中国や日本ではアルバイト
に任せていくことになり、会社員で高給取りになる人は、新ルール
を生み出す定式を作る人になるしかない。

この定式を作ることは、新しいことにチャレンジすることで、そこ
には失敗が付き物である。失敗し、それに学び、そしてその失敗を
糧にして、新しい定式を生み出すのです。
自分の取り巻く環境、すなわち、制約条件が時代とともに変化して
いるのです。それと、人間の志向が変化しているのですから、過去
の成功にいつまでも、しがみ付いているは、知らぬ間に、時代遅れ
になって売れなくなっていくのです。何もしないことが一番大きな
リスクになるのです。

人が未知なものにチャレンジする時、そこには必ず失敗が待ってい
るのです。この失敗に学ぶのです。個人の獲得できる知識の質と量
は失敗体験の量で決まると言っても言い過ぎではない。
失敗にも、よい失敗と悪い失敗がある。人の成長に必要な失敗は、
「よい失敗」で、不注意や誤判断など単純ミスが原因で繰り返され
る失敗は「悪い失敗」といえる。

定式化とは自分でシナリオを作ることです。あるテーマからその解
決を導き出す方法を考えるのがシナリオです。このシナリオを出す
ためには、過去のいろいろな経験や論理や法則を組み合わせる必要
があります。これを構造化といいます。そして、この構造化された
シナリオをブラシュ・アップしていくのです。この時、見えない
要素間の相互影響があったり、また法則通りいかないことや、経験
不足で、そう簡単に成功しません。このため、一度、一般化した物
の考え方をして、その上位概念を引き出して、他の例を持ってきて
考えることが必要になってくるのです。または、他産業や他地域の
例を持ってきて考えることでもいいですね。

しかし、日本の組織は硬直化していて、失敗を認めない体質になっ
ている。このため、三菱自動車ではないが、失敗を隠す行動に出る。
このため、その失敗を隠す行動自体が皆に分かった時は、致命的な
打撃を受けることになるのです。それと、失敗を恐れて、チャレン
ジしない体質になるのです。または、危なそうなら、他人にやらせ
ることになるのです。自分の仕事範囲を極力、小さくしていこうと
します。日本の大企業の組織は老朽化していて、往々にしてこの事
象にぶち当たりますね。たらい回しで、だれが担当者か分からない。

組織的に失敗を許容する姿勢がないと、組織の下にいる個人では、
恐ろしくて、失敗をしない方向にシフトしますから、その組織から
は新しいことが生まれません。チャレンジさせるためには失敗をす
る必要があるのですし、その失敗が致命的に成らないような規模で
、失敗する必要があり、失敗を前提にした組織運営をすることが重
要です。初期はこのため、少人数の組織でかつ、柔軟な動きが出来
るようにするべきです。それと、失敗から学ぶ姿勢が必要ですし、
その失敗を普遍化する努力が必要です。後々の法則が確立します。
そして、その時期に多くの失敗とその失敗から学ぶことです。成功
の方法を確立したら、組織を大きくしていくのでしょうね。


コラム目次に戻る
トップページに戻る