814−2.米国の世界戦略



 秋好です。
 ブッシュ大統領の極東来訪を機に、米国の世界戦略について、
考察して見ました。
 同大統領は共和党の大先輩のセオドア・ルーズベルト大統領の伝
記を読んで、新たな感銘を受けたらしい。
 セ・ルーズベルトは新渡戸稲造の”武士道”を読んで感動された
武人元首で、大国ロシアと戦う小国日本の肩を持ってくれて、ポー
ツマスで講和の段取りをしてくれた武士道精神の持ち主だった。
 帝国日本を追い詰め、自国の太平洋艦隊を生贄にして、米国民を
第2次世界大戦に引きずり込んだ民主党のフ・ルーズベルトとは器が
違うのだ。
 ソ連を「悪の帝国」と決め付けて、軍拡競争に引きずり込み、核
大戦を避けながら、この帝国を破産させたレーガンの「よき後継者
」であるテキサス男のブッシュ---ヨコスカの小泉と同様、サムライ
のようで、目が離せない。 2月17日
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        米国の世界戦略(秋好)
世界戦略:
 米国は世界政府の建設を視野に入れて、世界戦略を次のように構
想しているようだ。
1.ロシアの共産主義は倒したから、次は中国共産主義だ。
2.国際共産主義に代わって反抗的な国際イスラム原理主義を討伐す
 る。
3.アメリカン・デモクラシー(3権分立、文民統制、政教分離、自由
 競争)の世界化。
4.インターネットなどで、文化(言語)をキリスト教(英語)で統
 一し、米国的世界化を推進して、米国主導の世界連邦建設に向かう。
-----要するに、当面の主敵はイラク(そして、イラン、国際イスラ
ム)、副敵は北鮮(そして、中国)なのだ。 そこで、イラク、イラ
ン、北鮮を「悪の枢軸」として、規定した。
戦略予算:
 その為に、2003年の国家予算は軍事に重点をおき、一挙に15%UP
する。
 従って、ブッシュ政権は日本の税収47兆円を上回る、50兆円という
膨大な国防予算を見込んだ。 財政赤字を10兆円見込んだ国家予算
280兆円の20%に達する。
 これは日本の国防予算の10倍である! (ちなみに、日本では対
国家予算比は6%)
アジア戦略:
1.北鮮がミサイルを日本の頭上に飛ばしたり、スパイ船を寄越した
 りするのは-----
(1)日本の平和ボケを治すのには、好都合だ。
(2)北鮮の凶悪さ、侵略性が明らかになり、敵視できる。
(3)韓国の「太陽政策」は宥和政策であり、無効。
2.中国がチベットを「武力解放」したことは黙認するが、台湾の「
 解放」は許さない。
3.親米的な日本、フィリピンなどとは合同軍事演習をさらに重ねて
 、独裁国の暴発や極左、イスラムのテロに備える。
4.極東では、日本の軍事力を活用する方向で政策を推進する。
5.南アジアの緊張には、インドの軍事力を当てにする。
6.中央アジアの石油、ガスなどの利権は確保する。
7.西アジアの石油利権確保のため、アラビア、パキスタンの親米政
 権を支持。
8.イスラエルの自衛自存の戦いは支持し続ける。
その他の地域
1.ユーロで通貨統一した欧州が、次に欧州連邦を目指すことは、黙
 認する。
2.アフリカの反米が明確になったら、その国は「悪」に組み込み、
 征伐する。
3.南米諸国の反米勢力は足元なので、空爆せずに謀略を以って征伐
 する。
世界連邦
日本はアフガンのタリバン征伐で、既に小艦隊を派遣して、軍事支
援の実をあげたので、アフガン復興の主導権を取らせてやった。 
これで「口ばかりの」仏独と違い、日本は英国同様に同盟国として
、信頼できることが判明した。そこで、小泉政権を支持し、次のイ
ラク再征にも日本の支援を取り付ける。米英日の3国同盟スタイル
で進めれば世界に「敵はない」から、アングロサクソンとヤマトで
、反米:反世界化の抵抗勢力(共産主義、原理主義、その他の反自
由主義)を次々と撲滅・征伐してゆく。20年後あたりに、中国がア
ジアの覇権をめざして立てば、日本とインドを前面に立ててこれを
挟撃する----そして、2050年頃に国連本部を世界連邦政庁へ改造す
る。 
このときには、列強に国軍を供出させて、地球総軍を常設する。
アジアでは日本、中東ではイラク、欧州ではドイツに総軍非核部隊
をおいて、即応体制を採る。 無論、30年後には、日本は改憲後、
イラクは民主化後であり、ドイツはEUの中核となっているだろう。
(最新鋭のF-16戦闘団は今後とも、日独に駐留させる)
宇宙軍
核装備はこれを総軍宇宙軍の管理下におく。 核拡散は今後とも、
封じてゆく。
また、異星人の侵攻に備えて、核武装はこれをさらに開発、発展さ
せる。 このために、臨界実験や宇宙ステーションなどを推進する。
同時に火星探査、開発を推進する。 外惑星に前進基地があれば、
心強いことだ。
すでに月に星条旗を立てた。 この次は火星に立てるだろう。
50年先を読む
------米国の科学、軍事、政治の奥の方では、以上のように構想して
いるように思われる。
だから、ミサイル防衛構想は日伊の外相が反対しても止めないのだ。
 反対した2人の外相が辞めたのは、裏で米国が糸を引いた、とも思
えないが。
また、現有のF-15イーグルでも無敵なのに、さらに次世代機の開発を
進める。 向こう50年間で3000機、米国の陸海空、海兵4軍の他に、
日本、英国その他の同盟国への輸出3000機を見込めば、向こう50年で
100兆円をこえる超ビッグビジネスとなるらしい。 開発に5年かけ
た受注合戦で、ロッキードマーチンがボーイングを振り切った、と
いう。 これほどの国家プロジェクトでも、競争原理を失わないの
だ!そして、その生産工場はブッシュの国:テキサスにあるのだ。

海兵隊と空母戦闘群による「海から(FROM-the SEA)戦略」を維持
して、世界秩序を偵察衛星で睨み、「世界の保安官」であることを
全人類に知らしめ続ける。
なお、異性人の宇宙侵略軍の来襲には、「全人類の守護神」として
立つつもりだろう。
これらの宣伝のために、ハリウッドにはアメリカ魂を高揚させる映
画を作らせる。
このため、2度と孤立主義(モンロー主義)は採らないだろうし、
「アメリカ帝国主義」だろうが、「単独行動主義」だろうが、批判
は甘受して、無視するだろう。 

20世紀初め、日本海軍がロシア艦隊を打ち破ったとき、「次はわが
海軍との決戦になるな」と、予測した米国である。 予測どうり、
40年あとに日米両海軍は太平洋で雌雄を決することとなった-----結
果はご承知のとうり、帝国海軍を太平洋に沈めて終った。
我々もいたずらに、拝米と反米の間を行ったり来たりするのはもう
やめて、同盟国アメリカの長々期計画を睨みながら、「国家50年の
計」(百年の計では、空論になってしまう!)
を策定したいもの。 その第1段が改憲(自衛隊の合憲化、首相公選
など)にあり、これを10年以内には達成する------というあたりか
ら、と思われるがいかがでしょうか?
                       02.2.16 記 
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YSです。
野上義二事務次官の後任として、本日付けで正式に決まった竹内行
夫インドネシア大使は、ヴェロキラプトル (ポール・ウルフォウィ
ッツ国防副長官)ととっても仲がいいようです。
気を付けないといけませんね〜。

▼詳しくは拙稿コラムを参考に
「810−2. ダボスを喰らうヴェロキラプトル」
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1402192.htm

ウルフォウィッツはとっても過激なネオコンの親分です。
(引用開始)
■2月19日 9:58 
人事:竹内外務次官を閣議で正式決定 野上氏の後任
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/jinji/20020219k0000e060015000c.html
 政府は19日午前の閣議で、田中真紀子前外相とともに更迭され
た外務省の野上義二事務次官の後任に、竹内行夫インドネシア大使
(58)をあてる人事を正式に決めた。野上氏は、次官退任後とし
ては異例の官房付となる。同省は川口順子外相―竹内氏のラインで
、不祥事で揺れた同省の立て直しを図り、外交官の意識改革や民間
との人事交流などの省改革に着手する。

 竹内氏は67年入省。野上氏の1期下にあたる。
[毎日新聞2月19日] ( 2002-02-19-10:01 )

■外務次官後任に竹内行夫・駐インドネシア大使
http://www.nikkei.co.jp/news/zinzi/20020207DIII116707.html
 政府は7日、アフガニスタン復興支援国際会議への非政府組織
(NGO)参加拒否問題をめぐって更迭する野上義二外務事務次官
の後任に、竹内行夫駐インドネシア大使を起用する人事を内定した
。川口順子外相が同日夕、小泉純一郎首相に報告し、了承を得た。
19日にも閣議で決定、発令する。

 外相は7日、竹内氏を起用した理由について「改革マインドがあ
って実際に(外務省の)中を説得し、信念を持って実行できる人だ
。年次にとらわれず考えた」と説明。
そのうえで「外務省改革をやらないと国民の支持は得られない」と
強調した。外務審議官や局長級の人事異動は「予算委員会のある大
事な時期であり、最小限にとどめる」とし、通常国会終了後に実施
する意向を示した。

 竹内 行夫氏(たけうち・ゆきお=外務次官)67年(昭42年)京
大院中退、外務省へ。総合外交政策局長、01年1月インドネシア大
使。東京都出身、58歳。


■Help from RI's friends: Takeuchi and Wolfowitz
Opinion and Editorial - February 18, 2002

Kornelius Purba, Staff Writer, The Jakarta Post, Jakarta
http://www.thejakartapost.com/yesterdaydetail.asp?fileid=20020218.C02


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