804−2.北朝鮮攻撃はあるか?



阿部@イジャペルです。

> イスラムが自重して、戦争にならない可能性とロシアやEUの権益
> があり、イラクやイランとの戦争は、できない可能性があるのです。
> そうすると、先に北朝鮮ということが考えられる。ロシアや中国は
> あまり、北朝鮮との利害を持っていないので、見殺しにする可能性
> が高いと思っています。

 米国にとって北朝鮮は、東アジアにおけるアフガニスタンの役割
(本当に倒したい国を叩く前哨戦の戦場)を果たす国だと思うので
すが。

 大体、北朝鮮を叩いても、充分な回収が期待できません。弾薬消
費によって引起こされる単なる復興支援は、アフガニスタンへの支
出が決まっている今は不要です。北朝鮮には特に資源も無いので投
資先としての魅力に欠けます。また、その先に横たわる果実は大き
過ぎるので、収穫に必要な投資が大き過ぎて収穫に掛れないでしょ
う。そんな訳で、北朝鮮はアラブ世界を倒した後だと思うのです。
タイミングはブッシュ2期目終盤が好都合でしょう。選挙勝利後に
戦争が終わる位が良いですね。そうすれば自然と大陸中国との緊張
が高まるから、3期目が終わるまでは放っておいてもブッシュ政権
は高支持率を保てる筈です。

 北朝鮮のキムを今叩くには、米国内での悪名が未だ不充分です。
今後、交渉を重ねて悪名を米国民に知らせる必要があるでしょう。
更に言えば、その宣伝には既存の悪名人イラクのフセインが居る現
状は不都合としか言いようがありません。イラクのフセインには宣
伝に随分投資したので、そろそろ回収の時期でしょう。という訳で、
1期目終盤の生贄は、米国の敵としての知名度が充分に高くなった
イラクのフセインです。

 797-2 の分析によれば、EUが中東での戦争に反対するのは既存
のイラン石油権益を守る為、ですよね。とは言えEUも、政府レベ
ルでは米国の対アラブ世界戦争に参加しないと言い、反対運動を放
置するくらいに留まっています。

 カトリック連合のEUの本音は、プロテスタントの英米(この括
りが事態の理解をイマイチ複雑にしていると思うが)とアラブ世界
の噛み合いによる実力低下が望ましい、というものだと思います。
だからビンラディンの時にはローマ法王が『米国とは立場が違うん
だよ』と宣伝していたのだと思うのですが。

 EUが、イラン権益を守る為と対アラブ世界戦争に参加せずに実
力を温存する為には、米国の対アラブ世界戦争への反対表明は当然
です。この反対表明は戦後(どっちが勝っても良い)の権益拡大の
為の伏線でもあります。

 さて、我が日本はどうすべきでしょうか?。


それではまた。                                     阿部 靖志
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行政調査新聞がこのコラムと同じような評論している。それを見る。
     Fより
狙われる北朝鮮 (行政調査新聞)
http://www.gyouseinews.com/index.html
 東シナ海不審船事件 

昨年(平成13年)12月22日、東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)内
で不審船が出現、海保と銃撃戦をして挙げ句に沈没(自沈)するとい
う事件が起きた。この事件については当初、新聞TVを初め多くのマ
スコミがさまざまな情報を流したが、年が改まったところですっか
り忘れられた感がある。しかしじつは、この事件の背後には非常に
興味をひく、いや驚愕の内容が隠されていた。 

問題の本質を記す前に、まず不審船事件について考えてみよう。 

12月21日にわが国海上自衛隊哨戒機によって発見され、海上保安庁
の巡視船が追尾、最後には沈没した不審船は、明らかに北朝鮮のも
のと思われる。事実、この船は北朝鮮の南浦(ナムポ)港から出港し
たことが明らかにされており、一旦上海沖まで南下した後、東シナ
海を北上、奄美大島沖で海自哨戒機に発見されたものだ。 

北朝鮮には4つの軍港が存在する。日本海側に面して清津(チョンジ
ン)と元山(ウォンサン)港、そして渤海側に面 して南浦(ナムポ)と
海州(ヘジュ)港がある。それぞれの軍港は役割が明確化されている。 

清津は対日本基地。かつて日本海能登半島沖に現れて高速で逃げ去
った不審船は、清津から出港したものだった。 

他の3つの軍港はすべて対韓国用のものだ。元山は対韓国東海岸(日
本海側)をターゲットにした軍港。南浦は対韓国南海岸を、海州は対
韓国西海岸をターゲットにしたものである。 

また北朝鮮の工作船は、その装備が対日本用のものと対韓国用のも
のでは、まったく異なる。 

日本の場合、海上自衛艦が出て行こうが海上保安庁の巡視船が出て
行こうが、これまでは絶対に攻撃をしなかった。攻撃しない艦船に
対して武器を所有することは、かえって拙い。万一拿捕された場合
も、武器(兵器)所持が問題となるし、その武器や兵器を没収・分析
されることは拙い。だから対日本用の工作船は、一切の火器を持た
ず、ただひたすら逃げることに眼目を置く。 

ところが対韓国の場合は、そうは行かない。かつて韓国に侵入しよ
うとして撃沈された例などを見てもわかる通 り、韓国側は拿捕、捕
捉など毛頭も考えていない。北朝鮮の工作船が現れたら撃沈させる
ことしか考えない。これは韓国・北朝鮮の歴史が作り上げた残念な
事実なのだ。だから対韓国用の工作船は重装備して銃撃戦に備え、
そして最悪の場合、自爆・自沈する覚悟を決めている。 

昨年末に日本の経済水域(EEZ)に出現した不審船は、南浦港を出港し
たものだった。常識的に考えて、これは対韓国用工作船である。 

平成十一年三月末に日本海・能登半島沖に現れた不審船(北朝鮮工作
船)は清津港から出港した対日本用のもので、船体には日本の漁船と
思わせる名がペイントしてあった。今回奄美大島沖に現れた不審船は
、『長漁3705』と中国名をペイントしていた。これはいったい何を
意味するのか? 日本侵入用の工作船なら日本の漁船名を記すのが当
然であり、中国名を記しているのは、明らかに韓国海域侵入用のも
のである。 
しかも今回の船は、ロケット砲などで重装備しており、また対日本
用に作られた工作船のように逃げ足が速いものでもなかった。 

誰が考えても、この船は対日本工作のための船ではない。明々白々
に、これは対韓国用の工作船である。

ところが、そういった報道が一切なされていない。なぜか――。 

今回の不審船発見は、米軍の情報提供から始まっている。 

じつは12月中旬時点で米軍軍事偵察衛星が南浦港を出港する3隻の工
作船を捉えており、この情報が12月18日に防衛庁に伝えられ、やが
て鹿児島県喜界島の通 信施設(通称「象の檻」)が通信無線を傍受。
派遣された対潜哨戒機P3Cが21日夕になって奄美大島沖の漁船の群れ
のなかに不審船がいることを発見したものだった。これに関し、米
陸軍参謀長エリック・シンセキ大将と防衛庁幕僚会議幹部などが緊
密に連絡をとっていたことも明らかにされている。 

ところが不思議なことに、一部週刊誌のなかには「不審船は米軍か
らの情報を得て発見されたものではない。海自鹿屋基地が電波を傍
受し、付近の船舶を軒並み撮影してこれを分析、不審船を特定した
」と、米軍からの情報提供を否定する記事も見られた。この週刊誌
情報によると、米軍は北朝鮮の小型工作船などには神経を尖らせて
おらず、仮に南浦港を出た船を軍事衛星が発見したとしても、上海
付近まで南下した船のことなど追尾することはあり得ないとしてい
る。 


 情報の真の提供者は? 

では、現実にそうなのだろうか。 

これについて複数の政府機関関係者は以下のように答える。 

「米軍にとって半島情勢は最重要監視地域であり、どんな小さな漁
船類の動きも見逃すことはない。とくに最近の韓国工作用の船は、
ほとんどが上海沖まで南下し再び北上するパターンをとっており、
南浦を出港した小型船を見失うなどという話は絶対にない」。 

以上の話を合わせて考えると、こうなる。

12月中旬に3隻の工作船が南浦港を出港した。そのうちの1隻には『
長漁3705』と記されていた。3隻の目標は韓国南海岸。この3隻は一
旦上海沖まで南下した後、一転して北上して韓国を目指していた。
この動きを逐一監視していた米軍は、日本の防衛庁に連絡し、日本
の排他的経済水域内で捕捉することを求めた。 
ところが防衛庁は躊躇した。問題の不審船は韓国を目的とした工作
船である可能性が高く、もしそうだとすれば攻撃用の兵器を搭載し
ているはずだ。海保の巡視船がこれを捕捉に向かえば攻撃される恐
れもある。その間、米軍とどのような通 信があり、どのような結論
が導き出されたかは不明だが、海自はP3C哨戒機を飛ばし、奄美大島
沖で1隻の不審船を確認。海保の巡視船「あまみ」「きりしま」「い
なさ」が現場に急行した。巡視船は当初威嚇射撃を、続いて船体射
撃を行ってこれを停船させようと試み、「あまみ」「きりしま」が
挟撃しようとしたところで反撃を食らい、「あまみ」の乗員2名が腕
などに怪我を負った。これに対し「いなさ」が正当防衛による射撃
を行い、直後に不審船は自爆して沈没した。「あまみ」などは船体
に無数の被弾を受けたが、不審船はロケット砲を発射したことも明
らかにされている。 

運良く乗員2名の軽傷で事無きを得たが、もし至近距離からのロケッ
ト砲が命中していれば巡視船は木っ端微塵となったはずだ。そして
その可能性を、米軍は初めから知っていたと考えられる。――米軍
は、日本の海保巡視船の危険など、何とも思っていなかったのだ。
いやことによると、海保巡視船が撃沈されることを望んでいたかも
しれない。 

そして事件が終了するや、一部週刊誌に「海自鹿屋基地が電波を傍
受し、不審船を特定」といった情報が流れ、米軍サイドが不審船攻
撃を求めたという重大情報が隠蔽されてしまったのだ。余談になる
が、朝鮮総連のトップ許宗萬(責任副議長)の亡命騒動を独占スクー
プした(実際には亡命はなかった)のもこの週刊誌だった。許宗萬亡
命事件については後日改めてご報告することにしよう。 


 船体引き揚げ

不審船沈没直後に小泉首相はこんな発言を行っている。

「引き揚げは技術的にも可能だ。現場水域がどういう状況か調べて
、できることなら引き揚げたほうが良い」。 

さらに扇千景国土交通相も「なんとしても引き揚げる」と威勢の良
い発言をしていたが、福田康夫官房長官は逆に「引き揚げなくとも
船籍や積み荷の調査だけで良い」と消極発言を行っている。一般 に
こうした消極論は、中国(支那北京政府)の意向から出たものと思わ
れているが、じつはそうではない。 

じっさいのところ、引き揚げて、それが北朝鮮籍の工作船だと確認
された場合、日本政府はいったい何をするのか? せいぜい北朝鮮に
遺憾の表明を出すだけしかない。現実の国際舞台では「外交」とい
うものは「武力」を背景に行われている。悲しいことにわが日本は
、北朝鮮に対して何一つ手を出せない。福田官房長官の消極論は、
こうした現実から出たものである。 

日本が不審船引き揚げに消極的になった途端、米側からは引き揚げ
に強い要望が出始めた。1月13日にはアーミテージ国務副大臣が「不
審船は北朝鮮の工作船だと思う。対北朝鮮政策では、日本米国韓国
の連携が最も重要だ」としたうえで、引き揚げに関しては「工作船
対処で日本から支援の要請があれば必ず応じる」と発言している。
さらに翌1月14日、より明確に、バウチャー報道官は「船体回収につ
いて要請があれば喜んで協力する」と述べている。 

こうした状況のなか、俄然として不審船引き揚げ強硬論がさまざま
な形で表出しはじめている。だが、真剣に考えなければならないこ
とは、引き揚げてそれが北朝鮮工作船だと判明したところで、わが
国がどのような対応をするか、である。 

米国ブッシュ政権は、何としても金正日政権を崩壊させようとして
いる。金正日を倒して、北朝鮮が米製グローバリズムを受け入れる
国家になることを切望している。だが金正日政権が倒れるというこ
とは、北朝鮮そのものが崩壊することを意味する。 

2月中旬からブッシュ大統領は日本、韓国、中国(支那北京政府)を歴
訪する。ここでは現実問題として、金正日政権を崩壊させるさまざ
まな手だてが提案されることだろう。そうしたなかに北朝鮮空爆と
いうプログラムも含まれているはずだ。 

北朝鮮空爆が意味するものは、ソウルと東京が火の海となる現実を
前提としている。小泉首相も金大中大統領も、そして北京の江沢民
も、北朝鮮空爆を容認することはあり得ない。だが、もし仮に北朝
鮮が先手を打ってソウルや東京に衝撃的で重大なテロを起こしたら
、どうなるだろうか。当然ながらわが国も韓国も、米軍による北朝
鮮空爆を支持することになるだろう。 

北朝鮮がそんな愚かなテロ行為を起こすとは思えない。

だが、考えていただきたい。9・11の米中枢同時テロは、ほんとうに
イスラム過激派が行ったものだったのか。  


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