793−1.OSとビジネスに関連して



コメント拝見いたしました。いろいろとご教示ありがとうございま
した。

1980年代のNECのPC9800シリーズは、OSにMS-DOSを採用しておき
ながら、ハードウエアに搭載した漢字ROMを使うように設計されてい
ました。そのため、アメリカからMS-DOSで走るソフトウエアを持っ
てきても、それがアメリカで売っているNECのパソコン上では動くこ
とが確認されているのに、日本のNECのMS−DOSマシン9800上では動
かなかったという苦い経験を思い出しました。

「これは、NECのPCで動作確認されているんだよ」と言うアメリ
カ人に、「NECは輸出用のMS-DOSと国内用のMS-DOSに違ったものを使
っているので、アメリカのソフトはそのままでは動かないのだ」と
何度説明したことか。いわゆる非関税障壁というやつでしょうか。

ですから、漢字変換機能をフロントエンドでソフト的に処理するソ
フトウエアDOS/Vが登場したときには、感動しましたね。わずか12
,3年前の話ですが、、、。

> パソコン鎖国状態にしなかった事は、国際的に進展する急激な
> 技術の発展を国内で享受し得る現状を考慮すれば、結果として
> 良かったのではないか
過去の評価については、そうかもしれません。異論をさしはさむつ
もりはありません。問題はこれからです。

結核治療薬のように知的所有権をうたわないことによって、TRONが
WINDOWSに取って代わる世界のOSに成長するといいなと思うのです。
今のWINDOWSのようなブラックボックスで、複雑なソフトウエアは
、不都合ではないでしょうか。
もっと軽くて、オープンなOSのほうが、人類の文明の発展のために
役立つのではないでしょうか。

得丸久文(2002.01.27)
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得丸さん言うように私も同感です。

そこで話しが変わりますが、メールは勿論、あらゆるところでの日
本語を、たとえば、得丸さんのメールにもある「複雑なソフトウエ
アは、不都合ではないでしょうか」の《ではないでしょうか》や「
オープンなOSのほうが、人類の文明の発展のために役立つのではな
いでしょうか。」の《ではないでしょうか》のようなではなく、言
い切ったほうがいいと思うからです。

常から感じている日本語に、極端な話だは、病院で看護婦の「○○
さま」があります。
なぜ「さま」なのか。そんなに病院は患者を大事にしているにでし
ょうか。医者に聞くと「医者は言わないが、看護婦が上から、そう
いうように命令されているから」といいました。これは一例ですが
社会にはもっとあります。
そうように日本の社会は、上辺だけの言葉が過ぎます。
白川
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tmasuya
得丸氏の寄稿「OSとビジネス」に関連して・・・

 心情的には私も、TRONがWindowsに取って代わる世界のOSに成長し
て欲しいと思う。しかしながら、水は低きに流れるので、ボートに
乗ったお客様は、豊かな水量の方向に沿って進んでしまう。水路の
掘り手の体力に大差があると、方向が多少ずれていても、力任せで
目的地へ誘導されてしまうようだが、これを嘆いても仕方が無い。
掘る方も競争相手を見ながら良い所を取り入れて工夫して掘ってい
るのだから、互いに競い合うしかない。

 WindowsもCE版をオープンソース化するなど、産業用にも力を入れ
てきているから、ITRONも競争が厳しくなるだろう。
 重い/軽いについては、使用目的によって相対的に変わるものだか
ら一概には言えないが、ITRONですら重いという場合もあり得
る。そういう場合はその分野のOS専門会社から導入するか、或いは
自分で作ってしまうはずだ。

 フリー化/オープン化については、UNIXやLinuxが中心となっ
て、様々な組織が活動しており、各々に特色がある。
興味のある人には、次のサイトが参考になる。
http://www.oreilly.co.jp/BOOK/osp/announce.htm
ここから、書籍「オープンソースソフトウエア − 彼らはいかにし
てビジネススタンダードになったのか」のWEB版をダウンロード
でき、全体像をつかめる。残念ながら日本のことは殆ど出てこない
。煙突の数はやはり米国が圧倒的に多い。ソフトに関係する人は、
目を通しておくべきである。
特に若い人にとって、優れた技術者達の思想と諸活動暦を知ること
は、今後の目標設定に役立つであろう。
現在、我々が享受しているWEB環境は、これらの技術者の注力の
歴史の結果だと言っても過言ではない。
もしその気があれば、すぐにでも活動に参加して、人類の文明の発
展のために寄与できるかもしれない。

なお、ITRONの概要は次のサイトが参考になる。
http://www.itron.gr.jp/home-j.html

 いずれにしろ、技術を磨くには優れている物を見習う事から始め
て、自分でより優れたものに改良する事が、昔からの常道である。
それができる者にとって、オープンソースは宝の山であろう。初め
から独創的なものを創り上げ得る者はいないのだ。
その意味において、世界の趨勢を捉えてから、自分の目的に傾注す
る事は意味がある。多分、ソフトだけに限らないであろう。

以上(M)
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(Tのコメント)
私も、機器を作っている関係から、この問題には興味があります。
私はITRONよりLINAUXを使う方が多い。なぜか??
関連の機能フリーソフトの量が断然違うためで、WEBを作ろうと
すると、無料の「アパッチ」があり、日本語文検索を作ろうとする
と、やはり無料の「なまず」があり、IPV6の無料ソフトの
「うさぎ」があるというように、何でも無料ソフトが揃っている。
このため、1つ基本的なハードを作ると、いろいろな用途に使うこ
とができる。今、原価として5千円程度でLINAUXハードがで
きる。そして、フラッシュメモリの方が高い。126Mバイトで
1万円程度です。ソフトはほとんど無料。機器はデフレの状態にな
っているのです。

リアルタイム機能は、LINAUX用のリアルタイムパッケージで
はなく、XML/SOAPで行うようになると思う。このように、
今までのIP環境に適合した環境がすぐに手に入る。そして、日本
を含めた世界各地に10万人以上の無料奉仕の開発者がいるので、
直ぐにいろいろなことができるソフトが出てくる。LINAUXは
オープンソースでもある。

ITRONはLINAUXとは開発者の数で段ちに違い過ぎるし、
世界の標準を取り込めない問題点がある。今までは機器が単独で
利用されていたが、今後はインターネットで機器同士が接続されて
使うようになると、このIPの標準を装備しないと、繋がらないこ
とになる。このため、独自文化を否定する方向に世界はあるようだ。


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