6422.高市政権の財政出動は



月曜日有料版1章途中までをお送りします。 

高市首相の積極財政というのは、インフレ率を上げることで大きく
なる名目成長率より長期金利の方が小さいことで、財政維持ができ
るということである。今後を検討しよう。  津田より

1.日本の状況
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先週、株価は2200円の下落。先先週は3200円の上昇でしたが、下が
って5万円まで落ちた。しかも、不安定で乱高下している。1000円程
度の下げと500円の上昇となっている。

日銀の12月での利上げも疑問視されて、円安方向になっているが、
ドルも景気後退の可能性で下げていて、ドル円は153円台のまま。

高市首相は、来年度達成予定のプライマリーバランスを止めてに、
複数年度後に考えるという。財政均衡化を放棄したことになる。

名目経済成長率の方が、長期金利より高ければ、財政は持続可能だ
という。名目成長率とは、実質成長率+インフレ率であり、インフ
レが大きい方が名目成長率は大きくなる。

日本は人口減少であり、実質潜在経済成長率は高々1%程度であり、
名目成長率を上げるには、インフレ率を上げるしかない。

インフレ率が上がると、インフレで税収はインフレ分だけ増収する
ので、インフレが大きい方が財政余力ができることにもなる。

ということは、想定外の物価高騰にすると財政的には、健全化が図
れることになる。

しかし、財政は健全化するかもしれないが、国民、特に年金生活の
高齢者や非正規労働者、中小企業雇用者などの生活は、想定外の生
活苦になることが見えている。

このため、高齢者を敵にすることで、支持率は下がることが想定で
きる。大企業は給与を物価高レベルまで上げることで、全人口の20%
の人たちには株高、賃金上昇で支持率が上がるかもしれないが、高
齢者を敵にすることは、選挙に負けることになる。

もしくは、海外投資家が大量の国債発行を問題視して、トラスショ
ックによる長期金利の急上昇が起きることで長期金利>名目成長率
になり、財政破綻になることも考えられる。

それを回避したいなら、重要分野に投資する分を予算削減する必要
がある。

その削減分野として、法人の租税特別処置、富裕層の金融所得課税
の強化、高額医療費補助の引上げ、高齢者医療保険率の引上げ、議
員数の削減など、複数年の審議で可決が必要になる。

しかし、すべての分野で、大きな抵抗があり、その前に想定外のイ
ンフレで支持率を落とし、高市政権は、このまま、財政出動をする
と短期政権になりそうな予感がする。

しかし、責任ある財政出動とは、財政出動をしないことになる可能
性もある。補正予算規模も例年と同じ程度になることも考えられる。
それだけ、国債消化が厳しいことを高市首相も知ったはずだ。

7月29日から現在まで110回以上も日銀は、金利を2%以下にするため
に10年国債を買い入れている。30年国債を出さずに2年や5年国債を
増額している。日銀の利上げもさせないため、介入の回数が増える
ことになり、その分市中に円札が出ることになる。これにより、イ
ンフレが加速して、政府は喜ぶ。何かが変だ。国民のためではなく
、政府の財政余裕のために、インフレを起こしているように見える。

以後は有料版を見てください。

0.米国の状況と世界情勢
1.日本の状況
2.ウクライナ戦争


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