6202.自民党の敗北か?



自民党の勝ち負けは、自民党だけで過半数を取れるかどうかである
が、自民党の負けが見えてきている。どうしてかをを検討しよう。
                   津田より

0.米国および世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2021年8月16日は35,625ドルで最高値更新、10月15日は35,294ドルで
、18日は36ドル安の35,258ドル、19日は198ドル高の35,457ドル、20
日は152ドル高の35,609ドル、21日は6ドル安の35,603ドル、22日は
73ドル高の35,677ドルで最高値を更新した。

NYダウは、22日に最高値になった。非常に強気な相場である。11月の
FOMCでテーパリング開始が発表されるのを織り込み、次の利上げを
見越して、2年債の金利も0%から0.45%まで上昇して、10年債の金利
は1.68%に若干下がった。銀行株の上昇が大きいが、今後の利益は、
短期金利が上がり長期金利が下がるので、縮小することになる。

金利上昇で、ドル高になっているが、輸入物価高や原油の上昇を抑
えていることになるのでバイデン大統領は放置している。また、新
規失業申請件数も29万件と先週に比べて6千件も少なくなって、景気
が良いと市場は見ているようだ。労働参加率が低く、賃金は上昇し
て、インフレを加速させている。賃金上昇で企業利益は減少するこ
とになる。ここは織り込まれていない。

このため、機関投資家の動向は、キャッシュポジションを大きくし
て、今後の株価下落に備えているようである。

一方、パウエルFRB議長も株価が下がりそうなときに、5.7億円相当
の株を事前に売り、倫理違反との話が出ている。再任が難しくなっ
てきた。市場はブレナード理事がFRB議長になると、金融緩和継続に
なり株価的には良いが、金融機関への締め付けが強まると警戒して
いる。ブレナード理事の後ろに民主党ウォーレン議員がいるからだ。

中国の習近平国家主席は、11月8日から中央委員全国大会を開き、独
裁体制を盤石にする方向である。このため、それまでは、恒大の問
題を大きくしたくないようで、国営企業に恒大の資産買い取りを要
請しているが、恒大は売却価格をめぐり難色を示している。

もう1つ、銀行調査に入り、汚職している政治家を探すのと、不動
産会社に多額の資金を貸し付けたことで不良債権が問題視されてい
る銀行を統括する王岐山国家副主席を失脚させるようである。

とうとう、習近平は、自分の権力把握に貢献した王岐山まで切るよ
うだ。自分に逆らうものはすべて失脚させることで、社会全体に活
力がなくなっていく。

そして、全体的には企業統制を強めていき、国営企業を中心に民間
企業を抑える方向になるので、今までのような経済発展はできなく
なる。中国の成長率は4-5%程度になると見られている。自由な発想
を思想統制するので、起業もできなくなる。

中国の飛躍もここで終了する。中国に依存していた米国は、困るこ
とになるので、中国への攻勢を控えることになりそうである。

世界的なエネルギー不足で、中国の電力不足が起き、欧州では天然
ガスの価格高騰になり、世界的な原油高騰になっている。

普通なら、米国のシェールガスの増産が図られて、エネルギー価格
の高騰は抑えられるが、脱炭素運動で、シェール開発投資に資金が
集まらず、開発ができないでいる。

シャール井戸は、ある生産量になると枯渇するので、ドンドン新し
い油田の開発が必要であるが、それが行われないことで、今後もエ
ネルギー不足が続くと思われている。

欧州も脱炭素ということで、風力や太陽光発電に投資したが、自然
条件の変化で、発電量の増減が起こり、その穴埋めに火力発電所が
必要になる。

その火力の燃料が天然ガスであるが、ロシアとの長期契約を止めて
短期の市場価格にしたので、ロシアが供給量を大幅に減らして、価
格を引き上げている。

中国も風力と太陽光発電を大量に作り、石炭火力を絞り脱炭素に向
かったが、電力不足に陥り、石炭の増産を指示したが、豪州の石炭
輸入は依然制限している。

脱炭素運動の影響で、今後も原油開発投資が先細りになるので、産
油国は、増産ではなく、価格の高騰を待つ戦略になってきている。

日本は、どうなるのでしょうね。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、9月
14日は30,670円で31年ぶりの高値になり、10月15日は29,068円で、
18日は43円安の29,025円、19日は190円高の29,215円、20日は40円高
の29,255円、21日は546円安の28,708円、22日は96円高の28,804円。

21日に546円安になった。この原因は、自民党単独での過半数割れが
新聞社の世論調査で分かり、海外投資家の先物主導の売りで大幅に
下げた。

その上、原油の上昇で114円台の円安になり、仕入れ物価指数は上昇
しているが、消費者物価はあまり上がっていないので、今後、コス
トアップの値上げが増えていくことになるが、企業の利益は減るこ
とになる。

自民党単独過半数を維持できなくとも、自公では過半数を維持する
ので、株価の下がりも限定的とみる。しかし、次の焦点は、自公で
安定多数261を取れるかどうかになる。

今後は、自民党の勝敗で株価の動きが決まるようだ。

2.自民党選挙の問題点
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この2年間、自民党の党員になっている。年会費も納めているが、
地元の自民党の国会議員と会ったことがない。遠目には見たことが
あるが、地区担当の議員秘書に1度しか会ったことがない。これは
どうなっているのであろうか。そして今、選挙期間でも連絡もない。

というように、自民党員をあまり地元秘書も把握していないようで
ある。自民党の地盤は、このような事実からも非常に脆弱である。
党員という味方も把握しないで、どう選挙で票を集めるのかわから
ない。

勿論、総裁選挙の投票用紙や自民党会報はくるので、自民党員とし
て登録はされているようである。

風が吹けば、当選できるが、それ以外では、地元を組織化する活動
をしている野党議員には勝てない。無所属の柿沼さんがいい例だ。
日常活動と地元を組織化している議員に自民党は勝てない。

今までは、アベノミクスというまやかしの繁栄で自民党は勝利でき
たが、コロナ後の公約は野党と一緒であり、自民党の色が見えない。

その上、自民党支持者である一般投資家も、一律の金融所得増税で
いや気を誘い、岸田首相時代にそれを行うというし、選挙前にワク
リン証明でのGOTOトラベルやGOTOイートも行なわず、いつ開始する
かも言わずに、飲食業界の人たちも、今回は自民党に入れないと言
っている。

そして、国民に人気がある河野さんを、都市部の自民党議員たちも
率先して総裁にさせないことで、国民に人気がない岸田首相で自民
党は風が吹かずに都市部では大負けしそうである。自業自得である。

地方選挙は、地域の自治会がしっかりしているので、まだ、基盤が
あり自民党の優位性はあるが、自治会の弱い都市部はダメである。
そして、どうも、地方でも自治会は弱くなり、自民党議員が地元の
組織化していない場合は、基盤が弱くなっているようだ。地方でも
スイングステートが増えている。

多くの自民党議員の40年前の地方選挙を見て、選挙では組織化が重
要であることを知り、都市部で組織化できないかと、都市部の民主
党議員に組織化を提案した。

そして、10年以上前に、東京で今住んでいる地域と違う地域の民主
党国会議員の応援で地域の組織化を手伝ったが、月1回地域での集
まりを開き、地域の応援者と議員が、いつも話していた。

この時、地元民主党市議や都議も協力して組織化したので、市議、
都議にとっても日常活動になっている。このため、この地域の市議
は都議になった。

そして、地域の人たちが手弁当で選挙期間中、市議や国会議員を支
援していた。国会議員が街頭演説をすると、1時間前に場所取りを
しないと、写真撮影の良いポイントを取れないほどであった。あま
りにも多くの人がいるので、いつも驚かされた。

そして、この集まりを知らせるFAXが月に数回入っていたし、きめ細
かくFAXやメールで連絡が来た。どこで集まりがあるかわかった。

そのような連絡が自民党の地元国会議員から一切来ないし、組織化
の活動というより、市議と都議を含めた地域活動を何もしていない
ようだ。都市部の自民党国会議員は、地域の住民との交流をしてい
ない。

この組織化した民主党議員は、選挙期間中、夜は地域の一般家庭で
地域の若い皆さんに集まってもらって、ミニ講演会を開いた。その
基盤が普段の組織化である。特に地域での退職者、女性を組織化し
たことだ。

民主党議員の組織化で、男性で65歳以上の退職者は、暇で集まりを
期待していたが、中心は高齢の女性たちであった。高齢者は暇なの
で、手伝ってもらえる。その上、高齢者は有力な有権者でもある。
それを自民党はおこなわない。

地元の自民党員に声もかけず交流もしないで、お金で選挙戦を戦う
ようであるが、それでは弱いし、風が吹かないと負ける。

さあ、どうなりますか?



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