2792.石油高騰で技術が代わる



石油高騰で社会が変化している。この検討。     Fより

サブプライム問題で、証券市場や株市場から資金が退避して、商品
市場に流れ込んでいる。また、米国景気の不安と米金利が下がり、
ドルの下落が目立っている。このような背景から石油価格が上昇し
、とうとう95ドル/バーレルになった。

この影響で日本でも、ガソリンがリッター150円以上になってい
るし、紙やプラスチック類の値上げが予定されている。これに追い
討ちを掛けているのが、小麦、とうもろこしや砂糖の値上げである。

これらの値上げは今後も継続する可能性が高い。1バーレル100
ドルになることもバイヤーは視野に入れている。しかし、ドルや円
は他通貨に比べて安くなっているので、石油価格が高いように感じ
るが、ユーロ、ポンドに対しては石油はそれほどの高騰になってい
ない。

しかし、公定歩合の引き下げで米国は深刻なインフレになり、ドル
の暴落も止まらない。このドルに連動している元や円もインフレに
悩むことになる。投資家ジム・ロジャーズはバーナンキFRB議長を批
判している。米国の没落が確定的になっている。

英国への旅行を予定していたので調査したが、地下鉄の運賃が少し
乗るだけでも1000円以上もするし、少し食事をすると3000
円以上もすることになり、びっくりした。それだけポンドが円に対
して高いということである。

中国もCO2の排出量の多い石炭依存から石油依存に変更しようと
したが、石油高騰で原子力にシフトするようである。原発の発電能
力4倍にして、4000万キロワットへ増やすと発表した。投資額は約
6兆9000億円だという。日本原子力発電メーカの売上高は今後も安
定的に上昇する可能性が高いことになる。

また、日本でもプラスチックの代わりに木材や竹材を使う方向で 
今、研究開発が進行している。このため、今までの木材とは違う新
しい素材として出てくる可能性が高い。木材を高温・高周波数でプ
レス加工すると、強度が増し腐食性もプラスチックと同等レベルに
なることが分かってきた。鋳型へのプレス加工もできるので形が自
在になる。

このようなことで、オリンパスではデジタルカメラの筐体にプレス
加工した木材を利用する研究をしている。このように木材や竹材な
どの素材研究が盛んになっている。強度面では木材より強い竹材も
特殊加工されて、見直しされている。

石油高騰でプラスチック材の値上げに対応するために、日本古来の
素材が新しい加工技術で復活する可能性が出てきている。また、こ
のような素材で日本の工業製品を作ると、ジャパンデザインとして
欧米から注目を浴びる可能性もある。1人1人が違う木目の製品を
持てる事で愛着が増すのでないかとオリンパスでは注目していると
言う。

医薬品も石油から作るのでなくて、植物から取るとか、林原のトレ
ハロースの製造のように小麦を多様な菌の分解性能で作るなどの方
法に成っていくようだ。この製造技術は世界が最先端技術として研
究している分野であるが、それに対応して日本も古来の麹や酵母技
術を応用して、よりいいものを作ることが重要になっている。

このように石油や小麦などが値上げする状況になると、農林業が新
しい顔で日本を支えることになるようだ。そのためにも農林業に、
一般企業を参入させることが重要であると見るがどうでしょうかね?
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NY原油、大幅反発=終値最高値を更新
11月3日6時9分配信 時事通信

 【ニューヨーク2日時事】週末2日のニューヨーク商業取引所
(NYMEX)の原油先物相場は、朝方発表された米雇用統計で米国経済
の堅調ぶりが確認されたため、エネルギー需要の増加を見込んだ買
いが入り大幅反発した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物は前日
終値比2.44ドル高の95.93ドルで引けた。10月31日に記録した終値
ベースの史上最高値(94.53ドル)を更新した。 
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米、0.25%追加利下げ・FF金利年4.5%に
(nikkei)
 【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)は31日の
米連邦公開市場委員会(FOMC)で、最重要の政策金利であるフ
ェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き下げ、年4.5
%とすることを賛成多数で決定、即日実施した。信用力の低い個人
向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安が
収まらず、10―12月期以降の景気が悪化する恐れが残るため、追加
利下げに踏み切った。

 FRBは9月18日に開いた前回のFOMCで、FF金利の誘導目標
を4年3カ月ぶりに引き下げた。これに続く2回連続の本格利下げで、
累計では0.75%の下げ幅となった。金融機関向けの貸出金利である
公定歩合も0.25%引き下げ、年5%とした。 (09:46) 
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ロジャーズ氏 バーナンキ議長は「正気の沙汰ではない」
2007/11/03(土) 05:03

投資家ジム・ロジャーズ氏は米利下げがインフレ加速を引き起こし
経済を損なっているとして、バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)
議長の政策は「正気の沙汰ではない」と批判した。

ロジャーズ氏はニューヨークでインタビューに応じ、「バーナンキ
氏はお札を印刷したくて仕方がない」と述べ、「正気の沙汰ではな
い。ドルの価値は崩壊しつつある。商品価格は天井知らずの高騰だ。
つまりインフレも天井知らずに上昇するということだ。連中のせい
でとんでもない事態になるだろう」と続けた。(ブルムバーグ) 

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中国、原発の発電能力4倍に・2020年、6兆9000億円投資
(nikkei) 
 【重慶=宮沢徹】中国国家発展改革委員会は2日、2020年に原子力
発電所の設備能力を今の4倍強の4000万キロワットへ増やすと発表し
た。中国の総発電能力に占める比率は4%になる。投資額は4500億元
(約6兆9000億円)。発電量の8割以上を占める石炭火力発電が深刻
な大気汚染を引き起こしており、原発の増設は環境対策につながる
とみている。外資の技術を導入する一方、自主設計能力の向上も目
指す。 (19:48) 
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木材加工に革命を起こす 
http://www.nagai-kikai.co.jp/home5.html
特殊プレス機を開発 

 間伐材を高品質建材に加工するという、画期的なプレス機を開発
した永井機械製作所。
「森林資源の有効活用」を原点としたその世界的技術は、林業後継
者の育成や過疎化の防止などにも影響を与えるなど、さまざまなカ
タチで徳島の未来を担っています。

−子供との会話から生まれた新技術−
 この機械は、20年ほどで伐採された間伐材を特殊技術で圧縮加
工することで、80年ものの高級木材と同じような強度、品質にま
で高められるというもの。建材にまで製品化できる実用プレス機と
しては、日本初、世界初の技術です。
 開発のきっかけとなったのは「何で木が売れんの?」「やりこい
(やわらかい)からや」「ほれやったら硬くしたらええんでえ」と
いう社長とお子さんとの何気ない会話から。
硬くするには圧縮して木の密度を高めればいいという、単純明快な
子供の発想が見事に本質をついていました。
 原理は、まず、電子レンジと同じマイクロ波で木を摂氏100度に熱
し、そこに四方向から一五〇トンの圧力を加えます。すると、丸い木
がまるでやわらかいスポンジのように見る見る縮まり、四角に収ま
っていきます。円形の木目のきれいな四角のシマ模様になります。
圧縮の後に再びマイクロ波で一八〇度まで加熱し、冷却して元に戻
ろうとする弾力を止めてやれば、それまでより約4倍も強度を増した
新しい「木」ができあがります。軽い感じの杉が、まるで樫のよう
に硬く重くなるのです。

徳島でいながら世界的な企業に
永井機械製作所は、徳島県内の売上は5%、県外と海外が95%で、
得意先は国をはじめ公的機関がほとんど。営業はいっさいせず、早
くからコンピュータを導入し、積極的に新しい機械の開発をして特
許を取得してきました。
永井社長が木材プレス機を開発した発想の原点は「森林資源の有効
活用」ということでした。
日本では、年間6000億円分もの間伐材が捨てられています。それを
高付加価値の木材に返信させられるのですから、その経済効果は計
り知れないものがあります。
「間伐材が高級木材並になれば、林業で生計が立てられるから後継
者が育ち、過疎化が防げ、森林が整備されて山の環境が保たれます。
それに何より、20年の木は役に立たないと捨てるのは、あまりに人
間の自分勝手。そういう構図を変えたかった」

−新しい技術が日本の林業を救う−
 永井機械製作所の木材加工プレス機を使うと、木に含まれるヤニ
の成分が接着剤となるので、自然の木の組成を損なわずに成型する
ことができます。マイクロ波と高周波によって曲げも自在で、湯や
蒸気を利用して長時間かかって曲げていたものが、あっと言う間に
できてしまいます。数本の木をまとめて圧縮し、1本の太い角材に
することも可能です。
 間伐材を圧縮して天然の樹木が持つ特性を生かしながら、新しい
「木」を誕生させることに成功したわけです。
それは、不振の日本の林業を救う、まさに革命的な木材加工の新技
術と言っても言い過ぎではないでしょう。
平成七年には特許出願し、県の中小企業振興公社の本年度「ベンチ
ャー企業創出支援事業」の対象にも選ばれています。価格は周辺機
器を含めて一億五千万円程度。
 「木材なら何でも利用でき、最終的には黒檀のような強度まで作
れます。将来は木材から活性炭を作ることまで考えていて、圧縮す
ると炭よりもいいものが出来ます」
 丸い木を圧縮して四角にするのですから、これまでのように回り
を切り落として捨てるといったムダもなくなります。圧縮して密度
が高くなるので、硬く腐食しにくいうえ、板状でも反りの心配もほ
とんどないなど、まさにいいことずくめです。
圧力のかけかたによって硬度が自由に調整できるばかりでなく、四
角はもちろん三角や長方形への加工も容易にできます。
 そうしたことからこれまで工業規格には縁遠かった木材が、やが
てはJIS規格製品となり、建築や建設現場での木材の利用の仕方が大
きく転換することになるかもしれません。
 この木材加工プレス機の将来は、さらに大きく広がっていくこと
でしょう。
 
2002.12.01 徳島新聞より 



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