2647.国際戦略の思考とは



ある人から「コラムの情報加工術」を見たのか、国際戦略の思考方
法をもう少し、詳しく教えてほしいとの依頼があった。 Fより

日本のために国際戦略を作るには、どのように考えるかをもう少し
詳しく述べてみよう。基本的な姿勢は国益のために敵も味方もない。
各国は自国の国益を考慮して外交政策を作る。米国と日本の国益は
違う。それは日本と他国では経済、文化、軍事などのレベルが違う
ことによるし、自国民が考える幸福感も違うためだ。

たとえば、米国国民は世界に民主主義や米国のルール(グローバル
スタンダードと称する)を広めるのが使命であると考える。
日本国民はそのような使命感はないし、日本国民だけの幸福を追求
する気持ちが高い。

しかし、この国際戦略コラムは日本が世界に貢献できることが重要
と考えている。そのために、日本文化(多様性を容認する文化)が
今、世界に求められている文化であり、どうして求められているか
を論証しようとしている。そして、次に、日本がどう貢献するかを
考えている。

世界のために、日本の文化を守ることと、その文化を広めることが
重要と考えている。このため、日本の文化がどうできたのかを考察
することにも重きを置いている。このため古代史や東南アジア史、
中国史や仏教史などを調査している。ある場面になったときにどう
物を考えるかが重要であると考えている。日本と欧米では明らかに
物の見方が違う。

米国人と10年程度、緊密に会話したが、彼らは正当な論理を組み
立てる技術には優れているが、基礎になる倫理観がどう生まれてき
たかという歴史にはあまりとらわれない。議論が表層的に流れる傾
向がある。置かれた立場にも配慮しない。

これに比べて、日本やアジアでは、その人の置かれた状態を考えて
、その人をどう説得するかに重きを置いた議論になる。この場合は
議論の正当性はあまり問題にならない。歴史的な重みを日本やアジ
アに感じる。

歴史観が複線であり、かつ東アジアはインド的な文化と中国的な文
化が交じり合った文化になっている。いろいろな考え方をする人達
がいる。この中で紛争が長い間続いた。この紛争から紛争の防止方
法もある程度、学んだように感じる。日本は聖徳太子の時代にその
紛争続き、17条の憲法になる。和が重要と認識している。

このベースは日本も東アジアも同じである。東南アジアの人と話す
と英語ができる人たちは欧米文化を享受した人が多いが、欧米と違
うものの見方をしている。文化差が欧米とアジアにはある。
そして、食事も野菜があり、肉があり、魚がありと多彩な料理にな
っている。米国のような肉料理だけではない文化である。

このようにイスラム教を毛嫌いする米国とは違い、アジアや日本は
イスラム教の歴史や考え方を調査して、そのイスラム教をも認める
精神がある。このように紛争解決には異質な物を受け入れることが
重要であると見る。

米国は次の時代に石油が不足するからイラクの石油を押さえるため
にイラクを侵略するという国家である。これにイスラム教徒が反発
するのも頷ける。もうこのような考え方は世界には通じない。

日本は不足するなら、それに変わるエネルギー資源を作るように思
考する。研究開発にその手が伸びることになる。短絡的な考え方を
しない。

しかし、中国のような共産党の独裁で、国民より共産党員を優遇す
るような制度を良いとは思わないし、その制度の状態で軍事拡張を
するのには恐ろしさを感じることになる。このため、現時点で最高
の軍事力を持つ米国との同盟関係は重要になる。中国も戦前の日本
陸軍のようなに独裁的な権力を軍部が持つと危ないと見る。すでに
北朝鮮は、そのような状態になっている。歴史的な教訓は、現在も
有効であると見ている。もちろん、中国はいつかの時点で民主主義
になる見ている。経済的な発展は国民意識を変革することも歴史の
事実である。

このように自由な空間を確保するために、イデオロギー的な集団に
近づかないように気をつけている。右でも左でもない、自由な空間
が重要である。このため、左右からこのコラムを批判する人達がい
る。しかし、自由な空間を確保しているために、米国や中国などの
相手国の政策意図がハッキリ読めるし、将来予測の精度は高いと自
負している。自立自尊の精神が重要であるが、そのような精神を持
つ日本人の政治家や政策担当者、報道関係者が少ないのかもしれな
い。

2618.コラムの情報加工術
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/190324.htm


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