ジェフ・セッションズ上院議員を司法長官にしたということで、人 種差別主義者であるセッションズ氏は、移民に対して強い規制を行 うことが確実である。 外交は保守主流派が取り仕切り、貿易や移民は保守強硬派が行うよ うである。 人事を見ると、米軍は中東からの撤退し、ロシアに中東を任せて、 アジアを強化するような気がしてきた。このため、日本への防衛努 力を求めることになる。 保護貿易になり、日本企業はメキシコ工場を米国に移動させる必要 がある。米国と日本のFTAを結び、貿易でも2国間の損得を勘定した 取り決めになる。日本は農業を捨てて、工業製品を取るしかない。 移民規制が強化されて、IT産業やベンチャーは日本に開発拠点を 作るので、その優遇策を考えておくことである。 日本は自由貿易の旗手になることである。TPPも米国抜きで推進して 、後でロシア、中国、米国を参加させれば良い。 米国の内向きな政策で、世界経済の縮小をすると、日本は大きな影 響を受ける。そうすると、中国の貿易拡大を招き、中国中心の経済 になることが確実になる。経済は中国、安全保障は米国に頼る事に なると見る。 日本は、中国とも仲良く、米国とも仲良くして、いいとこ取りをす るしかない。 ============================== トランプ氏 安全保障政策担当の大統領補佐官にフリン氏起用 11月19日 5時00分NHK トランプ次期大統領は18日、ホワイトハウスで安全保障政策を担 当する大統領補佐官にマイケル・フリン元国防情報局長官を、司法 長官にジェフ・セッションズ上院議員を、さらに、CIA=中央情 報局長官にマイク・ポンぺイオ下院議員を起用すると発表しました。 大統領補佐官に起用されたフリン元長官は陸軍の退役中将で、大統 領選挙では早くからトランプ氏を支持し、外交や安全保障の分野で 助言を行ってきました。 ============================== 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 2016/11/18 5098号 (速報) 驚き桃の木、トランプの大逆転組閣プラン 最大の政敵ミット・ロムニーに国務長官を打診へ ****************************** トランプは安倍首相と異例の会談を持った。 政権発足前に外国のトップと会うことは、2000年以来の椿事。 不文律はないが、就任前のトランプは国務省からのビリーフィング を受けておらず、ワシントン政界は強い懸念を抱いた。 そこのところはしっかりと心得た安倍首相だから、トランプ次期 大統領と一時間半に及んだ会談のあとに記者会見を開いても、「ふ たりの会談の中味をいうことは差し控える」とし、同盟関係の確認 と前向きの会談であったこと、日米の信頼関係を確認できたと語る に留めている。 さて、驚きのニュースが入ってきた。 ワシントンポストによれば、選挙中トランプを鋭く批判して党大 会もボイコットしてきた保守本流の大物、ミット・ロムニー(前マサ チューセッツ州知事。12年の共和党大統領候補)が明日(19日)ト ランプタワーでトランプと会見する。 しかもトランプ側近筋は「ミット・ロミニーに国務長官を打診する 」というのだ。 思い出すことが多い。 オバマは予備選でぎっしりと接戦を演じた政敵ヒラリー・クリント ンを予測外の「国務長官」に指名して、民主党の宥和を図った。レ ーガンは政敵だったブッシュを副大統領とした。ブッシュは党内宥 和のためタカ派のダン・クエールを副大統領にした。 ミット・ロムニーは共和党保守本流の重鎮。もし彼が国務長官を 引き受けるとなる、と共和党は挙党態勢へ一気に流れ出す。 これまで国務長官へ名前の挙がったニュート・キングリッチ元下 院議長は、記者団に「閣僚になるつもりはない」と語り、ジュリア ーニ元NY市長も「司法長官にはなる意思はない」と言い、選挙本 部長格だったクリス・クリステーは、内輪もめによって政権引き継 ぎチームから去った。 のこる有力者はジョン・ボルトン(元国連大使)とセッション上院 議員くらいとなった。これまでの下馬評は、ここへきてガラガラぽ んの様相をみせている。