アフリカの音楽 From: 小川 得丸さん この大学講座での音楽の定義は以下の通りです。 「音楽とは、連続的で非定常的に変容する音信号構造を必須の属性 とし、持続して作用する固有の情報が送られる情報伝達のカテゴリ ーである。」 西洋的音楽理論とは異なり、人類という生物が音を信号として行う コミュニケーションの一種として生物学的音楽概念で再定義してい る。「音によるコミュニケーションモデル」により音を信号とする 情報伝達を合図、言葉、音楽の3種類に分類する。 「合図」は聴覚的に他と区別できる特徴をもった音信号の短い時間 的パターンで離散的に出現して単独の情報を伝え、直ちに消滅する 。伝達情報量の積分値が時間と共に増えることはない。 「言葉」は短い音信号のパターンが組み合わされ、鎖のように時系 列に配列した形をとる。 一つの音のかたまりが現れるごとに新しい情報が付け加えられなが ら伝達が続けられ、伝達情報量の積分値は、階段を上るように時間 軸上に上昇するという特徴を持つ。 「音楽」は、音信号が出現し、それが音楽と感じられた瞬間に音楽 固有の除法伝達がはじまり、終わったと判断されるまで連続する。 その間はどの時間をとっても情報は切れ目なく伝わり、伝達情報量 の積分値は連続的に上昇し続ける。 「離散定常性」を前提とする西洋的音楽概念と「連続非定常性」を 定義とする生靴学的音楽概念には大きな隔たりがみられる。」最近 の研究では音楽の音信号構造を視覚的に捉えることができる「最大 エントロピースペクトルアレイ法」(Maxmum Entropy Spectral Array Method:MESAM)を用いて分析すると可聴帯域(20HZ~20KHZ) の振動に対する反応と50KHZ以上の非可聴帯域の高周波振動成分に 対する反応があることが分かってきた。 超高周波域のハイパーソニック・サウンドは大きな音量で聴かれ脳 波アルファー波活性を高める。知覚限界を超える超知覚情報が基幹 脳の活性を高め、それによってさまざまな複合的効果が現れる。 MESAM分析によると西洋音楽よりもインドネシアのガムラン、アフリ カのドラム、日本の尺八や琵琶など伝統音楽が、超知覚情報構造を 豊かに含んでいるという。 アフリカの民族音楽に含まれるトーキング・ドラムやパラフォン、 シェケレなどが感性脳をより活性化するようです。 また、アフリカカラバリ沙漠の狩猟民お共同体の音楽ヘミオーラや コートジボアール、セネガルの共同体の音楽はっ大脳皮質を活性化 させるという。 機会があればアフリカの民族音楽を楽しんできてください。 小川 ============================== e: アフリカの音楽 From:tokumaru 小川さん、みなさま 無事にキンシャサに到着して、二晩連続でコンゴ料理(塩干し川魚 の煮込み、ヤギ肉のグリル)を楽しみました。 ヤギ肉レストランには、二人組のおじさんの流しがやってきたので 、コンゴ音楽をやってもらいました。 「音楽」の定義をありがとうございます。 「定義」の定義とは、「ある言葉を、すでに定義されているか、意 味が具体的な別の言葉によって必要十分に表現することで、精密な 意味を持たせる」こと。 としておきましょう。 すると、定義の中に、まだ定義されていない言葉や、意味が具体的 ではない言葉が入っていると、定義がうまくいかなくなります。 > 「音楽とは、連続的で非定常的に変容する音信号構造を必須の属 性とし、持続して作用する固有の情報が送られる情報伝達のカテゴ リーである。」 いただいた定義では、「固有の情報」とは何か、「情報伝達」とは 何かがいまひとつ明らかになっていない気がします。 また、「音信号」とは何か? 「連続的」とは何が連続しているこ となのか。 「非定常的」とは何か? 「定常的」とは何か? このあたりも、理解しづらい気がします。 > 「音楽」は、音信号が出現し、それが音楽と感じられた瞬間に 音楽固有の除法伝達がはじまり、終わったと判断されるまで連続す る。 聞き手がそれを「音楽」だと感じないと、音楽にならないのか。こ れも気になりました。 > 「離散定常性」を前提とする西洋的音楽概念と「連続非定常性」 を定義とする生化学的音楽概念には大きな隔たりがみられる。」 もし「離散定常性」を前提とする音楽があるのなら、「連続非定常 性」は音楽の定義ではなく、非西洋音楽の定義になるのかなとも思 いました。 もし先生(この定義をつくられた先生)とお話をする機会があるな ら、教えていただければと思います。 移動中の車の中で耳にするラジオからの音楽とか、いろんなところ に貼ってあるパパ・ムウェンバのCDの宣伝とか、コンゴ人の音楽好 きを感じています。 コンゴは音楽的にはアフリカの中心だと感じています。 あとまだ17泊するので、その間にできればライブハウスにも訪れ 、CDを買って帰ろうと思います。 得丸