2015年初めに、予測したことを検証したいと思う。そして、 2015年に起きた出来事を見ようと思う。 津田より 0.見通した2015年予測を検証する T:安倍首相の経済政策では、残念ながら景気は上向かない。国民 のマインドが消費をする方向ではない。GDPに占める消費が60% もあるので、消費に火がつかないと景気は上向かない。と見通 しましたが、これは予想通りですね。 F:年金は減額し、中小企業の賃金は変わらないので、実質賃金と 見るとマイナスになり、よくなる理由がない。としましたが、 大企業の給与だけが上昇したことで、貧富の差が拡大したこと も事実である。 T:ターゲット戦略を取るべきと見通しましたが、現状ではどうで すか? F:労働不足が深刻化しているが、人口が減少していて、日本国内 の需要は今後継続的に少なくなるので、企業は国内に投資しな いで、海外企業のM&Aなどに資金を向けていくことになる。 人口減少を止めないと、国内に投資することを企業はしない。 また、新しい投資をするのは、新しいイノベーションであり、 その部分に投資することになるので、ターゲットを明確にして 国も補助して、企業投資を後押しすることが必要である。 しかし、政府が真っ先にしなければならないことは、人口減少 から人口増加で、移民政策を変換しないと経済成長は起きない。 T:イスラム国問題にロシアがシリア支援で出てきたことで、中東 紛争が複雑化してきたようですが、どうですか? F:ロシアは欧州へのガス供給を一手に独占しているが、カザフス タンやイランのガスが欧州に供給されないようにシリアを支援 して、ロシア以外のパイプラインを作らせないようにしたと見 る人もいる。 イスラム国はイスラエルがシーア派とスンニ派を分断するため に作ったと見る人もいる。どちらにしてもサダム・フセインの 情報機関や軍関係者が多数、イスラム国に関わっていることは 確実である。 トルコは、イスラム国よりクルド人の方が恐ろしいので、シリ アやイラクのクルド勢力を大きくしたくないのが本音である。 このような各国の思惑によって、中東の情勢は動いているが、 米国は空軍以外の兵力をこの地域に送ることは国民が承認しな い。 どちらにしても、中東戦争は当分続いていくことになる。 1.中国・アジア T:中国の独裁政治、民主化の弾圧が一層進化してきました。これ はどうですか? F:中国は、独裁政治を保持していく。欧米の期待には沿わない。 経済では国内での公共工事が一巡して、海外の公共工事を手が けて国内需要の縮小をカバーする方向である。このために、一 帯一路という中国から欧州までの補給ラインを作るという壮大 な計画を公表した。中国は軍備も遠距離に投影出来るだけの量 と質を兼ね備え出している。 中国は大国として自国を見ているので、それにふさわしい行動 を取るが、自国のルールを他者に押し付けることになり、今後 、紛争が絶えないことになる。 しかし、先に中東戦争に関係することになり、当分、アジアは 擬似的な平和になるを見ている。 2.世界・日本経済 T:2015年の経済は、米国景気の復活で利上げしたことで、新 興国経済は減速し中国も経済減速して、日本からの輸出も大き く減少した。これは予想通りでしたか? F:米国の利上げで、円は一層安くなると多くの専門家が予測して いたが、利上げにより円高が進んでいるようだ。ポジションの 調整が起きているというが、今後の為替動向は注意が必要であ る。この予想は2016年新年号で行う予定。 2015年経済予測では、楽観的な見方が多かったが、GDP の成長はなかったために、一年を通じて9月に1万6千円台に 下落して、12月に2万円台になり、その後調整局面になって いる。一年で見るとフラットである。 T:経済理論として長期停滞論やバランスシート不景気論やリフレ 論などがありますが、日本はリフレ論で来ましたが、それで良 いのでしょうか、どうですか? F:サマーズが長期停滞論を発表して、老人層に金があり、若者層 に金がないことで、消費が活発化しないので、その歪みを直さ ないと長期に停滞すると述べている。リチャード・クーは、バ ランスシート不況論で、皆が借金を返している間は政府が赤字 予算で消費をしないと、縮小経済になると言っていたが、現時 点は金融緩和でバブルが起き安い。放置すると崩壊することで、 景気が失速するので、早め早めの引き締めが必要になっている という。このクー氏の理論でFRBのイエレン議長は利上げに 踏み切った。 リフレ派の理論は為替で有効であるが、市中の資金量と見ると 期待値とは違い、誰も金を借りていないことが明白である。こ のため円安は起きたが、市中の資金量はほとんど増えていない。 しかし、資金が銀行に滞留しているので、資産インフレが起き ると止まらなくなる弊害があるようだ。 もう1つ、金融緩和からの出口論の論文が1つもないことで、 手探り状態になっているという。 政府は量的緩和より実質的な景気対策を打たないと、今後は景 気は復活しないことは明白である。人口減少社会では景気は、 長期に減少することが当然であり、このことに対する対策がな いと日本のジリ貧は防げない。 T:日本の使命として、水素社会にしないといけないと言いますが 今年一年、どうでしたか? F:日本からのイノベーションが今年もノーベル賞をもらっている ように次から次と出ている。去年のエネルギー関係では、熱音 響エンジンの実用化研究が面白いと思っている。排熱を集めて 発電できたら、これは大きなエネルギー資源になるし、工場の 競争力を高めることになる。 燃料電池自動車として、ホンダも参入するので、来年は今年以 上に面白い年になると見る。燃料電池自動車が寒冷地でも大丈 夫であることがわかれば、東北や北海道でも燃料電池自動車が 出てくることになる。今は凍結の心配で、東北と北海道では、 トヨタのミライは売り出されていない。 COP21で地球の温暖化防止で世界は、一致して取り組むこ とが決定したので、これからは再生可能エネルギーや省エネ技 術が今以上に発展することになると見る。 バイオコークスやセルロース・ナノファイバー、熱音響エンジ ンと多くの技術革新の芽が日本は抱えているので、これを大き な花にしていくことである。 さあ、どうなりますか?