5362.サウジアラビアなどが地上部隊派遣か?



AP電の「Hundreds of families trapped by fighting in Yemen's 
Aden」によると、アデン市内が戦闘状態であり、市民生活は困窮し
ているという。フーシ派戦闘員が市内のモールや学校に攻めてきて
、そのフーシ派に対して、サウジが空爆をしているし、港湾の穀物
倉庫も、フーシ派が占拠した後、直ぐにサウジの空爆で破壊された
という。

このように重要な港湾都市であるアデンは、混乱状態であり、この
ままにするとフーシ派が占領するのに時間がかからない状態になっ
ていた。

このため、中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどは3日、サウジ
アラビア主導の連合軍がイエメン南部アデンに20人程度の地上部
隊を派遣し、同国政府側と対立するイスラム教シーア派系の武装組
織「フーシ派」と交戦したと報じた。

しかし、20人程度では地上軍を投入したというより、情報部隊を
投入して、空爆箇所の特定をするために送り込んだと見たほうが良
い。

よって、サウジ軍報道官は英スカイニューズのアラビア語放送で、
この情報を否定した。サウジは、空爆を止めて交渉に持ち込みたい
が、フーシ派はアデンを占領してから交渉に臨むようである。

このため、サウジも空爆を止めることができないし、アデンを占領
されるのは、大きな痛手になる。

しかし、逆にスンニ派住民はイランとシーア派が支配する体制を受
け入れないだろう。

この状態で、サウジアラビアのサルマン国王は、約40年にわたり
穏健派のサウジ外交の顔だったサウド外相を退任させた。また、王
位継承者のムクリン皇太子を解任し、副皇太子のムハンマド内相を
新たに皇太子に任命した。タカ派の国王になり、紛争は拡大する方
向のようである。

「今の中東は政治的、宗教的武力紛争が続出しており、紛争は17世
紀の欧州のように30年続くかもしれない」と米外交問題評議会議長
のハースは言うが、そのとおりかも知れないようだ。

さあ、どうなりますか?

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【イエメン情勢】
サウジアラビアなどが地上部隊派遣か? フーシ派と交戦の情報も
2015.5.3 23:46sankei
 【カイロ=大内清】中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどは3
日、サウジアラビア主導の連合軍がイエメン南部アデンに20人程
度の地上部隊を派遣し、同国政府側と対立するイスラム教シーア派
系の武装組織「フーシ派」と交戦したと報じた。
 事実なら、3月下旬以降のサウジなどによる軍事介入で初めての
地上部隊の投入となる。サウジ軍報道官は英スカイニューズのアラ
ビア語放送でこの情報を否定した。
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中東の混乱は「30年戦争」のようになってしまうのか
2015年05月04日(Mon)  岡崎研究所  WEDGE
米外交問題評議会議長のハースが、3月26日付フィナンシャル・タイ
ムズ紙掲載の論説で、今の中東は政治的、宗教的武力紛争が続出し
ており、紛争は17世紀の欧州のように30年続くかもしれない、と言
っています。
 すなわち、イエメンが最新の中東の紛争であり、イエメンは内戦
状態にある。ハディ率いるスンニ派政府の残党、テログループの「
アラビア半島のアルカイダ」、シーア派の分派の住民が支持するホ
ーシー派が対立しているが、米国、イラン、サウジなどのスンニ派
諸国といった外部勢力が介入している。
 イエメンが破たんするか、あるいは、イランと連携する勢力に支
配されることは、サウジや他のスンニ諸国にとって脅威である。
 イエメンはイランとサウジ、シーア派とスンニ派の争いの最新の
舞台である。
 サウジは4年前バーレーンで、アラブ首長国連邦とともに数千人の
兵隊を送って、多数派のシーア派住民の抗議に遭った少数派のスン
ニ政権を救った。しかしイエメンはバーレーンの20倍の人口、100倍
の領土を持つ。サウジには頼れる地上軍がない。その上IS(イスラ
ム国)が、イスラムの2大聖地を擁するサウジ政府を倒すのが重要と
考えており、その脅威も心配である。
 他方、シリアは内戦状態にあり、イラクはイランとシーア派民兵
の支援を受けた政府軍が、ISからティクリートを奪回しつつあるが
、奪回後、スンニ派住民とクルド人はイランとシーア派が支配する
体制を受け入れないだろう。
 このような紛争は、一方の当事者か第3者が秩序を回復するか、当
事者が疲労困憊して休戦するかで終結するが、悲しいかな、いまの
中東ではそのような筋書きは予想できない、と述べています。
出典:Richard N. Haass,‘Decades of deadly conflict will spread 
across the Middle East’(Financial Times, March 26, 2015)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/8ad02c70-d3d5-11e4-99bd-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz3VshGqLFX
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サウジ、世代交代 皇太子にムハンマド内相
 【カイロ共同】サウジアラビアのサルマン国王は29日、王位継
承者のムクリン皇太子を解任し、副皇太子のムハンマド内相を新た
に皇太子に任命した。約40年にわたりサウジ外交の顔だったサウ
ド外相も退任させた。AP通信などが伝えた。
 初代アブドルアジズ国王の孫に当たる「第3世代」から皇太子が
選ばれるのは初めてで、世代交代がさらに進んだ。
 サルマン国王はアブドラ前国王の死去に伴い、1月に即位したば
かり。前国王の近親者を要職から外すなど権力基盤固めを進めてい
た。
2015/04/29 13:53   【共同通信】


Hundreds of families trapped by fighting in Yemen's Aden

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