5285.ウクライナの停戦は守られるのか2?



親ロ派が、ドネツク州の要衝デバリツェボの9割を制圧した。そし
て、現地のウクライナ政府軍幹部はデバリツェボの大部分が制圧さ
れたことを認めた。

このデバリツェボで激戦が続いていたが、これで停戦違反は、ウク
ライナ軍が反撃しなければ終わる。

プーチン大統領も17日、デバリツェボのウクライナ軍に対し、武
装解除した上で撤退するよう要求していたが、撤退をしなかったの
で、制圧したということのようである。プーチン氏は同時に停戦合
意履行の重要性を強調したものの、事実上、停戦発効後の親ロ派の
攻撃を容認する姿勢を示した。

これに対して、ウクライナのポロシェンコ大統領は、デバリツェボ
の激戦について「停戦合意への攻撃だ」と非難した上で、ロシアと
親ロ派の行動に国際社会が厳しく対処するよう、ドイツのメルケル
首相に訴えた。

この停戦違反に対して、米国がウクライナに武器を援助する可能性
があったが、米国務省のサキ報道官は、ウクライナ東部情勢をめぐ
り、ロシアと代理戦争を行うことは、ウクライナや国際社会の利益
とならないとの認識を表明した。

ということは、停戦合意が履行されることになる。しかし、親露派
自治国の領土が少し増えることになるだけである。大勢には影響な
いはずであるが、ウクライナのポロシェンコ大統領が反撃に出ると
停戦自体が崩壊することになる。

現在は、ポロシェンコ大統領の判断にかかっているようである。世
界のリーダたちは、ポロシェンコ大統領に思いとどまるように説得
していると期待したがどうであろうか?

さあ、どうなりますか?


==============================
ウクライナ停戦破綻も 親ロ派、要衝ほぼ制圧
2015年2月18日 tokyo朝刊
 【モスクワ=常盤伸】ウクライナ東部の紛争で、親ロシア派武装
勢力は十七日、ドネツク州の要衝デバリツェボの制圧に向け、激し
い攻撃を加えた。ウクライナメディアによれば、現地のウクライナ
政府軍幹部はデバリツェボの大部分が制圧されたことを認めた。重
大な停戦違反で、合意が破綻する恐れが高まった。欧米やウクライ
ナはデバリツェボでロシアが直接、親ロ派に軍事支援を行っている
と主張しており、国際社会の対ロ批判が強まるのは必至の情勢だ。
 インタファクス通信によると、親ロ派は、鉄道駅や警察などの重
要施設を占拠。ウクライナ兵約三百人が投降したと伝えた。一方、
ウクライナ軍は、デバリツェボで激しい戦闘になっていることは認
めたが、投降の情報を否定している。
 しかし、ウクライナのノーボエブレーミャ誌(電子版)によると
、デバリツェボ周辺に展開中のウクライナ軍の大隊副隊長は「デバ
リツェボの九割が(親ロ派に)制圧された」と明かした。また、国
家安全保障会議のルイセンコ報道官は、ロシアから装甲車十二両や
武器弾薬を積んだトラック五十四台がウクライナ国境を越えたと指
摘した。
 デバリツェボは交通の要衝で、ロシアのプーチン大統領は十二日
の停戦合意後、デバリツェボのウクライナ軍は武装解除すべきだと
主張していた。
 ウクライナ大統領府のチャルイ副長官は十七日の記者会見で、「
ロシアの支援を受けた武装勢力が停戦合意を履行する次のプロセス
の可能性を破壊している」と非難した。
 停戦合意で主導的な役割を果たしたメルケル独首相とウクライナ
のポロシェンコ大統領は十七日、プーチン氏と電話で協議し、親ロ
派とウクライナ軍が対峙(たいじ)する前線で欧州安保協力機構(
OSCE)による監視を可能にする具体的な措置で合意した。措置
の内容は明らかになっていない。また、ポロシェンコ氏とメルケル
氏はプーチン氏に戦闘停止へ向けて親ロ派に影響力を発揮するよう
要請した。
==============================
ウクライナ兵の撤退要求 要衝の攻防でロ大統領
 【キエフ共同】ロシアのプーチン大統領は17日、ウクライナ東
部の要衝ドネツク州デバリツェボで親ロシア派武装組織が包囲して
いるウクライナ軍に対し、武装解除した上で撤退するよう要求した
。訪問先のハンガリーでオルバン首相との会談後、共同記者会見で
語った。
 ウクライナのポロシェンコ大統領に対し「ウクライナ兵が武器を
置くのを邪魔しないことを望む」と述べた。プーチン氏は同時に停
戦合意履行の重要性を強調したものの、事実上、停戦発効後の親ロ
派の攻撃を容認する姿勢を示した。
 欧米やウクライナはデバリツェボ周辺にはロシア軍が展開してい
ると非難している。
2015/02/18 07:46   【共同通信】
==============================
「ロシアが停戦違反」=ウクライナ、東部激戦で非難−プーチン氏
は沈静化評価
 【モスクワ時事】ウクライナのポロシェンコ大統領は17日、ロ
シアが支援する親ロシア派が政府軍を包囲した東部ドネツク州デバ
リツェボの激戦について「停戦合意への攻撃だ」と非難した上で、
ロシアと親ロ派の行動に国際社会が厳しく対処するよう訴えた。ド
イツのメルケル首相との電話会談で語った。
 チャルイ大統領府副長官も首都キエフでの記者会見で「ロシアと
親ロ派は停戦合意を履行していない」と批判した。15日の停戦入
り後、ポロシェンコ政権が「ロシアの停戦違反」に直接的に言及す
るのは初めてとみられる。親ロ派は17日、交通の要衝であるデバ
リツェボの大半を制圧したと主張していた。
 副長官はこの中で「和平への希望は打ち砕かれつつある」と事態
を深刻視した上で、さらなる事態悪化が待ち受けていると指摘した
。大統領は先に「親ロ派のデバリツェボ攻撃で和平プロセスは崩壊
の危機にある」と警告。停戦が失敗に終わった場合、全土の戒厳令
もあり得ると発言していた。
 ロシアのプーチン大統領は17日、訪問先のハンガリーの首都ブ
ダペストで記者会見し、停戦入りに伴って「戦闘が大きく沈静化し
た」と評価。「停戦合意が(政府軍と親ロ派の)双方によって順守
され、紛争が解決に向かうよう望む」と述べた。デバリツェボで包
囲された政府軍兵士には投降を呼び掛けた。(2015/02/18-07:43)
==============================
ウクライナ軍への武器提供、米報道官が消極姿勢示唆
2015年 02月 18日 04:55 JST
[ワシントン 17日 ロイター] - 米国務省のサキ報道官は17
日、ウクライナ東部情勢をめぐり、ロシアと代理戦争を行うことは
、ウクライナや国際社会の利益とならないとの認識を表明した。ウ
クライナ政府軍への武器供与に消極的な姿勢を示した形だ。
そのうえで、同氏は記者団に「さまざまな選択肢の検討に際し、そ
うしたことも判断材料の1つとなる」と述べた。



コラム目次に戻る
トップページに戻る