華厳の教えでは、宇宙万有の背景に宇宙仏がいて、事々物々の全て が悉く宇宙仏の活動であり、部分にして全体、全体にして部分の大 用を無限に現出していると説く。 言い換えると、皆(全人類)が仏性を持ち、宇宙全体の中で繋がっ ている。皆が宇宙仏の化身であり、宇宙の役に立つために自分は生 まれてきたのである。 これと同じ考え方で、ユングは皆が集団としての共通意識を持って いるとなり、トランスパーソナル心理学では、人は宇宙の進化に皆 が関わっているとなる。 というように、華厳の考え方は、現在の心理学の最先端に位置づけ られることになる。 この意味は、どんな人生にも意味があり、。この世にいのちある限 り、意味のない人生なんて一つもないとなる。このため、人間は、 自分の人生には、どんな意味が与えられており、どんな使命が課せ られているのかを発見し、実現することである。 しかし、人間は、自分に執着している。この執着を手放すと、宇宙 の中の自分の生きる意味が分かってくるはずである。どんな障害が あっても、意味があるのだ。 自己受容・他者受容ができると、次には自分の生きる意味を探るが 、自分への執着を捨てて見ると、自分の役割を宇宙仏(グレイトサ ムシング)から語りかけてくる。 潜在意識が、宇宙仏と繋がり、顕在意識がないと、潜在意識が語り かけてくるのである。それに耳を傾けるだけである。 この世界での自分の使命が見えるはずである。 これも仏教思想である。