5250.潜在意識の力



仏教の唯識を勉強すると、次のことが分かる。

潜在意識が、自分のイメージを持ち、顕在意識が自分を変えようと
理想的な自分を描いても、潜在意識が否定すると、それはできない。
このため、本当の自分とあるべき自分が割れていて、そのために、
自分に自信がないことになる。

潜在意識が本当の自分のイメージを作るためであり、顕在意識が自
分を変えようとしても無理である。心底から変わろうとするなら、
潜在意識に存在する自分のイメージを変えることが必要になる。

このためには、自己教示の方法として心理学が勧めるセルフトーク
やセルフイメージを常に自分に向かってすることが必要になる。し
かし、客観的な事実が、それをサポートしないと、セルフトークで
も心底からは潜在意識は納得しない。

このため、友達や支援者が必要になる。その人たちからセルフトー
クを支持するような良い言葉が必要で、潜在意識は納得することに
なる。このように潜在意識が納得すると自信ができる。自分のある
べき姿と本来の自分が一致することになる。この状態を自己受容と
いう。潜在意識と顕在意識の両方が、自分の良い点と悪い点がバラ
ンスよく認識されていることになる。一致していることになる。

セルフトークでは他人も認める自分の良い点を言う必要がある。美
人でないのに、私は美人というのは、無理になる。ということで、
自分の良い点を見つけて、それを自分に言うことが必要になるのだ。

このため、自分の願望としてスポーツカーが欲しいと念じ、かつ人
にも言っていると、その内、その願望が強いと実現することになる。

このため、いつも自分に対して「バラ色の類」のイメージを持つこ
とが必要になる。そして、「灰色の類」のイメージが想念に出て来
たら、意識を変えることが必要になる。イメージを切ることである。

また、他人に対しての悪意などのイメージも切ることが必要になる。
憎しみのイメージは、大きな自己破壊へつながる要素があり拒否す
ることが必要で、いつも肯定的なイメージを思うことが必要なのだ。

そして、このセルフイメージを自分に言い聞かせる環境が重要であ
る。座禅やリラックスできる環境で行うことである。

座禅で無念無想はありえない。思考を放り投げると、勝手に思考が
暴走して、自分の思いとは違う所に行ってしまう。自分の潜在意識
にあるイメージが離れなく、想念に出てくる。この想念は良い場合
もあるが、多くの場合は否定的なことである。

それは家庭環境では、子供を叱ることが多く、「勉強ができない」
とか「不細工な子ね」と、親は自分の子供に否定的な言葉をかけて
いるからだ。そのため、潜在意識には否定的な自分のイメージが出
来ていることが多い。

「お前は何をやってもダメだなあ。」と自分で思えば、何をやって
も失敗する人間になってしまう。このため、このような否定的な暗
示をしてはいけないのである。

そして、災害にあった人を見て、悲しいと思うことは大切であるが
、しかし、その悲しみに巻込まれてはならない。

このように潜在意識の力は大きいが、このようなことを普通の教育
では教えていないのである。

そこに新しい仏教が必要な理由なのである。





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