5035.露・ウクライナ首脳会談



主要7カ国(G7)首脳会議は、1カ月以内にロシアが新たな要求
に応じなければ制裁を強化することで合意した。

このため、ロシアのプーチン大統領は主要7カ国(G7)首脳会議
(サミット)の閉幕を待ち構えて、欧州主要国との首脳外交を一気
に再開した。

6日までの2日間で英仏独3カ国首脳と相次ぎ個別に会談。欧米側
が求めていたウクライナのポロシェンコ次期大統領との初の非公式
協議にも応じた。

この会議をセットしたのは、メルケル独首相であり、メルケル首相
がロシアと欧州の関係を仲介していることが分かる。BBCの映像を確
認しても、嫌がるウクライナのポロシェンコ次期大統領をプーチン
大統領に会わせ、メルケル首相が2人の間を繋いでいる姿を確認で
きる。

このため、プーチン大統領は6日、ウクライナのポロシェンコ次期
大統領と約15分間会談し、ウクライナ東部で続く流血の事態をた
だちに停止する必要があるとの認識で一致した。

そして、ウクライナ東部の政府軍と親ロシア派による戦闘停止に関
する協議を向こう数日中に開始することで合意した。

そして、ウクライナのポロシェンコ次期大統領は6日夜、親ロシア
派が武装蜂起した東部の緊張緩和のため、ロシアが近くウクライナ
に政府代表を派遣する予定だと明らかにした。

また、プーチン大統領はオランド大統領と会談し、米国の圧力で凍
結が取り沙汰されたフランスのミストラル級強襲揚陸艦の対ロ輸出
問題などが話し合われたようだ。

しかし、米国のナショナル・インタレスト誌には「Russia Opens 
a Eurasian Pandora's Box」が載り、ロシアに厳しい評価をしてい
る。ユーラシアは力の均衡の論理で動くことになるというのである。

このため、米国は軍事顧問団をウクライナに派遣することを決めた
のである。

ロシアのクリミア併合から、中国が南シナ海で暴れまわり、世界は
力の論理を考えなければならない状況になったのである。

さあ、どうなりますか?

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露・ウクライナ首脳会談、戦闘停止で認識一致
2014年06月07日 00時17分Yomiuri Shimbun
 【ウイストレアム(仏北部)=三井美奈】プーチン露大統領は6
日、フランス北部ノルマンディー地方のウイストレアムで、ウクラ
イナの混乱解決に向けて、ウクライナのポロシェンコ次期大統領と
約15分間会談した。
 ロイター通信などによると、ウクライナ東部で続く流血の事態を
ただちに停止する必要があるとの認識で一致した。プーチン氏はま
た、オバマ米大統領とも短時間話した。
 いずれも第2次世界大戦の連合軍によるノルマンディー上陸作戦
のDデー(作戦決行日)から70年にあたる式典の食事会の会場で
行われた。式典には20か国の元首・首脳が参加した。
 作戦は1944年6月6日未明、パラシュート部隊に続いて米英
中心の約13万人が英南部からナチス・ドイツ占領下のノルマンデ
ィーに上陸。欧州戦線での連合軍の勝利を決定づけた。死傷者はこ
の日だけで連合軍約1万人、独軍4000〜9000人に上った。
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対ウクライナ、欧州と歩調=「非公式」強調−米
 【カーン時事】オバマ米大統領は6日、ロシアのプーチン大統領
と「10〜15分間」(米政府高官)の会話を交わした。オバマ氏
はこれまで、対ロシア制裁を主導するなど、ロシアへの圧力を重視
していたが、英仏独3カ国がプーチン氏との対話へ動く中、欧州と
歩調を合わせた。
 オバマ氏は5日、プーチン氏はウクライナのポロシェンコ次期大
統領を正統な指導者として認めるべきだと指摘。ロシアに対し、ウ
クライナ東部の親ロシア派を説得して武装闘争をやめさせ、武器供
給も遮断するよう求めると表明し、ロシアの態度に変化がなければ
、最大4週間以内に制裁を強化すると警告した。ロイター通信によ
れば、6日の話し合いでは、こうした方針を直接伝えた。
 オバマ氏は、プーチン氏とは「ビジネスライクな関係」と公言し
ており、自ら積極的に握手の手を伸ばすそぶりは見せてこなかった。
米政府は今回の接触についても、昼食会の場を利用した非公式な話
し合いで、「正式な2国間会談ではない」と強調している。
(2014/06/07-01:47)
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ロシア、欧州に対話攻勢 英仏首脳と会談 
2014/6/7 0:49nikkei
 【ドービル(フランス北西部)=田中孝幸】ロシアのプーチン大
統領が欧州首脳との対話に乗り出した。6日までの2日間で英仏独
3カ国首脳と相次ぎ個別に会談。欧米側が求めていたウクライナの
ポロシェンコ次期大統領との初の非公式協議にも応じた。経済で相
互依存を深める欧州との関係改善が狙いとみられる。一方で、オバ
マ米大統領とは接触はしたものの公式会談は見送られ、米ロ間の不
信の根強さもうかがえた。
 「この時期にフランスを訪れることができて感謝している」。5
日夜、パリのエリゼ宮(大統領府)に赴いたプーチン氏はオランド
仏大統領と固く握手を交わした後、約1時間半にわたってフランス
料理の夕食をともにした。
 直前にはキャメロン英首相と会談。ロシア抜きでブリュッセルで
開いた主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)の閉幕を待ち構え
て、欧州主要国との首脳外交を一気に再開した。
 6日には第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦70周年記念式
典の出席のため仏北西部を訪問。メルケル独首相とウクライナ情勢
を約1時間協議した。メルケル氏は「ロシアはウクライナの安定に
大きな責任がある」と指摘した。
 この後、プーチン氏は仏独首脳の呼びかけで昼食会前にポロシェ
ンコ氏と15分にわたって立ち話をした。両首脳は握手をしたうえで
、ポロシェンコ氏が検討するウクライナ東部の緊張緩和策や両国の
経済関係の修復について協議したといい、仏大統領府は「(ロシア
による)ウクライナ大統領選の結果の承認に道を開くものだ」と歓
迎した。
 プーチン氏の対話姿勢の背景には、欧米の対ロ制裁で深まる経済
停滞や国際的孤立への危機感がある。
 ロシアの1〜3月期の実質経済成長率は、ウクライナ危機による
投資低迷と資金流出により前年同期比0.9%と急減速した。ただ、プ
ーチン氏が欧州への融和姿勢を見せ始めた5月上旬からロシア株は
反転。クリミア編入決定前の2月の水準まで戻った。「プーチン政
権は安定を求める市場の圧力を思い知らされた」(元ロシア政府高官)
 経済の屋台骨である欧州へのガス輸出への影響を避けたい思惑も
透ける。ロシアは欧州連合(EU)を交えてウクライナとガス供給
価格などを巡る協議を続けており、来週中の交渉妥結に向けて歩み
寄りの姿勢も見せる。ロシア国営ガスプロムのミレル社長は2日、
2割超の価格下げに応じる可能性を示唆した。
 とはいえ、ロシアへの反発を強める米国との関係修復への道筋は
見えていない。米議会では今秋の中間選挙を前に対ロ強硬論が勢い
を増している。5日のウクライナ問題に関する上院公聴会でも対ロ
制裁強化を求める声が相次いだ。米政府当局者は6日の米ロ首脳接
触は「あくまで非公式な対話」と強調しており、「年内の公式会談
は不可能」との声も聞かれる。
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ウクライナめぐり外相会談へ=10日に独ロとポーランド
 【モスクワ時事】ロシア・サンクトペテルブルクに10日、ラブ
ロフ外相、シュタインマイヤー・ドイツ外相、シコルスキ・ポーラ
ンド外相が集まり、ウクライナ危機打開策を協議する。ロシア経済
紙コメルサントなどが6日伝えた。(2014/06/07-01:12)
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ロシア・ウクライナ首脳が会談、関係改善へ前進 米ロも接触
2014年 06月 7日 01:27 JST
[コルビルシュルメール(フランス) 6日 ロイター] - 第2次
世界大戦のノルマンディー上陸作戦70周年記念式典の場で6日、
ロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ次期大統領が
15分程度会談し、対立解消に向けた協議を行った。両首脳が直接
顔を合わせるのはロシアがクリミアを編入して以来初めて。対立す
る両国の関係改善へ一歩前進した。
会談は数週間に及ぶ水面下の調整を経て、オランド仏大統領とメル
ケル独首相の仲介で実現した。
仏大統領府によると、プーチン氏とポロシェンコ氏は互いに握手を
交わし、ウクライナ東部の政府軍と親ロシア派による戦闘停止に関
する協議を向こう数日中に開始することで合意した。
経済関係に加え、ロシアがウクライナ大統領選の結果を認めるため
の方策についても協議されたとしている。
ロシア政府の報道官は、プーチン、ポロシェンコの両首脳は「ウク
ライナ南東部における流血の事態、および双方の戦闘を即時停止す
るよう」求めたと指摘。「平和的な政治解決しか方法はないとの認
識が確認された」としている。
プーチン大統領はまた、その後オバマ米大統領とも非公式に会談し
た。
ベン・ローズ米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は「正式
な2カ国協議ではなく、非公式の会話」とし、会談は10─15分
程度だったと説明した。
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米ロ首脳が会談、オバマ氏がウクライナ危機緩和へ取り組み求める
2014年 06月 7日 04:00 JST
[ベヌビル(フランス) 6日 ロイター] - オバマ米大統領は6
日、ロシアのプーチン大統領に対し、ウクライナ情勢の緊張緩和に
向け機会を捉えるよう求めた。
ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典出席のためフランスを訪
れた両首脳は、短時間の非公式会談を行った。
ローズ米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は記者団に対し
「緊張緩和の実現は、ロシアがポロシェンコ次期大統領をウクライ
ナの正当な指導者として認めるとともに、東部の親ロシア派への支
援や国境を越えた武器・物資の供給を停止するかにかかっているこ
とを、オバマ大統領は明確に指摘した」と述べた。
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ロシアがウクライナに政府代表派遣へ=ポロシェンコ氏
 【モスクワ時事】ウクライナのポロシェンコ次期大統領は6日夜
、親ロシア派が武装蜂起した東部の緊張緩和のため、ロシアが近く
ウクライナに政府代表を派遣する予定だと明らかにした。
 6日にフランス北部ノルマンディーで、ロシアのプーチン大統領
との初会談後、記者団に語った。ロシア政府代表の派遣は、双方が
会談で一致したという。
 ポロシェンコ氏は「(ロシア政府代表の派遣は)緊張緩和を目指
す行動計画の実現に向けた好機となるだろう」と期待を表明した。
(2014/06/07-06:17)
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独ロ首脳が会談=ウクライナ危機めぐり
 【カーン時事】ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相
は6日、フランス北部ノルマンディー地方のホテルで、ウクライナ
危機打開に向けて会談した。3月の南部クリミア半島のロシア編入
後、独ロ首脳会談は初めて。プーチン大統領は5日にパリでキャメ
ロン英首相、オランド仏大統領とも会談した。
 メルケル首相は4、5両日の先進7カ国(G7)首脳会議(サミ
ット)を踏まえ、プーチン大統領に対し、ウクライナのポロシェン
コ次期政権承認と2国間対話を迫ったもようだ。ロシアのペスコフ
大統領報道官は、独ロの立場の隔たりを認めた上で「解決と妥協の
ために協議した」と説明した。(2014/06/06-20:54)
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ウクライナ対話促進、露外相「米影響力に期待」
2014年06月06日 12時59分 Yomiuri Shimbun
 【パリ=緒方賢一】ロシアのラブロフ外相は5日、訪問先のパリ
で、米国のケリー国務長官と会談した。
 ロシア外務省の発表によると、ラブロフ氏は、ウクライナが同国
東部で展開する親露派武装集団への軍事作戦を中止し、武装集団と
の対話を促すため、米国が影響力を行使するよう期待すると述べた。
 ラブロフ氏はまた、先進7か国(G7)首脳会議がウクライナ情
勢を巡り、ロシアを非難する宣言を発表したことについて、建設的
な対話の雰囲気作りに全く役立たないと批判した。
 一方、AP通信によると、ケリー氏はラブロフ氏に対し、ウクラ
イナのポロシェンコ次期大統領の緊張緩和に向けた努力をロシアも
支持するように促した。
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大統領就任式に大使派遣=対ウクライナ関係改善狙う−ロシア
 【モスクワ時事】ロシアのカラシン外務次官は5日、ウクライナ
で7日行われる親欧州連合(EU)派のポロシェンコ次期大統領の
就任式に、ズラボフ駐ウクライナ大使が出席する予定だと明らかに
した。インタファクス通信が伝えた。
 プーチン政権は2月、親ロシア派のヤヌコビッチ政権崩壊に不快
感を示し、大使を本国に召還した。3カ月ぶりの復帰は、悪化した
対ウクライナ関係を再構築したいロシア側のシグナルと言えそうだ。
(2014/06/06-05:52)
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ロシア大統領、英仏首脳と会談=クリミア編入後初
 【パリ時事】ロシアのプーチン大統領は5日、パリを訪問し、キ
ャメロン英首相、フランスのオランド大統領と相次いで会談した。
英BBC放送によると、キャメロン首相はプーチン大統領に対し、
ウクライナのポロシェンコ次期大統領の承認と、東部の緊張緩和に
向けた対話を要求した。
 ロシアによる3月のウクライナ南部クリミア半島編入強行後、プ
ーチン大統領が先進7カ国(G7)首脳と会談するのは初めて。訪
仏は、6日の第2次大戦のノルマンディー上陸作戦70周年記念式
典に合わせて実現した。
 英ロ首脳会談は空港で行われた。ロシアのペスコフ大統領報道官
によると、両首脳はウクライナ問題で冷え込んだ2国間関係の正常
化についても協議。ただ、会談冒頭に握手する場面はなく、主要問
題で議論は平行線をたどったとみられる。
 プーチン大統領はその後、エリゼ宮(仏大統領府)でオランド大
統領と夕食を交えて会談した。米国の圧力で凍結が取り沙汰された
フランスのミストラル級強襲揚陸艦の対ロ輸出問題などが話し合わ
れたもようだ。(2014/06/06-07:16)
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G7首脳会議、1カ月以内のロシア制裁強化で合意
By CAROL E. LEE
2014 年 6 月 6 日 06:42 JST WSJ
 【ブリュッセル】先進7カ国(G7)は、1カ月以内にロシアが新た
な要求に応じなければ制裁を強化することで合意した。米国のオバ
マ大統領と英国のキャメロン首相が5日明らかにした。
 2日間のG7首脳会議を終えた両氏によると、G7各国はウクライナに
関してロシアに対し、1)選挙で選出されたペトロ・ポロシェンコ氏
を次期大統領として正式に認めること、2)兵器流入の阻止、3)独
立を求める勢力の武装解除、4)東部住民との関与をめぐる同国政府
との協力、の4点を要求することで一致した。
 キャメロン氏は「これらが守られなければ業界単位の制裁に至る
」とし、「(ロシアの)プーチン大統領が措置を講じるかどうか判
断する上で、向こう1カ月が極めて重要になる」と述べた。
 オバマ氏は、プーチン氏が「現在の道筋にとどまる」ならば米欧
はロシア経済の幅広い分野に対する制裁を開始すると述べた。
 オバマ氏は「向こう2?4週間、プーチン氏の行動を見る機会がある
」と語り、「こうした措置を講じるならばロシアと米欧の信頼再構
築に着手することも可能だ」と続けた。
 キャメロン氏は5日の英ロ首脳会談でプーチン大統領にG7のメッセ
ージを伝える意向を明らかにした。
 オバマ氏はプーチン氏に対し「この機会を捉える」よう呼びかけ
、プーチン氏がポロシェンコ氏の選出を非難しなかったことを考え
れば期待が持てると述べた。ただ「発言ではなく行動を見極める必
要がある」とも語った。
 米ロ首脳は6日にフランスで行われるノルマンディー上陸作戦70周
年記念式典の場で顔を合わせる見込み。
 米国と欧州連合(EU)はすでに一部のロシア企業、個人を制裁対
象としているが、業界単位の幅広い制裁には踏み切っていない。
 西側の外交筋によると、5月25日のウクライナ大統領選終了後、ロ
シアが同国への圧力を弱めている兆しもある。ウクライナ国境沿い
に配備されていたロシア軍の大半が撤退したことは多くが認めてい
る。だが、兵器の移動や東部の親ロシア派勢力の支援に歯止めをか
けるロシア政府の努力はほとんどみられないという。  


Russia Opens a Eurasian Pandora's Box

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