4931.超国家主義者の首相補佐官が暴言



安倍首相側近の衛藤晟一首相補佐官が首相の靖国神社参拝をめぐり
、動画サイトで米政府を批判していたことが明らかになった。これ
に批判が出ると、衛藤氏は19日昼、「何が問題なのか分からない
」と語っていた。

しかし、菅義偉官房長官が首相と協議の上、米国の一層の反発を恐
れて「首相の見解と違う」として、衛藤氏に撤回を指示したが、首
相補佐官が単独で、靖国神社参拝をめぐる米政府の態度についての
批判をするはずがない。事前に安倍首相に相談していることは明ら
かである。

事実、衛藤氏は「首相見解と違うことを言っているわけではない」
と主張していたように、首相が参拝自体を誤りだったと認めている
わけではない。

それを外務省や米国の状況を知っている官僚や議員から、菅義偉官
房長官に、ご注進があったのであろう。首相周囲も米国の状況を見
ずに、自分勝手に動いていく。

このため、外務省は「頭を抱えている。『個人の意見』と整理して
も、首相もそういう考えだと米側に思われてしまう」と強い懸念を
示したが、そのとおりである。

自民党からも「首相補佐官の立場で言うべきことではない。『愛国
者、国滅ぼす』と昔から言うではないか」(中堅)との苦言が漏れ
ていた。そのとおりである。自分勝手で、相手をどう説得するかと
いう観点がない。相手を固くして、説得を受け付けなくなることが
わからないのであろうか?

どちらにしても、相手を説得することを難しくして、日本が孤立し
ていく方向に、超国家主義者たちは、持っていくことになる。それ
も首相補佐官ですよ。

もう少し、相手を見て、どう説得するのかの戦略を練ることが、首
相補佐官の仕事ではないですかね。

そうすれば、相手が何を言っているのかを聞くべくで、それも一番
批判的な評論家の意見を聞いて、その意見にどう対応するかという
ことを考えるべきなのが、首相補佐官ではないでしょうかね。

衛藤晟一首相補佐官は、少なくても、首相補佐官としては失格です
ね。


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衛藤氏発言、論評避ける=「失望」は変わらぬ−米国務省
 【ワシントン時事】米国務省のハーフ副報道官は19日の電話記
者会見で、衛藤晟一首相補佐官が安倍晋三首相の靖国神社参拝をめ
ぐる米政府の対応を批判する動画をインターネットに投稿したこと
について、「問題の動画は削除され、日本政府は個人の立場での発
言で、政権の見解ではないと説明している」として直接の論評を避
けた。日米関係の悪化を懸念したとみられる。
 ただ、ハーフ氏は「われわれは靖国参拝に関する立場を明確にし
ている」と述べ、靖国参拝に「失望」を表明した米政府の見解に変
わりはないことも強調した。 
 ハーフ氏はまた、NHKの籾井勝人会長らの発言が重なり、周辺
国で日本の右傾化を懸念する声が出ていることに関し「われわれは
日本と韓国が協力し、対話を通じて(お互いの)相違を解消するこ
とを望んでいる。米国の二つの同盟国が協力できるよう働き掛けを
続ける」と語った。(2014/02/20-07:24)
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米批判発言、幕引き急ぐ=「右傾化」批判を懸念−政府
 安倍晋三首相側近の衛藤晟一首相補佐官が首相の靖国神社参拝を
めぐり、動画サイトで米政府を批判していたことが明らかになった
。安倍政権は4月のオバマ大統領の来日を控え、日米関係への悪影
響を避けるため、直ちに発言を撤回させた。ただ、首相周辺からタ
カ派的言動が相次いでいることで、政権への「右傾化」批判が強ま
りかねず、政府・与党に懸念が広がっている。
 衛藤氏は首相に近い保守系議員で、政権内で一貫して首相に靖国
参拝を促してきた。参拝の正当性を訴えるため、動画サイト「ユー
チューブ」に「約束を果たした首相の靖国参拝」と題した動画を投
稿。参拝に「失望」を表明した米政府に、「むしろわれわれの方が
失望だ」とかみついた。
 衛藤氏は19日昼、自身の発言が批判的に報じられたことに「何
が問題なのか分からない」と記者団に語っていたが、1時間余り後
に発言を撤回し、動画も削除した。菅義偉官房長官が首相と協議の
上、「首相の見解と違う」と撤回を指示したためだ。自民党からも
「首相補佐官の立場で言うべきことではない。『愛国者、国滅ぼす
』と昔から言うではないか」(中堅)との苦言が漏れていた。
 ただ、衛藤氏が「首相見解と違うことを言っているわけではない
」と主張していたように、首相が参拝自体を誤りだったと認めてい
るわけではない。菅長官は同日の記者会見で「首相の靖国参拝につ
いては、首相自身が述べている通り、謙虚に礼儀正しく誠意をもっ
て説明し、理解を求めていくという考え方だ」と説明しただけで、
衛藤氏の発言のどの部分が首相の考えと違うのかは明確にはしなか
った。
 これまで、首相と親交があるNHK経営委員の百田尚樹氏が旧日
本軍による南京事件を否定するなど、首相に近い人物の発言が関係
国の批判や反発を招いている。外務省関係者は「頭を抱えている。
『個人の意見』と整理しても、首相もそういう考えだと米側に思わ
れてしまう」と強い懸念を示した。(2014/02/19-20:34)



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