4702.米中会談での尖閣諸島協議



残念ながら、米中会談での尖閣諸島協議を取り上げているのは、日
本のメディアしかない。BBC、CNNなどをチェックしたが、言及して
いない。

日本のメディアの情報によると、米中首脳会談で、オバマ大統領は
中国が領有権を主張して挑発活動を繰り返す沖縄県・尖閣諸島につ
いて、対話による解決を目指すべきとの考えを示したようだ。

これに対して、習近平国家主席は東・南シナ海の領有権問題を協議
した際「国家主権と領土の統一を断固として守る」との立場を説明
し さらに「関係各国が挑発ともめ事を起こすことをやめ、対話を
通じて問題を解決することを望む」と主張。尖閣問題では、日本が
領有権争いの存在を認めるのが先決との認識を暗に示した。

しかし、日本との対話を拒否してるのは中国であり、かつ挑発活動
を繰り返しているのも中国である。言動と行動が矛盾している。

ドニロン米大統領補佐官によると、尖閣問題の協議は「長時間」に
及んだ。オバマ氏は対立を増幅させないことが重要と強調。日中に
「行動」ではなく「対話」を重ねるよう求めた。オバマ政権は尖閣
が日米安保条約の適用対象と繰り返しており、こうした立場も伝え
たとみられる。

これは日本の意向に沿った言動であり、日本政府、安倍首相も安心
したようである。

このため、安倍晋三首相は9日、オバマ米大統領と習近平中国国家
主席の会談について「中国は米国と接近して信頼関係を築こうとす
ると思う。その方向は間違っていないし、世界の平和と安定にとっ
て良いことだ」と述べ、歓迎する意向を表明した。首相は米ソ冷戦
時代になぞらえて「デタント(緊張緩和)にも似た動きだ」と評価
した。

やっと、会談に対するコメントを述べている。

中国の動きは、さあ、どうなりますか?

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尖閣諸島「事態の悪化避け対話を」 習主席に米大統領
2013.6.9 10:20 sankei[米国]
 【パームスプリングズ(カリフォルニア州)=佐々木類】オバマ
米大統領は7、8両日行った中国の習近平国家主席との首脳会談で
、中国が領有権を主張して挑発活動を繰り返す沖縄県・尖閣諸島に
ついて、対話による解決を目指すべきとの考えを示した。
 米ホワイトハウスのドニロン大統領補佐官(国家安全保障問題担
当)が8日の記者会見で語った。
 この中で、オバマ大統領は7日夜、習国家主席との夕食会の席上
、領有権について特定の立場をとらないという従来の立場を説明し
た上で、「(日中)双方の当事者は事態を悪化させるのではなく、
外交チャンネルを通じて対話を目指すべきだ。東シナ海で(挑発的
な)活動を行うべきではない」などと語った。
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米中首脳、尖閣で応酬 初の会談終了
13/6/10
 【パームスプリングズ共同=林浩正、渡辺靖仁】オバマ米大統領
と中国の習近平国家主席は、7日(日本時間8日)の夕食会で沖縄
県・尖閣諸島問題を協議した。習氏が領有権を主張したのに対し、
オバマ氏は緊張緩和や対話解決への取り組みを促し、応酬となった。
両首脳は環太平洋連携協定(TPP)の交渉情報を中国側に提供し
ていくことや、北朝鮮を核保有国と認めず非核化を目指すことでも
一致した。
 首脳会談は8日に2日間の日程を終了。オバマ氏と習氏は計約8
時間にわたり、米カリフォルニア州パームスプリングズ近郊の保養
施設サニーランズでアジア太平洋地域の新秩序をめぐる「広く深い
議論」(米政府高官)を重ね、信頼関係構築を図った。
 両首脳は、適当な時期に中国で今回のような非公式な形の会談を
行うことで基本合意した。
 8日の会談終了後、記者会見した中国の楊潔チ国務委員によると
、習氏は東・南シナ海の領有権問題を協議した際「国家主権と領土
の統一を断固として守る」との立場を説明した。
 さらに「関係各国が挑発ともめ事を起こすことをやめ、対話を通
じて問題を解決することを望む」と主張。尖閣問題では、日本が領
有権争いの存在を認めるのが先決との認識を暗に示した。
 ドニロン米大統領補佐官によると、尖閣問題の協議は「長時間」
に及んだ。オバマ氏は対立を増幅させないことが重要と強調。日中
に「行動」ではなく「対話」を重ねるよう求めた。オバマ政権は尖
閣が日米安保条約の適用対象と繰り返しており、こうした立場も伝
えたとみられる。
 TPPについて、習氏は交渉過程をめぐる情報に関心があるとの
姿勢を表明。米側はこうした情報を提供する「より公式の枠組みの
構築」を約束した。
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米中首脳会談を歓迎=「世界平和に資する」−安倍首相
 安倍晋三首相は9日のNHK番組で、7日から米国で行われたオ
バマ米大統領と習近平中国国家主席の会談について「中国は米国と
接近して信頼関係を築こうとすると思う。その方向は間違っていな
いし、世界の平和と安定にとって良いことだ」と述べ、歓迎する意
向を表明した。首相は米ソ冷戦時代になぞらえて「デタント(緊張
緩和)にも似た動きだ」と評価した。 
 米中接近を警戒する向きについては「日米は同盟関係だ。これは
(米中との)決定的な差だ」と指摘。その上で、同盟関係をさらに
強化する考えを強調した。(2013/06/09-11:24)
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尖閣問題「挑発停止を」=日本に対話解決要求−習主席
 【北京時事】米カリフォルニア州で7、8の両日行われた米中首
脳会談で中国の習近平国家主席は沖縄県・尖閣諸島や南シナ海問題
に言及、日本など関係国を念頭に「責任ある態度で挑発を停止し、
対話を通じ適切に問題を解決する軌道へ早期に戻ることを望む」と
の立場を表明した。随行した楊潔※(タケカンムリに褫のつくり)
国務委員が、8日の会談終了後、記者会見で明らかにした。
 習氏は尖閣・南シナ海問題について原則的な立場を表明。「国家
の主権と領土保全を断固として守る」と強調するとともに、対話を
通じ問題を処理・解決するとの従来の主張を繰り返した。また、中
国側は台湾問題に関し、米国による台湾への武器売却停止を求めた。
 両首脳は計約8時間にわたる会談で「新型大国関係」の中身につ
いても協議。楊氏は、習氏が会談で説明した「新型大国関係」の内
容として「衝突や対立ではなく、対話を通じ矛盾や摩擦を適切に処
理する」「各自の社会制度や発展路線を尊重するとともに(譲れな
い主権・領土問題を指す)核心的利益や重大な関心事項を相互に尊
重する」「相互利益の関係構築」を挙げた。
 北朝鮮問題では習氏は朝鮮半島の非核化を堅持する立場を確認。
楊氏は「原則的な立場と全体的な目標で米中は一致している。でき
るだけ早く対話を再開するのが急務だ」と語った。 
 楊氏はこのほか、2014年にハワイ沖で米海軍が主催する環太
平洋合同演習(リムパック)に中国が参加することを正式に表明し
た。
 中国外交を統括する国務委員の楊氏が、会談内容を記者団に直接
説明するのは異例。中国側が今回の首脳会談を重視し、大きな成果
があったことを表しているとみられる。(2013/06/09-16:28)




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