4671.リアリストの考え方



リアリストは現実主義と日本語に訳されて、現状の国際政治に妥協
している考え方と思っている人が多いが、リアリストには理論があ
る。

これは平和を維持するためには、努力が必要であり、相手側と自分
側のパワーがバランスしているときに平和が維持されるという考え
方である。

自分が努力しないと平和はもたらさないという考え方である。日本
は戦後、日本が戦争をしなければ、世界は平和主義であるので、日
本が武器を持たなければ戦争にはならないという考え方が主流を占
めた。

しかし、その考え方は、中国の軍事力が拡大して、清時代の最大範
囲が中国の範囲ということを主張し始めたことで、破産してしまっ
た。もし、日米が中国の軍事力より少なくなったら、中国は益々、
アジアで領土を周辺国に要求することが明らかである。事実、尖閣
だけではなく沖縄も要求してきた。

このため、パワーのバランスを取る必要がある。しかし、潜在国力
が日本より十倍も大きいので、自分だけではなく、同盟関係を結び
、中国のパワーとバランスを取る必要がある。一番問題が中国であ
るから、この一番大きな問題を解決しないと、戦争の防止は出来な
い。

パワーの量をいつも、中国より大きくすることが必要になっている。
そして、中国が戦争をすると負けるから、交渉で解決しようという
動機を起こさせることである。

もし、それに失敗したときは、戦争を避けるためには日本が中国の
属国になるしかない。もちろん、尖閣も沖縄も中国に献上すること
になる。

このため、米国との同盟関係を強固にすることである。相手側に行
きそうな韓国を引き止め、相手サイドであったロシアを味方にはで
きないが、中立かややこちらに寄った立場に変化させることである。
相手のパワーを少なく、自分側のパワーを増やす努力である。

ロシアは味方にならないから、ロシアとの平和条約は必要がないと
いう考え方をとる人は論理的にリアリストではない。領土はパワー
が最大時に大きなくなり、パワーが少なくなれば、相手に取られる
ものである。

領土を維持するためにはパワーを持たないと無理である。このため
、ロシアもソ連崩壊時に領土交渉で半々にして多くの国との紛争を
解決した。

日本人はパワーを持たないでも交渉で取り返せるという世界的には
考えられない考え方を持っている。ロシアとの領土交渉でも日本が
パワーを持ち、世界的に中国が一番の問題であり、共同して対応し
ようとすることである。その信頼感の上で領土交渉もすることであ
る。

ロシアとの平和条約を結ぶべきではないという人は日本の問題での
優先順位ができないようである。ロシアは新しく領土を要求してい
ないが、中国は、領土を拡大するような要求をしている。どちらが
戦争の危険性が大きいかは明らかである。

パワーは、軍事力だけではない。科学・技術力もあり、経済力もあ
る。ソフト・パワーも重要である。この全てがパワーである。日本
はその意味では、大きなパワーを持っている。

しかし、中国は軍事力のパワーだけが突出している。このため、日
本も軍事力を増強すると同時に、ベトナム、インド、フィリピンな
ど、日本と同盟関係になりそうな国の軍事力も増強することである。

どうか、リアリストの考え方を政治の中心の考え方にして、中国に
備えるべきである。

さあ、どうなりますか?



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