4602.日米首脳会談



事前に米国のジャパンハンドラーから与えられていた宿題を安倍首
相は、一通りクリアしたようである。TPP参加や防衛力の増強などを
列挙して、今後実行すると宣言した。今後、その成果を問われるこ
とになる。  Fより

安倍晋三首相は22日、オバマ米大統領と首脳会談を行い、日米同
盟の強化で一致したことを明らかにした。会談の中で、中国との対
立に関しては、日本が冷静な対応を続けている点に重点を置き、偶
発的な日中衝突の回避に努める考えを強くにじませて、オバマ氏の
懸念払拭(ふっしょく)に努めた。

さらに▽日本の防衛費増額や防衛大綱の見直し議論▽集団的自衛権
の行使容認に向けた検討状況▽日米合意に基づく米軍普天間飛行場
(沖縄県宜野湾市)の県内移設の早期進展など、事前に準備した具
体的なメニューを列挙。同盟強化への「本気度」をオバマ氏に熱っ
ぽく語りかけた。

また、2030年代の原発稼働ゼロを目指すとした民主党政権の政
策について「ゼロベースで見直し、責任あるエネルギー政策を構築
していきたい」と説明。その上で、安価な米国産シェールガスの対
日輸出早期承認を要請。大統領は「同盟国としての日本の重要性は
常に念頭に置いている」と応じた。

会談後、日米両政府は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参
加に際し、すべての関税撤廃が前提にはならないとする共同声明を
発表した。首相は記者会見で「聖域なき関税撤廃は前提ではないこ
とが明確になった」と言明。近く交渉参加を表明する意向だ。

会談後の22日夕(日本時間23日朝)、ワシントンの戦略国際問
題研究所(CSIS)で演説し、中国による尖閣諸島周辺の領海・
領空侵犯について「何であれ挑戦を容認することなどできない」と
表明した。この後の質疑応答で「私たちは自身の力によって、しっ
かりと日本固有の領土を守っていく」と、あくまで日本の力で尖閣
における日本の主権を維持する決意を示した。

また、首相は質疑応答で、クリントン前国務長官が「日本の施政権
を害そうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と明言したこ
とを念頭に、「この海域の現状を力によって変更することはできな
いとの意義あるメッセージだ」と評価。同時に「米国に尖閣につい
てこれをやってくれ、あれをやってくれと言うつもりはない」と語
った。

これを関連して、訪米中の岸田文雄外相は22日午後)、米国務省
で、ケリー米国務長官と初めて会談した。ケリー氏は尖閣諸島(沖
縄県石垣市)をめぐる日中間の緊張関係について、「日本が自制的
に対応していることを評価する」と表明した。また、ケリー長官は
、尖閣諸島が「日米安保条約の適用範囲にあるとの揺るぎない立場
をあらためて確認する」と強調した。

首脳会談を受けて、政府は23日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野
湾市)の移設先としている同県名護市辺野古沿岸部の公有水面埋め
立て許可を3月にも仲井真弘多知事に申請する方針を固めた。

そして、自民党の高市政調会長は23日午前、党本部で記者会見し
、日米首脳会談での環太平洋経済連携協定(TPP)に関する協議
について、「交渉に参加するかどうかは政府の専権事項だ」と述べ
、安倍首相の判断を尊重する考えを表明した。

また、石破幹事長も「首相が国益をかけて守るべきものは守るとい
う決意の下に交渉した結果を重んじ、与党として支えたい」と述べ
た。TPP参加で、参議院選挙ではマイナスでもそれを覚悟することに
なる。

しかし、Masa Okumuraさんによると、今日、安倍首相がホワイトハ
ウスを訪問して、オバマ大統領との会談のニュースは米国3大ネッ
トワーク(NBC,CBS,ABC)にはニュースが無く、無視されたと。

さあ、どうなりますか?
==============================
日米同盟の信頼と強い絆は完全に復活=安倍首相
2013年 02月 23日 08:31 JST 
[ワシントン 22日 ロイター] 安倍晋三首相は22日、オバ
マ米大統領と首脳会談を行い、日米同盟の強化で一致したことを明
らかにした。

首相は会談後、記者団に対し、同盟の評価および将来的な方向性で
双方が一致したと述べた上で、日米同盟の信頼と強い絆は完全に復
活したと自信をもって宣言したいと語った。
==============================
尖閣は日本の力で守る=北朝鮮制裁へ中国は協力を−安倍首相演説
 【ワシントン時事】訪米中の安倍晋三首相は22日夕(日本時間
23日朝)、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で演説
し、中国による尖閣諸島周辺の領海・領空侵犯について「何であれ
挑戦を容認することなどできない」と表明した。この後の質疑応答
で「私たちは自身の力によって、しっかりと日本固有の領土を守っ
ていく」と、あくまで日本の力で尖閣における日本の主権を維持す
る決意を示した。

 首相は質疑応答で、クリントン前国務長官が「日本の施政権を害
そうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と明言したことを
念頭に、「この海域の現状を力によって変更することはできないと
の意義あるメッセージだ」と評価。同時に「米国に尖閣についてこ
れをやってくれ、あれをやってくれと言うつもりはない」と語った。

 演説では、日本政府が尖閣諸島を領土に編入した年と、中国、台
湾が尖閣の領有権を主張し始めた年の二つの年号を挙げ、「1895
年から1971年までの間、日本の主権に対する挑戦など誰からも
出てきていない」と指摘。「尖閣諸島が日本の領土だということは
歴史的にも法的にも明らかだ」と日本政府の立場を明確にした。
 また、首相は「日米同盟の堅固さに誰も疑いを抱くべきではない
」と中国をけん制。ただ、「(日中対立を)エスカレートさせよう
とはつゆほども思っていない。ドアは中国指導者のため常に開いて
いる」と、冷静に対応する姿勢も示した。

 北朝鮮の核・ミサイル開発も取り上げ、「野望実現を阻まなくて
はならない」と強調。質疑応答では、国連安全保障理事会での追加
制裁を含む新たな決議採択に向け、「中国が北朝鮮に最も影響力が
あり、国際社会が強く中国に(協力を)迫っていく必要がある」と
訴えた。 

 首相は「日本は二流国家にならない」と日本再生への決意も表明。
「日本はグローバルコモンズ(国際公共財)の守護者であり続ける
」と述べ、民主主義など価値観を共有する米韓などとの連携重視を
説明した。
 演説は「ジャパン・イズ・バック(日本は戻った)」と題し、英
語で行われた。(2013/02/23-10:22)
==============================
米国務長官:尖閣諸島「日本の対応評価」 岸田外相と会談
毎日新聞 2013年02月23日 11時27分
 【ワシントン坂口裕彦】訪米中の岸田文雄外相は22日午後(日
本時間23日早朝)、米国務省で、ケリー米国務長官と初めて約1
時間10分会談した。ケリー氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐ
る日中間の緊張関係について、「日本が自制的に対応していること
を評価する」と表明した。岸田氏は1月にクリントン前国務長官と
会談した際、前長官が「日本の施政権を侵すあらゆる一方的な行動
に反対する」と発言したことに感謝の意を伝え、ケリー氏も同様の
認識を示した。
 両政府間で、近くサイバー攻撃や宇宙空間の利用に関する包括的
な協議を開催する方針でも一致した。
==============================
安倍首相:日米同盟、完全復活を演出 首脳会談
毎日新聞 2013年02月23日 12時57分
 安倍晋三首相は22日の日米首脳会談後の記者会見で、民主党政
権で揺らいだ日米同盟の重要性についてオバマ大統領と「認識が一
致した」と繰り返し強調し、会談にあたって最も重視してきた日米
同盟の「完全復活」を演出してみせた。沖縄県・尖閣諸島の領有権
を主張する中国との対立に関しては、日本が冷静な対応を続けてい
る点に重点を置き、偶発的な日中衝突の回避に努める考えを強くに
じませて、オバマ氏の懸念払拭(ふっしょく)に努めた。

 首相は会談の冒頭、「日米同盟は我が国外交の基軸だ」と切り出
したうえで、「米国とともに責任を果たす」と強調した。さらに▽
日本の防衛費増額や防衛大綱の見直し議論▽集団的自衛権の行使容
認に向けた検討状況▽日米合意に基づく米軍普天間飛行場(沖縄県
宜野湾市)の県内移設の早期進展??など、事前に準備した具体的な
メニューを列挙。同盟強化への「本気度」をオバマ氏に熱っぽく語
りかけた。

 米国本土への脅威が増した北朝鮮の核実験問題でも、国連安全保
障理事会の新たな決議や金融制裁を検討する方針を確認。3年ぶり
に政権に復帰した自民党政権のトップとして、日米関係を再構築す
る面から一定の結果を出したと言える。

 中国問題では首相は尖閣諸島が「日本固有の領土」だとの立場を
堅持。アジア太平洋地域の「力ではなく法に基づく秩序の構築」で
オバマ氏と一致し、海洋への進出を強める中国に理性的な行動を促
した。しかし一方では「日中衝突の泥沼に巻き込まれかねない」と
の米側の強い懸念を踏まえ、日本が中国との対立激化を望んでいな
い、というメッセージを懸命に発信した。

 首相は記者会見で、「習近平総書記は年齢も私と変わらず、10
億を超える民を統治するのが大変なことだと十分認識している」と
、同世代の習総書記への共感さえ表明。日中首脳会談の実現を通じ
、自らの命名した「戦略的互恵関係」の再構築に意欲を隠さなかっ
た。今回の会談は中国を過度に刺激することを避け、東アジアの安
全保障環境を安定させたい日米双方の意向を明確に示した形だが、
日中の緊張緩和の道筋は依然不透明なままだ。
【松尾良、ワシントン坂口裕彦】
==============================
安倍首相、原発ゼロ見直しを伝達=シェールガス輸出要請
−日米首脳会談
 【ワシントン時事】安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日
未明)のオバマ米大統領との会談で、2030年代の原発稼働ゼロ
を目指すとした民主党政権の政策について「ゼロベースで見直し、
責任あるエネルギー政策を構築していきたい」と説明した。「米国
とは原子力協力のパートナーとして緊密に連携していきたい」とも
語った。
 首相はまた、「わが国では東日本大震災後、増大する燃料費の削
減が喫緊の課題になっている」として、安価な米国産シェールガス
の対日輸出早期承認を要請。大統領は「同盟国としての日本の重要
性は常に念頭に置いている」と応じた。(2013/02/23-10:23)
==============================
首相、TPP交渉参加表明へ 判断は「政府の専権事項」 
2013/2/23 13:14日経
 【ワシントン=永沢毅】安倍晋三首相は22日昼(日本時間23日未
明)、ワシントンでオバマ米大統領と会談した。会談後、日米両政
府は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加に際し、すべて
の関税撤廃が前提にはならないとする共同声明を発表した。首相は
記者会見で「聖域なき関税撤廃は前提ではないことが明確になった
」と言明。近く交渉参加を表明する意向だ。

 ホワイトハウスでの首脳会談は昼食を含めて約1時間50分にわた
った。

 自民党調査会がまとめたTPPの対処方針は「聖域なき関税撤廃
を前提にする限り交渉参加に反対」としている。首脳会談では、例
外なき関税撤廃が交渉参加の前提でないとの言質を得られるかが焦
点になっていた。

 首相は25日の自民党役員会で首脳会談の内容を説明する方針。22
日の記者会見では「政府の専権事項として(交渉参加の判断を)一
任してもらうようお願いする。なるべく早い段階で決断したい」と
述べた。

 TPPに関する共同声明は「交渉参加に際し、一方的にすべての
関税の撤廃をあらかじめ約束するよう求められるものではない」と
明記。最終的な例外品目は交渉で決めることなども盛り込んだ。

 首脳会談では、北朝鮮の核・ミサイル問題に断固たる対処をする
ことで一致。首相は会談で「北朝鮮の挑発行為は容認すべきではな
いし、報奨を与えるべきではない」と非難し、韓国を交えた3カ国
で連携して対処する方針を確認した。

 国連安全保障理事会による追加の制裁決議の早期採択とともに、
日米両国が独自の金融制裁で協力することでも一致した。首相は日
本人拉致問題の解決に協力を求め、大統領も支持する考えを示した。

 中国が挑発行為を続ける沖縄県の尖閣諸島をめぐる問題について
、首相は「日本は常に冷静に対処する考えで、実際にそうしてきた
」と説明。大統領は「日米が協力して対応していく。日米協力が地
域の安定につながる」などと応じた。

 首相は米軍再編について日米合意の順守と沖縄県の負担軽減に努
める方針を表明。米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設と嘉手
納以南の基地の返還を早期に進めることを確認した。

 アルジェリア人質事件を踏まえ、日米両国がテロ対策に関する協
議を近く開くことでも合意した。首相は国際結婚が破綻した夫婦間
の子供の扱いを定めた「ハーグ条約」について与党内の手続きを終
えたと説明し、今国会での承認に努めると伝えた。

 大統領は会談後、記者団に「日米同盟はアジア太平洋地域の中心
的な礎だ。日本とあらゆる分野で強力な関係を構築することを楽し
みにしている」と表明。首相も「日米同盟の信頼、強い絆は完全に
復活したと自信を持って宣言したい」と語った。
==============================
来月にも埋め立て申請=安倍首相「具体的に対応」−普天間移設
 政府は23日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先と
している同県名護市辺野古沿岸部の公有水面埋め立て許可を3月に
も仲井真弘多知事に申請する方針を固めた。日米首脳会談で移設の
早期進展を確認し、「これ以上の停滞は米側の理解を得られない」
(政府高官)と判断した。
 安倍晋三首相はオバマ大統領との会談で、申請時期には言及しな
かったものの、移設について「具体的に対応していく」と手続きを
進める考えを伝えた。申請の前提となる移設先の環境影響評価書の
公告・縦覧が1月29日に完了。仲井真知事は「頭からノーとかイ
エスとか言うべきではない」と、申請自体は妨げない考えを示して
いた。
 移設に向けた手続きを着実に進めるため、防衛省は「今すぐにで
も申請すべきだ」(幹部)との立場。首相は、対米関係や地元沖縄
を含む国内政治情勢を見極めながら、慎重に最終的な申請時期を探
っている。 
 ただ、知事は16日の岸田文雄外相との会談でも「一日も早い県
外移設が私の公約だ」と従来の主張を繰り返しており、埋め立て許
可を得られる見通しは立っていない。首相は昨年12月の政権復帰
以降、民主党政権の迷走で損なわれた政府と沖縄の信頼関係の回復
に努めているが、地元に軟化の兆しは見られない。
 こうした現状を踏まえ、首脳会談では知事が求める米軍嘉手納基
地(同県嘉手納町など)以南の5施設・区域の返還計画策定を加速
することでも一致。沖縄の基地負担軽減で実績づくりを急ぎ、移設
進展の環境整備を図りたい考えだ。(2013/02/23-15:10)
==============================
日米外相会談 ケリー長官、尖閣諸島「安保条約適用範囲」と強調
安倍首相とともにアメリカを訪れている岸田外相は22日、ケリー国
務長官と会談した。この中でケリー長官は、中国の挑発行為が続く
尖閣諸島に関して、「日米安保条約の適用範囲にあるとの揺るぎな
い立場をあらためて確認する」と強調した。
岸田外相は「ケリー長官からは、安保条約の適用について、揺るぎ
ないコミットメントをあらためて確認すると」と述べた。
会談で岸田外相は、尖閣諸島について、クリントン前国務長官が「
日本の施政権を害するいかなる一方的行為にも反対する」と表明し
たことに、謝意を示した。
これについてケリー長官は、尖閣諸島が「日米安保条約の適用範囲
にあるとの揺るぎない立場をあらためて確認する」と強調し、中国
の挑発に対して、「日本が自制的な対応をしていることを評価する
」と述べた。
また会談では、沖縄県の普天間基地移設に向けた移設先の埋め立て
申請について、「地元との意思疎通を図り、丁寧に進める」との認
識で一致した。
(02/23 14:57)FNN
==============================
TPP、政権公約の肝を確認…高市政調会長
 自民党の高市政調会長は23日午前、党本部で記者会見し、日米
首脳会談での環太平洋経済連携協定(TPP)に関する協議につい
て「すべての関税撤廃をあらかじめ約束することを求めていないと
確認できたのは大きかった。政権公約の一番肝になる内容について
明確に方針が見えた」と評価した。

 そのうえで「交渉に参加するかどうかは政府の専権事項だ」と述
べ、安倍首相の判断を尊重する考えを表明した。

 石破幹事長も同日昼、青森市で記者団に「首相が国益をかけて守
るべきものは守るという決意の下に交渉した結果を重んじ、与党と
して支えたい」と述べた。
(2013年2月23日14時38分  読売新聞)


コラム目次に戻る
トップページに戻る