4479.日中関係を正常化に



中国の抱える核ポテンシャルは「張子の虎」ではない。このため、
米国も中国とは問題を起こさないように常に注意している。

この中国の絶対的な優位条件を日本の政治家、ナショナリストたち
は無視している。米国も中国との戦争をすることはしない。もし戦
争になれば両国ともに滅亡である。しかし、日本はその中国に無謀
にも立ち向かおうとしている。このため、日本が正論を言っても、
世界の主要国は、日本の味方をできない。

このため、ナショナシストたちは自国を破滅させようとしていると
しか思えない。米国もとうとう、日米安保を破棄して、日本を独立
させようという議論が出てきた。日本と無謀な政策に付き合えない
という気持ちが出ている。

石原都知事の尖閣諸島実質支配権強化の結果は、日本を滅亡させる
ことになってしまう可能性を感じ、嫌な感じがした。その嫌な感じ
が徐々に現実になっていく。

これ以上、石原さんの強硬な意見を報道機関は記事にしてはいけな
い。石原さんも尖閣問題については当分、黙っていて欲しい。石原
シンパのナショナリストたちが騒ぐので、益々日本が不利になる。

そろそろ、日本も中国も頭を冷やして、日中関係を正常化させる手
順を考えることである。

まずは、中国外務省の洪磊報道官は28日、「釣魚島(尖閣諸島の
中国語名)問題について中国の立場は一貫している。われわれは日
本に対し、早く(領土問題に関する)争議があることを認め、対話
を通じて釣魚島に関する問題を解決するよう求める」というので、
紛争地域として日本も認めて、国際裁判所で審議することである。

クリントン国務長官も尖閣諸島問題での日中間の緊張の高まりを懸
念し、日本に「対中外交で注意深く、慎重に、効果的な行動を」と
促したので、日本としても現実を直視することが重要である。

また、今後、自民党の安倍元首相が首相に返り咲く可能性が高く、
タカ派である安倍さんの再登板は中国、韓国にとっては歓迎できな
いシナリオになっている。

安倍さんの周辺を固めている人にナショナリストが多い。そして、
安倍さんは植民地支配と侵略を謝罪した1995年の村山談話撤回につ
いても以前、言及したことがあり、心配である。

このため、次期自民党政権での日中関係正常化ができない可能性が
ある。自民党の中国人脈を期待しているが、中国も保守派に近い習
近平氏が国家主席になり、両国ナショナリストがトップになると恐
ろしいことになる。

中国指導部は、「日本の譲歩を引き出せなければ、国民の怒りの矛
先は日本ではなく中国政府に向けられる」と考えていることにもよ
る。反日教育の成果が中国では日本への譲歩を指導者にできなくさ
せている。

この雰囲気があるので、日本も軍備を固めていくことが必要になっ
ているが、当分は日中友好を志向して政策を調整することである。

さあ、どうなりますか?
月曜日有料版は、その深堀をする。
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尖閣問題、米国務長官「慎重に」 玄葉外相「譲れない」
2012年9月29日11時6分

 訪米中の玄葉光一郎外相は28日午前(日本時間同日深夜)、ク
リントン米国務長官とニューヨーク市内のホテルで会談した。クリ
ントン氏は尖閣諸島問題での日中間の緊張の高まりを懸念し、日本
に「対中外交で注意深く、慎重に、効果的な行動を」と促した。

 玄葉氏は、尖閣周辺に中国公船が連日現れる事態などを説明し、
「譲れないものは譲れない」と国有化を撤回しない姿勢を強調。た
だ、「日中間の大局は見失わず、創意と工夫で冷静に対応する」と
述べた。

 クリントン氏は、27日の米中外相会談で尖閣問題の沈静化を求
めたと説明。両氏は尖閣が日米安保条約の対象となることを念頭に
、「日米同盟関係に基づき協力していく」と中国を牽制(けんせい
)する姿勢も示した。
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レコードチャイナ:安倍晋三元首相の再登板で日中関係はさらに緊
張=自民党は維新と提携する―英紙
2012年9月29日 11時38分
2012年9月26日、英紙ガーデイアンは安倍晋三元首相の自民党総裁選
勝利を伝え、ナショナリストとして知られる同氏が首相に返り咲け
ば日中関係のさらなる緊張が懸念されると評した。

論議を呼んでいる税制改革、効果の見られない経済政策から野田佳
彦首相の辞任を求める声が高まっている。原発運転再開、小沢グル
ープの離脱などの問題で民主党は支持を失っており、次回総選挙で
自民党が勝利する可能性は高い。

自民党が勝利すれば安倍元首相が返り咲くことになるが、タカ派と
して知られる同氏の再登板は中国、韓国にとっては歓迎できないシ
ナリオだ。安倍元首相は植民地支配と侵略を謝罪した1995年の村山
談話撤回についても以前、言及したことがある。

またガーディアンは、世論調査によれば自民党は勝利するにしても
圧勝することはないとの見通しを示し、自民党は「右翼系のポピュ
リストである橋下徹大阪市長の新党」と手を組む可能性が高いだろ
うと分析した。(翻訳・編集/KT)
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レコードチャイナ:<尖閣問題>日中両政府、中国世論に翻弄され
る―シンガポールメディア
2012年9月29日 7時44分
2012年9月27日、シンガポール・聯合早報(電子版)は、尖閣諸島
(中国名・釣魚島)の領有権問題について、「米国の支援を期待す
る日本は、遅からず失望する可能性が高い。一方、中国指導部は『
日本の譲歩を引き出せなければ、国民の怒りの矛先は日本ではなく
中国政府に向けられる』と考えている」と伝えた。

AFP通信によると、アナリストは「日中両政府は中国の世論に翻弄さ
れており、対立が長引けば長引くほど事態をコントロールできなく
なる恐れが大きい」と指摘。台湾当局の巡視船が漁船とともに尖閣
諸島付近の領海に侵入したことで、孤立を深めた日本は米国の支援
を期待しているものの、いずれ失望する可能性が大きいと分析した。
米国には、そもそもが良好とはいえない米中関係をこれ以上悪化さ
せたくないとの思いもあり、その反面、アジアにおける地縁政治の
拠点としての日本も見捨てられない状態だ。

半面、事前に抗議を申し入れたはずの尖閣諸島の国有化を敢行され
てしまった中国政府は、国内で高まる民族主義的感情を鎮静化する
ことも、軍部や党内のタカ派を抑制することも困難になってしまっ
た。

さらに、訪米中の玄葉光一郎外相が25日、楊潔チ外相と会談し、緊
張緩和に向けた対策を話し合ったが、(他国からの)目立った支援
はなかったと伝えた。(翻訳・編集/AA)
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もはや「張子の虎」ではない、中国の核ポテンシャル
V.フョードロフ
28.09.2012, 17:19VOR

中国の抱える核ポテンシャルが「張子の虎」ではなくなって久しい。
中国は世界第3の核大国であることはほとんど間違いない。しかも
アナリストらの推測ではその保有量はロシア、米国とそう隔たりが
ないとされている。ロシアの専門家らが発表した報告書ではこうし
た帰結がなされた。
中国は5大核大国のなかでも唯一、核兵器の構成と数について公式
的には何も明らかにしていない。ロシア科学アカデミー世界経済国
際関係研究所の専門家、ウラジーミル・ドヴォルキン氏
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領土問題の存在「認めよ」 中国報道官が交渉条件言及
2012.9.28 21:33 サンケイ[中国]
 【北京=矢板明夫】中国外務省の洪磊報道官は28日の定例会見
で、「釣魚島(尖閣諸島の中国語名)問題について中国の立場は一
貫している。われわれは日本に対し、早く(領土問題に関する)争
議があることを認め、対話を通じて釣魚島に関する問題を解決する
よう求める」と語った。

 日本政府が「尖閣諸島に領土問題は存在しない」という公式見解
を放棄すれば、中国は関係回復に向けた交渉を始める用意があると
の姿勢を中国政府当局者として初めて示した。

 今月11日の日本政府による尖閣国有化を受け、中国当局は、日
本との経済・文化交流イベントの中止や日本製品不買運動の容認な
どの対抗措置を取ってきた。その後の日中間の政府関係者の会談で
も日本の対応を厳しく批判したが、交渉条件には触れていなかった。

 しかしこの発言で中国の狙いが、尖閣諸島の領土問題を日本政府
に承認させることにあることが見えてきた。中国公船による尖閣周
辺の巡回が半ば常態化するなか、日本が領土問題の存在を認めれば
、尖閣諸島を中国と日本が共同支配している印象を国際社会に与え
ることができ、尖閣奪取への大きな一歩となる。

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