4473.日中の紛争解決は?



尖閣諸島での日中間の紛争は続いている。紛争をどう緩和させるの
かの方策を立てる必要がある。この場面に面白い人が登場した。そ
れを見ていく。  津田より

0.現状の把握
満州事変への切っ掛けとなった柳条湖事件から81周年の記念行事
である9月18日、全国でデモが引き続き拡大していた。

この反日デモ拡大について、首相は「尖閣諸島の国有化によって、
一定のハレーション、摩擦は起こるだろうと考えたが、規模などは
想定は超えている」と指摘。「(中国には)再三いろんなルートを
通じて説明してきた。しかし、残念ながら十分理解されなかった」
とも語って困り果てたが、その心配は必要なかった。

この拡大したデモで、異変が起きた。参加者のプラカードに毛沢東
の写真と手製の横断幕で「毛沢東は人民を思った」「毛沢東時代は
平等だった」などとなっていたのだ。

反日デモが変質し、「反日」に名を借りた政府批判で薄き来を支援
する保守派が全国で一斉に立ち上がった。これにより、当局は反日
デモを支援から抑制に切り替えた。民衆を動員したデモができなく
なった。

この代わりに、中国は、尖閣諸島近海に大量の漁船を出して抗議し
ようとした。中国中央人民放送(電子版)は17日、約千隻の漁船
について、同日午後にも「釣魚島海域」に到着する見込みだと報道
した。

しかし、中国国内で「日本が軍事的な準備を整えた」との見方が広
がって、中国外交部は「日本政府は中国側の厳正な要求と中国人民
の正義の叫び声を正視すべきだ」との見解を示した。

事実、周辺海域で中国の海洋監視船「海監」や漁業監視船「漁政」
が最大16隻が接続水域やその付近を航行するが、海上保安庁は約
30隻の巡視船や巡視艇を配備してほぼ「マンツーマン」で警戒で
きている。

そして、尖閣の約110キロの海域で23隻の中国漁船しか操業し
ていない。それも複数の船主が、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)に
向かう漁船には、10万元(約125万円)の補助金が出す」と地
元の漁業規制当局から補助金の約束を得て船を送り出したと。

中国国家海洋局は、「釣魚島の主権と海洋権益を守る戦いは長期か
つ極めて困難なものになる」と述べ、関係部門に長期戦に備えるよ
う指示したという。これに対して、海保幹部からも「にらみ合いが
続くのは覚悟の上だ」との声も出ている。ここでも中国が負けてい
る。

この中国劣勢の状況で、中国人民解放軍内で、日本の自衛隊が尖閣
諸島に出動した場合、軍事行動を辞さないとする発言が相次いでい
る。事実、中国海軍のフリゲート艦2隻が沖縄県・尖閣諸島(中国
名・釣魚島)の北方海域の公海上に展開している。これについて、
中国外交部は「中国側の釣魚島問題に関する立場は十分に明確だ」
と述べるにとどめた。

これに対して自衛隊は空中警戒管制機(AWACS)を投入するな
ど尖閣周辺での警戒態勢を強化している。政府は公表していないが
、新たに(1)空自のAWACS(2)空自の早期警戒機E2C
(3)海自の画像データ収集機OP3−も尖閣周辺の上空に展開。
中国の海洋監視船や海・空軍の動向を警戒している。ここでも中国
海軍は押さえ込まれそうである。

日本の海上自衛隊の能力を、米軍事専門家が「米国より優れている
」と評価するほどであり、中国の海軍力は数・質・経験・戦術のい
ずれをとっても、日本にはかなわない。

この上に、米パネッタ国防長官は、習近平国家副主席に対して、沖
縄県の尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲内だと説明し、日本との
これ以上の緊張を避けるよう促していた。キャンベル米国務次官補
(東アジア・太平洋担当)も20日、「尖閣諸島は日本の施政下にあ
り、(米国の対日防衛義務を定めた)日米安全保障条約第5条が疑い
なく適用される」と上院外交委員会東アジア太平洋小委員会の公聴
会で言明した。

日米安全保障条約が発動され、米軍が参戦すれば、中国は1〜2週間
で壊滅的な損害を被ることになる。中国対日米という図式になれば
、中国に勝ち目はない。

その上に、陸上自衛隊と米海兵隊は22日、米領グアムで行ってい
る離島防衛のための共同訓練で、上陸する場面を報道関係者に公開
した。敵に奪われた離島を奪還するとのシナリオである。完全に中
国を見据えた訓練だ。

このため、中国ASEAN博覧会で、習近平国家副主席は「周辺国
との領土や領海、海洋権益をめぐる争いを平和的に解決する」と述
べた。事実、中国の習近平国家副主席は21日、フィリピンのロハ
ス内務・自治相と会談し、両国関係が改善するよう懸案の解決を目
指すとの認識で双方が一致した。

これを見て尖閣諸島の中国領有権を主張する香港の団体「保釣行動
委員会」の陳妙徳主席は20日、近日中に同諸島へ向けて抗議船で
出港するとしていた計画を取りやめると表明した。

軍事面では、日本が中国を圧倒したことがわかる。どうして、日本
の報道機関は、日本がやられているという報道しかしないのか不思
議だ。ここまでは、野田首相、なかなかやりますねという感じであ
る。

1.経済制裁にシフト
しかし、ここで折れることができない。中国政府が日本に対して弱
腰だとの批判も含まれており、10年に1度の権力移行を目前に控
えた新旧指導部には強硬姿勢で外交に臨むよう圧力がかかっている。

このため、中国の温家宝首相は20日、「国家主権、領土保全に関
わる重大な問題では、確固たる意思を保ち、いささかも譲ることは
ない」とし、「我々は強力な措置を講じなければならない」と強調
、さらなる対抗措置を示唆した。軍事力では中国が負けることが明
らかになり、経済的な処置を取ることにしたようである。

上海など中国の一部地域の税関当局が日本企業による中国向け輸出
品に対する通関検査を強化していることが、日本貿易振興機構(ジ
ェトロ)の調査で明らかになった。11地域いずれも、通関作業自
体は行われているが、北京、天津、青島、上海など6地域で検査が
厳格化されている。

日本企業によると「検査率が上昇した」(北京)、「書類チェック
が厳しくなっている」(青島)、「特定の品目で日本からの輸入品
が全量検査の対象となっている」(上海)などの傾向が見られると
いう。

また、経済関係だけでなく、文化分野にも拡大し始めた。北京市当
局は日本関係の書籍出版を規制するよう指示し、市内の書店からは
日本人作家の本が消えつつある。中国当局は反日デモへの抑え込み
姿勢を打ち出したが、日系企業内ではストライキに姿を変え、混乱
が広がっている。

このような中国の動きから、ロイター企業調査によると、尖閣問題
が事業計画に影響すると答えた企業が4割にのぼり、中国事業の見
直しを想定する企業が、多くあることがわかった。

中国への投資が減少している現状で、日本企業は一貫して投資を増
やしてきたが、尖閣問題で企業の投資が中国から東南アジアにシフ
トすることになる。中国はバブル崩壊になる可能性が増している。

経済制裁の反動は中国経済を崩壊することになる。作用があれば、
反作用があるだ。

2.紛争解決には
野田首相が26日に行う予定の国連総会の一般討論演説で、国際司
法裁判所(ICJ)で他国から訴えられた場合に応じる義務が生じ
る「義務的管轄権」の受諾を、各国に呼びかける意向であるようだ。

中国か台湾が、国際司法裁判所(ICJ)に提訴すれば、それに応
訴するということである。

しかし、中国は大陸棚の延長を国際委員会に申請したので、国際司
法裁判所(ICJ)への提訴はしないようである。国連総会に出席
する野田佳彦首相に対抗し、中国も首脳が出席して中国の立場を強
調するとの見方もあったが、首脳は国内で党大会開催準備に入って
出席をしないようだ。日本の提案に乗らないことを決めている。

歴史的経緯からすると負けることになると、わかっているようだ。
中国の学者も琉球全体が日本領ではなく、中国に帰属すると言い換
えている。中国の歴史的な文書が、尖閣諸島を琉球国としているこ
とによる。

このため、中国は日本の提案には、乗らないことで、紛争解決はで
きないようである。ここで、紛争は長期になることが確実と見てい
たら、面白い人が仲裁に入ろうと乗り出してきた。

今後、自民党が政権に復帰することがほぼ確実であり、その時のた
めに自民党長老が機転を利かして、とんでもない発言を始めている。
これが役割分担でもある。

元内閣官房長官の野中広務氏(86)が中国の国営テレビ局「中国中
央電子台(CCTV)」の取材に応え、「こんな不幸な事件が起きたの
は、まったく日本の人間として恥ずかしい。中国の皆さんに大変申
し訳ない」と謝罪していた。

「国のためにどうするか、国民のためにどうするか」という国家観
、そして「そのために周辺国とどのように平和を守っていくか」と
いう大局観を欠いていると批判し、「情けない、悲しい思いです」
と嘆いた。

現時点では、野中さんの行動を認めるしかない。中国ではこのよう
なことをすると売国奴と批判されてしまい、失脚してしまう。正常
関係に日中関係を戻す行動はできない。日本人しかこのような売国
奴と呼ばれそうな行動を取れない。

野中さんが日中のブリッジになることが確定した。選挙後の自民党
政権で日中関係を正常化できることになるが、正常な感覚の自民党
総裁の人選が重要になる。

さあ、どうなりますか?

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南シナ海対立、解決目指す 習氏、比大統領側近と会談
2012.9.22 22:16
 中国の習近平国家副主席は21日、「中国東南アジア諸国連合(
ASEAN)博覧会」に出席したフィリピンのロハス内務・自治相
と会談し、両国関係が改善するよう懸案の解決を目指すとの認識で
双方が一致した。フィリピン大統領府が22日、発表した。

 発表は懸案の内容に具体的に触れていないが、領有権争いが深刻
化している南シナ海問題を指すとみられ、両国にとって対立解消の
糸口を探る一歩となった。

 ロハス氏はアキノ氏の側近で次期大統領選の有力候補。大統領府
によると、ロハス氏は会談について「建設的で誠意に満ちた雰囲気
の中で行われた」と説明。関係改善を訴える胡錦濤国家主席宛ての
アキノ大統領の親書を習氏に手渡した。

 ロハス氏は、次期最高指導者に内定している習氏とのパイプづく
りも期待されていた。(共同)
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中国外相が国連総会出席へ 首脳は参加せず  :日本経済新聞
2012/9/22 20:03
 【北京=共同】中国外務省は22日、今月下旬の国連総会一般討論
に参加するため楊潔●(ち)外相が率いる代表団が米ニューヨーク
を訪問すると発表した。

 中国は日本政府による尖閣諸島国有化に強く反対。国連総会に出
席する野田佳彦首相に対抗し、中国も首脳が出席して中国の立場を
強調するとの見方もあったが、党大会を控え、首脳は国内で党大会
開催準備に入っているもようだ。

 日中両政府は国連総会に合わせ、玄葉光一郎外相と楊氏が26日に
会談する方向で調整している。
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ジェトロ:中国通関の厳格化、6地域で 調査結果発表
毎日新聞 2012年09月22日  19時10分

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は22日、日本の輸出入品に対す
る中国の通関検査の調査結果を発表した。現地の日本企業への聞き
取りなどをもとに20日時点の状況をまとめたところ、北京や上海
など11地域のうち6地域で、検査が厳しくなっているとの情報が
寄せられた。日本の尖閣諸島国有化に対する経済制裁の可能性もあ
り、物流が停滞しないよう、ジェトロは引き続き調査する。

 11地域いずれも、通関作業自体は行われているが、北京、天津
、青島、上海など6地域で検査が厳格化されているとの報告があっ
た。日本企業によると「検査率が上昇した」(北京)、「書類チェ
ックが厳しくなっている」(青島)、「特定の品目で日本からの輸
入品が全量検査の対象となっている」(上海)などの傾向が見られ
るという。

 中国では税関当局が一部の日本企業に「検査率を上げる」と通告
したり、時間のかかる全量検査を実施したりする事態へと発展。領
土問題をめぐる経済制裁の可能性もあるが、「組織的にやっている
証拠がなく、経済制裁と断言できる状況にない」(ジェトロ関係者
)のが実態だ。【立山清也】
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野中広務氏、中国の尖閣番組で謝罪 「不幸な事件、大変申し訳ない」
2012/9/22 13:45jcast 

尖閣問題をめぐり日中の緊張が高まる中、元内閣官房長官の野中広
務氏(86)が中国の国営テレビ局「中国中央電子台(CCTV)」の取
材に応え、「こんな不幸な事件が起きたのは、まったく日本の人間
として恥ずかしい。中国の皆さんに大変申し訳ない」と謝罪してい
たことが明らかになった。

野中氏は自民党幹事長などを歴任、2003年に政界を引退している。
インタビューは2012年9月21日、「日本政府の不法な『尖閣購入』に
よる中日関係亀裂 日本の元官房長官が中国にお詫び」との見出し
で放映された。

「歴史を知らない若い人たち、間違ってます」

野中氏はまたインタビューの中で、現在の民主党政権、そしてかつ
て所属していた自民党に対して、「国のためにどうするか、国民の
ためにどうするか」という国家観、そして「そのために周辺国とど
のように平和を守っていくか」という大局観を欠いていると批判し
、「情けない、悲しい思いです」と嘆いた。日本側の歴史認識につ
いても、「長い間戦争で多くの犠牲を残し、今なお傷跡が癒えてい
ないその中国に対して、歴史を知らない若い人たちはそういうこと
を抜きにしてひとつの対等の国としてやっているんです。それは間
違っています」と懸念を示した。
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日米、グアムで「離島奪還」訓練を公開 「特定の島、想定せず」
2012.9.22 11:27 [尖閣諸島問題] 

 陸上自衛隊と米海兵隊は22日、米領グアムで行っている離島防
衛のための共同訓練で、上陸する場面を報道関係者に公開した。敵
に奪われた離島を奪還するとのシナリオ。

 陸自は「特定の国や島を想定していない」としているが、尖閣諸
島をめぐる日中の緊張が高まる中、中国にとっては刺激的な訓練と
なった。

 22日朝、グアム島西部の米海軍基地内の海岸で、陸自と海兵隊
の隊員が同じゴムボートに乗って上陸。陸自隊員は、付近を制圧す
る想定で小銃を構えて移動した。

 陸自と米海兵隊の共同訓練はこれまで、米西海岸や、日本国内の
山間部の演習場で行われてきたが、初めて離島を使って実施。参加
部隊も米側が沖縄に司令部を置く第3海兵遠征軍(3MEF)、日
本側が九州と沖縄を管轄する西部方面隊で、尖閣諸島など南西諸島
を強く意識させる内容となった。(共同)
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右傾化する日本=米紙
 【ワシントン時事】21日付の米有力紙ワシントン・ポストは1
面で、沖縄県・尖閣諸島をめぐる中国との領有権争いなどで、日本
が右傾化していると論評する記事を掲載した。
 記事は「日本は徐々にだが、右傾化への重要な変化の途上にある
」と指摘。日本の武器輸出3原則緩和や集団的自衛権行使に向けた
憲法改正の動きなどを詳細に伝えている。
 その一方で、こうした動きは、戦後、平和主義を掲げてきた日本
がようやく、中道に路線を修正しつつあるにすぎないとの識者のコ
メントも紹介している。 (2012/09/22-01:06)
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「1Q84」も撤去 北京で日本関係の出版規制指示
2012年09月22日asahi

 日本の尖閣諸島国有化に反発する中国での「反日」の動きは経済
関係だけでなく、文化分野にも拡大し始めた。北京市当局は日本関
係の書籍出版を規制するよう指示し、市内の書店からは日本人作家
の本が消えつつある。中国当局は反日デモへの抑え込み姿勢を打ち
出したが、日系企業内ではストライキに姿を変え、混乱が広がって
いる。
 複数の出版関係者によると、北京市の出版業界を監督する市新聞
出版局は17日に日本関係の本を扱う出版社の編集者らを招集した。
この中で、同出版局幹部が緊迫する日中関係を説明し、口頭で「思
想を統一し、(政治的な)方向を把握せよ」と指示した。
 編集者側は「参加者は、日本に関係する本の出版や販売は控えろ
という指示だと理解した」と話す。中国のネット上には、同出版局
が、日本人作家の作品や、中国人作家の日本を題材にした書籍、日
本で出版されて中国語に翻訳された書籍などの出版の中止を求める
文書も流れた。
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「軍事衝突に向け準備」 南シナ海で中国海南省トップ
2012.9.21 20:21 [アジア・オセアニア]
 21日の中国の通信社、中国新聞社によると、海南省トップの羅
保銘共産党委員会書記は20日、同省軍区の会議を主宰し、フィリ
ピンが南シナ海の一部を「西フィリピン海」とする大統領令を出し
たことに関して「南シナ海での軍事衝突に向けた準備は日々進んで
いる」と述べた。

 羅氏は「(南シナ海の)主権を守り、資源開発を進めるため、軍
部隊の増強は一層重要になっている」と強調した。日本政府による
沖縄県・尖閣諸島の国有化も、軍備増強の理由に挙げた。(共同)
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<尖閣問題>日中が開戦すれば、米軍の全面介入で中国軍は負ける
―ロシアメディア
2012年09月21日17時52分:Record China

2012年9月19日、日本と中国が尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐっ
て大規模な軍事衝突となった場合、中国空軍は米国の全面介入によ
り大損害を被ることになると、ロシアのニュースサイト「ブズグリ
ャド」が複数の専門家の意見として報じている。20日付で新華社通
信(電子版)が伝えた。以下はその概要。

日中の海軍力について、中国はある程度の脅威を日本に与えられる
潜水艦を所有してはいるものの、海上自衛隊は一貫して対潜能力の
向上に力を入れており、米軍事専門家が「米国より優れている」と
評価するほど。中国の海軍力は数・質・経験・戦術のいずれをとっ
ても、日本にはかなわない。

日中が開戦すれば、中国空軍は尖閣諸島(釣魚島)を奪い取るため
に戦闘機400〜500機、ディーゼル・エレクトリック潜水艦を少なく
とも20隻、原子力潜水艦を1〜3隻送り込むことになると予想される。
大量のミサイル艦、ミサイル駆逐艦も動員するかもしれない。これ
に対し、日本の戦闘能力は中国の3分の1程度しかない、という意見
も。数だけみれば、自衛隊員の数は人民解放軍の10分の1程度だ。

だが、別の専門家は「日本は兵器の質も個人の戦闘能力も中国より
高い」と指摘する。これらの意見を総合すると、日中の戦闘能力に
大差はないともいえるが、日本にはなんといっても盟友・米国とい
う力強い存在が控えている。日米安全保障条約によると、日本に対
する侵略行為があった場合、米国は関与する義務がある。

米軍が参戦すれば、中国は1〜2週間で重大な損害を被ることになる
だろう。中国対日米という図式になれば、中国に勝ち目はない。そ
のため、中国は軍事衝突を避け、経済制裁で日本に対抗することに
なるのではないだろうか。(翻訳・編集/NN)
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ロイター企業調査:尖閣問題の影響、中国撤退や代替地検討も
2012年 09月 21日 13:04 JST 

[東京 21日 ロイター] 9月のロイター企業調査によると、
尖閣諸島問題など外交問題が事業計画に影響すると答えた企業が4
割にのぼり、中国事業の見直しを想定する企業が少なからずあるこ
とが明らかとなった。

想定される具体的影響としては、日本製品の不買運動の広がりや中
国向け輸出の減少に加え、中国人従業員からの法外な賃上げ要求、
中国拠点閉鎖、事業撤退なども含まれている。また、日本のアジア
外交で重視する視点として、企業はビジネスの円滑化だけでなく、
歴史的経緯や国土防衛も重要視していることがわかった。

この調査はロイター短観と同時に大企業・中堅企業400社を対象
に実施。調査機関は8月31日─9月14日。回答は260社程度
、製造業、非製造業がほぼ半数ずつ。

<外交による影響を想定は4割、拠点閉鎖や代替地検討も>

調査は中国で反日デモが拡大する前の14日までに行った。その時
点で、政府のアジア外交の影響で事業計画や決断に「影響がある」
との回答は41%だった。「あまりない」が51%。その後、対日
デモの広がりや過激化が見られ、事業計画の見直しを迫られる企業
は調査時点より増えているとみられる。

事業計画に影響があるとする企業からは、目に見える形での不買運
動、デモ・破壊行為に加え、水面下での影響として「税関で正規手
続きの輸出部品の足止めという嫌がらせを受けた」(機械)、中国
企業により「入札からはずされた」(輸送用機器)──などといっ
た影響が既に出ていた。

今後については「現地法人設立認可の不承認の動き」(サービス)
、「現地従業員からの法外な賃上げや解雇従業員からの法外な要求
」(電機)を懸念する企業もある。こうした影響が出た場合を想定
して「拠点閉鎖、人員引き揚げを視野に入れる必要」(金属)、「
中国進出計画の慎重化と代替地検討」(化学)、「中国進出は見合
わせる」(多くの企業)などと事業計画の変更を検討している企業
もあり、事態の展開によっては日中ビジネスの大幅見直しも視野に
入っている。

業種別にみると、影響があるとの回答が最も多かったのは卸売で65
%、次いで輸送用機器の62%、電気の57%などとなっている。
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「平和的に解決」と習氏 尖閣念頭に呼び掛け

 【北京共同】中国広西チワン族自治区南寧で21日、中国と東南
アジア諸国連合(ASEAN)の貿易や投資の拡大を目指す「中国
ASEAN博覧会」が開幕し、習近平国家副主席は会場で開かれた
フォーラムで「周辺国との領土や領海、海洋権益をめぐる争いを平
和的に解決する」と述べた。国営中央テレビが伝えた。

 日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化後、中国指導部から対
話を通じた解決を呼び掛ける発言が出たのは初めて。尖閣諸島をめ
ぐる日本との対立やアジア諸国との南シナ海問題を念頭にしており
、習氏は「中国は永遠に覇権を唱えない」とも述べた。

2012/09/21 12:46 【共同通信】
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日本へのさらなる対抗措置を示唆…温家宝首相

 【北京=大木聖馬】中国紙「東方早報」(電子版)によると、ベ
ルギー訪問中の中国の温家宝首相は20日、ブリュッセルで華人・
華僑を前に演説した際、日本政府による尖閣諸島の国有化について
言及し、「国家主権、領土保全に関わる重大な問題では、確固たる
意思を保ち、いささかも譲ることはない」と主張した。

 その上で、「我々は強力な措置を講じなければならない」と強調
、さらなる対抗措置を示唆した。

 温首相は10日にも「半歩たりとも絶対に譲らない」と述べてお
り、圧力を強めて日本の譲歩を引き出す狙いとみられる。

 温首相は「最近、日本当局が演出した釣魚島(尖閣諸島の中国名
)の茶番で、全世界は釣魚島が中国の神聖で固有な領土とわかった
はずだ」と指摘。「一つの民族にとって、尊厳、自主、独立より重
要なものはない」とも述べた。

(2012年9月21日12時46分 読売新聞)
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米 中国に“尖閣は日米安保内”と説明
9月21日 12時10分NHK

アメリカのパネッタ国防長官は、中国の次の最高指導者への就任が
確実視されている習近平国家副主席に対して、沖縄県の尖閣諸島が
日米安保条約の適用範囲内だと説明し、日本とのこれ以上の緊張を
避けるよう促していたことが分かりました。

これは、アメリカ国防総省の高官がNHKに対して明らかにしたも
のです。それによりますと、アメリカのパネッタ国防長官は、19
日、訪問先の中国で習近平国家副主席と会談した際、尖閣諸島を巡
る日中の対立について、「両国の話し合いによる平和的な解決を望
む」としたうえで、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内だと直接
説明したということです。
そして、「アメリカは安全保障条約の責任がある」として、仮に軍
事的な衝突に発展すれば、アメリカも関与せざるをえないという認
識を伝えたということです。
パネッタ長官は、中国の梁光烈国防相らにもこうした考えを伝えた
ということで、アメリカとしては、中国政府の指導部に日本に対す
る条約上の義務を直接説明することで、中国が挑発的な行動に出な
いようくぎを刺すねらいがあったものとみられます。
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「尖閣は安保適用対象」=上院公聴会で言明―米国務次官補
時事通信 9月21日(金)9時58分配信
 【ワシントン時事】キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋
担当)は20日、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化に関連し
「尖閣諸島は日本の施政下にあり、(米国の対日防衛義務を定めた
)日米安全保障条約第5条が疑いなく適用される」と言明した。上院
外交委員会東アジア太平洋小委員会の公聴会で証言した。
 同次官補はこの中で「(安保適用という)米国の立場は実質的に
1997年に明確化された」と説明。その上で、「現在の状況下では(
主権問題という)非常に複雑な問題ではなく、平和と安定の維持に
向けて重点的に取り組みたい」と述べた。
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尖閣出漁なら「中国当局が補助金」…船主明かす

 【石浦(中国浙江省)=関泰晴】沖縄県の尖閣諸島付近の海域に
向け、多数の漁船が出航したとみられる浙江省石浦地区の漁港を20
日、訪れた。

 港では、複数の船主が、地元の漁業規制当局から補助金の約束を
得て船を送り出したと証言した。

 人口約15万人の石浦地区は大小1500隻余の漁船の基地だ。
大部分の漁船が夏の休漁期間が終了した16日以降、沿岸や沖合の
海域に出ており、漁港周辺は閑散としている。

 「釣魚島(尖閣諸島の中国名)に向かう漁船には、当局から10
万元(約125万円)の補助金が出るぞ」

 波止場付近にある市場で、漁船5隻を持つ船主が明かした。同地
区行政府の漁業監督部門が今月初旬、漁船100隻余に対し、尖閣
海域に出航する許可を与え、石浦〜尖閣付近の片道500キロを往
復する燃料代に相当する現金10万元の支給を通知してきたという
のだ。漁船乗組員の月給は3000元(約3万7500円)前後と
いう同地区で、10万元は大金といえる。

(2012年9月21日07時07分 読売新聞)
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国際司法裁の応訴義務受諾を…首相、国連演説へ
読売新聞 9月21日(金)7時7分配信
 野田首相が26日に行う予定の国連総会の一般討論演説で、国際
司法裁判所(ICJ)で他国から訴えられた場合に応じる義務が生
じる「義務的管轄権」の受諾を、各国に呼びかける意向であること
が分かった。

 日韓の間の島根県・竹島や、中国と周辺国の間の南シナ海の領有
権問題などを念頭に、国際法に基づく平和的解決の必要性を訴える。
同時に、義務的管轄権を受諾していない韓国や中国と、受諾済みの
日本との国際法に対する姿勢の違いを際立たせ、日本の主張の正当
性を国際社会にアピールする狙いもありそうだ。

 ICJが領有権問題の裁判手続きに入るためには、紛争当事国間
の同意が前提となるが、一方が提訴しても、他方が義務的管轄権を
未受諾ならば応じる義務がなく、制度上の課題となっている。
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中国の軍艦展開にAWACS投入 露偵察機も現れ二正面作戦
2012.9.21 01:37 sankei[自衛隊] 

 沖縄県・尖閣諸島の北方海域に中国海軍のフリゲート艦2隻が展
開していることが20日、分かった。政府による尖閣国有化後、周
辺海域で中国の軍艦が確認されたのは初めて。これに対し、自衛隊
は空中警戒管制機(AWACS)を投入するなど尖閣周辺での警戒
態勢を強化している。日本海では同日、ロシア軍の偵察機など2機
が日本領空に接近していることも判明。自衛隊は二正面作戦を強い
られている。

 複数の政府高官によると、フリゲート艦は19〜20日にかけ尖
閣の北方海域で確認された。2隻とも日本領海や領海外側の接続水
域内には入っていない。

 通常、尖閣周辺では海自のP3Cが1日1回飛行している。政府
は公表していないが、新たに(1)空自のAWACS(2)空自の
早期警戒機E2C(3)海自の画像データ収集機OP3−も尖閣周
辺の上空に展開。中国の海洋監視船や海・空軍の動向を警戒してい
る。

 OP3はP3Cより高い高度から海上を監視。E2Cは日本領空
に接近する航空機を探知するのが任務だが、大型であれば艦艇もレ
ーダーで捕捉できる。

 AWACSはOP3やE2Cのデータを集約し情報共有させる「
中継局」。一昨年9月の尖閣沖での漁船衝突事件以降、領空に接近
する中国軍機が急増したことを踏まえ、航空機の警戒にもあたって
いる。

 一方、領空に接近したロシア機は空軍の電子情報収集機IL20
と戦術偵察機Su24の2機。北陸沖の日本海で周回しながら執拗
(しつよう)に領空への接近を繰り返した。

 ある政府高官は中露同時挑発について「東日本大震災の発生直後
と同じだ」と指摘する。大震災直後、自衛隊と米軍が対応に追われ
る中、中国は国家海洋局の航空機を海自護衛艦に異常接近させ、ロ
シアもIL20を領空に接近させていた。
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中国、日本企業の通関強化 一部で全量検査も  :日本経済新聞
2012/9/21 0:49
 【上海=土居倫之】上海など中国の一部地域の税関当局が日本企
業による中国向け輸出品に対する通関検査を強化していることが、
日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査で明らかになった。尖閣諸島
国有化に対する報復措置の一環とみられ、検査強化が全国に拡大す
れば、日本企業の中国での生産などに影響が出かねない。
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中国当局「戦いは長期かつ困難」 関係部門に備え指示
2012.9.20 21:52 [中国]
 中国国家海洋局の陳連増副局長は20日、沖縄県・尖閣諸島(中
国名・釣魚島)に関する座談会で「釣魚島の主権と海洋権益を守る
戦いは長期かつ極めて困難なものになる」と述べ、関係部門に長期
戦に備えるよう指示した。

 陳氏は「戦い」の内容として、日本への対抗措置を継続的に行い
、世論に対する宣伝工作を強めることが重要と指摘した。

 北京で開かれた座談会には政府関係者のほか、大手国有企業の中
国海洋石油や大学の専門家ら計約70人が参加。台湾との協力強化
のほか、漁業管理や資源開発の進め方などを提言した。(共同)
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香港の尖閣抗議船が出港計画中止
2012.9.20 21:33 [尖閣諸島問題]
 沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する香
港の団体「保釣行動委員会」の陳妙徳主席は20日、近日中に同諸
島へ向けて抗議船で出港するとしていた計画を取りやめると表明し
た。香港メディアに明らかにした。

 陳主席は「現在、釣魚島の付近には、多くの中国漁船や漁業監視
船などがいるため」と理由を説明した。抗議船で今、同諸島へ向か
っても、十分にアピールできないと判断したとみられる。

 同委員会メンバーらは8月、尖閣諸島に上陸。その際に日本の巡
視船と接触して破損した抗議船を修理し、当初は今月18日にも再
び同諸島に向かう計画だった。

 だが、香港の海事当局から航行許可が得られない状態が続いたこ
となどから、数日間待って出港するとしていた。(共同)
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尖閣:海上保安庁「にらみ合い」長期化覚悟 中国側も構え
毎日新聞 2012年09月20日 23時41分

 沖縄県・尖閣諸島の国有化(今月11日)後、周辺海域で中国の
海洋監視船「海監」や漁業監視船「漁政」が航行するようになって
21日で1週間が経過した。20日も計10隻が接続水域やその付
近を航行。海上保安庁は約30隻の巡視船や巡視艇を配備してほぼ
「マンツーマン」で警戒しており、海難救助訓練が中止になるなど
影響も出始めた。中国側は長期戦の構えで、海保幹部からも「にら
み合いが続くのは覚悟の上だ」との声も出ている。
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軍艦2隻展開に関し「中国の立場は明確」 
2012.9.20 17:54 sankei[尖閣諸島問題]
 【北京=川越一】中国外務省の洪磊(こう・らい)報道官は20
日の定例記者会見で、中国海軍のフリゲート艦2隻が沖縄県・尖閣
諸島(中国名・釣魚島)の北方海域の公海上に展開していることに
ついて、「中国側の釣魚島問題に関する立場は十分に明確だ」と述
べるにとどめ、関係部門に問い合わせるよう求めた。中国国防部の
談話などは発表されていない。
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中国軍の5将軍は主戦論「断固として軍事行動」
2012年09月20日15時32分:読売新聞

 【北京=竹内誠一郎】中国人民解放軍内で、日本の自衛隊が尖閣
諸島に出動した場合、軍事行動を辞さないとする発言が相次いでい
る。
 強硬姿勢を示して日本をけん制する一方、危機を強調することで
政権内での軍の発言力を強める政治的意図もあるとみられる。
 中国系香港紙「文匯報」によると、北京で15日、将軍5人の座
談会が開かれ、徐光裕少将(軍防化指揮工程学院の元副院長)は「
海上自衛隊が釣魚島(尖閣諸島の中国名)の12カイリ内に入るか
、中国の民間船舶を攻撃すれば、断固として軍事行動を取る」と述
べた。他の4人も主戦論を展開した。
 軍関係の研究機関・中国政策科学研究会の彭光謙少将は14日の
シンポジウムで、「自衛隊が釣魚島に上陸すれば、一線を越えたこ
とになる。軍はいつでも使命を履行できる」と述べた。
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焦点:中国政府に高まる弱腰批判、反日デモが新指導部の足かせに
2012年 09月 20日 15:20 JST 

[北京 19日 ロイター] 日本政府による尖閣諸島(中国名・
釣魚島)の国有化に端を発した中国の反日デモ。中国政府は当初デ
モを容認する姿勢を取ってきたが、その方針は結果的に、胡錦濤政
権から権力を引き継ぐ新指導部に影響が跳ね返ってくるリスクがあ
る。

尖閣問題をめぐる大規模な反日デモは、中国政府が日本に対して弱
腰だとの批判も含まれており、10年に1度の権力移行を目前に控
えた新指導部には強硬姿勢で外交に臨むよう圧力がかかっている。

中国の次期最高指導者と目されている習近平国家副主席は、療養中
だったとされる2週間は姿を見せず、数日前になって公務に復帰し
た。現在、習氏を含む指導部には、対日強硬路線を求める世論から
耳をそむけようとしているとの批判が高まるリスクもある。

「政府は軟弱すぎると感じている。だから、われわれの考えを示し
たい」。北京の日本大使館前のデモに参加した食品販売業者のZhang 
Xinさん(25)は怒りを吐露。「中国は強国としての要求を行うべ
きだ。今の政府には失望を感じる。民主的とは言えず、われわれの
声を聞き入れてくれない」と不満を口にした。
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中国特使も検討=反日デモ「想定超えた」−野田首相

 野田佳彦首相は19日夜のテレビ朝日の番組で、中国国内の反日
デモなどで悪化する両国関係の改善に向け、「政界、経済界を含め
てコミュニケーションを図っていきたい。特使(派遣)も含めて検
討したい」と述べた。
 首相は反日デモ拡大について「尖閣諸島の国有化によって、一定
のハレーション、摩擦は起こるだろうと考えたが、規模などは想定
は超えている」と指摘。「(中国には)再三いろんなルートを通じ
て説明してきた。しかし、残念ながら十分理解されなかった」とも
語った。 (2012/09/19-23:54)
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尖閣230キロで7百隻操業 漁船動向で中国メディア
2012.9.19 22:54 [中国]

 中国の浙江省や福建省などの漁船約千隻が沖縄県・尖閣諸島(中
国名・釣魚島)に向かったとの中国側報道に関連し、中国の通信社
、中国新聞社(電子版)は19日、「釣魚島から約230キロの海
域で700隻余り、約110キロの海域で23隻の漁船が操業して
いる」と報じた。

 「釣魚島から約230キロの海域」は浙江省と尖閣のほぼ中間に
当たる。

 中国新聞社は「多くは釣魚島の北側、一部は西側の海域で操業し
ている」としている。700隻余りのうち、大半は浙江省台州から
、一部は同省温州からの漁船という。

 中国中央人民放送(電子版)は17日、約千隻の漁船について、
同日午後にも「釣魚島海域」に到着する見込みだと報道。中国新聞
社の報道が正しいとすれば、同放送は「釣魚島海域」の範囲を意図
的に広く捉えた可能性もある。(共同) 
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レコードチャイナ:日本に対して強さ誇示する中国、その台頭はロ
シアに不利に働く―露メディア
2012年9月19日 21時34分
2012年9月18日、環球網によると、「中国の台頭はロシアにとって有
利に働くとは限らない」との記事を、ロシアメディアが掲載した。

記事によると、日中関係が急激に悪化したことを受け、数千隻にお
よぶ中国漁船が両国が領有権を争う尖閣諸島(中国名・釣魚島)に
向けて出航したとの情報もあるが、ロシアの外交専門家は「この緊
張は早い段階で解消する」と楽観的な見方を示している。

だが、ロシアが中国側に立つことについては、「不安が残る」と指
摘。中国が強さを前面に押し出し始めた一方で、日本など周辺のラ
イバルは軒並み弱体化しているが、同時に北朝鮮のような友好国が
強さを増しており、ロシアにとってはあまり有利な状況ではないと
している。

日中の対立は徐々に緩和されていくことが予想されるものの、それ
は日本の外交政策の機能が低下し、中国が台頭する状況下でのこと
。記事は、これがロシアや米国、日本を含む中国の台頭を懸念する
国々が互いに歩み寄る原因の一部であるとした上で、ベトナムやオ
ーストラリア、インドなどの国々も今まさにそうした中国の台頭が
もたらす痛みを味わっている、と指摘している。(翻訳・編集/岡田) 
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レコードチャイナ:<尖閣問題>「日本は軍事的準備を整えた」と
の見方に「話し合いで解決を」―中国外交部
2012年9月19日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題をめぐり、中国で
「日本が軍事的な準備を整えた」との見方が広がっていることを受
け、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は定例記者会見で「日
本政府は中国側の厳正な要求と中国人民の正義の叫び声を正視すべ
きだ」との見解を示した。20日付で新京報が伝えた。

中国の漁業監視船や大量の中国漁船が尖閣諸島海域に進入した場合
を想定し、日本側が「軍事的な準備」をすでに整えたとの見方が中
国で広がっているほか、中国の軍関係者も「中国側は一歩進んだ措
置をとる権利を留保している」と述べている。
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 中国「反日デモ」は静かに変質した
  18日のデモに夥しき毛沢東の写真は何を意味するか?
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2012年9月19日no.3760

 「不忘国恥」というのは満州事変への切っ掛けとなった柳条湖事
件から81周年の記念行事の標語だ。中国では、あの事件は日本軍
がしかけたと教えている。
各地の規模壮大なデモは、あらかじめ動員計画が練られた行進だっ
た。各地ではバスがチャーターされ、Tシャツが配給され、横断幕
は統一された標語だった。

 ネットやツィッターで自然発生的におきたのではない。はじめか
ら動員された「やらせ」であり、想定外のことは若者の失業者等が
、途中からデモに加わり暴徒化したことだった。

 予想外の狼藉は瀋陽でおきた。
瀋陽の日本領事館への入り口を封鎖していたはずの警備陣が、横道
にデモ隊を入れた。およそ千人。この「反日ロボット」らは領事館
に石とペットボトルと卵を投げ、領事館を破損した。

 成都でも一万人の参加があったが、イトーヨーカ堂への襲撃はな
く、平穏に終わった。成都は四川省地震以来の流民の流入で、治安
が悪化し、いつも反政府暴動がおきている地域である。
 しかも当日は王立軍裁判が成都で開廷されていた。当局のすり替
えがデモへの大動員となったことも考えられる。

 異変は動員された参加者いがいのプラカードで、さすがに警察の
眼があるためか「自由民主人権」は消えたが、毛沢東の写真、そし
て手製の横断幕。「毛沢東は人民を思った」「毛沢東時代は平等だ
った」などと掲げられていた。

これは明らかに反日デモの変質を意味している。つまり「反日」に
名を借りての政府批判であり極左勢力が全国で一斉に巻き返しを謀
ろうとしたようである。毛沢東の写真を掲げること自体が現政権へ
の暗喩的な批判なのである。

 こうした政局に日本の対応はオロオロとするばかりで、昔の武士
のような毅然とした姿勢が窺えない状況が、中国側がつけいる余地
を残す結果となっている。



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