4227.米国の新戦略は?



米オバマ大統領が、4年毎に見直す新戦略で、2正面戦略を正式に
放棄した。この新戦略を検証しよう。  津田より

0.現状の把握
オバマ大統領は5日、国防費の削減にあわせた新しい軍事戦略を発
表した。二つの大規模な地域紛争に同時に対処する「2正面戦略」
に必要な戦力は維持しない方針を表明。一方、中国の軍事的脅威が
増すアジア太平洋地域の戦力は増強するという。

新戦略指針は「アジア太平洋〜インド洋に至る弧は米国の国益と不
可分」と位置づけたし、「中国の台頭は米国の経済・安全保障に潜
在的影響を及ぼす」と名指しで新戦略の最重要ポイントとした。

名指しされた中国は、接近阻止・領域拒否戦略を進めている。この
戦略は、米空母を第一列島線内に入れないことである。この戦略が
非常に成功していることが分かる。

この中国軍事力の増強と米国防費の約70兆円の半分の約35兆円
を削減(日本の国防費約4兆円)で、海空軍中心のオフシェア・バ
ランシング戦略と統合海空作戦になると分かっていたが、とうとう
オバマ大統領が正式に宣言した。

この方針で、昨年末のイラク戦争の正式終結などにも合わせ、米軍
兵力の削減案と戦略の見直しを進めており、15年までに陸軍5万
人、海兵隊2万人の人員削減計画を打ち出した。しかし、カーニー
大統領報道官はこの戦力見直しでも、「世界での米国のリーダーシ
ップと軍事的優位が維持される」との見方を示したが、この段階で
米国は覇権国を降り、西半球中心の守りになると宣言したことにな
る。

これに対して、中国の新華社通信は6日、新軍事戦略に関連する論
評を掲載し、米国は同戦略の推進で「最大限の用心深さ」を示すべ
きだと発表し、また、米国は「他人の迷惑を考えない乱暴な行為」
を慎むべきだとした。

中国は新軍事戦略より、思想的な問題のほうを問題視している。胡
錦濤国家主席の未公開講話で、「われわれは、国際敵対勢力がわが
国を欧米化・分裂化しようとの戦略的たくらみを一段と強めている
ことをはっきりと見なければならない」と異例の強硬発言をして、
指導部人事が行われる秋の共産党大会に向け、民主化や自由、人権
擁護などを求める欧米の思想が、中国社会に浸透する事態に警戒感
を強めている。対外的な摩擦より、対内的な闘争の方が重要のよう
である。

また、現在の中国には、注意を払うべき危険な兆候がある。それは
一般市民が軍事に関して、熱狂的と言ってもいいほどの興味を示し
ていることだ。民族が今後目指すべき道について深い考えがなく、
ただ熱狂に突き動かされて進むとなれば、それは危険な兆候である。
そして、第2次大戦前の日本とドイツとも似ている。市民が軍を熱
狂で嗾けることになる可能性がある。

その上、中国と米国は、東アジアで冷戦構造のままになっている。
この最大の要因は北朝鮮が米中二大超大国の駆け引きの舞台となっ
ていることであり、この対立解消は中国の選択にかかっている。北
朝鮮に改革開放を求めていくことである。

まだ冷戦構造のままの状態で、韓国は2015年12月の戦時作戦
統制権(戦作権)の返還を米国から受ける。これは、韓半島の有事
の際、韓国軍が主導し米国が支援する戦争になる。

韓国軍消息筋は、「戦作権が返還されれば、有事の際、韓国が地上
戦を主導し、米国は海・空軍で支援する方向で対北朝鮮作戦の計画
が変わるだろう」とし、「そうなれば、米第2師団の兵力規模の縮
小の可能性は排除できない」と指摘した。

現在、韓国の防衛費分担金の規模は毎年7600億ウォン程度で、
在韓米軍の全体駐留費用の40%を占める。国防部関係者は、「米
国は、新国防戦略に伴う予算削減を理由に、来年の防衛費分担金交
渉で、韓国の分担比率を50%まで上げるよう要求する可能性があ
る」と指摘した。

この影響を今後、日本も受けることは確かである。米陸軍、海兵隊
も徐々に縮小されることで、沖縄の海兵隊にも影響がでるし、日本
も韓国同様に防衛費分担金の増額を要求される可能性もある。もう
1つが、朝鮮半島の有事に自衛隊の出動を求められる可能性が出る
ことだ。

1.中国軍への対応
中国の接近阻止・領域拒否戦略と中国軍の戦略は、米国が比較的弱
い部分を攻めることである。この方針で、宇宙、ミサイル、サイバ
ー攻撃を重点的に増強している。

具体的には、中国は宇宙ステーション「Tiangong-1」を独自で構築
している。この宇宙ステーションは、ミサイルなどの誘導に使われ
る可能性が高い。この宇宙ステーションに対抗して、米国は無人宇
宙飛行船X−37Bをほぼ同じ軌道で飛行させて監視を行っている
ようである。

X-37Bは、無人軌道上試験機(OTV:Orbital Test Vehicle)と呼ば
れるもので、ロケットの先端に取り付けられて宇宙へ打ち上げられ
、地球帰投の際は、完全自動で航空機のように着陸するそうだ。

ミサイル攻撃については、ミサイル防衛ということで、中距離ミサ
イルに対して、SM3ブロック2Aを日米で開発したが、大陸弾道
ミサイルについては、当初GLBインターセプターで迎撃する計画
で開発したが、命中率が低く、レーザービーム迎撃も並行して開発
している。このレーザービーム迎撃機は、大陸弾道ミサイルの上昇
時にしか有効ではないので、中国に近い地点まで近寄る必要がある。
日本の嘉手納などに来るかもしれない。

もう1つが、米海軍が開発中の海上監視専用の大型無人機「BAM
S」を2017年にグアムに配備する方向で検討しているようであ
る。空軍の無人偵察機「グローバルホーク」を洋上監視専門に改造
したもので、高度約1万8000メートルで飛行可能で、滞空時間
は連続約30時間、航続距離は約1万8400キロ。洋上監視レー
ダーや自動追跡装置、赤外線センサーなどを搭載している。

これで、中国海軍の状態や、中国ミサイル基地などを監視するよう
である。

サイバー攻撃に対しても、国際的な監視の仕組みを作り始めている。

2.日本への影響
この米新戦略の観点から普天間も見直していくことになると見る。
それは、海兵隊の本隊はグアムやカリフォルニアに居て、司令部と
装備品のみが普天間にとなる。そのため、普天間でも飛行数が多く
なくなり、嘉手納との統合などの案ができるはず。

これと引き換えに、日本も米国新戦略で役割分担を拡大させなくれ
ばならなくなることで、その第一弾として、武器輸出三原則の緩和
や中国に対抗して宇宙開発の軍事利用を認めたのである。米国の分
担が少なくなる分、日本の分担は増えることになる。軍事装備研究
分野でも同じことになる。

今までと違うのは、民主党が与党であるために、中国の軍備拡張に
対する危機感を背景に、軍備拡張や武器三原則緩和をめぐる政策に
は自民党などの野党も協力的であり、反対が出ないことである。

米国の衰退に日本の政策が間に合ったことは、非常に喜ばしいこと
である。

また、朝鮮半島有事などを想定し、米海軍が日本国内で少なくとも
民間6港湾を重要港湾と位置づけている。一番問題なのが、朝鮮半
島の有事の際、米韓の艦船を退避、補給、兵隊の治療などで、日本
の港湾を使うことである。

しかし、ここで韓国の対応がおかしいと日本国民の嫌韓感情が出か
ねない。非常に心配である。韓国にとっても大きな損害になる。未
来の関係を作るということが必要なのは、日本ではなく韓国である
のに、そのこと自体を韓国は想定していない。

米国に頼れない環境に韓国もなるとき、韓国も日本の雰囲気を良い
ものに変える努力を、お願いしてほしいものである。

米国とは、軍事・産業同盟に進化させて、共同で世界の平和を守る
努力をすることで、広範な協力関係を作ることである。米国の産業
にも日本の産業にも、大変大きなメリットがあるはずだ。

そして、日米が共同覇権的な国家関係になることが必要であると見
る。米国と盟友である英国は残念ながら、軍事費が極端に少なくな
り、世界的な活動ができる状態でもないために、米国は頼れる関係
にはない。豪州やニュージーランド、カナダも同様で人口が少なく
、軍事的な力を持っていない。

それに比べると、日本の経済力と人口も多くて、自衛隊は多くの兵
員を抱えているために、米国と共同行動ができる規模にある。しか
し、中国という危険な国の隣にあることが心配ではあるが?

さあ、どうなりますか?

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作戦権返還後、米軍は海空軍中心の支援に主力か 米国の新国防戦略

JANUARY 07, 2012 07:23東亜日報
オバマ米大統領が5日、国防予算と兵力規模の縮小を骨子とする新
国防戦略を発表した。新戦略が今後、在韓米軍と韓半島の安全保障
に及ぼす影響に注目が集まっている。
韓国国防部は6日、新国防戦略が実行されても、在韓米軍の戦力と
韓半島の安保公約には全く影響はないという米国防総省の事前の説
明があったことを明らかにした。国防部関係者は、定例会見で「韓
国を含む同盟国をアジア太平洋の安全保障の核心と認識し、安保協
力を強化するという米国の方針を支持する」と述べた。昨年10月
に訪韓したレオン・パネッタ米国防長官も、国防予算が削減されて
も在韓米軍は現在の水準を維持すると明らかにしていた。

このため、米第2師団と米第7空軍を主軸とする2万8500人の
在韓米軍戦力は、短期的には大きな変化はなさそうだ。しかし中長
期的には、2015年12月の戦時作戦統制権(戦作権)の返還と
ともに米国の新国防戦略が本格化すれば、韓半島の安保にも多くの
変化が避けられそうにない。

まず、韓半島の防衛に対する韓国のより一層の責任負担が米国側か
ら求められる可能性が高い。戦作権が返還され、韓米連合軍司令部
が解体されれば、韓半島の有事の際、韓国軍が主導し(leading)、
米国が支援する(supporting)戦争のシステムが稼動する。このよ
うな状況で、米国は新国防戦略を理由に、韓国が今より多くの北朝
鮮に対する防衛任務を担うことを要請する可能性は高い。

軍消息筋は、「戦作権が返還されれば、有事の際、韓国が地上戦を
主導し、米国は海・空軍で支援する方向で対北朝鮮作戦の計画が変
わるだとう」とし、「そうなれば、米第2師団の兵力規模の縮小の
可能性は排除できない」と指摘した。

韓国が負担しなければならない防衛費の分担金も上昇するものとみ
える。米国は、新国防戦略によって、向こう10年間で少なくとも
4500億ドル以上の国防予算を削減しなければならない。このた
め、韓国と日本をはじめとするアジア太平洋地域の主要同盟国に
それだけの経費負担を求めざるを得ない。特に、アジア太平洋地域
で日本の次に多くの米軍が駐留している韓国には、今より多くの金
額が書かれた「請求書」を提示する可能性が高い。

現在、韓国の防衛費分担金の規模は毎年7600億ウォン程度で、
在韓米軍の全体駐留費用の40%を占める。国防部関係者は、「米
国は、新国防戦略に伴う予算削減を理由に、来年の防衛費分担金交
渉で、韓国の分担比率を50%まで上げるよう要求する可能性があ
る」と指摘した。

在韓米軍を韓半島以外の地域に投入する「戦略的柔軟性
(Strategic Flexibility)」がさらに強化されるという観測も流れ
ている。新国防戦略によって米軍兵力が大幅に削減される状況で、
米国が世界各地の紛争に介入して解決する「スーパーパワー」の地
位を維持するには、既存の海外駐留米軍を一層効率的に運用しなけ
ればならないためだ。特に、欧州に駐留している米軍兵力が大幅に
減少する場合、3万人にのぼる在韓米軍兵力の活用度が高まるもの
と専門家は見ている。

軍関係者は、「07年、在韓米軍に配備されたアパッチ攻撃ヘリコ
プター2個大隊のうち1個大隊がイラクに派遣されており、在韓米
軍の戦略的柔軟性はすでに本格化している」とし、「米国の新国防
戦略によって、在韓米軍は域外の紛争地域に積極的に介入する『遠
征機動軍』に変貌するだろう」と強調した。
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米新国防戦略 日本は率先して協力せよ
2012.1.8 03:09 サンケイ[主張]
 オバマ米大統領が発表した新国防戦略は、国防費の大幅削減を強
いられる中で、昨年秋から本格化した「アジア太平洋シフト」外交
を軍事面で担保する内容といえる。

 同時公表された新国防戦略指針には、2020年に向けて中国の
軍事的台頭に正面から対抗する姿勢が明示された。日米安保体制に
より地域の安定を図る日本にとっても意義は大きい。

 ただ、新戦略に肉付けをするには「同盟・協力国との連携が決定
的に重要」(同指針)だ。野田佳彦首相は日本の安全のためにも同
盟の重責を認識し、在日米軍再編の速やかな履行などに全力を投じ
て応えていく必要がある。

 昨年夏の国債格下げ以降、米国は今後10年間で5千億ドル(約
38兆円)近い国防費削減を迫られ、冷戦後の基本戦略だった「二
正面作戦」を実質的に放棄する。陸軍、海兵隊も徐々に縮小される。

 そうした苦境の中で、オバマ氏が昨秋の豪州訪問で「アジア太平
洋は削減の犠牲にしない」とした公約を貫く姿勢を評価したい。

 新戦略指針は「アジア太平洋〜インド洋に至る弧は米国の国益と
不可分」と位置づけた。中東やイランにも目配りしつつ、「中国の
台頭は米国の経済・安全保障に潜在的影響を及ぼす」と名指しで新
戦略の最重要ポイントとしているのは当然といえよう。

 中国に責任ある行動を促し、絶え間ない軍拡の透明性と戦略的意
図の明確化を求めているのも極めて妥当だ。また中国が進める接近
阻止・領域拒否戦略には、新型ステルス爆撃機、ミサイル防衛(MD
)、無人攻撃機、宇宙能力に加え、現在検討中の統合エアシーバト
ル構想で対抗するという。

 新戦略が既存の同盟関係やインドなど新たな協力国とのネットワ
ーク型の連携を前提としていることも見逃せない。国防スリム化と
財政難に耐えて米国をアジア太平洋に集中させるには、それだけ同
盟国の分担と貢献が不可欠だ。

 とりわけ地域の公共財となってきた日米同盟を支える日本の協力
は重要だ。実効ある共同行動をめざして、日米は今後、米新戦略と
日本の防衛態勢のあり方を緊密に調整していく必要がある。

 その意味でも、沖縄の海兵隊を含む在日米軍再編の完遂は一層切
実な課題となった。野田首相はその第一歩として普天間飛行場移設
を速やかに進めてもらいたい。  
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中国、米国の「迷惑行為」けん制 アジア重視の新軍事戦略で
2012.01.07 Sat posted at: 15:08 JST

(CNN) 中国の新華社通信は6日、オバマ米政権が5日発表し
たアジア太平洋重視の新たな軍事戦略に関連する論評を掲載し、米
国は同戦略の推進で「最大限の用心深さ」を示すべきだとの見解を
発表した。

また、米国は「他人の迷惑を考えない乱暴な行為」を慎むべきだと
も主張した。

新華社は、米国が前向きな態度や冷戦時代のゼロサムゲームの思考
を脱却した方法で自らの役目を果たすなら、アジア太平洋地域の安
定や繁栄、経済開発を続けられ得る平和的な環境を求める中国の立
場に資すると強調。

その上で、アジア太平洋地域で軍事的な存在感を強化するなら、米
国は地域的な論争解決に役立たない軍事力の誇示を控えるべきだと
要求した。
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「国際敵対勢力」に警戒=胡主席が異例の強硬講話−思想引き締め
を強化へ・中国
 【北京時事】中国共産党理論誌・求是は新年号で、胡錦濤国家主
席の未公開講話を掲載した。胡氏はこの中で「われわれは、国際敵
対勢力がわが国を欧米化・分裂化しようとの戦略的たくらみを一段
と強めていることをはっきりと見なければならない」と異例の強硬
発言を行った。指導部人事が行われる秋の共産党大会に向け、民主
化や自由、人権擁護などを求める欧米の思想が、中国社会に浸透す
る事態に警戒感を強めている表れだ。
 一方、党大会で胡氏から総書記ポストを譲り受ける習近平国家副
主席も4日、「大学は社会主義の核心価値体系で武装した青年の重
要な思想的陣地だ」と述べ、大学生への思想教育強化の必要性を訴
えた。
 党大会を控え、共産党指導部は安定維持を最優先している。8億
に上るアカウントが登録されているミニブログ「微博」に加え、1
月からは鉄道切符などにも実名登録制が導入されるなど「国民への
管理強化」(中国筋)が既に本格化しているが、両氏の発言は世論
面の引き締めをさらに強める前兆と捉える見方が多い。
(2012/01/06-16:23) 
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日本が軍備拡張競争に突入へ
中国に対抗、宇宙開発の軍事利用を認める方針
武器輸出三原則も緩和
2012/01/04 09:02 

 日本の野田佳彦首相の支持率が、就任からわずか4カ月で半分程度
まで低下した。消費税の税率引き上げや年金改革などの懸案をめぐ
り、与党・民主党内の内紛や野党の非協力的な姿勢によって、漂流
を余儀なくされているためだ。だが、軍事力の強化に関する懸案は
電光石火のごとく処理している。航空母艦(空母)の導入や宇宙兵
器の開発など、中国の軍備拡張に対する危機感を背景に、軍備拡張
をめぐる政策には自民党などの野党も協力的だ。野田内閣は昨年末
、日本が35年間にわたって維持してきた「武器輸出三原則」を緩和
し、米国と共同で最先端の兵器を開発・生産したり、部品を輸出し
たりすることを可能にした。また、宇宙開発を「非軍事的」な目的
に限定している関連法の改正も推進している。このため、日本と中
国がけん制し合いながら、冷戦時代をほうふつとさせる軍備拡張競
争に突入したという見方が出ている。

 産経新聞は3日、野田内閣が宇宙開発を平和目的に限定する条項を
削除した、宇宙航空研究開発機構(JAXA)法の改正案を、今月中に
国会に提出する方針を打ち出した、と報じた。これにより日本も、
人工衛星を活用したミサイル防衛(MD)システムの構築など、宇宙
兵器の研究開発に本格的に着手するとみられる。なお、日本は世界
で初めて、小惑星の探査を成功させるなど、すでに宇宙技術大国と
なっている。

 日本が宇宙技術の軍事利用を推進するのは、中国に対応するため
だ。中国は2007年と10年、人工衛星を迎撃する実験に成功している
ほか、さまざまな宇宙兵器の開発を進めている。09年、中国の許其
亮・空軍司令官は記者会見で「宇宙空間を掌握する国が、戦略的に
優位に立つことができる。中国空軍は国益を守るため宇宙での適切
な作戦能力を備えるべきだ」と述べ、宇宙軍の創設を示唆した。こ
のため、中国が開発を進めている宇宙ステーションが、軍事目的に
転用される可能性があるとの見方も出ている。野田首相は07年の中
国による人工衛星迎撃実験を受け、「宇宙庁」を新設したり、宇宙
技術を防衛目的に利用できるようにしたりすべきだ、と主張してき
た。

 野田首相は国家財政が危機的な状況にある中でも、次世代型戦闘
機としてF35の導入を決定するなど、軍備拡張競争を主導している。
F35の導入に掛かる費用は約24兆ウォン(約1兆6000億円)に達する
ため、一部では費用が安いほかの機種を採択するとの見方も出てい
た。ところが野田内閣は、中国の次世代型戦闘機を念頭に置き、費
用が最も高いものの、性能が優れているF35を採択した。また、野田
内閣は今年、中国の空母に対抗し、排水量1万9500トン規模のヘリ空
母の建造に着手する意向だ。建造に掛かる費用は約1兆7300億ウォン
(約1154億円)に達する。父親が自衛隊員だった野田首相は「日本
には戦犯はいない」という極右的な信念の持ち主だ。首相に就任す
る前、ある雑誌に寄稿した文章で「日本固有の領土を守るための準
備を徹底的に行う必要がある」として、軍事力の強化に関する信念
を述べたこともある。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 
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レコードチャイナ:北朝鮮が誘発する米中冷戦構造=中国政府は政
策転換の決断を―中国研究者

2012年1月3日、研究者の鄭永年(ジョン・ヨンニエン)氏は中国新
聞週刊に寄稿し、北朝鮮の未来を予想した。米華字ニュースサイト
・多維ニュースが伝えた。

東アジアは新たな冷戦構造の時代を迎えている。朝鮮半島問題は冷
戦の産物で、決して新しい問題ではない。問題は今、多方面で変化
を迎えていることだ。中でも最大の要因は北朝鮮が米中二大超大国
の駆け引きの舞台となっている点だ。

この対立がどこまで深まるかは中国の選択にかかっている。もし北
朝鮮に改革開放を求めるのならば、東アジアの冷戦は回避できよう。
だがもし北朝鮮の挑発に中国が引きずられるようなことがあれば、
東アジアの冷戦は必然的な未来となる。

故に今こそがまさに重要な転機を迎えた局面なのだ。北朝鮮という
国際政治的にあまり大きな意味を持たない国が、二大超大国の関係
に大きな影響力を持つというばかばかしい状況がある。今こそ中国
は決断しなければならない。もし従来の北朝鮮支援政策を続けるな
らば、その結果は中国の望みと反するものになるだろう。
(翻訳・編集/KT)
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米、2正面戦力維持せず 国防費削減へ軍事戦略転換
2012年1月6日1時45分
 オバマ米大統領は5日午前(日本時間6日未明)、国防費の削減
にあわせた新しい軍事戦略を発表した。二つの大規模な地域紛争に
同時に対処する「2正面戦略」に必要な戦力は維持しない方針を表
明。アフガニスタンなどで泥沼化した戦争が軍事費増大につながっ
た反省から、長期的な軍事作戦を前提とした態勢も取らない。一方
、中国の軍事的脅威が増すアジア太平洋地域の戦力は増強する。 

 オバマ氏は国防総省で記者会見し、新戦略について説明。イラク
戦争が終結し、アフガン戦争も出口に向かうなかで米国が「10年
に及ぶ戦争のページをめくる」とし、財政赤字の立て直しに軍事費
を減らす必要性を強調した。一方で「アジア太平洋での展開は増強
する」と表明した。 

 新戦略では、冷戦後に基本にしてきた「2正面戦略」にかわり、
大規模な地域紛争への対処と、別の地域での「抑止」への取り組み
を前提にする。米軍の態勢は、対テロなどの非正規戦▽効率的で安
定した核戦力維持▽米本土の防衛などを基本とする。 
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オバマ政権、アジア重視を強調 米国防戦略見直し 
産経新聞 1月5日(木)12時26分配信
 【ワシントン=犬塚陽介】米ホワイトハウスは4日、オバマ大統
領が5日午前(日本時間6日未明)、国防費削減に伴って進めてき
た包括的な米軍の国防戦略見直しの検証結果を発表すると明らかに
した。米メディアによると、オバマ政権はアジア・太平洋地域の重
視姿勢を改めて強調する一方で、兵力削減に伴い、2つの大規模紛
争に対処するための「2正面作戦」を見直す方針を固めた。

 AP通信などによると、戦略見直しでは、中国の台頭や北朝鮮、
イランなど地域情勢の不安定化要因を念頭にアジアと中東地域の重
視を鮮明に打ち出す。

 アジア太平洋地域に兵力を投入し、中東の米軍戦力は維持するが
、欧州やアフリカ、南アメリカなどでは戦力の一部縮小に乗り出す
方針を固めた。

 また、中東と朝鮮半島など2地域で地上戦が発生した際の「2正
面作戦」を前提に維持してきた戦力の維持は困難との見方を固め、
1つの大規模作戦に戦力を投入し、他の地域では状況悪化の阻止を
目指す。サイバー攻撃やテロ攻撃などの対応するための戦力や戦略
の拡充方針も盛り込む。

 財政難にあえぐ米国は、10年間で4500億ドル(約35兆円
)の国防費削減を決めたほか、米議会での協議が不調なら、2013
年からの10年で新たに6000億ドルの国防費が自動的に追加削
減される恐れもある。

 オバマ政権は昨年末のイラク戦争の正式終結などにも合わせ、米
軍兵力の削減案と戦略の見直しを最重要課題として進めており、
15年までに陸軍5万人、海兵隊2万人の人員削減計画をすでに打
ち出していた。

 カーニー大統領報道官は戦力見直しで、財政難の中でも「世界で
の米国のリーダーシップと軍事的優位が維持される」との見方を示
した。  
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対イラン・中国で洋上監視強化=米海軍、大型無人偵察機配備へ
−中東、グアムに計画 

 【ワシントン時事】米海軍が開発中の海上監視専用の大型無人機
を2016年に中東に、17年にグアムに配備する方向で検討して
いることが3日、分かった。国防総省筋が明らかにした。世界的な
原油輸送ルートのホルムズ海峡で活動を活発化させるイラン軍や、
弾道ミサイル搭載の中国潜水艦・空母の基地となる南シナ海の海南
島などの監視を強化する狙いがある。 

 グアムには現在、米空軍の大型無人偵察機「グローバルホーク」
が3機常駐しているが、将来は海軍の無人機配備で4機体制となる
予定だ。 

 配備されるのはグローバルホークを洋上広域監視仕様に改良した
「BAMS」(全長14.5メートル、翼幅約40メートル)と呼
ばれる大型無人機。BAMSは高高度から、洋上を移動する長さ約
9メートル程度の大きさの艦船までを探知できる能力があるとされ
る。(2012/01/03-14:43)  
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米海軍:朝鮮有事想定 日本の6港湾を重要視
2012年1月5日 2時30分 更新:1月5日 2時40分
毎日
 朝鮮半島有事などを想定し、米海軍が日本国内で少なくとも民間
6港湾を重要港湾と位置づけていることが、複数の日米軍事関係者
への取材で分かった。本州の日本海側と九州に集中しており、有事
の際に補給や出撃の拠点として利用されるとみられる。6港湾には
米軍艦が定期的に入港しており、米海軍は目的を「友好親善」など
と説明しているが、関係者は「港湾調査と地ならしが主な目的」と
話している。

 6港湾は、秋田▽新潟▽下関(山口)▽博多(福岡)▽長崎▽鹿
児島。米海軍が重視する民間港湾が明らかになったのは初めて。

 6港湾によって入港頻度は違うが、博多と鹿児島は10年以上前
からほぼ毎年、下関は03年から、新潟が04年、長崎は06年か
ら毎年のように入港するなど活発化している。水深や地形を調べ使
い勝手をみているほか、実績作りの意味があるという。

 活発化した背景には、北朝鮮による軍事的な挑発行動や中国海軍
の海洋進出があり、主に日本海側は朝鮮半島、鹿児島は中国、博多
や長崎は両方をにらんでいるという。【鈴木美穂、仙石恭】  
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米海軍無人機『BAMS』
 米海軍無人機「BAMS」 米海軍が開発中の大型の海上広域監
視無人機。空軍の無人偵察機「グローバルホーク」を洋上監視専門
に改造したもので、高度約1万8000メートルで飛行可能。滞空
時間は連続約30時間、航続距離は約1万8400キロ。洋上監視
レーダーや自動追跡装置、赤外線センサーなどを搭載。巡航速度約
570キロ。米ノースロップ・グラマン社製。(ワシントン時事)
(2012/01/03-14:45) 
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レコードチャイナ:現代中国に危険な兆候=一般人の「軍事好き」
と思想なき成長―中国

2012年1月1日、参考消息電子版は、中国の危険な兆候を懸念するシ
ンガポールメディアの報道を伝えた。

現在の中国には、注意を払うべき危険な兆候がある。それは一般市
民が軍事に関して、熱狂的と言ってもいいほどの興味を示している
ことだ。テレビ番組を見ても、軍事関係の番組は人気を集めている。

弱小国が大国にあこがれるのは理解できる。しかし強国になる目的
はなんだろうか?現代中国の軍事に対する熱狂には不安を感じずに
はいられない。それというのも、軍事に対する熱狂とは裏腹に、思
想についてはほとんど興味を示さないからだ。

民族が今後目指すべき道について深い考えがなく、ただ熱狂に突き
動かされて進むとなれば、それは危険な兆候である。あるいは100年
前の日本とドイツの思想なき台頭とも似ている。

日本の思想家・福沢諭吉は文明の発展を最優先にするべきだと説き
、日本全国民が犠牲になろうとも構わないとまで言ってのけた。そ
の結果が世界大戦における日本の敗戦へとつながっているのだ。中
国も同じ道を歩むのか。軍事に対する熱狂が超国家主義へとつなが
るのだろうか。(翻訳・編集/KT) 
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中国 月への有人飛行計画を始めて公式に発表
1.01.2012, 12:01ロシアの声

 中国は、月への有人飛行計画実施の意向を記した公式文書を、初
めて公式に発表した。直子の文章の一部は、新聞「ファイナンシャ
ル・タイムス」に掲載される。
 それによれば、中国の宇宙ロケット開発の専門家達は「有人飛行
の事前プラン作りに必要不可欠な研究調査を遂行しつつある」との事
だ。

 専門家らの予測では、中国初の月に向けた有人飛行は、早ければ
2020年に行われる。 

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