4200.ロシアとの関係をどうするか?



20年来の友から、ロシアと日本の関係を考察してほしいという依
頼があり、考察する。  Fより

中国は、今までは謙虚にしていたが、米国のオフシェア・バランシ
ング戦略構想を知って、米国に取って代わる大国として自分を規定
し、このため大国意識丸出しで、世界中から嫌われだしている。
この究極が9月27日に中国は南シナ海懲罰戦争を宣言して、アジア
情勢は大きく変化した。

この懲罰戦争対象国のベトナムは、インドに支援を依頼し、フィリ
ピンは米日に支援を依頼してきた。ベトナムもインドもロシア製兵
器体系であり、インドはロシアと共同でステルス機スポイT-50を開
発している。

ベトナムは、キロ級潜水艦6隻を即座にロシアに発注し。対艦ミサ
イルをインドに発注した。このため、ベトナムの海兵隊と潜水艦の
要員養成をインド海軍に依頼している。また、中部の港のニャンザ
ンにインド海軍の基地を設けるとした。インドも了承している。

そして、ロシアは中国の空母旧ワリアーグの艦載機着陸に必要なワ
イヤーの取引を拒否して、引き渡さないことにした。これはスポイ
33のコピー機J17に危機感を感じて、中国には最先端技術を渡
さないことにしたようだ。

中国は真珠の首飾りというインド洋のシーレーン防衛戦略を持って
いるが、これに対抗してインドはダイヤのネックレス戦略で対抗し
ている。このダイヤのネックレス戦略と第一列島線防衛ラインが結
びつき、中国を封じこることができるようになっている。

このように、中国とインド・ベトナムが対峙しているが、そのイン
ド・ベトナムの裏に同盟国ロシアがいる。大きく括ると中ロの地域
争奪戦とも見える。

ロシアの輸出品は、兵器と石油・天然ガスであるが、中国はロシア
からの石油・天然ガスは価格が高いと購入をしていない。その代わ
り、トルクメニスタンやカザフスタンまでパイプラインを引き、直
接取引している。

これに対して、ロシアのプーチンは不満であり、また、ロシア製兵
器も2機程度を買って、その後はそれをコピーして中国独自の戦闘
機を作ることで、ここでもプーチンは非常に頭にきている。その中
国製コピー機をロシアが売り込もうとする国で、ロシアより安く売
るために、ロシア製兵器が売れなくなっている。ロシアは中国が商
売敵になっている。

ロシアの弱点は、ミサイルの制御系システムがあまりよくないこと
である。カムチャッカ半島近海での軍事演習で、対艦ミサイルが目
標に一本も当たらなかったことがわかっている。このため、ベトナ
ムも対艦ミサイルをインドから買うことにしたようである。

経済力としては、ロシア+インド+ベトナムより中国に方が大きい。
軍事力も中国に軍配があがる。

このような世界情勢に現在ある。

日本は野田首相の訪中を計画し、同時にインド訪問も計画していた
が、中国は訪中予定日は都合が悪いと、野田首相のインド訪問日を
指定してきた。ここからも、インドと中国は、日本を両方で味方に
付けるべく、行動していることが分かる。それほど、中印関係は悪
い証拠である。

日本は米国とは軍事同盟を結び、中国とは戦略的な互恵関係という
ように、戦争をしない関係を構築している。しかし、ロシアと中国
では、中国に分があるが、日本としては、中ロがバランシングして
拮抗していたほうが、日本の安全のためには、非常に良い。

このため、日本はロシアとも戦略的な互恵関係を築くことが必要で
ある。どちらとも対等に関係を構築しておくことが必要になる。

また、中国の大国意識を中和するためには、日本・ロシア・米国が
組んで中国に対抗しないと、中国は言うことを聞かないことは、東
アジア・サミットでよく分かったことである。

中国への連合を形成しないといけない時代になってきたとも言える
ようだ。

ロシアとは戦略的な互恵関係を結び、ロシア兵器制御体系を知るこ
とである。ベトナムやインドとは、もう少し近い関係を構築して、
MDの防衛網を構築していくように思う。このとき、制御システム
を結ぶ必要になる。相手はロシア兵器コントロールシステムであろ
う。

このためには、領土問題もある程度譲歩していくしかない。戦前の
ことを知っている人たちもいなくなり、その状況で交渉を行うこと
である。千島列島の諸島群は手放すことは軍事上、ありえない。

もし、国内を説得できないから、領土問題を棚上げして、ロシアと
戦略的な互恵関係を構築するべきである。

さあ、どうなりますか?

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首相訪中、25日で最終調整=年内実現を重視
 日中両政府は9日、延期された野田佳彦首相の中国訪問日程につ
いて、25、26の両日とすることで最終調整に入った。複数の政
府関係者が明らかにした。当初は12日から2日間とする方向だっ
たが、中国側が延期を打診してきたため、両政府は年内実現を目指
して再調整していた。
 それによると、中国側は6日、「内政上の都合」を理由に延期を
要請したものの、日本との関係を重視する立場から年内を希望し、
28日前後を提案。しかし、首相のインド訪問と重なるため、日本
政府は2012年度予算編成終了後と見込まれる25日であれば可
能と回答した。 
 両政府は国交正常化40周年に当たる来年を前に首相訪中を実現
し、戦略的互恵関係の進展を確認したい考えだ。
(2011/12/09-21:47)

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