4177.TPP交渉不参加で日本だけ除け者へ



TPPに日本が参加すると表明したら、カナダ、メキシコもTPP
への参加表明をした。このTPPの参加表明を受けて、中国も参加
への検討をするという。ロシアも検討するという。

しかし、米中首脳会談では、オバマ大統領は、中国に参加を依頼し
ていないし、TPPの話もしなかったという。中国・人民元の切り
上げを加速することと、中国が内需主導の経済に転換するよう改め
て求めただけである。

このように米国は中国の参加を歓迎しないために、中国排除条項を
沢山仕掛けている。しかし、日本に対しても、すべての物品及びサ
ービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せることを要求してきた。

このため、野田首相はTPP交渉について「何が何でも、国益を損
ねてまで参加することはない。百パーセント、とにもかくにも(参
加)ということではない」と交渉不参加の可能性に言及した。

しかし、実際問題として、経済と安全保障を分離できない問題と、
米国は思い始めている。軍を派遣するには、経済的な利点や経済的
な強い結びつきがないと、米国民への説得ができない。特に中国の
砲艦外交が顕著になってきたことで、アジア全体に安全保障上の懸
念が出ている。

しかし、米国は、財政削減を議会から求められていて、米国の国益
を優先した軍の体制をしないと、国民・議会が納得しない。

日本が、TPP交渉から抜けるという意味は、日本は中国と直接的
に対応することになる。米軍を頼りにしてはいけないことになる。
在日米軍がいなくなることを想定しておくことが必要であり、その
ための軍備を揃える覚悟が必要になる。

どちらが得か、またTPPに中国が加盟すると、日本は孤立してし
まうが、これに対応するために、国毎にFTAを結ぶ必要が出てく
る。おそらく、米国とはFTAが結べないし、ニュージーランドな
ど多くの国とも結べないことになる。

日本の機械類は関税がゼロであり、相手国はFTAを結び必要がな
い。結ぶ必要は、農産物でも米、小麦、大麦、バターなど乳製品、
牛肉、こんにゃくなどと、サービス、技術的な労働者の受け入れな
どと少ないために、農産物の関税を認めないと相手国にはメリット
がほとんどないことになる。

日本の問題点の多くが、保護された分野に持続性を危ぶむ状況にな
っていることである。

さあ、どうしますか??

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TPP交渉不参加の可能性言及=首相

 野田佳彦首相は15日午前の参院予算委員会で、環太平洋連携協
定(TPP)交渉について「何が何でも、国益を損ねてまで参加す
ることはない。百パーセント、とにもかくにも(参加)ということ
ではない」と交渉不参加の可能性に言及した。(2011/11/15-09:48)
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カナダ、メキシコもTPP参加表明 一気に拡大の可能性
2011年11月14日11時5分

 米ホワイトハウスは13日、環太平洋経済連携協定(TPP)交
渉に、カナダとメキシコも参加を表明したと発表した。日本に加え
て、北米自由貿易協定(NAFTA)を構成する両国が参加表明し
たことで、TPPは一気に拡大する可能性がある。 

 米政府によると、オバマ大統領と、カナダのハーパー首相との13
日の首脳会談で、ハーパー首相は、TPP交渉に参加する意欲を示
したという。ホワイトハウスは13日の声明で、メキシコも同じよ
うに意欲を表明しているとし、「日本とメキシコの同様の発表とと
もに、カナダがTPP参加国と協議を行う意欲を示したことは、
TPPの勢いが広がっていることを証明するものだ」と、TPPの
拡大に自信を示した。 

 ロイター通信は、フィリピンとパプアニューギニアも交渉参加に
関心を示していると伝えた。 
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米大統領、人民元切り上げなど求める 米中首脳会談
2011年11月13日16時20分

 オバマ米大統領は12日、胡錦濤(フー・チンタオ)・中国国家
主席との米中首脳会談で、中国・人民元の切り上げを加速すること
や、中国が内需主導の経済に転換するよう改めて求めた。これに対
し、胡主席は、両国が経済的な協力を深める重要性を訴えた。 

 米ホワイトハウスによると、米中首脳会談は、大半の時間を経済
問題の討議に費やしたという。オバマ大統領は、胡主席に対し、知
的所有権保護にさらに力を入れることも要請したという。 

 ただ、両首脳の間では、環太平洋経済連携協定(TPP)につい
ての議論はなかったという。
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中国国家主席、TPPに支持表明 ハワイの講演会で
2011年11月13日14時9分

 中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は12日午前(日本時
間13日未明)、米国が推進する環太平洋経済連携協定(TPP)
について、地域の経済統合には「多くのチャンネル」を通じた取り
組みが必要だとして、これを支持する考えを表明した。 

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のために訪
れた米ハワイでの講演で語った。中国は米国主導の形でTPP推進
の動きが進むことに懸念を示してきたが、日本の交渉参加などの流
れを受けて、一定の理解を示すことにしたと見られる。 

 胡主席は経済統合の動きは「異なるレベル、異なる範囲で、多く
のチャンネルと方法を通じて推進することがより好ましい」と指摘。
あくまで、中国が訴える東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中
韓3カ国の自由貿易協定(FTA)などの動きを引き続き進める立
場を強調した。 
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中国が交渉に関与した国際協定であれば順守する=政府高官 
2011年 11月 14日 18:01 JST 

[ホノルル 14日 ロイター] 中国政府高官は13日、中国は
、合意に向けた交渉に中国が関与した国際協定であれば順守すると
の立場を示した。 
 オバマ米大統領が13日これより先、中国は経済問題で国際社会
のルールを順守する必要があるとの見解を示したことへの反論とみ
られる。 

 中国外務省の高官Pang Sen氏は、アジア太平洋経済協力会議(A
PEC)首脳会議後の記者会見で「まず、どの規則についてかを確
認する必要がある。もしその規則が合意のもと共同で策定され、中
国もそれに関与しているのであれば、中国は順守する。仮に規則が
一国か、もしくは特定の複数の国によって決定されたのであれば、
中国には順守する義務はない」と語った。 

 また中国は、日本、カナダ、メキシコが参加を表明した環太平洋
連携協定(TPP)交渉について「真剣に検討する」との方針を表
明。 

 昨年のAPECの方針が、中国が関与している貿易協定を含む、
アジア太平洋諸国の経済協力強化に向けた道筋を支援するものだっ
たことに言及し、「この会議では、日本が交渉参加を表明し、一部
の国がこれを歓迎している。他の一部の国もTPP交渉参加に関心
を示している。中国はこの問題について真剣に検討する」と述べた。
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すべての物品自由化? 日米会談、米発表資料に訂正要求
2011年11月14日13時33分

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では例外なき貿易自由化に
ついて協議すると、野田佳彦首相が約束した――。12日の日米首
脳会談で、野田首相がオバマ米大統領にこんな発言をしたと米ホワ
イトハウスが発表し、日本側の指摘で訂正する一幕があった。 

 会談直後に米側が発表した資料には「大統領は、野田首相が『す
べての物品及びサービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる』と
発言したことを歓迎する」とあった。日本国内にはTPP参加で、
主要農産物の関税撤廃や保険診療の崩壊への懸念が根強い。それだ
けに、首相がいきなり柔軟姿勢を示した印象を与える内容だった。 

 驚いた日本側は「発表内容が事実と異なる」と米側に説明を要求
し、米側と協議した上で日本側が訂正資料を発表。それによると、
米側は「日本側がこれまでに表明した基本方針や対外説明をふまえ
、米側において解釈したものであり、会談でそのような発言はなか
った」と説明したという。 

 菅前政権が昨年11月に閣議決定した「包括的経済連携に関する
基本方針」では、「センシティブ品目(重要品目)について配慮を
行いつつ、すべての品目を自由化交渉対象(とする)」としている。
早くも米側が揺さぶりをかけた形だが、外務省は「深読みすべきで
はない」(幹部)と沈静化に躍起だ。(ホノルル=土佐茂生) 



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