4088.中国と米国の協調関係



中国と米国が、協調関係にあるような印象を受けるが、どうなるの
であろうか?   Fより

バイデン米副大統領が、今中国を訪問して習近平国家副主席と会談
した。習氏は、米国債の格付けが下がったことによる金融混乱の状
況で「中米両国は2大経済国として世界経済の安定回復を促進する
責任がある」と表明した。これに対しバイデン氏も「中国との共同
努力で世界経済の安定成長を確保したい」と応じた。

米国は人民元の切り上げを要請し、中国は国債の安定と東アジアで
の領土拡張を認めさせることである。米国と中国は世界経済規模が
1位、2位であるので、両方が世界経済の安定に寄与してほしいと
期待する。

2012年に太子党の習近平氏が国家主席になることは、ほぼ確定
している。米国は、台湾への武器売却を中止するように中国から要
請されたのに対して、バイデン氏は中国の核心的利益を十分に理解
しているとの認識を示し、取引が成立したような印象を受ける。

どうも、米国の民主党オバマ政権は、英国のチェンバレン首相がナ
チス・ドイツに譲歩したと同様な譲歩を行っているようにも見える。
米国は米国債の最大の買い手でもある中国に強く言えないのだ。

中国人民元の安め誘導が、世界から職業先を奪っているので、それ
を止めることも米国はできていない。米国も雇用が増えず、工場も
海外に移転している。日本の自動車会社の工場も米国と自由貿易協
定を結ぶメキシコに作ることが多い。

人民元の為替介入を徐々に高めに誘導して行く方向であるが、世界
第2位の経済大国は、通貨も国際的に自由ではなく、企業も自国企
業優先にしている。このように大きな経済圏が閉鎖的であることが
、世界経済を歪ませている。

次の政権で首相になる予定の李克強副首相が香港で、香港企業によ
る中国本土への人民元建て直接投資(FDI)解禁など香港の「人
民元オフショア市場」としての機能強化策を発表し、15年までに
中国市場を医療や弁護士を含む香港のサービス業全体に開放すると
約束した。というように自国地域でも自由な取引が現時点ではでき
ていないのである。

このため、中国市場に参入するには、現地企業との合弁し、ある程
度の技術を開示することになる。しかし、彼らと輸出禁止の契約書
を取り交わしても、それを反故にして自分の技術だとして改良した
製品を輸出してくる。

また、中国国有石油大手の中国海洋石油が広東省珠海の東南沖約
320キロの南シナ海で、国内初の深海天然ガス田の開発に着手し
た。とうとう、南シナ海での資源開発を始めた。一歩一歩侵略を進
める意向である。いやな兆候が出ている。

次の中国のアキレス腱は、インド洋であり、中東やアフリカからの
資源を運ぶルートであるし、南シナ海有事のときにミュンマーやパ
キスタンの友好国に荷揚げして、陸路で中国に運ぶことにしている。

ロバート・カプラン氏は「インド洋は21世紀新たな地政学的闘争
の場となった」という命題を発表した。すでに南シナ海は中国が勝
ち、次の紛争の場は、インド洋であるという。

中国がパキスタン、スリランカ、バングラディシュ、ミャンマーに
港を建設し、インドを包囲して、インドは非常に脅威に感じている。

そして、米国は沖縄や横須賀など日本の基地やグアムなどが中国の
ミサイルで攻撃された場合の演習を始めている。DF15、16の
ミサイルは量産型であるので、大量なミサイルが飛んでくる。

このようなアジア情勢から、クリントン米国務長官は、首都ワシン
トンで、台頭する中国をにらみ、アジア太平洋地域の米軍展開を削
減することはできないとの考えを示した。しかし、財政縮小からど
ういうことになるか予断は許さない。

このように中国が侵略的になり、ヨーロッパも中国への武器解禁を
中止しているために、中国は兵器技術の取得をイスラエルに求め始
めている。2000年以前はJ−10のようにイスラエルの設計者
が開発した戦闘機もあった。しかし、イスラエルの敵に中国は武器
を援助したことで、技術提供を中止している。しかし、イスラエル
も輸出品として兵器は重要な産業であり、ある程度は取引が成り立
つ可能性がある。

さあ、どうなりますか?
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「香港と中国、泣くも笑うも一緒」 李副首相、協調姿勢
2011年8月17日22時0分

中国の李克強(リー・コーチアン)副首相が17日、香港で開かれ
た経済フォーラムに出席し、「香港と中国は、泣くも笑うも一緒だ
」と、相互の協調関係を強める新たな政策を発表した。経済を含む
香港の自治を認めた「一国二制度」の下、「支援と協力」が建前だ
が、香港側は「サンタの贈り物」(香港経済日報)とほぼ歓迎一色
だ。 

 フォーラムは、中国政府の新しい中期計画「第12次5カ年計画
」(2011〜15年)を説明する場として香港・中国政府が開い
た。3月、中国の全国人民代表大会で承認された5カ年計画では、
初めて香港・マカオに関する独立した章がもうけられた。説明のた
め、中国最高指導部の共産党政治局常務委員が香港に出向いたのも
初めて。 

 李副首相は同計画案の策定責任者で、「計画は香港に新しい発展
の機会をもたらす」と強調。香港企業による中国本土への人民元建
て直接投資(FDI)解禁など香港の「人民元オフショア市場」と
しての機能強化策を発表したほか、15年までに中国市場を医療や
弁護士を含む香港のサービス業全体に開放すると約束。中国の産業
構造改革や内需拡大への貢献を注文した。 
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中国海洋石油、南シナ海で深海天然ガス田の開発に着手
2011年8月17日21時13分

 香港紙明報は17日、中国国有石油大手の中国海洋石油が広東省
珠海の東南沖約320キロの南シナ海で、国内初の深海天然ガス田
の開発に着手したと報じた。 

 珠海市の高欄港経済発展区幹部の話として伝えた。詳細は不明だ
が、中国とベトナム、台湾が領有権を争う西沙諸島の北東約500
キロ付近の海域とみられる。 

 ガス田は「茘湾3―1号」と名づけられ、中国海洋石油が460
億元(約5520億円)を投入。初期的な探査を行い、埋蔵量は東
シナ海で開発を進める「春暁」(日本名・白樺〈しらかば〉)を大
幅に上回る1500億立方メートルを見込む。 
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世界経済安定へ共同責任=「ポスト胡」へ信頼増進−米副大統領
と会談・中国副主席

 【北京時事】中国を訪問中のバイデン米副大統領は18日、北京
の人民大会堂で習近平国家副主席と会談した。新華社電によると、
習氏は米国債格下げを受けた金融市場の混乱について「世界の経済
成長が厳しい挑戦に直面している」と懸念を示した上で「中米両国
は2大経済国として世界経済の安定回復を促進する責任がある」と
表明した。これに対しバイデン氏も「中国との共同努力で世界経済
の安定成長を確保したい」と応じた。

 この日の会談で、習氏は「台湾・チベット問題は中国の核心的利
益に関わることだ」と述べ、米側が台湾に武器を売却すれば、両国
関係の安定発展に悪影響を与えると示唆。一方、バイデン氏は中国
の核心的利益を十分に理解しているとの認識を示した。米側は人権
・人民元問題も提起したとみられる。
 習氏は来年秋の共産党大会で胡錦濤共産党総書記(国家主席)の
後任に就くことが既に内定。米側は中国の存在感が国際社会で高ま
る中、秘密のベールに包まれた習氏の対米観を探るとともに、北京
から四川省までバイデン氏に付き添う習氏との間で個人的信頼関係
を構築したい意向だ。(2011/08/18-19:22)
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米国債格下げなど議論か 米副大統領と習副主席会談
2011年8月18日13時26分

 中国を訪れているバイデン米副大統領は18日、北京での歓迎式
典に出席し、習近平(シー・チンピン)中国国家副主席と会談した。
次期最高指導者への就任が確実になっている習氏との関係構築が主
眼だが、人民元の対ドル相場での切り上げや、米国債の格下げなど
が議論されたと見られる。

 習副主席はバイデン副大統領の21日の四川大地震の被災地訪問
にも同行する。両氏は会談や夕食会、講演会などで6回顔を合わせ
る予定だ。米政府は「習氏と米政府高官が長時間過ごす初めての機
会になる」(高官)として、今回の訪問を次世代の米中関係構築に
向けた重要な訪問と位置づけている。

 バイデン副大統領は19日には、胡錦濤(フー・チンタオ)国家
主席、温家宝(ウェン・チアパオ)首相とも会談する。
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インド洋は新たな闘争の場となるか? 
13.08.2011, 11:35ロシアの声 

 有名な米国の政治学者ロバート・カプラン氏は「インド洋は21
世紀新たな地政学的闘争の場となった」という命題を発表した。ロ
シア戦略調査研究所のボリス・ヴォルホンスキー専門家は、この命
題の正しさを裏付ける事実が着実に増えているとして、次のように
語っている。 

「カプランの命題を現在のコンテキストの中で見ると、インド洋の
ゾーンにおける影響力を勝ち得るため、地域的な大国である中国と
インドの2国が熾烈な闘争を展開しているというように理解できる。
この闘いはすでに数年にわたって行われているが、中国がパキスタ
ン、スリランカ、バングラディシュ、ミャンマーに港を建設しよう
と計画したことから特に激しさを増すこととなった。これらの国々
にできる軍港は近い将来インドを取り囲むことになる。」 

 中国が近隣国との間に緊張関係を保っているのはインド洋に限っ
たことではない。南シナ海へのアクセスを持つ諸国と中国が先日軋
轢を起こしたことからもそれは伺える。それに台湾との問題もある。
しかしながら、インド洋はそうしたなかにあって、中国やその他の
国にとってこれから先長年にわたる戦略的な意味を持つことからこ
こには他とは異なる状況がある。というのもこの海域は中近東から
のエネルギー資源などが東アジア地域へと輸送される輸送回廊とな
るからである。 
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アジア太平洋の兵力維持必要 国防費削減で米国務長官

 【ワシントン共同】クリントン米国務長官は16日、首都ワシン
トンでの討論会で、台頭する中国をにらみ、アジア太平洋地域の米
軍展開を削減することはできないとの考えを示し、財政難を理由に
性急な国防費削減で安全保障に影響を及ぼしてはならないと訴えた。

 クリントン長官は、米国は太平洋国家だと指摘し、「台頭する中
国」に対処するという「長期的な難題」に直面しており、米軍など
国家安全保障に直結する展開力を性急に弱めることはできないと主
張。

 歳出削減を求める議会共和党などと「責任ある対話」が必要だと
述べた。

2011/08/17 13:43 【共同通信】
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米豪、在日米軍基地攻撃を想定し演習
2011年8月8日 09時21分沖縄タイムズ

 【平安名純代・米国特約記者】米豪両軍がオーストラリアで7月
に行った大規模合同演習(タリスマン・セーバー)で、在日米軍基
地が攻撃を受けた場合を想定した訓練を初めて実施していたことが
6日までに分かった。台頭する中国の軍事力拡大を受け、アジア太
平洋地域における米側の戦略の変化を反映したものといえそうだ。

 同演習は2年ごとに実施されているもので、今年は米側から1万
4000人、豪から8500人が参加。日本や韓国、グアムなどの
米軍基地が攻撃された場合に後方へ移動し、オーストラリアに空軍
の緊急展開基地を設置して対応する集中訓練や空対空戦闘訓練、戦
闘機の緊急避難訓練などが重点的に実施された。

 演習には、在沖海兵隊の第31海兵遠征部隊も参加。米軍普天間
飛行場所属のCH53E大型ヘリやCH46中型ヘリを含む上陸用
舟艇15隻と海兵隊員約350人でクイーンズランド海岸への着上
陸訓練や市街地戦闘訓練、パラシュート降下による潜入訓練を実施。

 また、災害時の対処や人道復興支援活動など、広範囲にわたる訓
練をオーストラリア全土で3週間にわたって展開し、米豪両国の連
携強化を図った。

 米豪は昨年11月にメルボルンで開かれた米豪外務・国務・国防
大臣長官協議(2プラス2)で新たなパートナーシップ協定を締結
、両国の戦力配備を検討する新作業部会を設置した。両国の関係構
築についてゲーツ国防長官(当時)は「われわれはアジア太平洋地
域に新たな基地を求めることには関心がない。むしろ、同地域にお
ける米軍のプレゼンスを強化するために(同国における)既存基地
の使用をどのように強化するかに着目している」と述べていた。
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 EUの対中武器輸出解除がまだなら、穴場のイスラエルを狙え
中国軍参謀総長が突如、イスラエルを訪問し、武器技術取得への交
渉を開始
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2011年8月15日 

 イスラエルは1990年代に中国へさかんに高性能の武器を輸出
していた。ミサイルが主目的だが、ほかに偵察機を提供していた。
 風向きが変わったのは、中国がイランへ武器を大量に輸出してい
るばかりか、核兵器開発にも背後で多大な貢献をしている事実が露
呈し、さらにガザ地区へ秘密のルートを通じて大量の中国製武器が
パレスチナ武装勢力へ届けられている事実があるからだった。

現在レバノン駐留の国連部隊には夥しい中国兵士が派遣されており
、これもイスラエルに取っては癪の種だ。

 米国も2000年からイスラエルに圧力を加えて武器輸出を自重
させ、05年には過去に供与した偵察機の部品供給さえ禁止させる。
 
 こうして冷え切った中国―イスラエル関係に突破口を開こうと、
陳丙徳総参謀長がイスラエルを訪問した。
 これは二ヶ月前に北京を訪問したイスラエルのバラク国防大臣の
答礼である。

イスラエルではベニー・ガンツ統幕議長(推将)と会見した陳丙徳
は「相互理解を深め、協力体制を築く目的」と訪問理由を語った。
このあと、陳はロシア、ウクライナも訪問する。
 中国軍の高官がイスラエルを訪問したのは、これが初めて。


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