国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長は30日、ウィ ーンの本部で記者会見し、事故を起こした福島第1原発の北西約40 キロにあり、避難地域に指定されていない福島県飯舘村について、 高い濃度の放射性物質が検出されたとして、住民に避難を勧告する よう日本政府に促した。 福島第一原発で15日朝に起きた爆発と北西へ風がふき、雨も降っ ていたことで、突出して高かったと福島大学の渡辺明副学長(気象 学)がまとめた。事実、30日、ピーク時の7分の1、6分の1に 下がっている。 しかし、半減期30年のセシウムが土壌を汚染している可能性があ り、その影響が継続して水や野菜などを汚染することになる。チェ ルノブイリでは、この放射線濃度では立ち入り禁止地域になってい る。日本の基準も土壌汚染の基準が必要である。それをIAEA基 準にするべきである。 日本が世界的な基準で、ほとんどの物は厳しいが、この土壌汚染に ついては、基準が無いことが問題なのである。 日本政府は、大臣権限で早急に退避指示を出すべきである。 ============================== 高放射線量、主因は15日朝の爆発 風で30キロ圏外へ 2011年3月30日11時2分 福島市や福島県飯舘村の大気から高いレベルの放射線量が出たの は、福島第一原発で15日朝に起きた爆発が主因とする分析結果を 、福島大学の渡辺明副学長(気象学)がまとめた。ちょうど、北西 へ風がふき、雨も降っていた。いずれも原発から北西へ30キロ圏 外だが、突出して高かった。米海洋大気局(NOAA)などの観測 データから分析した。 渡辺さんは「今後、大きな爆発がなければ、値は下がっていく」 とみている。 福島市と飯舘村の大気中の放射線量は15日の夕方以降に跳ね上 がった。福島市では15日午後6時40分に毎時24.24マイク ロシーベルト、飯舘村でも午後6時20分に44.7マイクロシー ベルトの最高値を記録した。 この日の午前6時過ぎに、福島第一原発2号機と4号機で爆発と 損壊があり、放射性物質が放出されていた。渡辺さんは、爆発と気 象や放射線量の観測データとの関係を分析した。この結果、爆発当 時、原発近くの大気が北西方向に風で運ばれ、夕方以降に福島市や 飯舘村上空を通過していた。また、夕方から断続的に雨が降ってお り、上空に舞い上がった放射性物質が落下した可能性が高かった。 一方、16日午前も3号機で白煙が上がり、原発周辺では高い放 射線量を記録したが、この時は原発から太平洋側に大気が流れ、飯 舘村などの放射線量には影響しなかった。 福島市と飯舘村では30日、ピーク時の7分の1、6分の1に下 がった。(杉本崇) ============================== 飯舘村に避難勧告を=IAEA 【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務 次長は30日、ウィーンの本部で記者会見し、事故を起こした福島 第1原発の北西約40キロにあり、避難地域に指定されていない福 島県飯舘村について、高い濃度の放射性物質が検出されたとして、 住民に避難を勧告するよう日本政府に促した。 同事務次長は「飯舘村の放射性物質はIAEAの避難基準を上回 っている」と指摘。日本側からは調査を開始したとの連絡があった ことを明らかにした。(2011/03/31-01:48) ============================== 第一原発から40キロで高レベル物質…IAEA 福島原発 【ウィーン=末続哲也】国際原子力機関(IAEA)のデニ・フ ロリ事務次長は30日の記者会見で、福島第一原発から北西約40 キロにある福島県飯舘村で、IAEAの避難基準を超す高いレベル の放射性物質が検出されたとして、日本側に状況を注視するよう促 したことを明らかにした。 IAEAは今月18〜26日、同原発周辺の各地で土壌の放射性 物質(ヨウ素131とセシウム137)の量を調べ、飯舘村で1平 方メートル当たり2メガ・ベクレルを検出した。これは、IAEA が避難勧告を必要とみなす基準の約2倍に当たるという。 一方、IAEAは福島第一原発の事故に関し、日本の専門家らに よる加盟国向け報告会を4月4日にもウィーンで開く計画を公表し た。事故を受けてウィーンで開く原子力安全に関する閣僚級会議の 日程は6月20〜24日に決まった。 (2011年3月31日11時08分 読売新聞)