3757.韓国の日本統治について



韓国の日本統治について

皆様

日本統治に対する台湾の人々の思い、反応と韓国の人の反応はどう
してこう違うのだろうかと大きな疑問でした。日本が韓国と台湾で
そんなに方法を変えて統治したのだろうか、すごく疑問でした。通
常官僚(軍人もあの頃は官僚)として、二つを分けた考え方で統治
することは、特別な事情でもない限り有り得ない感じが元官僚とし
ての感覚です。事情変更の理屈が付けば、方針を変えることができ
ますが。

こう考えていたところに、8月30日の産経新聞一面「産経抄」に
管談話に関連して日本統治時代について肯定的な本がいくつか紹介
されていました。

○草思社「日本統治時代を肯定的に理解する」出たばかり。著者
1926年生まれのパクチャンウン(朴潛雄〜真ん中の字は正しく
ありません)、日本語で書かれたため韓国では殆ど読まれず。朴さん
は四年前に亡くなった。
○文芸春秋「大韓民国の物語」李榮薫(イヨンフン)ソウル大教授
2009出版〜植民地時代に韓国は近代化し、発展。
○雑誌正論2005年「日本の植民地支配は不幸中の幸いで祝福す
べきことの趣旨の記事」高麗大学名誉教授韓昇助〜世論の袋叩きに
遭い、行方不明

二冊目の李さんは激しいバッシングに遭っていないとの紹介が有り
ました。

何が真実かわからなくなります。

得丸さんの言う危険水域に足を踏み入れているかもしれません。

安江
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産経新聞のその記事、見落としていました。ご指摘ありがとうござ
いました。

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100830/kor1008300320000-n1.htm

たしかに読んでみたい内容です。

インドでも、台湾でも、植民地時代の総督府の建物が非常に立派で今も残されて
いて使われているのに、韓国は取り壊されました。独立したのではなく、別の植
民地時代を生きているからではないでしょうか。

梁石日の「Z」という小説は、日本の支配が終ったあと、独立ではなく、米ソに
よる分割統治が始まる血なまぐさい歴史が描かれています。

歴史が許されず、在日朝鮮人が小説にするのがやっと許されるという戦後ずっと
続いた言論統制は、経済発展という真綿で首をしめられているような印象をもち
ます。『日本統治時代 を肯定的に理解する』の著者もカ
ナダに住んでいたから、本当のことが書けたのではないでしょうか。

得丸
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皆様へ

今日の産経新聞(9月11日)、23面全面に「後藤新平と台湾」
、16面に先日紹介した草思社「日本統治時代を肯定的に理解する
」パクチャンウン(朴潛雄〜真ん中の字は正しくありません)の紹介
が載っています。
ご参考までに。

安江
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皆さん

まずは、安江さん、
この間産経の記事、紹介してくれて有難うございます。
今日図書館に行く用事があったので、紹介していただいた記事を
すべて読んできました。

韓国、朝鮮半島と台湾をいつも両にらみで、日本のありかた、東アジアの動向を
みる眼差しをもちえたのが、今夏台湾合宿の僕にとっての大きな収穫だったので、
産経新聞で紹介された『日本統治時代を肯定的に理解する』(など)を一度テキ
ストとして、とり上げるのは大賛成です。

著者は、朴正煕による軍政の全盛期ともいうべき75年には
カナダに移住してしまい(抜き差しならぬ事情があったのでしょうが)
そのまま定住して(韓国には戻らぬまま)4年前に亡くなった人物ということで、
だからこそ書けた(得丸さん)面もあるのでしょうが、
その分記述のしかたが外在的になっているかもしれないとの疑念も
ないわけではありません。
ともあれテキストに価するかどうかの検討はしてみましょうね。

韓国には、なぜ我々が台湾で会うことができた蔡さん、李さんのような
過激なまでの愛日家が公然と存在することがなく、
また(台湾万葉集はあっても)韓国万葉集が生まれなかったのかという問い返しから
新たにみえてくることが多々あるでしょうからね。

「後藤新平と台湾」についての記事も
後藤は「台湾における旧慣調査という文化人類学では現在でも
世界的に偉業である大きい調査の取組み」を行いつつ統治を進めたという指摘など
面白かったです。

あわせて産経の今日の社説か何かが「百済滅亡1350年に思う」で、
これまた長いスパンで朝鮮半島と日本の関係をふりかえる内容で
光っていました。

産経には不快なくせもあって、読むことは殆どありませんが、
おかげで少しばかり見直すことができました。
あらためて感謝します。

松本


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