3732.欧米が「失われた10年へ」



日本の「失われた10年」のような状況が欧米諸国を襲っている。
リーマンショクで住宅債権担保証券(CDO)の崩壊がいかに大き
かったかを物語っている。その当時、IMFは世界で400兆円の
損失を出したとしたが、この損失額の算定は非常に少なかったよう
である。

サブプライム住宅ローンは総額が100兆円しかないが、プライム
ローンの総額としては2000兆円であり、そのプライム部分が劣
化してきている。このため、米消費者は、負債を抱え消費をしない
。消費がないために、雇用も生まれないというサイクルに嵌り始め
ている。

これは日本の2000年前後のデフレ入りの状況とよく似ている。
米国も欧州も財政出動で一時的に景気を持ち直しただけである。こ
の状況を詳しく見ていこう。
              津田より

0.はじめに
米4位の大手証券リーマン・ブラザーズは2008年9月15日に倒産した。
2008年と2009年は、このリーマンショックからの景気後退から抜け
出す景気対策を各国政府は実施した。しかし、この財政出動が次の
危機を生む。それがユーロ危機である。

2010年6月に、EUの銀行群は、2008年9月のリーマンショッ
クでのサブプライム担保証券での損出を隠したことで、不透明感が
あった。その上にギリシャ国債などのソブリン・リスクを受け始め
ユーロ危機になった。解決のため各国は財政支出を削減していく。

この上に、2010年05月10日から欧州中央銀行(ECB)による国債
買い入れという異例の政策によって、欧州の経済小国に対する金融
圧力を緩和し、続いて7月23日に欧州はストレス・テストの結果を
公表した。

一部には非常に甘いという評価があるが、急速な景気悪化などの危
機的状況を前提に、最大で5660億ユーロ(約63兆4000億円)の損失
が生じる恐れがあると予想し、その上で7行で計35億ユーロ(約3900
億円)の資本不足の恐れがあると認定した。

 検査結果を受け欧州委員会などは声明を発表し、「市場の信頼回
復に向けた重要な一歩だ」と強調した。そして、その思惑通り、
CDSでみた保証コストは2カ月間で最低水準になり、ギリシャ財政
危機に端を発する欧州信用不安を払しょくしたように現時点では見
える。

リーマンショク、ユーロ危機と2つの金融危機を乗り越えたと見え
たが、世界経済はそう簡単ではない。

米企業は従業員の削減などのリストラで利益を出し始めたが、雇用
数は減り、6月米住宅着工5%減など個人消費が11カ月ぶりの低
水準になり、また、米政府は23日に2010年度の財政赤字が1兆4710億
ドル(約128兆円)になるとした。このように財政は過去最高の赤字
でこれ以上の財政出動ができない状態になっていた。

この状態で、米国経済に再度、赤信号が灯ったようである。FRB
バーナンキ議長が7月に、「米経済の見通しは異例なほど不確かな
ままだ」とし、先行きの不透明さを強調し、経済成長がほとんど進
んでいないとしたが、とうとう、景気後退が米国に押し寄せてきた
ようだ。

そして、欧米は財政赤字が大きいことで、景気刺激策として財政出
動ができないために、通貨の下落競争を取り始め、1930年代と
同様なことになってきている。このような状況で、危機に向かい始
めている。このように「失われた10年」の日本の状況になってき
たのが今の欧米諸国である。L字回復から再度、線が下を向き始め
る可能性が出てきた。

次に欧米の現状とその現状をどう分析するかを見てみよう。

1.現在の状況
8月23日に、8月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)
速報値が、景況感の判断の節目となる50は上回ったものの、前月
から低下したことで、欧州の景気動向が疑問符が出て、ユーロは対
ドルで下げた。

また、米経済は今年第2四半期(4-6月)に速報よりも一段と鈍化し
、第2四半期の米GDPは1.6%増に下方修正された。米ホワイトハ
ウスは、第2・四半期国内総生産(GDP)の伸びが鈍化したこと
について、欧州債務危機を含む「向かい風」が背景にあるとした。

7月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が国勢調査の終了に伴う
解雇などが響いて予想以上に減少で、非農業部門雇用者数(事業所
調査、季節調整済み)は、前月比13万1000人減少した。

この状況からバーナンキFRB議長は8月27日、「長期証券の追
加的な購入は、さらなる金融緩和に効果的だ」と、さらなる金融緩
和策に踏み切る姿勢を示した。従来、金融緩和からの出口戦略に置
いていた重点を転換し、追加的な金融緩和に踏み出す姿勢を強く示
唆した。

このような米国の金融政策で、米国の金利が低下し、日本が為替金
融政策に無策であると、ヘッジファンドはドルを売って円を買う動
きに出て、一層円高ドル安になる可能性が出ている。このため、日
銀もやっと動き始めたようである。

米国やドイツなど先進各国は、低成長と高失業率の10年間に直面す
る可能性があると、米メリーランド大学のカーメン・ラインハート
教授と夫のビンセント・ラインハート氏が言う。そして、第2次世
界大戦以降で最悪の世界的な景気低迷の影響が長引くと予想した。
多くの国で与信と生産の減少が同時に起きていることが原因だと指
摘した。

この状態を「ニューノーマル」と呼ぶ。ニューノーマルの現象は、
世界の経済の構造的変化であり、特徴ある4つの事象がある。
一つ目は、今までと違って、米国経済を引っ張ってきた消費が長期
にわたって減速していくこと。
二つ目は、景気対策の財政出動することで公的債務が膨張すること。
三つ目は、失業問題で、景気が回復したと言っても失業問題が一向
に片付かないこと。
四つ目は、これらが複合的に絡み合うため、政府の規制が激しくな
ること。

この実例が米国予算であり、米国予算は、わずか2年7カ月の間に議
会は10年間の支出を4兆4000億ドル(約380兆円)以上増やした。つ
い最近の2005年には連邦支出総額はわずか2兆4700億ドルだったこと
を思うと、如何に米国予算が膨張したかがわかる。 大きく増えたの
が、国防費であるが、それ以外にも教育、フードスタンプ(低所得
者向け食料援助)、メディケイド(低所得者向け医療保険)、メデ
ィケア(高齢者向け医療保険)、社会保障手当などの支出などであ
る。

この上に米下院は8月10日には、教職員や警察官らの雇用を確保
するため州政府に260億ドル規模(約2兆2000億円)の財政
支援を行う緊急支援法案を可決し、オバマ大統領が署名して成立し
た。またもや財政支出増である。7月22日には失業保険の給付期
間延長法案が成立している。

これに対して、米軍・国防総省は大幅なリストラを行う。膨張が続
く国防予算を、今後5年で1千億ドル(約8兆6千億円)以上削減
するとした。 

特に米国では、住宅ローン問題が山を向かえている。

2.住宅ローン
連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレ
ディマック)の監督官庁、連邦住宅金融局(FHFA)は6月16日
、ニューヨーク証券取引所(NYSE)での上場を廃止した。

ファニーメイとフレディマックは、2008年に政府管理下に置か
れた。両社が受けた公的資金による支援は約1500億ドルにのぼ
る。このほかにFRBがこの2社の住宅担保証券と社債を130兆
円も購入している。しかし、両社の赤字は一向に止まる気配がなく
、米国政府は毎期資金導入を続けていたが、とうとう、ガイトナー
米財務長官はファニーメイとフレディマック2社の「抜本的な改革
」を望んでいるとし、事実上の解散を宣言したようである。

住宅着工件数が減少し、価格の下落しているために、住宅ローンの
破綻が収まらない。またローン破綻で不良債権が増加している。

このように米住宅ローン問題は、まだ続いている。債権担保証券も
焦げ付くことになる。当分、不良債権の問題から銀行に余力がない
状態である。この上に金融規制法案が通り、銀行の自由性は制限さ
れているので、儲けを増やすことが出来ないことになった。

儲けがあるのは、不安定なヘッジファンドだけである。富裕層はこ
のヘッジファンドに資金を預けるために、ヘッジファンドの資金力
は、1日で3兆円程度の資金を動かすパワーを持ち、日本銀行とい
えども、そう簡単に対応できないレベルになっている。

3.今後の予測
その上に、FRB(米連邦準備制度理事会)、ECBは前例のない
資金供給などのCDOなどの損失を帳消しにするための低成長回避
策を絶えず実施している。リーマンショックでは、CDO、CDS
市場の崩壊が伴い金融損失規模は日本の不動産・株バブル崩壊の損
失に比べて、そのスケールが2桁以上の上であるはずで全く違うが
、しかし、そのスケールは隠されたままであり、その損失もベール
に包まれている。

証券化商品は価格算定不能ということで、100億円の債務担保証
券(CDO)は、10億円、20億円の評価しかないものをそのま
ま100億円で評価されている。そのため、内在している損失が銀
行に、まだあることになる。ラインハート夫妻がいう与信の意味は
この隠された損失のことである。

その実情はおそらく世界経済を破壊するに十分な大きさだが、見事
に封印されている。しかし、その一端がファニーメイとフレディマ
ックに出ていると見ると、その不良債権の規模が膨大であることが
分かる。

この金融機関の損失が消化されないと、本格的な回復にはならない。
ということで、当分、欧米は景気の回復はないことになる。「失わ
れた10年」になる根拠である。

このままであると、アジア経済の拡大に近い日本は、アジア経済成
長の恩恵を日本企業が受けるが、欧米は遠い分、恩恵が少ない。
景気回復のために、通貨下落競争、それでもダメであると戦争経済
化などに進む可能性を心配する。そして、その標的を欧米は見つけ
たようだ。軍事力拡大で傲慢になった中国である。

さあ、どうなりますか??
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米FRB議長、追加緩和の姿勢 景気減速鮮明化を受け
2010年8月28日1時1分

 【ジャクソンホール(米ワイオミング州)=尾形聡彦】米連邦準
備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は27日、当地のシンポ
ジウムで「長期証券の追加的な購入は、さらなる金融緩和に効果的
だ」などとして、追加緩和に向けた具体案を詳細に述べ、米経済が
さらに減速すれば、さらなる金融緩和策に踏み切る姿勢を示した。
従来、金融緩和からの出口戦略に置いていた重点を転換し、追加的
な金融緩和に踏み出す姿勢を強く示唆した形だ。 
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第2四半期の米GDP、1.6%増に下方修正
2010年 8月 28日 6:43 JST 
WSJ
米経済は今年第2四半期(4-6月)に速報よりも一段と鈍化していた
ことが明らかになるとともに、企業利益も減速感が顕著となり、米
景気回復が失速しつつある一段の証拠が示される形となった。 

 米商務省が27日に発表した第2四半期の米実質国内総生産(GDP
)改定値(季節調整済み)は、前期比年率で1.6%の増加となった。

 前月発表された速報値では2.4%増とされていた。第1四半期の成
長率は3.7%だった。 

 しかし、今回の改定値も、ダウ・ジョーンズ経済通信がまとめた
エコノミスト予想の1.3%増は上回った。 
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先進国、低成長と高失業の10年か−ラインハート氏が危機分析で予想 

8月27日(ブルームバーグ):米国やドイツなど先進各国は、低成
長と高失業率の10年間に直面する可能性がある。2007年の金融危機
の余波期が、過去100年間に起きたほかの危機からの景気回復期と同
様な道筋をたどるケースを想定し、米メリーランド大学のカーメン
・ラインハート教授らが指摘した。 

金融危機に関する2009年の共著がある同氏と、夫で米連邦準備制度
理事会(FRB)の元金融政策局長、ビンセント・ラインハート氏
は、第2次世界大戦以降で最悪の世界的な景気低迷の影響が長引く
と予想。多くの国で与信と生産の減少が同時に起きていることが原
因だと指摘した。両氏はカンザスシティー連銀がワイオミング州ジ
ャクソンホールで主催するシンポジウムの討議資料で見解を示した。 

両氏の見方はFRBが6月に示した見解と対照的だ。FRBは成長
率と雇用が理想的な水準に回復するまでには「長くても5−6年」
との見方を示した。資料は、1977年以降の米国外の15カ国の事例と
1929年と73年、2007年の世界危機から得た実証例に基づいている。 

その中で、「今回分析したような大規模な不安定をもたらす出来事
は、危機に伴う混乱が収まったかなり後でも、主要マクロ経済指標
の結果に長期的変動を明らかに生み出す」と説明。「激しいショッ
クの後、非常に長期にわたり所得の伸びが減速し失業率の高止まり
が続く傾向があるという分析結果からは、朗報はほとんど得られな
い」と述べた。 

両氏は08−17年の10年間に低成長が見込まれる国として、オースト
ラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンラ
ンド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド
、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポ
ルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国などを挙
げた。 
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「ニューノーマル」
=リーマン・ショックは「大混乱の始まり」であって、まだ世界の
混乱は序章が鳴ったに過ぎない(朝倉慶)

 「ニューノーマル」についてのエラリアンの見解は明確です。も
う世界はリーマン・ショックの前には戻れない! これからは低成
長を覚悟するしかなく、その道のりは極めて厳しいものとなる。我
々の向かっている目的地は以前とは違うのだ! というわけで、我
々は今までの常識は捨てて、新しいものさし「ニューノーマル」を
はっきり意識する必要がある、と説いているのです。そしてそれは
厳しい道のりというわけです。

 エラリアンは「ニューノーマル」について具体的に世界の経済の
構造的変化の例として4つの事象を上げています。
 一つ目は、今までと違って、米国経済を引っ張ってきた消費が長
期にわたって減速していくということです。これが米国経済の成長
率を大きく持ち上げることを不可能にするわけです。1990年、
バブルが破裂した日本の経験を肌で感じている日本人には特にわか
りやすいと思います。米国では、全国民が借金消費を膨らませてき
たわけですが、今回のリーマン・ショックから簡単に立ち直ること
はできず、これからは長期に渡ってこの積みあがった借金を個々人
も企業も返していくしかないということです。まさにバブル崩壊後
、日本国中で起こり、20年も経った現在も続いている過去の負債
のツケが、長く経済を圧迫するということです。借金があり過ぎて
は身動きがとれません。まさに米国全体がこれから陥っていくのは
日本の来た道そのものという考えです。
 二つ目は、公的債務の膨張です。これもまた日本の経験にダブり
ます。民間が借金漬けで動きがとれなくなると経済が失速してしま
うので、これを補うため、政府が支出するわけです。いわゆる経済
対策というやつです。減税、公共投資、とにかく国が資金を使って
何とか経済の落ち込みを回避しようと必死になるわけです。これは
どこの国でも行うわけですが、当然これを行えば、国としての借入
、いわゆる借金が膨らむわけです。具体的には国債の発行が増える
わけです。いわば借金の民間から国への大移行が始まるわけです。
そして今の日本を見ればわかりますが、その額は今や天文学的にな
ってきたわけで、これはこれからの米国も同じです。
 三つ目は、失業問題です。景気が回復したと言っても失業問題が
一向に片付かないわけです。景気回復と言うものの、米国の失業率
も10%のところに張りついた状況で、全く改善されてきません。
米国の若者の4人に1人は職がないのです。そしてこの「ニューノ
ーマル」の世界では、この失業問題も解決は難しく、そうなれば将
来への不安は解けず当然のことながら経済の本格的な活性化は望め
ないということです。
 四つ目は、これらが複合的に絡み合う関係で、政府の規制が激し
くなってくるということです。本来なら経済の悪化に対して、規制
を緩和して経済の新しい分野を構築、その需要で活性化を目指すと
いうのが常道ですが、なにしろ問題多発で規制を緩和するどころか
強化するしかなくなってきているのです。

 エラリアンはこれら4つの問題が構造的問題であって、解決は難
しく、結果として世界は全く今までとは違う「ニューノーマル」と
いう低成長を甘受しなければならない事態に陥っていくのだ、と言
っているわけです。
 彼の言うことは現状をそのまま表現したようなもので、的を射て
いる印象です。この考えでいくと、世界はまさに日本のようになっ
ていく、ということで、今この“日本化”、ジャパナイゼーション
という懸念が米国では急速に出てきているのです。まさにデフレ長
期化の懸念です。
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4.4兆ドルの支出増に歯止めを‐深刻な米財政赤字
2010年 8月 24日 10:59 JST 
 オバマ米大統領は先週18日のオハイオ州コロンバスでの演説で、
「米国の財政赤字を長期的にどうコントロールするか」と問い掛け
た。いい質問だ。 

 翌19日に公表された米議会予算局(CBO)の半年次予算報告に
答えがある。それは「そんなに多く支出するな」というものだ。 

 CBOの報告はおおむね、われわれが既に知っている悪いニュー
スを再確認するものだ。すなわち、2007年に民主党が議会を支配し
て以降、支出が爆発的に急増したということだ。最初はブッシュ大
統領(当時)の黙認で増大し、次いでオバマ氏がホワイトハウス入
りして以降、一段と膨らんだ。 

 この支出の大きさを理解するには、2008年1月時点のCBOの予算
ベースライン推定値と、19日公表されたベースラインを比較するの
がいい。ベースラインはその時点の法律に基づいた将来の支出の予
測値のことだ。チャートで示されているように、このわずか2年7カ
月の間に議会は10年間の支出ベースラインを4兆4000億ドル(約380
兆円)以上増やした。2008年と2009年の金額は実際の支出額で、そ
のほかの金額は推定値だ。つい最近の2005年には連邦支出総額はわ
ずか2兆4700億ドルだった。 

 4兆4000億ドルを念頭に置きながら、われわれが次に耳にするのは
、こうした財政の混乱を「われわれは受け継いだ」と言うオバマ氏
あるいはナンシー・ペロシ下院議長の発言だ。オバマ氏が継承した
(ペロシ議長は既に議長職に就いていた)リセッション(景気後退
)が1兆ドル前後の赤字支出の責任と想定しよう。それでもなお、
2010会計年度の赤字が1兆4000億ドル前後の赤字で、なぜ09年度と
ほぼ同程度に高いのか説明できない。2010会計年度は、経済成長を
遂げた直後の年度だからだ。あるいは、ブッシュ時代の減税がたと
えすべて撤回されても、2011年度の赤字が依然としてほぼ1兆1000億
ドルになるとCBOはなぜ予測するのか? 

米議会予算局の予算ベースライン推定値
 このように赤字がほとんど減少しないのは、経済回復が芳しくな
いからで、政府の歳入はあまりに少ない水準が続く。そして、この
赤字はとりわけ、民主党議会が通過させてオバマ氏が嬉々として署
名した過去最大の支出のせいだ。 

 ひとつ例を挙げよう。国内の非国防裁量ベース支出、つまり教育
、フードスタンプ(低所得者向け食料援助)、メディケイド(低所
得者向け医療保険)以外の支出、メディケア(高齢者向け医療保険
)、社会保障手当などの支出の年間平均伸び率は1999〜2008年度の
10年間で6.4%だった。しかし2009年度には、非国防裁量ベース支出
は11.2%増加したし、2010年度はさらに14.7%増加する見通しだ。
この増加分の大半はCBOのベースラインに直接加わっており、そ
の結果、将来の支出を途方もない水準に押し上げる。 

 にもかかわらずCBOは、2011年の非国防裁量ベース支出はわず
か2.3%増にとどまると予測している。これを信じる人は恐らく、ペ
ロシ氏以外の誰かが下院議長になると考える人だろう。 
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ユーロが下落、PMI低下で景気懸念強まる=NY市場
2010年 08月 24日 07:21 JST

[ニューヨーク 23日 ロイター] 23日のニューヨーク外国
為替市場では、ユーロが下落。ユーロ圏経済に対する懸念が、この
日発表された経済指標で強まった。

 7月下旬から8月上旬にかけて上昇していたユーロだが、投資家
の関心が米経済からユーロ圏にシフトしたことを背景に、センチメ
ントが悪化し始めた。

 ユーロは前週末20日、欧州中銀(ECB)理事会メンバーのウ
ェーバー独連銀総裁が、ECBが銀行への無制限の流動性供給を年
末を越えても行い、出口戦略の議論は2011年初めに再開すべき
と述べたとの報道に圧迫された。

 23日は、8月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速
報値が、景況感の判断の節目となる50は上回ったものの、前月か
ら低下したことで、センチメントはさらに悪化した。
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米政権、政府系住宅金融機関の「抜本的な改革」望む=財務長官
2010年 08月 18日 11:08 JST
 [ワシントン 17日 ロイター] ガイトナー米財務長官は
17日、オバマ政権は政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵
当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック
)2社の「抜本的な改革」を望んでいるとの見解を示した。

 ガイトナー長官は財務省が主催した政府系住宅金融機関に関する
会合で「現在のシステムの温存は支持できない」と述べた。

 破たんの危機に瀕したファニーメイとフレディマックは、2008
年に政府管理下に置かれた。両社が受けた公的資金による支援は約
1500億ドルにのぼる。

 ガイトナー長官は「政府管理下に置かれる前、ファニーメイとフ
レディマックは政府による支援があるとの認知に守られながら、民
間部門の競合他社から市場シェアを奪っていた」と指摘。「財務省
は両社が政府管理下に置かれる前の状態に戻ることを良しとしない
」とし「民間部門の儲けが納税者の損失で助成されるようなシステ
ムに戻ることを財務省は支持しない」と述べた。
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追加金融緩和で、米国債買い取り
NY連銀、総額2180億円
 【ニューヨーク=小谷野太郎】米連邦準備制度理事会(FRB)
傘下のニューヨーク連邦準備銀行は17日、総額25億5100万
ドル(約2180億円)の米国債を金融機関から買い取ったと発表
した。

 FRBが10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、満期を迎
えた住宅ローン担保証券(MBS)や政府機関債などの償還資金を
米国債に再投資し、米景気を下支えする追加緩和策を決めたことに
伴う措置だ。

 ニューヨーク連銀は19日にも同様の入札を行い、9月13日ま
でに計9回の入札で約180億ドルの米国債の購入を予定している。

 FRBは2008年秋の金融危機に対処するため、MBSや長期
国債などを約2兆ドル規模で買い入れ、市場に資金を供給してきた
。9月13日以降も購入を続ける方針で、再投資の規模は年1000
億〜2400億ドルになるとみられる。

(2010年8月19日 読売新聞)
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米下院:州政府の緊急支援法案を可決 教職員らの雇用確保
2010/08/11 毎日
 【ワシントン古本陽荘】米下院は10日、教職員や警察官らの雇
用を確保するため州政府に260億ドル規模(約2兆2000億円
)の財政支援を行う緊急支援法案を可決した。上院は同様の法案を
既に可決しており、オバマ大統領が署名して成立した。

 深刻化する地方の財政難が教員解雇などの形で教育現場に波及し
ており、11月の中間選挙を前にオバマ大統領は法案成立を支持率
回復のきっかけとしたい考えだ。だが、共和党は同法が労働組合の
要求に応じたもので、拡大する財政赤字をさらに悪化させるとして
批判している。

 州政府緊急支援法は、一時解雇された教職員を再雇用したり、解
雇計画を凍結するための100億ドルの雇用手当が柱。教育省は教
職員16万人分の雇用につながると推計している。
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米軍・国防総省の大リストラ案 5年で8兆円以上削減
2010年8月10日14時1分

 【ワシントン=村山祐介】ゲーツ米国防長官は9日、米軍変革の
ための計画立案などにあたってきた「統合戦力軍」を廃止すること
などを柱にした米軍・国防総省の大幅なリストラ案を発表した。ア
フガニスタン増派などで膨張が続く国防予算を、今後5年で1千億
ドル(約8兆6千億円)以上削減するための具体策として打ち出し
た。 

 アフガニスタンとイラクで二つの戦争を続ける米国の国防費はこ
の10年で倍増し、2011会計年度(10年10月〜11年9月
)の当初予算では7千億ドル(約60兆円)を超え、米国史上最悪
の財政赤字の大きな要因とされている。 

 ゲーツ氏は会見で、厳しい財政事情に触れ、「できるかぎり効率
化を図らなければ、国民に選ばれた議員が毎年の国防予算増額を承
認してくれることは期待できない」と説明した。 

 廃止対象に挙げられた統合戦力軍は、太平洋軍や中央軍などと同
様に、10ある統合軍の一つだが、特定の担当地域を持たず、予備
役の訓練や戦術の立案・評価などを担ってきた。現在は軍人と文民
、民間請負業者を合わせて約6千人が働いているが、ゲーツ氏は「
必ずしも独立の部隊である必要はない」と語り、今後半年から1年
の間に廃止する方針を示した。 
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7月米非農業雇用13万人減、政府部門が押し下げ−民間7万人増 

8月6日(ブルームバーグ):7月の米雇用統計は非農業部門の雇
用者数が国勢調査の終了に伴う解雇などが響いて予想以上に減少。
民間部門の雇用者も伸びが市場予想を下回った。 

米労働省が6日発表した雇用統計によると、 非農業部門雇用者数
(事業所調査、季節調整済み)は、前月比13万1000人減少した。6
月は22万1000人の減少と、速報の12万5000人減から下方修正された。 

  7月の民間部門雇用者数は7万1000人増で、ブルームバーグが
まとめた予想(9万人増)を下回った。前月は3万1000人増と、速
報値の8万3000人から下方修正された。 
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欧州債務問題、米・世界経済の妨げとなった=米大統領報道官
2010年 07月 31日 05:07 JST

 [ワシントン 30日 ロイター] 米ホワイトハウスは30日
、この日発表された第2・四半期国内総生産(GDP)の伸びが鈍
化したことについて、欧州債務危機を含む「向かい風」が背景にあ
る、との見方を示した。
 ギブズ米大統領報道官は大統領専用機上で記者団に対し「米国が
向かい風に直面したことに疑いはない」とし、「今年の晩春にギリ
シャや欧州で起きたことは、向かい風の大部分を成している」と語
った。

 第2・四半期米GDP速報値は年率換算で前期比2.4%増と、
第1・四半期の3.7%増から減速した。アナリスト予想の2.5
%増も下回った。
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欧州全域で市況好転−ソブリン債反発、CDS保証コストは低下
2010年 7月 28日 9:58 JST 
WSJ
 数カ月にわたる危機のあと、欧州全域で多くの市場指標が明るさ
をみせ始めている。リスクの比較的大きいソブリン債は反発、クレ
ジット・デフォルト・スワップ(CDS)でみた保証コストは2カ月
間で最低水準に落ち込み、ユーロ相場は対ドルで11週間ぶりの高値
となっている。  

政府債市場は緊張が緩和している。欧州中央銀行(ECB)がユー
ロ圏の政府債購入の緊急支援プログラムを撤回しつつあっても、で
ある。 

スペイン、ポルトガル、アイルランド、ギリシャのような高債務ユ
ーロ参加国の借入コストはドイツと比較して低下しており、債務繰
り延べが以前よりも容易になっている。例えば過去1週間、スペイン
債と、比較的安全なドイツ債とのスプレッド(利回り格差)は19%
縮小、ポルトガルとアイルランドの債券ではそれぞれ17%、15%縮
小した。 

欧州の金融市場を好転させているのは、最近公表された銀行のスト
レステスト(特別検査)や、とりわけユーロ圏周辺国による一連の
順調なソブリン債入札、さらに経済回復の兆しなどだ。 
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欧州金融機関:健全性審査 7行が資本不足 欧州危機、解消は疑問
2010/07/25 毎日
 欧州連合(EU)加盟国の金融監督機関で作る欧州銀行監督委員
会(CEBS)は23日、欧州20カ国の金融機関91行に対する
健全性審査(ストレステスト)の結果を発表した。「不合格(資本
不足)」は、経営不安が指摘されていたドイツ不動産金融のヒポ・
レアル・エステートなど7行にとどまり、欧州政策当局は「健全性
が証明された」と強調した。だが、市場では検査基準が「甘い」と
の声も多い。真価は、週明け以後の市場で試されることになる。
【清水憲司、ロンドン会川晴之】
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米失業保険延長法が成立=大統領、共和党への勝利強調
時事
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は22日、上院に続き下院で
可決された失業保険の給付期間延長法案に直ちに署名、同法が成立
した。給付延長措置は、財政悪化を理由に反対する野党共和党の審
議妨害に遭い、5月末から期限切れの状態が続いていた。大統領は
声明で「何週間もの野党の引き延ばし戦略の後、職探しに格闘する
米国民はついに支えを手にした」と勝利を強調した。

 下院は22日、前日に上院を通過した同法案を賛成272、反対
152の大差で可決した。給付延長による財政支出拡大に反対する
共和党は6月中旬から3週間連続で、上院の審議打ち切り動議を否
決。これに対し民主党は給付措置の失効で「250万人の生活の生
命線が失われた」(ペロシ下院議長)などと激しく批判してきた。
 最終的に穏健派の共和党議員との妥協が成立し、法案成立に至っ
たが、11月の中間選挙に向け雇用問題は最大の焦点とみられ、今
後も与野党間の攻防が激しさを増しそうだ。(2010/07/23-11:14)
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「米経済見通し、異例なほど不確か」 FRB議長が証言
2010年7月22日11時40分

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は21日、米
上院銀行委員会で証言した。議長は「米経済の見通しは異例なほど
不確かなままだ」とし、先行きの不透明さを強調。経済成長が緩や
かに進んでいるとの見方を示す一方で、必要があれば追加的な景気
刺激策を打ち出す用意があると改めて説明した。 
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21日に米金融改革法が成立 オバマ大統領が署名
2010.7.17 10:24

(ロイター) 米ホワイトハウスは16日、オバマ大統領が金融行
政を抜本的に見直す金融規制改革法案に21日に署名、同法を成立
させる予定だと発表した。

 金融危機の再発防止を目指す2300ページに及ぶ同法は、ウォ
ール街の巨大金融機関や金融市場を徹底監視し、独立機関を創設し
て消費者保護を強化するのが特徴だ。法案は15日に議会で可決、
大統領に送付された。

 法律成立後半年から1年程度をかけて、新組織を設立したりトッ
プの人選を行う。金融当局は具体的な規制・監督指針の策定などの
対応を急ピッチで進める方針だ。(共同)
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米上院民主党、140億ドルの政府予算削減を提案
2010年07月16日 15:05更新
IBtimes
 オバマ米大統領率いる米民主党上院は15日、今年10月から始まる
次年度の政府予算を140億ドル(約1兆2000億円)削減する提案を発表
した。これは米民主党下院による提案額70億ドルの2倍となる削減案
である。

 なお、米上院歳出委員会は15日、在沖縄海兵隊のグアム移転に関
する経費については、約1億700万ドルとする次年度軍事施設建設に
関する予算歳出法案を可決した。これはオバマ大統領が当初要求し
ていた額を75%削減した額となった。

 グアムへの海兵隊受け入れについては、米政府側はグアムのイン
フラ改善に対する日本の貢献の重要性に関して説明する書簡を送っ
ている。米軍普天間基地の移設についての不透明さが移転費への予
算割り当てを圧迫しているとみられる。
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年金改革法案を可決=融資継続へ前進―ギリシャ
2010年7月9日7時6分時事

 【パリ時事】ギリシャ議会は8日、年金制度改革関連法案を賛成
多数で可決した。年金改革は財政健全化に向け同国政府が取り組む
重要課題の一つとされ、法案可決によりユーロ圏諸国と国際通貨基
金(IMF)による融資継続へ大きく前進したと言える。 

 法案は女性の年金受給開始年齢を男性と同じ65歳に引き上げる
ほか、満額受給に必要な年金保険料の払込期間を延長。AFP通信
によれば、受給額は平均7%引き下げられる。  
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ECB、2011年まで出口戦略は実施せず─関係筋=MNI
2010年 07月 7日 05:10 JST

 [フランクフルト 6日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)
は2011年まで緊急支援策を引き揚げることはない。マーケット
・ニュース・インターナショナル(MNI)が6日、ユーロシステ
ムの複数の関係筋による発言として報じた。
 MNIによると、同関係筋のうち1人は、多くの銀行が依然とし
てECBの貸し出しに大きく依存している状態で、この依存度を徐
々に引き下げるための努力はなされていないと指摘。「こうした状
況は(緊急支援策を引き揚げる)出口戦略のタイミングに支障をき
たす」と述べた。そのうえで「ECBの決定を常時、見極め続ける
」としながらも「2011年より前に出口戦略が実施されることは
ないと予想している」と述べた。

 別の関係筋も、出口戦略は「2011年以前に実施されることは
ない」と予想。さらに、ECBは危機は完全には過ぎ去っていない
との考えを持っているため、必要ならば非伝統的措置を拡大させる
こともあり得ると指摘。「コマーシャルペーパー(CP)など、買
い入れの対象となる選択肢はすべて残っている」と述べた。
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6月の米ISM製造業景気指数は低下、半年ぶり低水準
2010年 07月 2日 05:39 JST

 [ワシントン/ニューヨーク 1日 ロイター] 米供給管理協
会(ISM)が1日発表した6月の製造業景気指数は56.2とな
り、前月の59.7から低下した。低下は2カ月連続で、6月の指
数は6カ月ぶりの低水準となった。
 ただ、景気を見極めるうえでの分岐点となる50は、11カ月連
続で上回っている。

 ロイターがまとめたエコノミスト72人の予想中央値は59.0
だった。

 雇用指数は57.8と、前月の59.8から悪化。新規受注指数
は58.5と、前月の65.7から低下した。
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中国6月のPMI、1.8ポイント低下
2010年7月2日16時7分

 中国物流購買連合会は1日、6月の製造業購買担当者指数(PMI
)が前月より1.8ポイント低下して52.1%となったことを明
らかにした。PMI指数が前月比を下回ったのは2カ月連続。中国
物流購買連合会の専属アナリスト、張立群氏は「PMI指数の低下
は中国経済の伸びが着実に鈍化していることを示しているかもしれ
ない。これは経済成長の安定性・持続可能性の向上につながる」と
の見方を示した。 
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TARPの銀行救済負担、景気回復で低減=米財務長官
2010年 06月 23日 04:35 JST

 [ワシントン 22日 ロイター] ガイトナー米財務長官は22
日、2007─08年の金融危機時に実施した銀行の救済コストは
、景気回復に伴い低減し続けていると述べた。

 同長官は米議会の不良資産救済プログラム(TARP)監視委員
会での証言で、TARPにより押し上げられると試算される財政赤
字は1050億ドルとなっており、政府の11年度予算案が公表さ
れた2月時点での試算よりも114億ドル少ないことを明らかにし
た。
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ECB総裁、財政規律順守に向けた厳格な措置の必要性訴え
2010年 06月 22日 09:50 JST

 [ブリュッセル/ロンドン 21日 ロイター] 欧州中央銀行
(ECB)のトリシェ総裁は21日、欧州議会に出席し、欧州各国
に財政規律を順守させるより厳格な措置が必要と主張し、そのため
の新たなシステムを提案した。

 提案は、各国が財政規律を順守するための奨励措置とともに、規
律を守れなかった場合に投票権を失う可能性や、独立機関による財
政監視など、制裁的な面の両方が盛り込まれている。

 トリシェ総裁は「第2次世界大戦後最悪の危機の経験を踏まえ、
安定・成長協定より大きく踏み込んだ枠組みに強化すべきだ」とし
「監視の枠組みを大幅に改善する必要がある。この機会を逸したら
激しく後悔する」と述べた。

 ECBの計画は、先週、ファンロンパイ欧州連合(EU)大統領
を座長とする財政問題の作業部会に提出されたが、いまのところほ
とんど支持を得ていない。17日のEU首脳会議は、より厳格な財
政規律の大枠ですでに合意しており、欧州委員会が具体的な提案を
6月30日に示す見通しとなっている。
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スペインの緊縮財政措置、正しい方向を向いている=IMF
2010年 06月 19日 01:40 JST

 [マドリード 18日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は
18日、スペイン政府が打ち出した財政赤字削減に向けた緊縮財政
措置は、正しい方向を向いているとの見解を示した。
 スペインのサパテロ首相はこの日、IMFのストロスカーン専務
理事と会談。これを受け、サパテロ首相は「改革が予定どおり強力
で十分な信頼をもたらすなら、政府支出の削減など緊縮財政措置は
景気回復には影響を及ぼさず、第1・四半期から続く成長は維持さ
れる」と述べた。
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ファニーメイとフレディマックが上場廃止
2010年 6月 17日 10:48 JST 
WSJ
 経営難にあえいでいる米政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住
宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマ
ック)の監督官庁、連邦住宅金融局(FHFA)は16日、ニューヨ
ーク証券取引所(NYSE)での上場を廃止するよう両社に命じた。 

 NYSEは前日、ファニーメイ株価は1ドルを下回り、NYSE
の上場基準を満たしていないと通告してきた。FHFAの広報担当
者は、この通告を受けてFHFAは自発的上場廃止を決めたと述べ
た。 

 FHFAは、株価浮揚策を取っても効果があるかどうか、またそ
れが政府や株主の利益になるかどうか確実ではないとして、株価浮
揚策を提示するよりも上場廃止の道を選んだとしている。 
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米ファニーメイの第2四半期、公的資金注入以来の小幅な赤字
2010年 08月 6日 13:26 JST
 [ワシントン 5日 ロイター] 連邦住宅抵当金庫(ファニー
メイ)が5日に発表した第2・四半期決算は、2年前に政府管理下
に入って以来の小幅な赤字となった。
 ただ、同社は政府に15億ドルの追加支援を求めた。今回の支援
要請が認められた場合、同社への公的資金の総額は860億ドルを
超える見通し。

 第2・四半期の純損失は31億ドル(1株当たり約0.55ドル
)で、第1・四半期の131億ドルから4分の1以下に縮小。
第1・四半期の政府支援要請額は84億ドルだった。

 第2・四半期の純損失には政府に対する配当支払い19億ドルが
含まれる。

 ファニーメイは声明で「住宅ローンの含み損でクレジット損失は
拡大する見通しだが、大半については十分な引き当てを行っている
」との見方を示した。
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米ファニーメイが84億ドルの追加支援要請、第1四半期は131億ドル
の損失
2010年 05月 11日 04:32 JST

 [ワシントン/ニューヨーク 10日 ロイター] 米連邦住宅
抵当金庫(ファニーメイ)FNM.Nは10日、第1・四半期に131億
ドルの損失を計上したとし、政府に対して84億ドルの追加支援を
求めた。
 今回の支援要請が認められた場合、同社への公的資金の総額は
846億ドルを超える見通し。

 ファニーメイは同社をめぐり「長期間の財政持続性に関する著し
い不透明性」があると警告したほか、住宅市場について引き続き弱
いと予想、デフォルト率やクレジット関連コストは高止まりすると
の見方を示した。

 第1・四半期の純損失には米財務省が保有するシニア優先株への
配当金15億ドルが含まれている。163億ドルの損失を計上した
前四半期と比べて赤字幅は縮小した。


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