3650.鈴木孝夫先生の「現代の肖像」



アエラの記事について
From得丸
                

アエラの記事、鈴木孝夫先生の「現代の肖像」拝読いたしました。
とても安定していて読みやすく、先生の凄さと、家族のクールな見
方と、ほどよくバランスがとれていて、面白かった。アエラにこの
記事が出たことで何かあたらしいことが広がるのかもしれないと思
うと、それも楽しみです。

感想になるのかどうかわかりませんが、思いついたことをひとつ。

結局、ヒトがコトバを通じて理解できることは、自分が予め言葉以
前の知識として知っていることだけである.
たとえば、「ことばと文化」を読んで、いくら面白い、面白いとい
っても、表面的な面白さを楽しむところで終わってしまう。

キリスト教国ではイヌの魂を認めないということ、イヌを虐待する
ことの意味がまるで違っているということを言葉の知識として知っ
たとしても、それが南極の犬の扱いの違い(犬を殺してこなかった
日本隊と、犬を全頭殺していったイギリス隊)に現れているという
こととはなかなか結びつかない。現実の次元に降りてこない。

そして、実は、この違いは、鈴木先生がおっしゃっておられたよう
に、車の右側通行と左側通行のような単なる方式・考え方の違いで
はなく、一神教の教えが根本的に間違っているという事実の指摘で
あるということ。

これは実に大変なことなのですが、いくら80万部売れても、この部
分に共鳴して、一神教に対して何かを語りかけたという人はそれほ
どいないのではないでしょうか。

だから、お孫さんが批判していたように、仮に鈴木先生が組織の長
になったとしても、鈴木先生の考えでみんなを導くことはできない
のではないでしょうか。みんな先生の言っておられることを理解で
きなくて離れていくのではないでしょうか。

鈴木先生ほどの学習意欲・好奇心と言語理解力がなければ、異文化
の微妙な思想の違い・過ちは理解できない。お孫さんは、水泳のコ
ーチとして水泳選手を育てることはできるけど、鈴木先生の到達し
た言語理解の地平に自らたどりつくこともできなければ、そこに誰
かを導くこともできないでしょう。

イエルネが、二流の人間が束になってかかっても、一流の人間には
かなわないと言ったそうだが、鈴木先生の次元で言語を理解するこ
と、ましてや鈴木先生がまだ理解できていないことが何かを理解し
て、それを先生にお尋ねしながら鈴木先生の新しい思想を伺うこと
は、もっともっと難しい。タカの会ではそういうことを目指したい
のですが、それにはどうすればよいのでしょうか。

タカの会で、我々はもっと悩み苦しみ勉強し、鈴木先生の知られざ
る部分を引き出す必要があるのではないか。

もっと鈴木先生にも悩んでもらって、新しい発見をしていただく必
要があるのではないだろうか。ああでもない、こうでもないと、先
生ご自身に悩んでいただき、先生がこれまで追い求めてきた言語学
を新たに一歩前進させる発見をしていただくことはできないだろう
か。

一神教の過ちによって、現代文明は滅びつつあるわけで、一刻も早
くその過ちから身心を脱落させる必要がある。

そういう方向にタカの会は流れないかなといったことを考えました。

お疲れさまでした。

とくまる
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得丸さん

メッセージありがとうございます。
書き終えて改めて思ったのは、鈴木先生はその特異な体験と語学の
才、物事を明晰に整理する才から、母文化を逸脱するポジションを
得られているということです。ボクらは、異文化があるということ
は理解できても、視点はあくまで母文化によっている。

言い換えれば、鈴木先生の天才性は、寄って立つ母文化からすら自
由になっている点にあると思います。別の見方をすれば、帰るべき
母港なき漂流者とも言えそうですが。

ただ、雁と違ってオルガナイザーでも工作者でもないから、一神教
が悪だとか、その先に新しい地平を獲得しようという言動にはなら
ない。あくまで我々にない、欠落している視点を提出しているとい
うことではないでしょうか。

ただ、雑談の中でアメリカという国家の侵略性謀略性について仰っ
ていられましたが、あの辺までもが今後の研究領域になってくると
、また鋭角で刺激的な研究成果が出てくるかもしれませんね。どう
でしょうか鬼塚さんとの対談とか。なはは。

いずれにしても、土曜日の研究会に間に合わなかったことは残念で
した。いろいろとご協力ありがとうございました。
神山典士『熱血ライター』http://the-bazaar.net
http://100-elibrary.com

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神山さん

> どうでしょうか鬼塚さんとの対談とか。なはは。

たしかにそういうのもありえますね。

太田龍亡き後、陰謀論の論者も減っていることでしょうし。

陰謀論に限らず、これまで鈴木先生が手がけてこなかった
分野で何か新しい活動が生まれると面白いですね。

とくまる


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