3063.大統領選挙に巻き込まれた金融危機



米国の金融危機がオバマとマケインの大統領選挙に巻き込まれて、
大変なことになっている。この検討。      Fより

世界的に、サブプライム問題が拡大している。英国証券会社コリン
ズは身売り交渉が決裂したと発表し、このため破綻しかねない状態
になっているし、オランダ・ベルギー大手銀フォルティスも株価急
落で自己資本増強策を検討している。

欧州だけではなく、オーストラリアでも政府が3500億円拠出し住宅
ローン証券の購入を進めると発表している。ニュージーランドも
4―6月期GDPが2四半期連続のマイナスになっている。これは
海外投資家の資金撤退が進み、国内経済は冷え込んでいるためであ
る。

このように、アイルランドやニュージーランドだけではなく新興国
からも資金が撤退して、今後世界の全体で経済成長が鈍化すると懸
念されている。

一方、米国では米貯蓄金融機関(S&L)最大手のワシントン・ミ
ューチュアルが25日経営破綻し、米銀行4位のワコビアが市場の次の
ターゲットになっている。このため、ワコビアは身売りの検討に入
ったと米メディアは報じた。

しかし、米国の証券化商品を買い取る金融安定化法案に対して、25
日夕、ブッシュ大統領と両党の大統領候補が顔をそろえて、大筋合
意する場となるはずだったが、なんと、その場でマケイン候補は公
的資金投入に反対する世論を背景にした共和党「納税者負担のない
プラン」を提案してきた。

詳細は26日夕方に開く、オバマ・マケインの公開討論会で議論さ
れることになっている。

「パールハーバー」のように国民が一致して乗り越えることになる
と見てウォーレン・バフェットは、ゴールドマンサックスに投資し
たが、もしかすると、無駄になる可能性が出てきた。金融安定化法
案ができると、在庫として抱える証券化商品が整理でき、生き返る
と見ていた。しかし、マケインの「納税者負担のないプラン」では
、買取がないため投下資金が損失処理に消えてしまう。

同じことが三菱UFJが投資するモルガン・スタンレーでも言える
ことで、このマケイン案が国民世論を形成すると、まだ投資は早か
ったことになる。保守主義者の小さな政府が根強くあるのだ。

そして、マケインが米国次期大統領になると、ドイツのシュタイン
ブリュック財務相が「世界は危機前とは一変するだろう。米国は世
界の金融システムにおける超大国の座を失い、世界の金融システム
は一段と多極化するだろう」と発言したが、このように確実になる。

金融恐慌が益々吹き荒れて、米英のほとんどの銀行が倒産して、米
国のドルは暴落していくことになる。このため、シティが発行した
サムライ債もデフォルトになる可能性が高い。マケインは戦争など
の異常事態を起こして、非常事態宣言を発して金融取引停止などの
異常手段をする必要になると見る。

有料版では、戦後の通貨の歴史を見て、考察を深めたい。どうか興
味がある方は、見てください。

さあ、どうなりますか??
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逆風強まるマケイン氏=金融対策関与が裏目−米

 【ワシントン26日時事】米共和党の大統領候補、マケイン上院
議員への逆風が強まっている。26日の候補者討論会をけってでも
金融安定化法案をまとめると意気込んで政府と与野党の協議に加わ
ったが、公的資金による救済という原案の柱を否定する代替案を示
したことで、逆に協議が迷走。民主党から「マケイン氏は妨害して
いる」と批判を浴び、巻き返しを狙った派手な立ち回りが裏目に出
た格好だ。

 「マケイン氏が協議の途中からしゃしゃり出てきて、暗礁に乗り
上げてしまった」−。民主党のフランク下院金融サービス委員長は
25日、マケイン氏の行動を「選挙戦術そのもの」と厳しく批判。
同党大統領候補のオバマ上院議員も「微妙な交渉に選挙戦を持ち込
むことは有益ではない」とけん制した。

 マケイン氏はABCテレビとのインタビューで「討論会に出られ
るよう、協議がまとまってほしい」と笑みを浮かべて語ったが、同
氏が本格的に参画する前は、協議は「大筋で合意」と伝えられてい
た。公的資金への依存を否定する同氏の提案は、ブッシュ政権の方
針やこれに理解を示す民主党に真っ向から挑戦する内容で、主導権
を握りたいとの思惑がちらつく。(2008/09/26-15:57)
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安定化法案の修正協議、米大統領選にらみ「金融攻防」
(nikkei)
 【ニューヨーク=丸谷浩史】米金融安定化法案の修正協議は、大
統領選をにらんだ「金融攻防」の様相を呈してきた。劣勢だった共
和党のマケイン候補は公的資金投入に反対する世論を背景に、「納
税者負担のないプラン」とされる同党の代替案に関与して勝負に出
た。超党派の合意へ動いた民主党のオバマ候補も世論に気を配る。
日替わりで両氏の攻守ところをかえる駆け引きは、市場の動向もか
らんで緊迫化してきた。

 「マケイン氏は何もしなかった。調整を妨害しただけだ」。25日
夕、ホワイトハウスでブッシュ大統領と両党の大統領候補が顔をそ
ろえた超党派会合の後、民主党のリード上院院内総務は不満をぶち
まけた。マケイン氏が提案した超党派会合は、両党幹部が大筋合意
した案を確認する場となるはずだった。(07:00) 
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世界の金融機関の損失、138兆円に サブプライム問題でIMF見
通し
(nikkei) 
 【ワシントン=米山雄介】国際通貨基金(IMF)のストロスカ
ーン専務理事は24日、サブプライム問題をきっかけに広がった金融
不安に関連し、世界の金融機関が被った損失の総額が1兆3000億ドル
(約138兆円)にのぼるとの見通しを明らかにした。ワシントンでの
講演で語った。
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英中堅証券のコリンズ、身売り交渉が決裂
(nikkei)
 英中堅証券のコリンズ・スチュワートは25日、8月から進めていた
身売り交渉が決裂したと発表した。同社は声明で「もはやどことも
交渉していない」と言明した。同社を巡ってはこれまで野村ホール
ディングスなどが有力な買い手候補と報じられていたが、野村は
このほど、経営破綻した米リーマン・ブラザーズのアジアや欧州な
どの主要事業を買収することで合意している。
(欧州総局)(12:33) 
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豪政府、3500億円拠出し住宅ローン証券購入 住宅市場テコ入れ
(nikkei) 
 【シドニー=高佐知宏】オーストラリアのスワン財務相は26日、
40億豪ドル(約3500億円)を拠出して豪州国内で発行された住宅ロ
ーン担保証券(RMBS)を購入すると発表した。購入先など詳細
は不明だが、財務相は「世界的な信用収縮で冷え込んだ豪住宅市場
を活性化させるため」と説明している。

 豪州のRMBS市場は1990年代に四半期ベースで約180億豪ドルま
で一時拡大したが、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプ
ライムローン)問題が表面化した2007年半ば以降は25億豪ドル程度
にまで縮小している。

 一方、豪準備銀行(中央銀行)は25日、豪金融機関について「米
住宅関連資産への関与は限られており、今後も高い収益性を維持す
る」との見解を発表した。 (23:40) 
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ニュージーランドの4―6月期GDP、2四半期連続マイナス 
(nikkei)
 【シドニー=高佐知宏】ニュージーランド統計局が26日発表した
4―6月期の国内総生産(GDP)は、前期比0.2%減(季節調整済み
)となり、10年ぶりに2四半期連続のマイナス成長となった。住宅価
格の下落を受け、建設部門が同3.8%減と大幅に落ち込んだほか、消
費冷え込みで小売部門も同1.9%減少した。 (19:01) 
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米シティのサムライ債販売、市場混乱で再説明
(nikkei)
 金融危機の余波を受け米シティグループの円建て外債(サムライ
債)を販売している証券会社が投資家への説明に追われている。販
売期間中に債券の価値が大きく変わった理由を説明する義務が生じ
たからだ。通常は購入時に価格変動の可能性などを説明すればよい
が、今回はリスクがあることを改めて念押しする珍しい事態となっ
た。

 シティ債は過去最大級となる3150億円のサムライ債。しかし投資
家は米金融機関の信用力に神経質になっており、シティが7月に発行
した既発サムライ債の利回りはリーマン破綻前の12日の年3.17%か
ら19日には4.32%まで急上昇した。

 今回のシティ債の発行条件は年3.22%。三菱東京UFJ銀行債
(3月発行)の1%を大幅に上回り、東京市場で流通している個人向
け債券の利回りとしては極めて高い水準にある。金融商品取引法に
関連するルールでは販売期間中に債券利回りが0.5%以上変わった
場合、リスクを再説明するよう求めており、シティ債を扱う日興コ
ーディアル証券や東海東京証券などは顧客へ説明を始めた。
(07:00) 
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金融再編、米地銀が焦点に ファンドも関心
(nikkei) 
 【ニューヨーク=松浦肇】知名度や資産規模など名実ともに「地
方銀行の顔」だった米貯蓄金融機関(S&L)最大手ワシントン・
ミューチュアル(ワシントン州)が経営破綻し、今後米金融界の再
編劇は証券会社から地銀が主役となる可能性が高い。 

 米連邦預金保険公社(FDIC)によると、資本や流動性が不足
し、経営の健全性の観点から「問題リスト」に入った金融機関は
2008年6月末時点で117行と前年から倍増、03年半ば以来の高水準に
達している。大手銀や企業買収ファンドが買い手として登場する見
通しだ。 

 1980年代のS&L危機では600行規模の金融機関が破綻したが、
今回の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題
に端を発した金融危機では、「破綻は300行規模となる」(マラソ
ン・アセット・マネジメント)との見方が出ている。 (15:42)
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米貯蓄金融最大手が経営破綻 JPモルガン、買収発表
(nikkei) 
 【ニューヨーク=松浦肇】米貯蓄金融機関(S&L)最大手のワ
シントン・ミューチュアル(ワシントン州)が25日、経営破綻し、
米大手銀JPモルガン・チェースが銀行業務と支店網を買収し、全
預金を引き継いだ。日本の預金保険機構にあたる米連邦預金保険公
社(FDIC)など金融当局が発表した。ワシントン・ミューチュ
アルは信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)を中
心に住宅ローンを拡大してきたが、財務内容が悪化していた。

 FDICによると、ワシントン・ミューチュアルの総資産は3070
億ドル(32兆5000億円)、預金量は1880億ドルで全米第6位の規模。
経営不安説の広まりから大量の預金が流出し、急速に資金繰りが悪
化。当局の判断で破綻処理に入り、同日買い手を決めた。証券会社
の破綻や身売りに発展した金融危機は、一般家庭が預金する銀行に
も波及する第二幕に入った。 


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