3017.ロシアの失地回復戦略



ロシア軍の行動が早く、準備していたと。  Fより

ロシアはグルシアのNATO加盟に対して、強く警告していた。
この警告をEUも米国も無視して、グルシアをNATOに加盟させ
る方向であったが、これで見直しが必要になった。ロシア軍の近代
化が予想以上で、ロシアの軍事力復権がプーチンによって成された
結果を、世界は見たことになる。

ロシアは国内原油の生産が限界にあり、後数年で尽きると言われて
いる。事実、ここ数年は生産量が年々落ちていた。このため、ロシ
アはパイプラインを持ち、原油はロシア圏内の国家から独占的に調
達しなければならない事態にある。

このロシア・パイプラインに対抗するのが、欧米諸国が推進するB
TCパイプラインであり、カスピ海油田からの石油輸出はロシア経
由と、BTCパイプラインの2系統あることになった。

しかし、これでは価格設定権をロシアが持てないことになり、利益
率が落ちることになる。ロシア国内石油の海外輸出売上げの80%
を税金で召し上げて、ロシアの財政は成り立っている。グルシアの
首都トリビシを通るBTCパイプラインの破壊ができたことで、ア
ゼルバイジャンは石油をBTCに流さないと決定した。ロシアの目
的の1つが達成された。これでロシア・メドベージェフ大統領は、
停戦に応じた。

しかし、プーチンは、メドベージェフ以上の次に目標を狙っている。
それは、ロシア圏を旧に戻すことである。これにはグルシアをロシ
アの同盟国にすることである。このためにはグルシア内部にロシア
の同調者が必要であり、このためにグルシアの第2の都市ゴリを攻
略し、占拠している。ここで同盟者を見つけるはず。そして、ロシ
アは第2の目的に向かうことになる。

この第2の目的を阻止できるのは、チェイニー副大統領ではないが、
軍事力を使った脅しを掛けないとプーチンは止まらないはず。

ブッシュはその脅しをまだしていないように感じる。グルシアを米
国が守れないと、この地域でドミノ倒しが起こることになる。ウク
ライナ親露派はクーデターを起こす危険性がある。プーチンはその
意味では領土拡大で強い印象のヒットラーに近い。

それを阻止できるのは、英国チャーチルのような強引な指導者でな
いとヒットラーを阻止できなかった。現在の平和志向の欧州指導者
ではできないように感じる。米国でも強引さを持つチェイニーやマ
ケインなどしかできないことである。これで、オバマの目はなくな
ったように感じる。強引さが出るために核戦争も辞さない事態まで
行く可能性がある。
その意味では、相当に心配な事態である。しかし、そのことをまだ
世界は認識してない。

米ロの世界的な勢力範囲確定競争が起きる。このため、ロシアが中
国を味方につけようとしていた行動もこの戦争準備の一環であった
のだ。米国も中国が味方になることを要請している。中国の取合い
であり、中国は非常に有利な位置にいる。
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US military surprised by speed, timing of Russia military action 
Aug 11 06:24 PM US/Eastern
ttp://www.breitbart.com/article.php?id=080811222408.40e5p19r&show_article=1 


The US military was surprised by the timing and swiftness 
of the Russian military's move into South Ossetia 
and is still trying to sort out what happened, a US defense 
official said Monday. 
Russian forces surged into the breakaway region last week 
after weeks of clashes, threats and warnings between Tblisi 
and Moscow which culminated August 6 in a two-day Georgian offensive 
into South Ossetia. 

That the two countries were on a collision course was no surprise 
to anyone, but the devastating Russian response was not expected, 
officials said. 

"We were tracking it earlier in that week and we knew 
that things were escalating," said a military official, 
who asked not to be identified. "I can tell you it moved quicker 
than we anticipated that first day." 

But how it unfolded is still unclear, clouded by conflicting claims 
from both sides. 

"I think a lot of what you're asking needs to be ironed out," 
said the official. 

"Some of these little issues are definitely still big questions 
in this event -- What was the intent? Who started it? 
Why did they start it? And why weren't they prepared to defend 
what they started?" 

President George W. Bush, who urged Moscow to cease fire 
and return to pre-August 6 positions, charged in a televised statement 
that Russia's intention appeared to be depose Georgia's democratically 
elected president. 

But the extent of the Russian operation remained unclear 
to US officials on Monday. 
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グルジア経由の石油輸送停止 アゼルバイジャン
(nikkei) 
 カスピ海の産油国アゼルバイジャンの国営石油会社(SOCAR
)は9日、グルジアの黒海沿岸の港を通じた石油と石油製品の輸出を
8日から停止したと発表した。ロシア軍による10日のグルジアの海上
封鎖を受け、ロシア経由の石油輸送への切り替えを検討しているも
よう。ロシアは今回の紛争を利用し地域のエネルギー輸送の主導権
回復も狙っているとの指摘もある。

 アゼルバイジャンは世界の原油生産量の約1%にあたる日量約87万
バレル(07年)の原油を産出しており、旧ソ連圏ではロシア、カザ
フスタンに次ぐ有力産油国。19世紀末に現在の首都バクーの沖合の
カスピ海で油田が発見され、欧米の石油会社が開発に参加、20世紀
初頭には世界最大の生産量を誇った。ソ連時代は油田の中心が西シ
ベリアに移り、バクー油田老朽化もあって、産油地帯としての地位
は低下した。ソ連邦崩壊後、英BPなど西側資本が再参入し、バク
ーのより沖合で未開発の油田を開発したことで産油量が回復。産油
国として復活しつつある。

(モスクワ=古川英治) (00:16) 
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ロシア大統領「作戦、大部分完了」 南オセチア情勢、首相は続行姿勢 
(nikkei)
 【モスクワ=坂井光】グルジアの南オセチア自治州を巡る同国と
の軍事衝突を受けてロシアのメドベージェフ大統領は11日、「南オ
セチアにおける平和回復のための軍事作戦は大部分が完了した」と
述べた。大統領は12日にも欧州連合(EU)議長国として調停に乗
り出しているフランスのサルコジ大統領とモスクワで会談する見通
しだ。主要7カ国(G7)も外相級が電話で協議するなど停戦に向け
た動きが本格化している。

 メドベージェフ大統領は「南オセチアの首都ツヒンバリはロシア
平和維持部隊の管理下に入った」と宣言した。ただプーチン首相は
「作戦は最後まで遂行する」と発言、南オセチア全域からグルジア
部隊が完全に撤退しない限り攻撃を続ける強い姿勢を見せた。

 一方、グルジアのサーカシビリ大統領は11日、調停役のクシュネ
ル仏外相ら立ち会いのもと停戦文書に調印した。同外相らは同日夜
グルジアからモスクワ入りし、ロシア側に文書を手渡す。仏ラジオ
局によるとサルコジ大統領は12日にも訪ロする予定で、この文書な
どをもとにメドベージェフ大統領に停戦を働きかける見通しだ。 
(21:52) 


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