トマト  露地黒マルチ栽培(一本仕立ての普通栽培、他に連続摘芯法等多くある。
      ( 基本的には連作不可。土壌病害の青枯れ病、萎凋病等発生)
        

 トマトは夏野菜の中では比較的低温に強いので、降霜限界一杯に早く植えるのが良い。(終了は遅く植えても
同じ時期になるので)
普通地帯では桜満開後1週後位の4月15日頃から。一番花開花位の苗が良い。。
トマトは一つの花(果)房を1段と呼び、普通の露地作りなら10段前後収穫できるので1果房に4個なれば単純
計算では1本で約40個取れる事になる。又トマトは他の夏野菜と違って頂上果でその下の葉の脇芽が伸びて
次の頂上に実をつけるのを繰り返し、結果一本の伸びた茎に何段かの実をつける形に見える。その証拠に昔
からその段の実を全て収穫すれば、その段から下の葉は全て取ってしまう。この葉を置いておいても、この葉で
作った養分はあまり上へ送らない。反対に特にカルシューム等を蓄積し上の実に悪影響を及ぼす.。通風も良くなる
ので取る。いろんな仕立て方があるが普通はこの一本仕立てで育てるが下段に特殊な摘芯栽培を紹介する。

 品種 大玉。サンロード、ホーム桃太郎他。 中玉。フルティカ,レッドオーレ ミニ。千果、アイコ他
 苗 普通は青枯れ病等の対策としてそれらに抵抗性のある台木を使った接ぎ木苗を使用する。
 元肥 バーク堆肥、7~10L、緩効性化成肥料150g。よーりん50g、苦土石灰130g(いずれも1㎡当たり)
 耕起等 露地黒マルチ栽培とする。普通地帯では4月15日位に植えるのでそれに合わせ2~3週位位前に上記元肥を入れ耕し,畦たてをし、定植1週くらい前に黒マルチを張っておく。支柱も立てておく。
 定植
 M型畦に2列植え、株間40~50cm。前日に植穴を開け、
アドマイヤー等アブラムシ効果の粒剤を混和しておく。
定植は午後2~3時頃。たっぷり灌水。倒れない様支柱に軽く結んでおく。
以後活着まで毎日灌水する。


伸び始めれば茎が倒れない様15cm間隔位で紐で支柱に結ぶ。
 
脇芽取り   葉1枚ごとに付け根から脇芽が出るのである程度の大きさで付け根からとる(余り早くとらない)
 トマトトーン  1段目の花が開花(1果房の内3~4花が開花)したらトマトトーン(着果促進ホルモン剤)を使用書に従い使用する。以後各段開花時に使用する。使用した方が着果率が上り早くなる。
アブラムシ等粒剤
追肥
定植時のアブラムシ対処の粒剤は3週余りで効果が落ちるので、その頃生育期に使用できる
アルバリン粒剤を施用する(使用法をよく読む))

定植一か月余りから大玉トマトは出来すぎるといろいろ障害が出るので少し控えめに追肥を始める。㎡に化成肥料20~30g場所を替え乍ら2~3週間隔でする。先端が太くねじれた状態の場合は肥料の効きすぎ。ミニトマトは少し効きすぎの方が良く成る。
尻腐病 対策 
大玉のみ
 トマトの先が(尻)黒く腐ったようになる。土が乾燥しすぎれば出やすくなる。これはカルシュームの移行が実の成長に合わせ間に合わず出る生理障害(実の長いトウガラシ類、白菜やレタスも出やすい)ミニや中玉は実が小さいので出にくい。
 対策として確実な効果は期待できないが、初めの実がピンポン玉位になったら消石灰(水酸化カルシューム、少し水に溶けるので)を7~10日間隔で1㎡当たり10gを追肥する(乾燥しすぎたら効かない)7月中下迄。
葉面散布剤もあるが余り期待できない。やはりお進めは元肥にロングショウカルの使用が良いと思う。(下段参照)
他に硝酸カルシューム肥料が販売されている
 
トマトがバランス良く育っている時2段目からは3枚の葉の次に花房がつくが、肥料が効きすぎると4~5枚の葉となり花房が遅れる。1段の花房に葉2枚で十分なので図のように実の下左右の葉2枚だけにし他は摘葉するとカルシュームの消費が減り尻腐病対策にもなる。
サビダニ注意  特にミニトマト生長が進み高温になって来るとサビダニが発生する事がある。茎が暗褐色になり葉裏に光沢が出て枯れだす。弱い虫だが繁殖力が早いので初期に殺虫剤を散布しておく。
 加里の追肥 
 トマトは肥大期にカリを多く吸収する。肥大期の6月中旬位から2週間隔で硫酸加里を㎡当たり20g位追肥する。不足すると実に異変が出たり糖度も下がる。普通窒素の倍量必要。
一つの症状として中位の葉先が黄変してきたら疑ってみる。
 終了  大玉トマトは普通地帯ではお盆頃になると高温の為に赤くならず着果も悪いのでそろそろ終了する

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 尻腐病 対策
ロングショウカル、スーパーロングショウカル
(被覆硝酸石灰)元肥使用。

 トマト尻腐病対策の一つにロングショウカル(成分量12-0-0-Ca23)140日タイプを使用する方法がある。
この肥料は表示どうり窒素12-燐酸0-加里0-Ca23と窒素とカルシュームだけの肥料です。
その為燐酸、加里は別に必要となります。又アンモニア態窒素はCaの吸収を抑制する為、このように影響の少ない硝酸態窒素にされていて共に140日間徐々に溶出する。その為追肥の必要もほとんどありません。
 大玉トマトに対する元肥使用量は(ここ数年の平均、1㎡当たり)
ロングショウカル200g、緩効性化成肥料70g、BMようりん60g、苦土石灰120g、けい酸加里200g
けい酸加里はトマトにカリは特に必要なのと全量元肥なので長期にわたり肥効の続くけい酸加里を使用。
ただロングショウカル、スーパーロングショウカルはネットでも売っているようですが価格が10k入り5000円前後と高い。
       

トマト連続摘芯栽培(千葉農事試験場 青木博士による

 表記にあるようにトマトは頂上果でこれが一つの単位でそれが積み重なった物ですがそれを利用した一つの栽培法です。トマト作りの中でこれを一部でも取り入れれば背丈を低くする事が出来品質も良くなるので取り入れてみたい。
 
 本来は第一果房からするが、ここですると実が地表に触れるので2番果からとしている。

捻枝は指で強く押さえて捻じるが難しい場合はプライヤー又はペンチで2~3か所枝をグチャと押し潰すと簡単に曲がる。本も刊行されている。

トマトの連続摘芯栽培  誠文堂新光社 2500円
 
 


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