西部警察を観る! PART1 76〜100話

話数 副題 内容・感想 監督/脚本 壊れた車(内爆破) 死者
76 灼熱の追跡 宮越登/宮下潤一・新井光
77 38時間の戦慄 長谷部安春/永原秀一
78 射殺 長谷部安春/新井光
79 婦人警官 小澤啓一/峯尾基三
80 闇に響く銃声 小澤啓一/柏原寛司
81 愛と炎のメロディ 渡辺拓也/新井光
82 ろくでなしの詩 渡辺拓也/大野武雄
83 西から来た刑事 澤田幸弘/永原秀一・平野靖司
84 危険な女 澤田幸弘/峯尾基三
85 男の償い

粗悪なヘロイン中毒によるショック死が多発していた。そのヘロインは、モグリの売人が安い値段で中毒者に売っていたものだった。捜査がうまく進まない中、西部署にヘロインを売った人を見たという女性・北村ケイコが現れる。彼女に犯人のモンタージュを作らせるが、その写真を見たジョーは、ジョーの高校の先輩(片山)に似ていることに気付く。実際にそのモンタージュから、片山の名が浮かぶ。
実は片山が粗悪ヘロインを売っているという告発は、ケイコのでっち上げであった。ジョーが西部署の捜査員だと(片山から聞かされて)知っていたケイコは、片山が行方不明でしかも犯罪を犯そうとしていることを告白。ジョー片山を探して欲しいと頼む。
厚生省の極秘の麻薬密売リストに、粗悪品を取り仕切る真犯人と、そしてそれとは別に片山の名があった。ジョーは驚きを隠せないまま、ケイコに真実を問いただす。
実はケイコの弟が、片山の売ったヘロインのせいで廃人と化していた。片山はそれに償うために売人から足を洗い、治療費を払うなど責任を取る。しかし入院費の支払いも底をつき、片山は粗悪ヘロインを買った真犯人の事務所に強盗を犯そうと目論んでいた。

●聞き込みの捜査風景に、モンタージュの写真をオーバーラップさせて、今なにを聞き込みしているかを明確に表現している。古典的ではあるが、映像的にはすっきりする。
●関東組の動きと、ジョーの動きをうまく平行して物語が展開する(平行モンタージュ)。そして別々であった2つの物語が徐々に1つに丁寧につなげられている。シナリオ的によく練られている。
●人を、全体像よりもアップが比較的多く採用されている。これによって人の微妙な表情の変化を見逃さないことに成功している。特に今回のような繊細な話では効果的に演出されている。
●今回は僕的には結構残酷な話に思われた。

宮越登/新井光 3(0) 2
86 決断12時 宮越登/柏原寛司
87 口を閉ざした少年 長谷部安春/大野武雄
88 バスジャック

バスジャックが発生。バスの中には、ライフルを持ち覆面をかぶった犯人が一人だけ。犯人が誰なのか、また動機も分からないまま捜査は難航する中、捜査課に共犯者からバスに爆弾を仕掛けているという脅迫電話がかかる。その爆弾は対気速度計を備え、バスが停止すると爆発する。犯人達の要求は総理大臣を出せという滅茶苦茶なものだった。
大門軍団をはじめとする西部署員が総勢でバスの追跡を行う。また一方でタニは、ダイナマイトの盗難の線から犯人像を追う。そしてバスの車内にはなんとアコがることが判明。
爆弾の起爆装置を作動させていないと睨んだ大門は、バスを無理矢理飛行場跡に止め、真の要求に応じようとする。実はこの犯人は、昔大門達が逮捕していた。その時の逆恨みによる犯行で、アコがバスに乗るのを狙った計画的なものであった。
大門アコ以外の人質の解放を要求。犯人狙撃の作戦を実行するためだ。そして犯人は要求に応じ、バスはアコを乗せ、再び走り出す……

●捜査課から始まらずに、ヒナさんのコーナーラウンジから物語が始まるのは意外。そして犯人の意図も分からず、謎のままに大事件へ展開する様が淡々としていてすごい。
●人質にドラえもんの歌を歌わせるシーンは、犯人の残忍さをうまく表現。また、そこから始まる犯人とアコのやりとりのきっかけとしても、非常に自然な流れでうまい。
●大門とアコの間で交わされる視線の演技、犯人のイカれた演技、また暴走するバスを追う大門の必死の形相など、秀逸な演技がとても際だって、緊張感みたいなものが、画面を通して伝わってくる。
●体を張ったアクションとすさまじいカーアクション。手に汗握る展開と、大門とアコの兄姉愛など、うまくドラマ性とアクション性を盛り込んだ、「西部警察」らしいドラマに出来上がっていた。
●パート1では、この回で石原裕次郎さんが病気のために一時降板する。今回の話でも、裕次郎さんのシーンではアフレコをするなど、苦肉の策が取られている。

長谷部安春/新井光 8(1) 3
89 もう一つの勲章 宮越登/新井光
90 天使の身代金 小澤啓一/和久田正明
91 鮮血のペンダント 小澤啓一/永原秀一・宮下潤一
92 幻の警視総監賞 渡辺拓也/峯尾基三
93 氷点下の激闘

ヘロインを隠していた容疑で捕まっていた兼坂長松は、検察庁へ護送される。大門軍団がその隠し場所を吐かせることができなかったからだ。一方、彼等を暴力団の銀竜会が狙っているという情報が入る。大門軍団は西部署で待ちかまえていた下っ端の組員を阻止することに成功するが、発車した護送車は銀竜会とは違う何者かによって襲われてしまう。
護送車襲撃に使われた銃は、軍事用の耐寒性の物であることが捜査によって判明。また銀竜会も血眼になって兼坂長松を追っていた。そんな中、真犯人から西部署捜査課に一本の電話がかかる。その電話の指示によって、殺された長松が発見される。真犯人が殺したのだ。
さらに真犯人からの電話がかかり、今度は兼坂を解放するという条件で5000万円を要求。金の受け渡しになぜかリキが使命される。
その後の捜査によって、犯人像に元防衛隊の野中という男の名が浮かんでくる。谷さんの執念の捜査によって、実はこの野中という名は婿入り後の性で、旧姓は兼坂であったことを突き止める。真犯人は兼坂の兄だったのだ。

●最初の、誰か分からない真犯人・兼坂兄の視点カメラがミステリアスな雰囲気を醸し出している。
●五反田駅での銃撃戦は、ゲリラ的な撮影がすごい! 特に、兼坂弟を銀竜会が襲い、更にそれを追う大門軍団のシーンを、上昇するエレベーターの視点から捉えている。非常に無機的な印象に残る演出だ。実はこの視点は真犯人である兼坂兄の視点であることが、後の兼坂兄が高層ビルの屋上にそれを観察するショットによって予想される。
●カタキを誓う兼坂兄のシーンで、暗室用赤ランプだけの照明で兼坂兄を捉えているのが、非常に不気味な印象を作っている。
●耐寒性の銃は、冷凍庫のシークエンスに繋げる伏線として機能している。更に最初の視点カメラのシークエンスも、冷凍庫の中の出来事であったことなので、こちらも伏線として重要なシークエンスであったといえる。

渡辺拓也/柏原寛司・日暮裕一 4(0) 13?
94 地下水道 宮越登/永原秀一・平野靖司
95 刑事(デカ)の夜明け 澤田幸弘/大野武雄
96 黒豹刑事リキ 澤田幸弘/新井光
97 第41雑居房 長谷部安春/永原秀一・宮下潤一
98 ショットガン・フォーメーション 長谷部安春/柏原寛司
99 二つの顔 渡辺拓也/峯尾基三
100 爆弾を抱く少女 渡辺拓也/那須真知子
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