川口天満宮 光が天神様に 空白線

川口天満宮  所在地:八幡市川口堀ノ内

あるとき、宇治に住む公卿が男山付近から現れた光が空を照らしたのを見て、その原因を調べていくと川口村に至った。この村の南東300メートルほどのところに池があり、夜中に池の中から光を発して天神六体の像を形づくった。
これを聞いた一条天皇は深く感銘を受けて大社創建の命を下し、長徳元年(995年)に社殿を建立した。この社殿が学問の神、菅原道真を祭神とする「川口天満宮」である。
記録によると、天保11年(1840年)社殿修造の際に発見された棟札には、文禄3年(1594年)4月16日に造営したと記載されていた。また、光を発したという「天神池」はすでになく、今は「天神崎」の地名だけが残っている。
川口村の地名は、村が奈良川(木津川)の口にあるため、この名が付されたと『男山考古録』は記している。天満宮のある川口堀ノ内は周囲を濠で囲み、敵の襲撃に備えるとともに、河川の氾濫や洪水を防ぐ役目も果たす環濠集落である。道も南北に抜ける中央の一本以外、迷路のように入り組み、中世の面影を残した集落となっている。


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