湯沢山茶久蓮寺
空白線
秀吉の洒落が寺号に

ゆだくさんちゃくれんじ
湯沢山茶久蓮寺 所在地:八幡市橋本

京阪橋本駅前にある西遊寺に「妙見宮旧常徳寺」の小さな碑が建っている。常徳寺は西遊寺の西隣にあった曹洞宗の禅寺である。

室町時代の末期、春庭によって開基された。春庭は将軍足利義尚(常徳院)に付き従う陣僧であった。これは代々、室町将軍家に伝わるしきたりで、出陣に際して陣中に僧侶を一人伴うこととされていて、彼らは陣僧と呼ばれていた。そのため、もとは「浄徳寺」であった寺名を「常徳寺」と改めた。

寺は、豊臣秀吉の帰依を受けて、下奈良に20石の寺領を賜ったという。ある日、秀吉が寺を訪れて茶を所望したところ、白湯を進上したので、「湯沢山茶久蓮寺(湯たくさん茶くれん寺)と言ったという。以来、それが寺号になったという伝説が残っている。

常徳寺は、もとは石清水八幡宮の麓にあった。その後、橋本に移されのだが、文化10年(1813年)正月に焼失してしまった。

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