円福寺の大根干し
円福寺地図 え ん ぷ く じ
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円福寺

所在地:八幡市八幡福録谷

 円福寺は筒井順慶が山崎の合戦の折り、戦況の有利な方に味方しようと日和見をしたといわれる洞が峠の北側にある。その洞が峠も、今は大阪と京都を結ぶ国道1号がまたぎ、騒音の渦中にある。円福寺は、その国道近くにあるにもかかわらず、一歩境内に足をいれると静寂の世界が広がっている。

3万坪の境内には、山門、本堂、禅堂、有栖川宮家旧御殿などが甊を連ねている。 寺は1783年(天明3年)、妙心寺の斯経和尚が八幡宮別当田中家から円福寺の寺号と達磨像を譲り受け、さらに同年、南山焼の祖、浅井周斎から幣原谷の土地の寄進を受けて、臨済宗最初の専門道場として建立された。今も多くの雲水が座禅弁道に精進しており、毎月街中を日供米托鉢に回る姿が見受けられる。

寺堂には、木造達磨大師座像(重要文化財)がある。法衣をまとった達磨が両手を腹の上に重ね、目を大きく見開き、唇を固く結んで前方を凝視している。これは、座禅を組んで瞑想三昧にふける姿であり、何事にも惑わされることのない虚心坦懐の境地と気迫が漂っている。達磨はその風貌だけでなく、内面性までも見事に表現している。

寺の最大行事は、毎年春と秋の万人講である。このとき、達磨を拝し赤膳の精進料理を食べると、開運、厄除け、中風除けのまじないになるといわれている。


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