木造天部形立像
天部形立像   伝 帝釈天像
 所在地 : 八幡市橋本中ノ町(西遊寺)

【時代等】平安

【文化財の種別】八幡市指定文化財
【文化財の指定】平成8年12月3日

 像高は148.0センチメートル。榧(かや)材一木造。彫眼、呉粉地彩色。
元は狩尾神社の境内東にあった帝釈天堂の本尊であったが、神仏分離令によって明治11年(1879)に西遊寺に移座された。
像は宝冠を被り、正面は三山冠とする。宝冠内部は髻を表わさず、窪めている。天冠台は紐一条を刻む。地髪部は正面まばら彫として左右に四束ずつ表わす。髪際中央に花弁状の花形を表わす。後頭部は髪筋を表わさず、素髪とする。耳は耳輪、耳殻のみを表わし、耳孔を含め、他を省略する。耳朶不貫。
また、本来、菩薩が用いるはずの天衣を両肩から垂下するなどのこれらの特徴は、一般的な天部形立像には見られない要素もあり、神像として造られたものと推察される。
顔は丸く張りがあり、太い首、量感のある体躯をもち、羯磨衣の褶の一部には翻波式の名残ともいえる衣文線が見られるところから平安時代中期の作と考えられている。

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